米国金融危機を再生論的に考察する

またまた、読者の方にお叱りを受けました。真面目に更新する努力をすることを改めて誓います。前回よりトーンダウンしています。

 さて、10月10日の米国株式市場は大幅に上昇したようですが、一日の動きに一喜一憂するのではなく、本質的に金融危機の状況を検証したいと思います。再生論的な分析手法です。

企業の業績が悪化し、最終的に倒産に陥るには以下の3つのステップがあるといわれます。

1.損益計算書(P/L)が悪化する 対策:収益が改善する努力をする

2.貸借対照表が(B/S)が棄損する 対策:棄損を防ぐ手段を取る

3.キャッシュフローが行き詰まる 対策:緊急的にキャッシュフローを改善する手段をとる。

 さて、今米国政府がとっている手段は、

・短期金融市場に無制限に資金を供給する(G7の中央銀行も同じ動きをすることを表明しています) (これは3への対策)

・銀行の不良資産を買い取る・さらには資金注入をする (これは2への対策。自己資本の棄損を防ぐ観点からは当然資金注入が効果的)

・時価会計の緩和 (これも2への対策)

・投資銀行の商業銀行化・金融機関監督の強化 (これも2への介入の強化)

とみると、1への手段がないことがわかります。

日本の金融危機の際は、ゼロ金利政策が金融機関を収益を改善する最大の要因でした。米国の金融危機に対しては、今後危機対策でどのくらい増発されるかわからないドル国債。それに伴うドルの崩落の危機。をどのようにすり抜けて、人為的な低金利状況をどれだけ維持してゆけるかが大きな課題になります。

以上