世界の動き 2025年8月1日 金曜日

今日の一言
「デミニミス」
デ・ミニミス(De minimis)が正しい。これは、「些細なことについて」という意味のラテン語の語句で、通常は「de minimis non curat praetor」(「プラエトル(法務官)は些事を顧みない」)、あるいは、「de minimis non curat lex」(「法律は些事を顧みない」)といった言い回しで用いられる。いずれも、ごく軽微な法律違反は実体法上の犯罪を構成しないとする可罰的違法性についての考え方に通じる表現である。(Wikipedia)
今問題になっているのは、中国香港からの少額輸入品に対する関税のデミニミスだ。
トランプ大統領は「デミニミス」を停止する大統領令に署名し、8月29日以降、従来は免税対象となっていた800ドル以下のすべての輸入品に関税が適用される。米国の消費者に商品を直接配送する小売業者に対して、新たな関税が課されることになる。中国系オンライン格安通販のSHEIN(シーイン)やTemu(テム)など、国外の割安小売業者にとって大きな痛手となる。
衣料品や雑貨を検索すると、アマゾン、楽天を差し置いてSHEINやTemuの商品が最初に日本でもヒットするご時世。米国の消費者は米中関税交渉が妥結した際には、トランプ関税の重みを身近に感じるようになるだろう。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.関税に関する5つのおすすめ記事
【記事要旨】
8月1日。トランプ大統領が世界各国に米国との貿易協定に同意するか、さもなければ莫大な関税に直面するかを迫る新たな期限だ。今後の展開は不透明だ。
一部の関税は(再び)一時停止される可能性がある。トランプ大統領は昨日、ソーシャルメディアでメキシコに90日間の猶予を与えると投稿した。一方、昨日時点では、インドへの関税率は25%と見込まれる。
トランプ大統領は、関税を利用してカナダにパレスチナ国家を承認させないように仕向けている。政権はタイとカンボジアは停戦に合意したと主張しているが現地では確信が持てていない。中国との交渉は依然として不透明だ。(そもそもこれらの関税が合法なのか?)
状況を把握するのは容易ではない。事態が落ち着くのを待つ間、全体像を理解するのに役立った5つの記事(と動画)をご紹介する。
1) 基本から学ぶ:関税はどのように機能するのか?そして、一体誰がその費用を負担するのか?(2月の記事)
2) トランプ大統領の関税政策の立役者たちについて学ぶ(全員が男性だ)。「ピーター・ナバロについて知っておくべきことが一つあるとすれば、それは昨年の今頃、彼が刑務所にいたということだ。」(4月の記事)
3) そもそもトランプ大統領にとって貿易「合意」とは何なのか?彼の政権は、この言葉を従来の意味では使っていない。(7月の記事)
4) 予期せぬ影響:中国は米国市場へのアクセスを失った今、安価な輸出品を世界中に氾濫させている。(6月の記事)
5) アメリカ人に限らず、多くの経済学者は、貿易戦争を自滅行為だと嘆いています。しかし、関税導入の是非に興味があれば、保守派経済学者オーレン・キャス氏とのインタビューを聞いてみてほしい。彼は、関税は米国の製造業の復活に本当に役立つと主張しています。(4月の記事より)
【コメント】
約束の8月1日が来た。韓国も15%でまとまったそうだ。巨額の投資コミットメントを含むのは日本・EUと同様だ。
「10%おまけしてあげるからお金をよこしなさい」という基本戦略は明白になった。
中印、カナダ、メキシコとはまとまっていない。
今日の株式市場の反応に注目したい。

2.トランプ大統領特使、ガザ訪問を計画
【記事要旨】
トランプ大統領のウィトコフ中東担当特使は昨日、エルサレムでネタニヤフ首相と会談した。数ヶ月ぶりのイスラエル訪問となった。ホワイトハウス報道官によると、ウィトコフ特使はガザ地区の支援物資配給所も視察し、パレスチナ人と会談し、食料や支援物資の供給計画を策定する予定だ。
特使の訪問は、ガザ地区の飢餓危機に対する怒りが高まり、イスラエルが国際社会から追放される危機に瀕している中で行われた。ガザ地区の食料価格は天文学的な高騰を見せている。砂糖の価格は、戦争前の1キログラムあたり89セントから、現在では約106ドルにまで上昇している。
【コメント】
日本では8月の終戦の日を思い出す季節が始まった。当時の日本の食糧危機以上の悲惨さがガザを覆っている。

3.米国が制裁をちらつかせた後、ロシアがキエフを攻撃
【記事要旨】
ロシアは昨日、ミサイルとドローンでキエフを爆撃し、20カ所以上を攻撃、少なくとも16人が死亡した。当局によると、この攻撃で150人以上が負傷した。攻撃は深夜頃に爆発物を搭載したドローンの群れがキエフに襲来したことから始まり、数時間後にはミサイルが発射された。
この攻撃は、トランプ大統領がプーチン大統領が10日以内に戦闘を終結させなければモスクワに新たな制裁を科すと警告した直後に行われた。ロシア当局はこの警告を否定している。
ロシアとウクライナに関するその他の情報:
・国民の反発を受け、ウクライナ議会は反汚職機関の権限回復を決議した。
・トランプ大統領は、ロシアのメドベージェフ前大統領とソーシャルメディア上で激しいやり取りを行った。
【コメント】
トランプ発言はロシアに完全に無視されている。メンツを無くしたトランプさん、さてどうする。

その他の記事
ミャンマー:軍事政権は、野党勢力がボイコットを計画している12月の選挙を前に、4年間続いた非常事態宣言を解除した。
米国:10代の頃にジェフリー・エプスタインから性的虐待を受けたと訴えた女性、バージニア・ジュフリーさんの家族は、トランプ大統領の最近の発言に憤慨した。
医療:FDAは、首の迷走神経を刺激することで関節リウマチを治療する新しいインプラントを承認した。

テクノロジー:Metaなどのシリコンバレーの巨大企業は、2億5000万ドル規模の契約でAI人材を採用している。

2025年8月1日 金曜日