名刺ホルダー

家の建て替えを計画しているため、自室の整理を進めている。
長年保存はしていたが中に何が入っているかわからなった箱を空けると、厚手の名刺ホルダーが5冊入っていた。

もう5年以上使っていなかったので、すべて捨てても支障はなさそうだ。ただ、まだ社外役員などを拝命しているので何か仕事の役に立つこともあろうかとホルダー内の名刺を見てみた。

顔を思い出せるのは10人に一人ぐらいだ。思い出せないものはすべて捨てることにした。

整理の過程で、いろいろなことに気づく。
・滅多に会えない財界の大物や企業のトップ(ほとんどがもう引退している)や大物政治家の名刺はどうしようか。記念に取っておくか。。
・同じ組織で働いていた人の名刺は殆どない。そりゃーそうだ、同じ企業にで名刺交換しないもんな、と納得する。
・同期入社の人間の第二の人生の名刺は沢山ある。そういえばあいつはこんなところで働いていたんだっけ。彼我を比べてうらやんだり悲しんだりしたこともあったっけ。
・最近大手銀行や生保で役員に昇格した人の係長時代の名刺があった。うん、この人は偉くなるのだと思っていたのだと自分の慧眼を誇る。
・一方、部長クラスで役員に上り詰めた人は極めて少ないことも発見。そうだよな。自分と引き比べてもそんなもんだ。

こんな風にだらだらと見返して、やっと3冊目まで片付いた。残り二冊を見直して、5冊分の名刺が一冊にまとまれば大成功だ。

(2022年7月31日 日曜日)

米国の分断を助長する保守系知事

 環境意識に目覚めたウォール街の企業が、保守系の州知事からしっぺ返しを受けている。

 米国の石炭産業の中心であるウェストバージニア州では、州の財務担当者が、同州はゴールドマン・サックス、JPモルガン、ブラックロック、モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴとの取引を禁止したと発表した。これらの企業が石炭産業の支援をやめたのが取引停止の理由だ。

 これらの銀行は新しい石炭プロジェクトへの資金調達を大幅に削減し、ブラックロックは、2020年以降、自社が運用するファンドでの石炭会社への投資を積極的に削減している。最も汚染されている化石燃料とされる石炭事業は、近年収益性が低下している。

 ウェストバージニア州の決定は、民主党の保守派でウェストバージニア州選出のジョー・マンチン上院議員が環境法案に賛成を投じた直後に発表された。

 一方、フロリダでは、ロン・デサンティス知事が、一部のESG・環境意識の高い金融サービス会社を批判し、 「大手銀行、クレジットカード会社、送金業者が、宗教的、政治的、社会的信念を理由に顧客を差別することを禁止する」法案を検討していると発表。彼はまた、州の年金基金マネージャーが投資決定を行う際に環境要因を考慮することを禁止したいと述べた。代わりに、彼らは「投資収益率の最大化」にのみ焦点を当てる必要があると同知事は述べた。

 米国の良識の府と従来言われてきた上院では民主党と共和党の議席数は50対50で拮抗し、11月の中間選挙では共和党が勝利するのがほぼ確実だ。下院でも共和党の勝利が確実だ。これまでは国政レベルでの環境保護的政策に保守系知事が抵抗してきたが、上下院で共和党多数派を占めると、国政が大きく右へ舵が切られることになる。ニューヨークやカリフォルニア州の知事が、今度は国政に叛旗を翻すことになるのだろうか。

 良識に訴え合理的な意見の集約機能を果たしてきたメディアはどうか。現在は中道的なメディアは無い。FOXのような保守派は更に右へ大衆を押しやり、CNNのような革新派は更に左に大衆を押しやる。

 ますます分断し世界での指導力が失われる米国が心配だ。

(2022年7月30日 土曜日)

世界の動き 2022年7月29日 金曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「誤報」
 昨日のタイムズに「日本でのサルの殺処分は年間25,000匹」との報道があった。調べたところ日本では10000匹が捕獲されているとのことでその内殺処分される数は出ていなかった。明らかな誤りなのでタイムズにその旨伝えた。
 日本のことだからおかしいと思うが、海外の記事だとわからないことがあるだろう。注意する必要がある。

1.米中首脳の緊張した電話会談
【記事要旨】
 4か月ぶりの会談は2時間7分に及び、ウクライナでの戦争、関税問題、中国のアジア太平洋進出、特に台湾問題が話し合われた。バイデンが台湾を守ると発言して以来緊張が増しておりペロシ下院議長の訪台見込みが中国の懸念を呼んでいる。「火遊びする者は自分に火が付く」と中国の報道官は発言。習主席は国内問題もあり外交では強硬に出ているとの見方もある。
【コメント】
 数か月に一度定期的に会談が行われているのは知らなかった。日本はどうしているのでしたっけ。

2.米国のGDPは引き続き低下
【記事要旨】
 2四半期継続してマイナスの成長率。前回のリセッションから2年前に脱出したばかりなのに、またリセッション入りを示唆。金利の上昇、インフレの高進、弱る消費等が懸念される。
【コメント】
 テクニカルにはリセッション入りしたということだ。次回のFOMCでどういう判断をFRBがするか注目だ。

3.豪州での外国の影響への裁判
【記事要旨】
 Di Sanh Duongという中国系オーストラリア人が外国の影響力を行使した罪で裁判にかけられる見込みだ。2020年にメルボルンの病院への巨額の寄付により担当大臣に近づき中国の影響力を行使しようとしたという罪状で、最大10年の禁錮刑になる。中国の豪国内での影響力を制限するために2018年に出来た法律では直接的な影響力行使に加え間接的なものも規制の対象になる。Duong氏の弁護士は「ほとんどが状況証拠だ。Duong氏は26000ドルの献金で中国人への人種差別改善を希望しただけだ」と述べる。豪裁判所は検察の判断を支持し裁判になる見込み。
【コメント)
 寄付行為そのものが違法でなくても実質的に外国の影響力の行使が認められば罪に問われるということだ。これは難しい判断だ。

その他:
イラクでの政情不安
Hundreds of Iraqi protesters breached Baghdad’s Parliament, demonstrating against a nominee for prime minister chosen by Iran-backed parties.
HIVが流行している
More than 1.5 million people globally became infected with H.I.V. last year, roughly three times the target, according to the U.N. Some patients, including a 66-year-old man, have been cured by stem cell transplants, Reuters reported.
気候変動のコスト
Climate change is probably a drag on economic growth, but it’s unclear by how much.
The $369 billion climate and tax package announced by Senate Democrats would be the most ambitious climate action the country has ever taken, if it becomes law.

(2022年7月29日 金曜日)

世界の動き 2022年7月28日 木曜日

ニューヨークタイムズ電子版

今日の一言:
「0.75%」
 FRBは政策金利を0.75%引き上げた。前回同様、通常の引き上げ幅0.25%の3倍だ。先進国としては考えられないほどの大胆な引き上げだ。
 インフレに対峙する姿勢を示すメッセージの強い数字だ。市場は好感し(噂で売って事実で買う)ダウは500ドル近く上昇した。政策を実行する際、メッセージ力の強さを考慮することが必要だ。2回の大幅引き上げで強いメッセージが伝わった。次回はパウエル議長はどう動くのだろうか。

1.米上院は2800億ドルの中国に対抗する予算を承認
【記事要旨】
 中国との競争にさらされている半導体産業に補助金を与え、人工知能、ロボティックス、量子コンピューターへの研究資金を提供する議案を64対33で可決。下院でも承認の見込み。市場介入を忌避する共和党、大企業への補助に反対する民主党の従来の姿勢では考えられないほどの多数での可決は、米国の中国との競争で負けることへの恐れを示している。
【コメント】
 米国の本気度が理解できる議会の動きだ。米国は本気だ。

2.習近平は香港長官を取り込む
【記事要旨】
 新長官ジョン・リーは、執務室に、自身の写真の隣に、習の言葉を掲示。習の香港訪問後、幹部を集めて習の重要スピーチについて6時間の勉強会を開催。一国二制度が無実化し中国の香港支配が進む。ずっと警察畑で行政経験に乏しいリー長官は中国依存を強める。
【コメント】
 是非、香港を再訪したいものだ。市民の生活は変わっているのだろうか。

3.日本でのサルの被害
【記事要旨】
 山口県で人間を襲ったサルが駆除(殺害)された。日本では毎年25000匹の猿が殺されている。日本のサルの保護政策が上手く行きすぎサルが増えすぎた結果だ。山口ではサルにより人が襲わた事件が一か月で56件発生。家の中で乳児が襲われたり幼稚園で4歳児が襲われる事例も起きている。サルとヒトの接触で、B型肝炎やその他の感染症の拡大も懸念される。
【コメント】
 年間25,000匹もサルが殺されているって本当ですかね?そんなに殺されていないと思いますが。

その他:
米国での利上げ
The U.S. Federal Reserve made its second consecutive unusually large interest-rate increase, raising rates by three-quarters of a percentage point in an effort to tame inflation.
捕虜交換のような米露
In June, the U.S. offered to trade an imprisoned Russian arms dealer, Viktor Bout, for the release of W.N.B.A. star Brittney Griner and the former Marine Paul Whelan, a person briefed on the negotiations said.
ドイツではフライトに混乱
Lufthansa Airlines canceled virtually all its flights in and out of Frankfurt and Munich after around 3,000 employees walked off the job.

(2022年7月28日 木曜日)

世界の動き 2022年7月27日 水曜日

ニューヨークタイムズ電子版

今日の一言:
「ノミュニケーション」
 月曜、火曜とセミナーの講師をした。いつもは月曜の夜に懇親会があり、30数人の参加者と懇談する機会があった。いろいろな金融機関の方々と話をする貴重な機会だった。しかし、コロナ下、もう2年間、懇親会が出来ていない。
 仕事の後ちょっと一杯というのを「飲む」と「コミュニケーション」から「ノミュニケーション」という言葉があり、日本企業の特色だと言われていた。
 良き習慣が無くなることで、日本企業の競争力が更に失わっることが懸念される。

1.EUはガスの消費減で合意
【記事要旨】
 来春までに15%の自主的な削減に合意。ロシアのガスの政治的武器化に対抗。EU27か国中ハンガリーだけは合意を留保。露では米バスケット選手の裁判が継続。ウクライナでは来週穀物輸出の船が出向予定。宇宙では2024年に国際宇宙ステーションの期限切れで露は枠組みから脱退予定。
【コメント】
 エネルギーの武器化は露としては当然の動き。EUの対応に注目したい。日本はサハリン2にどう対応するのか?

2.IMFは世界の景気後退を警告
【記事要旨】
 G7諸国が景気後退に陥る可能性は15%. 米はすでにテクニカルには景気後退している。2021年の6.1%から今年の世界全体の成長率は3.2%へ減速すると予想。見通しは悲観的。米FRBは過熱する景気に対し今週金利引き上げで対抗見込み。
【コメント】
 日本は成長はしない。インフレも低い。またぬるま湯的なデフレに陥りそうだ。

3.米の台湾への懸念増加
【記事要旨】
 最近の示威行為の激化に、バイデン政権は今後1.5年以内に中国が台湾に侵攻すると予想。台湾海峡を現在米海軍は通過しているが、中国政府は、海峡は国際海峡ではないから通行できないと強く主張。ペロシ下院議長の台湾訪問予定に中国は鋭く反発し仕返しを示唆。習近平の再任時期にも重なり問題を複雑にしている。一度に陸海軍を使用した台湾進攻の可能性はまだ低いが、台湾海峡の自国化のような手段を徐々に取っていく可能性は高いと米の軍事筋。
【コメント】
 いかにも中国がやりそうなことだ。既成事実を積み上げて台湾を苦しめる。一方、中国と国交回復した際に各国は「一つの中国。台湾は中国の一部」と認めており、内政干渉するなと言う中国の主張は筋が通っており、しっかりした理論武装が必要だろう。

その他:
中国の熱波
A devastating heat wave is sweeping through China, with more than 900 million Chinese, about 65 percent of the population, living under heat warnings.
アリババは香港に上場
Alibaba, the Chinese online shopping giant, said it would seek a primary listing in Hong Kong, giving it a safety net against U.S. regulations.
米上院は中国に対抗する工業政策を議論
The U.S. Senate moved toward passing an expansive industrial policy bill to counter China’s technological and manufacturing dominance.

(2022年7月27日 水曜日)