今日の一言
「AI利用の障害を克服するには」
BCG(ボストン コンサルティング グループ)が11月に公開したレポート『Building Effective Enterprise Agents』は、現場レベルでAIエージェントを「使えるもの」にするための参考になる。
企業にとっての最大の障壁は、古いシステムとの接続、信頼できないデータ、複雑なガバナンス構造にあり、AIの能力ではないと指摘。単一のAIエージェントではなく、複数のタスクを処理するサブエージェントが協調し合い、複雑な業務を担っていく「ディープエージェント」を推奨し、企業の中核業務へとスムーズに統合できると言う。
BCGは、業務フローの改善よりも「何を達成したいのか」という「アウトカム(成果)起点の思考」を重視。ゴールから逆算して設計することで、本当に意味のあるAI導入が可能になるという。
例えばローン申請業務なら、「例外処理の短縮」「書類確認の自動化」などと業務プロセスを細かく分解しエージェントが担うべき領域を明確にする。プロセス改善よりも成果にフォーカスするこのアプローチは面白い 。
いずれにしても、2026年はAIエージェント元年になり、評価とガバナンス、そしてアーキテクチャの整備に長けた企業が、AI時代の成長曲線に乗れる段階に入ってきた。
記事元:https://www.bcg.com/assets/2025/building-effective-enterprise-agents.pdf
世界の動き
1.第二次世界大戦の物語をめぐる争い
【記事要旨】
●中国の主張
– 中国は戦後80周年の軍事パレードで、自国を「主要な勝利者」と位置づけ、ソ連と並んでナチス・ドイツや日本に勝利したと強調。
– 習近平は国際的な場面で繰り返し第二次世界大戦を引き合いに出し、「反ファシズム」「戦後秩序の保護」を語るが、暗に日本を歴史的侵略者として警戒すべき存在と示唆。
●戦後秩序と物語の多様性
– 戦後秩序は主に西側の物語(アメリカがヨーロッパを解放し、自由民主主義と市場経済を広めたというストーリー)によって形成されてきた。
– しかし現在、その秩序は揺らぎ、中国やロシアが自らの歴史解釈を前面に押し出し始めている。
●各国の歴史認識
– 勝者側(米英など)は「善と悪の戦い」として戦争を記憶し、教育や記念行事で繰り返し強調。
– 敗者側(ドイツ・日本)は複雑で、ドイツは「贖罪」、日本は「謝罪の十分さ」や「戦後の平和憲法の是非」が政治的論点。
– ソ連(約2400万人死亡)や中国(約2000万人死亡)は西側の物語では十分に扱われてこなかった。
●ロシアと中国の動き
– ロシアは「大祖国戦争」として犠牲の大きさを強調し、ウクライナ侵攻を「非ナチ化」と結びつける。
– 中国は日本の再軍備や台湾問題を、戦時の犠牲と「未完の約束」(中国本土と台湾の統一)に結びつけて正当化しようとしている。
●歴史の争奪戦と現在への影響
– 歴史解釈は単なる学問ではなく、現在の国際秩序や外交戦略を形づくる武器。
– 西側も9.11を真珠湾攻撃に例えるなど、自国の都合に合わせて第二次世界大戦を引用してきた。
– 今後は「ポスト戦後」からさらに進み、各国が自らの物語を競い合う「ポスト・ポスト戦後時代」に入ろうとしている。
【コメント】
要するに、この記事は「第二次世界大戦の記憶と物語が、現在の国際秩序や対立に深く影響を与えており、中国やロシアは自らの歴史解釈を通じて新しい世界秩序を形づけようとしている」という点を強調している。
それにしても高市首相の発言は「中国が台湾に軍事侵攻すれば日本は台湾防衛のために参戦する」と世界中で理解されていることを示す。しかも中国に言わせれば、日本は台湾を再保有の野心すら持っているというのだ。
この悪意のある主張に日本は積極的な外交戦をして対抗しなければならない。
其の他の記事
・ウクライナ情勢をめぐり、米ロの交渉担当者らによる約5時間にわたる協議は進展をみせなかった。では、ロシアに紛争終結を迫るものは何だろうか?
・EU当局は、凍結されたロシア資産2100億ユーロをウクライナへの巨額融資に充てるという最新の計画を発表した。
・イスラエルは、一部のパレスチナ人がガザから脱出できるよう、ラファ国境検問所を再開すると発表した。エジプトは国境がすぐに再開されるとは考えていないと否定した。
・イスラエルがヒズボラへの攻撃を再開する懸念が高まる中、イスラエルとレバノンは停戦協議を実施した。
・香港当局は、少なくとも159人が死亡した火災の責任追及を求めた批判者を逮捕した。
*文化面から
韓国では、コーヒーはカフェイン以上の存在
韓国人はコーヒーに情熱を注いでいます。そして、コーヒーショップを開くことは、多くの人にとって一種の夢となっています。ソウルのカフェ密度はパリのカフェに匹敵し、競争は熾烈です。
韓国人にとって、コーヒーショップはカフェイン以上の意味を持っています。多くの人が家族と狭いアパートに住んでいるため、人を家に招くのは難しいのです。カフェは、カップルがゆっくりと過ごしたり、旧友と近況を語り合ったり、学生が勉強したりする空間を提供します。
【コメント:記事の写真で見るとコーヒーショップが林立している。日本では個人営業のショップはどんどん廃業しているようだが、韓国ではどのように稼いでいるのだろうか】
2025年12月4日 木曜日