相場格言シリーズ No.3 「鯛の頭と尻尾は猫にくれてやれ」

この格言はいろいろなバリエーションがあります。「頭と尻尾はくれてやれ」というのもよく言われます。

 鯛(魚)を食べるときに、真ん中の身の部分が美味しい。頭と尻尾も食べられるがそれほど美味しくない。株の取引でもおなじで、最高値を追ったり(頭を食べようとしたり)最底値を待ったり(尻尾まで食べようとする)するのは避けて(あまり欲を出さずに)美味しい部分を食べるので満足するのが肝要だ。

 これは、いうほど簡単ではない。が、自分のそもそもの目論見にあったリターンが得られたら、そこで満足する、ということです。

(2022.2.1 Tuesday)

世界の動き 2022.2.1 Tuesday

N.Y. Times 電子版より もう2月ですね。梅が咲いています。

1.米、ウクライナ問題でロシアと対決
【記事要旨】
 米ロの対立は国連安全保障理事会でも。米は非難。ロシアは以下の反論。Russia objected to having the meeting at all, calling it “an attempt to mislead the international community” and an example of “megaphone diplomacy.”
【表現】
megaphone diplomacyとは聞きなれない言葉だが、意味は“Megaphone diplomacy” refers to making public statements regarding a matter of dispute, which means negotiations between countries or parties are held through social media posts (i.e., Twitter), press releases, and announcements, aiming to force the other party into adopting a desired position.
 日本語訳すると、「(メディアを利用した)メガホン外交」という感じですね。

2.鎖でつながれた女性の映像が中国で怒りをまき起こす
【記事要旨】
 中国版TikTokに掲示された鎖でつながれた女性の映像が中国内で怒りを起こしている。江蘇州の担当者の説明では女性は精神を病んでいるので鎖につながれていた。いまは直ったので繋がれていないとのこと。
 この説明も中国内で非難を巻き起こした。弱者、女性への虐待・ハラスメントは中国の大きな問題。
【感想】
 かかる非難が巻き起こるのは健全な民衆の感情があるということ。当然ながらこの映像は削除されたそうで、政府の検閲は健在。

3.ジョンソン首相、新たな非難に直面
【記事要旨】
  首相官邸は、職場での過度の飲酒習慣にむしばまれ、政府が集会を禁止ていた時期にパーティを開いていた、という報告がでた。
 官邸でのリーダーシップの不在に報告書は言及。警視庁は飲酒事案を調査中。
【感想】
 与党内部からも首相批判がでるのは英国の民主主義は健全な印象。

続報:Mausの図書館からの削除に関連する記事。人種、性、ハラスメントに関連するタイトルの図書は外す動きが全米で広がっている由。

(2022.2.1 Tuesday)

内部統制ことわざシリーズ No.2 「25のサンプル検査で10,000を知る」

本歌:「一を聞いて十を知る」

解題:サンプリングは、検査の対象全体(母集団)の全てを調べることなしに、その状態を把握する手法だ。我々の身近で良く見るのは「一流シェフのスープの味見」だ。大鍋で作ったスープをスプーンで一口すくうだけで出来栄えがわかるのだ。

内部統制の確認のためには「属性サンプリング」を使うが、内部統制の可否についての判断するためには、いくつサンプルを取れば良いのだろうか? 

「内部統制監査実施基準」では、以下のように説明されている。日常反復継続する取引について評価対象となる統制上の要点ごとに少なくとも 25 件のサンプルを取ることが例示されているが、こ のサンプル数は統計的サンプリングに基づいて、母集団に予想される逸脱(内部統制が遵守されないケース)がないと仮定したサンプル数であるため、通常、全社的な内部統制の評価が有効であることが前提になっている。

 つまり、皆さんの組織がしっかりした運営をしている場合は、母集団がいくつあっても(10,000であっても)、25件のサンプルを取れば良いというわけだ。内部統制をレビューする実務上は大変ありがたいルールになっているのだ。

結論:「25のサンプル検査で10,000を知る」

(2022.1.31 Monday)

世界の動き 2022.1.31 Monday

N.Y. Times 電子版より

1.米は露に剛球でのぞむ
【記事要旨】
 米国がロシアに示している最も厳しい制裁はロシアに深刻な打撃を与えるだろう。但し、ロシアはその強靭性を特徴にしており、強力な制裁は世界経済に甚大な影響をもたらす。
 ロシアは欧州への天然ガスの供給をストップする可能性をちらつかせている。米と独はそのような事態になればNord Stream2が前に進まないと警告している。フランスはロシアと交渉し欧州の安全保障体制を形成しようとしている。
【感想】
 ウクライナは、米はやりすぎだと依然として言っている。
 フランスは露仏協商の伝統がある。革命前のロシアの知識人の多くはパリに遊学した。アングロサクション諸国や二度の大戦で戦ったドイツよりも、ロシアにとっては話しやすい相手だと思われる。
 今後の事態の解決にフランスが活躍するかもしれない。

2.米国が支援するクルド人勢力が刑務所を奪回
【記事要旨】
 8日間続いた戦いは日曜に終了。米軍が巻き込まれた近時最大の戦闘だった。
【感想】
 シリアのクルド人支配地域に米軍700人が駐留してる。米国はこうした兵士の士気をどのように維持し高めているのだろうか。

3.中国のハイテクを使ったCOVID対策
【記事要旨】
 武漢で始まったCOVIDを、中国は14億大衆の習政権への支援を基にハイテク監視システムを駆使してコントロールしようとしている。
 コロナだけでなく、犯罪、汚染、反政府活動を広範に監視することは、習近平のいう「西側の混迷」に対抗するやり方として支持されている。
【感想】
 マスクをかけていても顔認識が出来る。街中の監視カメラで個人の行動が監視される。ここにはジョージ・オーウェルの世界がある。
 個人の健康管理がすごい。
 Individuals are assigned a health code — green, yellow or red — determined by location, travel history, test results and other health data. The code can be used to restrict movement, and it has been key to China’s zero-Covid goal. It’s also the foundation for increased surveillance.

その他:またispaceの記事が載っていました。期待しましょう。
 The Japanese company ispace is pushing ahead with plans to launch a private moon lander in 2022.

(2022.1.31 Monday)

相場格言シリーズ No.2 “As goes January, so goes the year.”

アメリカで一年間の株式相場の見通しを語る際に良く使われる格言だ。

 意味は、what happens on the financial markets in the first few weeks of the calendar year tends to set the tone for the rest of the year ahead. ということで、最初の数週間の株式市場の動きはその年の相場の動きを示している、ということだ。

 Investopiaというネット事典によれば、過去91回(つまり91年間で)の分析では、63回で、1月の動きが、その他の月の動きに比べ、年全体の動きを上手く示していたという。ご興味の有る方は、https://www.investopedia.com/january-barometer-4780193 を参照してください。

 もしこの格言が当てはまるとすると、今年の株価はボラティリティが高く、下落圧力が強くなりそうだ。

 因みに、この格言に相当する日本語の格言はない。敢えて言うと、As goes NYSE, so goes NIKKEI. ということだが、それでは格言になりませんな。

(2022.1.30 Sunday)