株式市場の動き(週刊レポート)備忘録

1) 今週の相場像

米国株:ジャクソンホールでのパウエル議長の発言が「早期利下げ示唆」と受け止められ、金曜に主要3指数が大幅高・ダウは過去最高値で週末。週間では3指数とも上昇で着地。
日本株:週後半に持ち直しつつも、Nikkei 225は週間で下落。TOPIXは小幅安。

為替・金利:USD/JPYは週末に147円近辺へ急低下(ドル安・円高)。米10年金利は低下(4.2%台へ)。背景は「9月利下げ観測の強化」。

2) 主要指標:今週の動き
米国
ダウ平均:金曜+約1.9%、史上最高値で引け。週間でも上昇。終値45,631.74
S&P 500:金曜+約1.5%、週間で上昇。終値6466.91
NASDAQ:金曜+約1.8%、週間で上昇。終値21,496.53

日本
日経平均:週間で約2%下落 終値42,633.29
TOPIX:週間で小幅安(約▲0.2%)。終値3100.87

為替・金利
USD/JPY:週末146.9円近辺(日中で146.6〜148.8)。週末にかけてドル安・円高。
米10年金利:低下(パウエル発言後に4.27%近辺へ)。
日本国債
 10年物国債利回り:約1.61%(前日比 +0.01%)
 20年物国債利回り:約2.65%(前日比 +0.02%)
  30年物国債利回り:約3.20% いずれも過去最高水準

3) 今週の主な出来事と相場への影響
ジャクソンホール:パウエル議長が「利下げの必要性あり得るが慎重に進める」と発言。株高・金利低下・ドル安の「リスクオン+金融条件緩和方向」の反応。9月利下げ観測は~85–90%へ上昇。
米企業ニュース:一部将来業績のソフトガイダンス(例:Intuit)があったが、金曜の政策期待でテックを含む広範に買い直し。
日本では:今週は外部金利動向・為替の影響が優勢。円高方向が進んだ分、輸出株の重しに。JGB長期金利は7月以降高止まり観測も、今週は米金利低下が緩和要因。

4) 来週の見通し(イベントカレンダー&相場観)
イベント(米国)
7月PCEデフレーター(個人消費支出):8/29(金)発表。コアPCEも同時。利下げの最終確認材料。
米GDP 2Q改定値:8/28(木)。成長の持続性を再点検。
企業決算:NVIDIAほか小売(Best Buy、Bath & Body Works、Urban Outfittersなど)。AIサイクルの体温と米個人消費の強さを測る週。
イベント(日本)
東京都区部CPI(8/30土 日本時間):全国CPIの先行指標として注目。円・JGB・バリュエーションに影響。

ベースシナリオ
金利低下+利下げ観測が続く限り、米ハイベータ(テック・半導体)主導の戻り、ディフェンシブにも資金回帰が入りやすい。一方で、PCEが強めなら利下げ期待が剥落し、**リバーサル(株安・金利上昇・ドル高)**に注意。

5) 注目セクター/銘柄(来週)
米国:AI/半導体(NVIDIA 等)—決算・見通し・在庫/供給コメントが指数ドライバー。周辺のサプライチェーン(設計IP、EDA、HBM、後工程)にも波及
米国:小売(Best Buy、Bath & Body Works、Urban Outfitters)—PCE前の消費実勢の温度感。

日本:自動車・機械など輸出株—円高進行が逆風。一方で金利低下→バリュエーション下支えの綱引き。
日本:銀行—JGB長期金利のトレンド次第。来週、米金利低下が続くならスティープナー剥落→銀行株の一服に注意。

6) プライベートエクイティ(PE)/プライベートクレジット(PC)の動き
PEのマクロトーン:H1はエグジット難でディールは控えめ、セカンダリー市場が活況(年初来〜H1で記録的水準)。大手の大型セカンダリーファンド組成も継続。
直近トピック:Five Point支援のWaterBridgeがIPO申請—秋のIPOウィンドウ再開期待を示唆。

規制の目:米FTCがヘルスケア領域のPE案件に厳格姿勢—ヘルスケアM&Aのクローズ確度・期間に注意。
地域動向:中国のPEセカンダリー取引が急増(H1で件数・金額ともに過去最高)。
プライベートクレジット:バリュエーションの透明性に対する投資家の警戒感が指摘される一方、アセットとしての資金流入・拡大期待は継続。

2025年8月23日 土曜日

世界の動き 2025年8月22日 金曜日

今日の一言
「県岐阜商野球部とジム・アボット」
 岐阜商は準決勝で敗退した。準々決勝では優勝候補の横浜を接戦で退けた。あの試合では審判の誤審で救われた横浜を最後は突き放すことが出来て、良かった。
 スターティングメンバー20人中19人が岐阜県出身だそうで、(横浜は6人に過ぎない)好感が持てた。
 生まれつき左手に指がない横山温大選手の活躍は、右手の手のひらから先が無いが、大リーグで活躍したジム・アボットを髣髴とさせた。グローブを素早く持ち替えるアボット・スイッチを思い出す人が多いだろう。
 ニューヨークに住んでいたころ、ヤンキースにエンジェルスから移籍してきたばかりだった彼が、1993年9月4日にクリーブランド・インディアンス戦でノーヒットノーランを達成したゲームをスタジアムで見た。胸が熱くなった。
 アボットの言葉から、
 「自分が障害者だとは思ったことはない。子供の時自分に野球を教えようとして庭に連れ出した父こそ勇気のある人間だ。」また「少年期の頃に試合で相手チームが全員バントをしてきた事があり、それをきっかけに守備を努力しようと思うようになり自信がついた。」
 岐阜商野球部のメンバーも、今後の人生を頑張ってもらいたい。

ニューヨークタイムズ電子版より(今日は2つ)
1.欧州と米国、貿易協定を強化
【記事要旨】
 EUと米国は先月、関税協定を発表し、貿易戦争から離脱した。単なる握手による合意の後、数週間にわたり交渉担当者は詳細を詰め、昨日、詳細を発表した。
 協定の骨組みは変更されておらず、米国はEUからのほとんどの製品に15%の関税を課す。これには、欧州から米国への最大の輸出品である医薬品も含まれる。医薬品は、米国が外国製医薬品への関税を最終決定した後も、15%の税率を維持する。
 自動車の場合はより複雑である。新たに具体化された詳細によると、EUが多くの米国製品に対する関税を引き下げる法案を提出するまで、欧州車に対する米国の高関税は維持される。欧州の自動車メーカーは、米国の現行関税率27.5%の下で苦戦を強いられている。
 Timesのブリュッセル支局長は、欧州当局は共同声明で示された条件に対し、「かすかな安堵感を抱いている。合意内容は基本的に予想通りであり、明文化されたことで、EU域内の企業は状況が再び大きく揺らぐことはないという確信をある程度得られるからだ」と語った。
 トランプ大統領の関税は、大西洋横断貿易に様々な形で影響を及ぼすだろう。例えばチーズを例に挙げてみよう。
 受賞歴のあるスティルトンチーズを生産するイギリスの農場は、このチーズは本当に特別で、世界中のどこでも作れないと言う。
 農場のオーナーたちは、関税によるコスト上昇にもかかわらず、米国での事業拡大を目指している。英国と米国の間で別途締結された貿易協定に基づき、スティルトンチーズの輸出には現行の関税に加えて10%の関税が課せられ、合計で23~27%の関税がかかる。
 これは、貿易政策が私たちがどこで何を買えるかをいかに大きく変えようとしているかを示す一例に過ぎない。
関税に関するその他のニュース:
・関税により、一部のアメリカの中小企業は「生き残りモード」に追い込まれている。
・トランプ大統領が来週、インドに50%の関税を課すと脅しているが、これはサービス貿易を完全に除外している。
【コメント】
 スティルトン (Stilton) は、イギリス(イングランド)原産のチーズの一つ。アオカビで熟成されるブルーチーズタイプのもの(ブルー・スティルトン)がよく知られており、単に「スティルトン」といえば通常ブルー・スティルトンを指す。フランス原産のロックフォール、イタリア原産のゴルゴンゾーラとともに「三大ブルーチーズ」として並び称されている。(Wikipedia)

2.ウクライナ、戦死者数千人の身元確認作業に着手
【記事要旨】
 6月以降、ウクライナ南部オデッサ州の鉄道駅は、ロシアとの遺体交換の一環として、6,000体の兵士の遺体を受け入れてきた。鑑識チームは、兵士一人ひとりの身元を確認し、遺族に返還することを目指している。
 この大量の遺体輸送は、ロシアとウクライナの間で3回行われた停戦交渉の数少ない成果の一つだ。これらの遺体は、3年以上続いた戦争でウクライナ国内で行方不明となった7万人以上の人々のほんの一部に過ぎない。
 ウクライナ空軍によると、トランプ大統領がホワイトハウスで戦争終結に向けた協議を主催した直後、ロシアはウクライナの都市に向けて約600機のドローンと40発のミサイルを発射した。
 ホワイトハウスは大胆な主張をしているものの、和平への突破口は見えていない。
【コメント】
 「ウクライナ戦争における死者数は、ロシア側、ウクライナ側ともに公式発表が少ないため、正確な数字は不明です。しかし、様々な情報源からの推計によると、ロシア軍の死者数は数万人から25万人程度、ウクライナ軍の死者数は数万人規模とされています。」AI回答
 血なまぐさい地上戦が3年半続いて「産み出した」のが「死者」とは。何たる言語矛盾だろう。

その他の記事
米国
・移民:新たな調査によると、数十年ぶりに米国を出国する移民が米国に入国する移民を上回っている。トランプ政権下での国外追放件数が過去最高を記録している。
・トランプ:ニューヨークの控訴裁判所は、大統領に対する5億ドルの罰金を棄却しましたが、不正行為の有罪判決は維持しました。
・政治:テキサス州とカリフォルニア州の議員は、来年の下院選挙の結果を左右する可能性のある選挙区の区割り変更に着手しました。

その他の地域
・ガザ:イスラエル当局は、地上部隊がガザ市のある地区で作戦を展開していると述べましたが、軍がより広範な攻撃を開始する時期は依然として不明です。
・ノルドストリーム:2022年にロシアとドイツを結ぶ2本のガスパイプラインを海底爆破したとみられるウクライナ人の男がイタリアで逮捕されました。
・レアアース:米国は、ブラジルに豊富に埋蔵されているレアアースの採掘に関する提携を模索していました。そして関税が課された。

・日本:沖縄沖に停泊中の米海軍艦艇で火災が発生し、約12時間燃え続け、乗組員2名が負傷した後、鎮火した。
・スパイ活動:米海軍水兵の魏金超(ジンチャオ・ウェイ)は、機密情報取扱資格を悪用し、米軍艦艇の能力に関する情報を中国に売却した罪で有罪判決を受けた。

2025年8月22日 金曜日

世界の動き 2025年8月21日 木曜日

今日の一言
「ニュース報道」
現在(5:50AM) 28℃、昨夜も熱帯夜だった。
TVのニュースは天候がトップ。日本全国が真っ赤に塗られた地図がすっかりおなじみになった。熱中症警戒アラートが出たので、冷房をかけろ水を飲めとうるさく呼びかける。加えて、線状降水帯の発生や渇水報道で、ニュースの冒頭の5分は費やされる。
そして、ウクライナの停戦で5分。すっかり落ち着いた日本の政局関係が3分。高校野球が5分。大リーグが3分。あとはくだらないCMだ。
毎日こんな報道の繰り返しだ。頭が熱帯夜になりそうだ。うーん。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.イスラエル、ガザ市への攻撃準備
【記事要旨】
イスラエル当局は昨日、軍がガザ市制圧計画を進めていると発表した。約2年に及ぶ戦争の後もなお、ガザ市とその周辺地域は依然としてハマスの拠点となっていると、当局者は述べた。
イスラエル軍当局者は、部隊がガザ市郊外に到達し、作戦開始後に避難民となる人々のためにテントをガザ南部に移動させていると述べた。
計画では、部隊が市を包囲し、住民が検問所を通過して南下し、武装勢力を捕捉した後、強制的にガザ市へ進攻する。ガザ市に派遣された部隊の補充として約6万人の予備役が招集され、2万人の任務は延長される。
この準備は、ネタニヤフ首相が、ハマスが合意した、人質の一部解放を保証する停戦案を検討したことから始まった。
イスラエルでは、人質の家族はハマスによる攻撃への報復として殺害されるのではないかと懸念しており、極右派の政治家たちはネタニヤフ首相が停戦合意を受け入れれば政権を辞任すると警告している。
ガザ市では、数千人が同地区の中央部または南部への移住を検討した。しかし、同市の住民の多くは既に何度も移住しており、中には二度と移住しないと述べる者もいる。
関連記事:イスラエルはシリアとの死傷者を伴う衝突の後、シリアとの直接交渉を開始し、トランプ大統領はネタニヤフ首相と自身を戦争の英雄と称した。
【コメント】
ネタニヤフはどうすればよいのだろうか。真面目に考える。
交渉の「二段構え」戦略がよさそうだ。
第一段階:人質解放を最優先
・カタール、エジプト、米国など仲介者を通じ、人質解放を条件とした「限定的停戦」を模索。
・「人質が解放されるまでの間の一時的停戦」であれば、右派も完全な裏切りとまでは言えない形にする。
第二段階:軍事・政治的選択肢を確保
・停戦後も「軍事行動再開の権利」を保持することを公言し、右派の支持基盤をつなぎ止める。
といったところだろうか。

2.ロシア、ウクライナ領土の奪取に躍起
【記事要旨】
トランプ大統領がウクライナとロシアに和平を迫る中、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、可能な限り多くの領土を奪取しようと躍起になっている。ウクライナ軍司令官は、この戦術はウクライナを弱い立場から交渉に臨ませる可能性があると述べた。
ロシアは、発見されにくい小規模な徒歩部隊を派遣している。彼らはウクライナ軍の目をすり抜け、再集結して攻撃し、そしてこのサイクルを繰り返しながら徐々に前進している。戦闘が依然として激しいウクライナ東部ポクロフスク近郊からの報告だ。
外交:ロシアのラブロフ外相は昨日、ロシアはウクライナに対する将来のいかなる安全保障にも参加することを主張すると述べたが、欧州とウクライナの当局者はこの条件を不合理だと見ている。これは、ロシアによる侵攻終結の可能性をめぐる交渉において、依然として大きな隔たりが残っていることを示すものだ。
【コメント】
欧州は「ロシアを敵とみなす」安全保障を、ロシアは「自身を含めた」安全保障を、考えているようだ。トランプはロシア案を吞んでいるのだろうから、出発点が定まらない。

3.習近平国家主席、異例のチベット訪問
【記事要旨】
中国の指導者である習近平国家主席は昨日、チベットの首都ラサを訪問した。2021年以来となるチベットの首都ラサへの訪問である。今回の訪問は、90歳になるダライ・ラマの崩御後、後継者争いが勃発する可能性を懸念し、中国指導部が権力の強化を企図していることを反映している。
習近平国家主席は演説で、「宗教問題」の規制強化と「チベット仏教を社会主義社会に適応させる」よう訴えた。
その他の中国ニュース:
・香港政府は、民主化運動を鎮圧した後、「ソフトな抵抗」と呼ぶ、より微妙な不満の表明に狙いを定めている。
・習近平国家主席による政治・軍事指導者の秘密裏の粛清は、毛沢東やスターリンを彷彿とさせると、本紙のコラムニストは指摘する。
【コメント】
習近平主席の動きはいつも大局をとらえているように見える。のどに刺さったダライラマの亡命政権を無力化する動きだ。

その他の記事
アフガニスタン:イラン国境のヘラート州でバス事故が発生し、70人以上のアフガニスタン人が死亡した。
米国:トランプ大統領は連邦準備制度理事会(FRB)理事の辞任を要求し、中央銀行改革に向けた取り組みを激化させた。
宇宙:天文学者たちが天王星を周回する新しい衛星を発見し、天王星の衛星の数は29個になった。

教育:米国政府による学生ビザの審査とトランプ大統領の入国禁止令により、今後数週間は多くの留学生が米国の大学に入学できないことになる。
ジョージア:この国は西側諸国から逃げ出し、ロシアへと逆戻りしている。一体何が起きたのだろうか?

ゆがんだ地図
私たちの多くは学校でメルカトル図法を使って世界地理を学びました。しかし、ドイツの地図製作者によって作られたこの何世紀も前の地図は、現実を歪めています。ヨーロッパとアフリカを同じ大きさに見せていますが、実際にはアフリカは3倍の広さです。
セネガルのダカールにいるTimesの同僚のサイコウ・ジャメは言います。「なぜ私たちはいまだに、ヨーロッパを主要に描き、南半球の国々を過小評価している16世紀の地図を子供たちに教えているのでしょうか?」
サイコウは、アフリカの指導者たちがメルカトル図法をより正確な「イコール・アース図法」に置き換えるよう動いていることを取材しました。

2025年8月21日 木曜日

世界の動き 2025年8月20日 水曜日

今日の言葉
「戦争に関する頻出語句」ウクライナ戦争ですっかり
おなじみになった言葉だ。
日本語  英語
軍事侵攻 Military invasion
軍事攻撃 Military attack
紛争・危機 Conflict / Crisis
戦争   War
停戦 Ceasefire
停戦協議 Ceasefire talks
制裁 Sanctions
難民 Refugee(s)
同盟国 Allies
爆撃 Bombing
標的 Target
陥落   Fall
そして、最後に
平和  Peace

ニューヨークタイムズ電子版より
1.首脳らはウクライナ和平への道筋を模索
【記事要旨】
トランプ大統領は昨日、ウクライナに米軍を派遣しないと表明し、ホワイトハウス報道官はロシアのプーチン大統領がウクライナのゼレンスキー大統領と会談することで合意したと述べた。しかし、ロシア側は会談を認めていない。
ホワイトハウスでの会合でウクライナ戦争終結に向けた具体的な進展を示す公的な兆候がほとんど見られなかった翌日、欧州各国首脳らは会談を行った。
最新情報と外交努力の方向性について見てみよう。
軍事支援:ゼレンスキー大統領は、ウクライナが切実に必要としている防空システムや戦闘機を含む、米国から900億ドル相当の兵器を受け取ると述べた。ウクライナの費用負担方法は依然として不明である。費用の大部分は欧州諸国とNATO加盟国が負担する可能性が高い。
安全保障:ホワイトハウスでの会合はウクライナの安全保障に関する正式な合意に至らず、欧州各国首脳は昨日、具体的な合意内容の詰めに奔走した。トランプ大統領は、ウクライナに地上部隊を派遣することはないが、航空支援など他の方法で支援できると述べた。英国のキア・スターマー首相は、数百人から数万人規模の国際部隊をウクライナに駐留させるよう求めた。トランプ大統領は、ロシアが欧州軍の派遣を受け入れる可能性を示唆したが、ロシアはこの提案を拒否している。
成功:ゼレンスキー氏をはじめとする欧州各国の首脳は、トランプ大統領との協力の仕方を学んだ。今年初めのホワイトハウス訪問では、ゼレンスキー氏は叱責され退去を求められたが、今回は、温かい歓迎を受け、米国への武器売却の約束や、プーチン大統領との直接会談実現に向けた更なる努力の約束を受けた。
ロシアは今夜も、数百機のドローンとミサイルでウクライナを爆撃した。
【コメント】
トランプの発言はいつも信憑性が薄い。これは悪意や無知によるものではなく、生来の不動産ブローカーとしての習性だ。
交渉がまとまるまでは自分に有利な情報を信じ込み、参加者にはこんなに素晴らしいディールは無いと説明し、うまくいかなければあいつらはバカschmack
だと言って席を蹴ればよいのだ。

2.ネタニヤフ首相、ガザ停戦案をめぐり圧力にさらされる
【記事要旨】
イスラエル与党連合の一部極右メンバーはハマスとの人質取引案を否定したが、ベンヤミン・ネタニヤフ首相はまだ立場を明らかにしていない。
この取引は、ガザに拘束されている残りの人質の一部を解放し、パレスチナ人捕虜と引き換えるものだ。停戦が成立すれば、ネタニヤフ首相のガザ侵攻計画は事実上阻止されることになる。
関連:イスラエルは、ガザからのパレスチナ人の大量受け入れについて南スーダンと協議を行っている。
【コメント】
南スーダンは、内戦や政情不安、深刻な洪水の影響で、国内避難民や難民が多数発生し、食糧不足や基礎サービスの欠如など、厳しい状況に置かれています。国内では治安も悪化しており、外務省は全域に退避勧告を発出しています。(外務省)
スーダンはエジプトの南、南スーダンはそのまた南の内陸国だ。

3.インドネシアの熱帯雨林がアメリカのRV車製造のために伐採されている
【記事要旨】
アメリカで人気が高まっているRV車(キャンピングカー)は、重要な輸入品であるラワンと呼ばれるインドネシア産の木材を主原料とする合板に依存している。
RVメーカーは、軽量で耐湿性があり、柔軟性に優れたラワンを、キャビネットや内壁などの部材に欠かせないものとしている。しかし、環境保護団体は、この業界のラワン需要がボルネオ島の森林破壊を加速させていると指摘している。ボルネオでは過去5年間で熱帯雨林が伐採されている。
【コメント】
トヨタのランドクルーザーにも使われているのだろうか。

その他の記事
パキスタン:6月下旬にモンスーンシーズンが始まって以来、少なくとも660人が雨に関連した事故で死亡している。
ロシア:ある研究機関の報告書によると、モスクワは重要インフラへの攻撃によってヨーロッパの不安定化を狙っていたとのことです。
健康:蚊媒介性ウイルスであるチクングニア熱は、中国を含む新たな地域に急速に広がっており、中国では初めて感染者が確認されています。

欧州:米国当局者は、新たな貿易協定の下では、EUからのアルコールは米国の関税対象から除外されない可能性が高いと述べました。

2025年8月20日 水曜日

世界の動き 2025年8月19日 火曜日

今日の一言
「ジャクソンホール会議」
 米国のカンザスシティー連邦準備銀行がワイオミング州のジャクソンホールで毎年夏に開く金融・経済シンポジウム。 米連邦準備制度理事会(FRB)議長など各国中央銀行の要人や経済学者らが出席し、議論することで知られている。 会議でのFRB議長の講演は、米国の金融政策を占う手掛かりとして注目される。
 パウエルFRB議長は22日午前の基調講演を担当する予定で、テーマは「Econmic Outlook and Framework Review」(経済見通しとフレームワークレビュー)となっている。
 ポイントは9月の金利引き下げを明示的に示すかどうかで、総裁の発言で株式市場の趨勢が決まることになる。
 筆者が米国にいたころは、現地の上位職員が、業界団体のトップセミナーに参加することがよくあった。夏は涼しいアスペン、冬は温暖なディズニーワールドでという感じで、要はフリンジベネフィットの一環だった。日本人にはこうした特典は無く、逆差別状態だった。
 植田総裁には、せっかくの機会に、是非英気を養って、秋の政局に対峙してほしいものだ。

ニューヨークタイムズ電子版より
ウクライナに和平合意は成立するのか?
【記事要旨】
 ウクライナのゼレンスキー大統領と欧州7カ国の首脳は昨日、ホワイトハウスでトランプ大統領と会談し、ウクライナ戦争終結に向けた重要な協議を行った。トランプ大統領は、ホワイトハウスでの会談後、ロシアのプーチン大統領に電話し、和平合意につながる米露ウクライナ会談の開催について協議すると述べた。
 大統領執務室では、ゼレンスキー大統領とトランプ大統領は、かつての緊張関係の兆候はほとんど見られない様子だった。両氏は、ウクライナの安全保障における米国の役割について前向きな姿勢を示した。これは、現在議論されている最も複雑な問題の一つであり、ロシアが和平合意に合意した後に戦争を再開させないよう確保するためのものだ。
 主な議題は以下の通り。
安全保障:トランプ大統領は、米国はウクライナに「非常に優れた保護と安全保障」を提供すると述べたが、具体的な内容には言及しなかった。米国は何らかの形で支援を行うと述べ、米軍の投入も否定しなかった。ウクライナがどのような安全保障を求めているのかとの質問に対し、ゼレンスキー氏は「全てだ」と答えた。
領土交換:先週アラスカでプーチン大統領と会談した後、トランプ大統領は和平合意の一環として領土交換を支持する姿勢を示した。トランプ大統領は昨日、両首脳は「領土交換の可能性」について協議し、現在の「戦線」を考慮すると述べた。ゼレンスキー氏は会談の中で「ところで、地図をありがとう」と述べており、領土交換問題が詳細に議論されたことを示唆している。
三国会談:ゼレンスキー氏はトランプ大統領とプーチン大統領との会談を繰り返し希望しているが、クレムリンはこれに同意していない。「もし今日全てがうまくいけば、三国会談が実現するだろう。そうすれば、戦争を終結させる可能性は十分にあると思う」とトランプ大統領は述べた。
要点:重要なのは、停戦の可能性と領土譲歩という、最も論争の的となっている二つの問題が未解決のまま残されたことだ。トランプ氏とゼレンスキー氏は共に、停戦の可能性や領土交渉について、まだ想定されていないゼレンスキー氏とプーチン大統領の直接会談で、トランプ氏も同席する可能性を示唆した。ゼレンスキー氏の支持を受けたトランプ氏は、そのような会談が迅速に実現することを望んでいると述べている。しかし、クレムリンはこの問題について沈黙を守っている。
 結局のところ、ワシントンとアラスカでの会談は、全ての側が不満を表明し、立場を表明する機会を提供したようだ。しかし、どの側も、少なくとも公の場では、どのような譲歩をする用意が、もしあるとすればあるか、具体的には示さなかった。
 攻撃:ゼレンスキー氏の訪問開始の数時間前、ロシアの攻撃によりウクライナで少なくとも14人が死亡した。
【コメント】
 チェスにおける「千日手」は、将棋の千日手と同様に、同一局面が3回繰り返されると引き分けとなるルールだ。チェスでは「スリーフォールド・レピティション (Threefold repetition)」または単に「レペティション」と呼ばれる。
 チェスでは引き分けでいいが、ウクライナ戦争ではウクライナ国民の死傷者が増え続ける。

ハマス、新たな停戦提案に同意
【記事要旨】
 ハマスは昨日、イスラエル人人質とパレスチナ人捕虜の一部解放を含むガザ地区における新たな停戦提案を受け入れたと当局者が発表した。イスラエルのネタニヤフ首相がこの条件に同意するかどうかは不明である。
 ハマスの声明によると、この提案は、地域調停機関であるカタールとエジプトが日曜日の協議で提示した。カタールとエジプトは、イスラエルによるガザ地区への地上作戦の可能性に備えて、調停活動を強化している。
 イスラエル当局者は昨日、同国は提案の詳細を受け取っていないと述べた。イスラエルは過去にも同様の条件に同意したことがあるが、先週、ネタニヤフ首相は人質の一部のみを解放する合意にはもはや関心がないと示唆した。
 イスラエル:テルアビブで今週行われた大規模集会は、ネタニヤフ首相とガザ紛争に対するイスラエル国民の不満の高まりを示した。
【コメント】
 反ネタニヤフデモが起きているが、一方将来の禍根を断つためにガザ全域を支配するという首相への支持も根強い。

その他の主要記事
スペイン:ヨーロッパ諸国は、制御不能な火災23件への消火活動に奔走する緊急チームを支援するため、消防隊員と資機材を急派した。特に北西部で発生している火災は深刻だ。
カナダ:労働関係委員会は、エア・カナダの客室乗務員1万人によるストライキを違法と宣言したが、組合は組合員がストライキを継続すると述べた。
インド:トランプ大統領の関税は、特にカーペット産業に大きな打撃を与え、インドを中国との経済協力関係の強化へと回帰させる可能性がある。

ケニア:10年にわたる研究で、貧困家庭に1,000ドルを寄付すると乳児死亡率がほぼ半減することが判明しました。

2025年8月19日 火曜日