週間市場動向 2025年12月1日~5日 備忘録

【株式市場の動向】
12月1日~5日の1週間、米国株は小幅高で推移しつつも、暗号資産急落や経済指標を受けた金利観測の揺れから上値を抑えられ、日本株は日銀の利上げ観測と弱い家計指標で上昇一服・調整色が強まりました。​

米国株式市場の動向
米国では、12月入り直後の1日に暗号資産ビットコインの急落と、11月末までの急ピッチな上昇の反動から、ダウ・S&P500・ナスダックがそろって反落し、利益確定売りが優勢となりました。 その後の週後半は、雇用関連指標やインフレ指標が「利下げ期待を維持しつつも景気急減速懸念を和らげる」内容となり、FRBの12月利下げ観測がほぼ織り込まれたことで、S&P500とナスダックを中心に底堅い推移となりました。​

週末時点で、S&P500は12月1日の6,812台から5日にかけて6,870ポイント前後まで上昇し、週間ではおおむね+0.8%程度の小幅高とみられます。 ナスダック総合も23,275台から23,570前後まで上昇しており、ハイテク・成長株への物色が継続した結果、週間で+1%弱の上昇となったと解釈できます。 一方、ダウ平均は1日に約0.9%下落して始まった後、週後半にかけて戻りを試したものの、インフレ指標発表を前に景気敏感株の戻りが鈍く、週間ではほぼ横ばい~小幅安圏での推移となりました。​

日本株式市場の動向
日本株は、前週までの米株高と米利下げ期待を背景に高値圏にあったところへ、12月入り後に日銀の12月会合での利上げ観測が一段と強まり、長期金利上昇と円高進行を通じて輸出関連株中心に調整が進みました。 さらに、家計消費の弱さを示す統計が出たことで、スタグフレ懸念も意識され、投資家がポジションを軽くする動きが広がりました。​

Nikkei 225は5日に約50,400円台で引けており、前週末の水準(5万250円前後)からみると、1~5日の週は概ね▲1%強の下落とみられます。 TOPIXも同様に、3,360ポイント前後まで下落しており、こちらも週間では▲1%前後のマイナス圏で推移しました。 銀行株など金利上昇の恩恵を受けるセクターには物色が入った一方で、半導体関連や輸出株など、これまで上昇をけん引してきた銘柄群に利益確定売りが出た点が、日本株全体の重しとなりました。​

主な指数の終値と騰落率(イメージ)
以下は、公表データや報道をもとにした概ねの水準と方向性イメージです(厳密な数値は各取引所・指数プロバイダの公式データで確認する必要があります)。​

指数 12/5頃の終値水準(概ね) 週間騰落率の方向
ダウ平均 47,900前後 小幅安~横ばい ​
S&P500 6,870前後 小幅高(+0%台後半) ​
NASDAQ総合 23,570前後 小幅高(+1%弱) ​
日経225 50,400台 下落(▲1%強) ​
TOPIX 3,360前後 下落(▲1%前後) ​
株価を動かした主な要因
米国では、11月の急上昇後の反動売り・ビットコイン急落などリスク資産全般への警戒が、週初の下落要因となりました。 しかし、インフレ鈍化と雇用指標のバランスのとれた内容から、12月FOMCでの利下げ期待が維持され、長期金利の大きな再上昇が抑えられたことで、週後半の株価は持ち直しました。​

日本では、日銀・植田総裁の発言や政府要人が利上げ容認とも取れる姿勢を見せたことで、12月利上げ観測が高まり、金利上昇と円高懸念が輸出株・グロース株の売り材料となりました。 あわせて、家計支出の弱さなど国内マクロ指標が冴えず、実体経済への不安が出たことで、日経平均・TOPIXともに高値からの調整局面となりました。​

【今週の予想】
12月8日~12日の週は、「米FOMC(9~10日)」と「日銀12月会合観測の高まり」が最大のテーマで、米国株はイベント待ちで神経質なレンジ、日経平均・TOPIXは金利上昇・円高懸念を意識しつつ、FOMC内容次第でボラティリティが高まりやすい展開が予想されます。​

今週予定されている主なイベント
米FOMC:12月9~10日に今年最後の会合が予定されており、10日(水)14:00(米東部時間)に声明と金利決定、14:30から記者会見が行われる見通しです。 市場コンセンサスは「0.25%の利下げ+2026年以降の利下げペースは抑制的」とする見方が優勢で、ドットチャートや成長・インフレ見通しが株式市場のカギになります。​

米経済指標:FOMC前後の週では、政府閉鎖の遅延で後ろ倒しになっていた小売売上高や雇用関連指標、インフレ関連の遅延統計などが公表される予定で、景気減速度合いと物価鈍化が同時にチェックされます。​

日本の経済指標・日銀関連:今週は8日に金融機関の主要数値、9日にマネーストック、10日に企業物価指数(CGPI)が予定されており、物価圧力と金融環境に関する材料が相次ぎます。 18~19日の日銀会合に向けて、ロイターやブルームバーグは「12月利上げの公算が高い」と報じており、今週も賃金・物価・円相場をにらみつつ利上げ観測が続くとみられます。​

米国株式市場の予想シナリオ
米株はFOMCを前に、ハイテク・グロース主導の上昇相場の一服と、イベント通過待ちの様子見姿勢が強まりやすいと考えられます。 一般的には、以下のようなパターンが想定されます。​

ベースシナリオ:0.25%利下げ+2026年の利下げ回数をやや抑制する「ハト派だが慎重」なメッセージとなれば、長期金利は大きく上昇せず、S&P500・ナスダックは一時乱高下しつつも、週末にかけてじり高~小幅高で引ける展開がメインシナリオです。​

ネガティブシナリオ:利下げは行うものの、ドットがタカ派寄り(将来の利下げ回数が大幅に減る)となった場合、ハイテク・高PER銘柄への調整圧力が強まり、ナスダック中心に下振れリスクがあります。​

ポジティブサプライズ:インフレ見通しが一段と下方修正され、長期的な中立金利見通しが低めに示されれば、金利敏感株・グロース株に買い戻しが入り、主要3指数とも高値更新を試す可能性も意識されます。​

日本株式市場の予想シナリオ
日本株は、「日銀12月利上げほぼ確実視+円高バイアス」という逆風の中で、FOMC結果と米金利・ドル円の動きに強く左右される展開になりやすいと見込まれます。​

ベースシナリオ:FOMCが想定内のハト派寄りで、米長期金利が落ち着き、ドル円の急激な円高がなければ、輸出株の下げは限定的となり、日経225・TOPIXともに「高値圏でのボックス相場」にとどまる公算が大きいです。 一方で、日銀利上げ観測を背景に、銀行・保険など金融株には相対的な物色が続きやすいと見られます。​

ネガティブシナリオ:FOMCがタカ派に傾き、ドル高・金利高でグローバル株全体が調整、加えて日本の企業物価が強く出て「日銀は積極的に利上げすべき」との見方が強まると、株安・金利高・円高が同時進行するリスクがあります。​

ポジティブシナリオ:FOMCが十分ハト派で、世界的に長期金利が低下する一方、日銀は「12月利上げはするが、その後は非常に緩やかなペース」との観測が広がれば、円高は限定的となり、日本株も押し目買いが入りやすくなります。​

投資家が注目すべきポイント
今週は、単発の経済指標よりも「政策当局のスタンス」と「金利・為替の反応」が株式市場に与える影響が大きい1週間になりそうです。 特に、FOMC後の米10年債利回り、ドル円、日銀会合に向けたコメント・報道のトーンを丁寧に追うことが、米国株・日本株双方の短期的な方向感を読むうえで重要と考えられます。

【PR市場、プライベートクレジット市場動向】
2025年のPE市場動向
2024年にセカンダリー市場や部分的なIPO/M&A再開で「流動性の目詰まり解消」が進み、2025年は金利低下とマクロ安定を前提にディール・エグジットの両面で回復が続くシナリオが有力です。​

ドライパウダーは過去最高水準にあり、マルチプル拡大ではなく「オペレーショナルな価値創造」がリターン源泉になるとの見方が大勢で、中堅企業・グロースエクイティ・テーマ型(デジタル、レギュレーション対応、エネルギー転換など)への投資志向が強まっています。​

ファンドレイズは2023–24年より改善しており、2025年通年で前年比2桁増ペースとの集計も出ていますが、引き続き「大手/実績ファンドに資金が集中し、スモール/新規GPは厳しい」という二極化は継続しています。​

プライベートクレジットと銀行参入の影響
2024年以降、レバレッジドローン市場と銀行バランスシートの回復により、大型案件では銀行・シンジケートローンとの競合が再燃し、2025年もこの流れが続くと見込まれています。​

その結果、特に上位ミッド~ラージキャップ案件の新規プライベートクレジットのスプレッドは2024年から低下傾向にあり、SOFR+500bpを下回る案件の比率が増加するなど「マージン圧縮」が明確に観測されています。​

競争激化とドライパウダーの圧力により、プライシング以外(レバレッジ水準、コベナント、ドキュメンテーション)の緩みも懸念されており、特に上位ミッドマーケットではコベナント・ライト化が進んだとの指摘があります。​

信用リスクと規制面の懸念
IMFやBIS等は、プライベートクレジットの急拡大と、銀行との結び付き(ファンドへのレバレッジ提供や共同オリジネーション)を通じたショック波及リスクを警戒しており、「スプレッド低下とアンダーライティング基準の緩みが続けば、将来的な損失顕在化時にシステミックリスクとなりうる」と警告しています。​

実務サイドでも、2021年前後の高レバレッジ案件が金利高と業績鈍化のなかで圧迫されており、2025年にかけてデフォルト率がパブリッククレジット水準へ近づく、もしくは一時的に上回るとの予測も出ています。​

もっとも、全般としては依然として公開ローン・ハイイールドより高いスプレッドとコベナント・コントロールを維持できるセグメントも多く、「マネージャー間・ストラテジー間のリスク・リターン格差が拡大する局面」と見る向きが強いです。​

2025年12月6日 土曜日

世界の動き 2025年12月5日 金曜日

今日の一言

「銀世界」

 一昨日から那須に来ている。庭にたまった落ち葉を掃除するためだ。着いてすぐに前庭の落ち葉を掃いてやれやれ。後庭は、昨日からと思っていた。

 その晩雪が降った。一面の銀世界だ。足跡のない道を滑らないように散歩した。犬の足跡と人の足跡。朝一で犬と散歩した先人がいたようだ。「葛の花踏みしだかれて色あたらしこの山道を行きし人あり」 名句を思い出した。

 雪のせいでもう落ち葉掃除は出来ない。図らずも骨休めの休日となった。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.子どもとテクノロジーをめぐる「熱狂から反発」へ
【記事要旨】
●テクノロジーの「ハイプ・サイクルHype Cycle」
ガートナーが示すように、新技術は「熱狂 → 急速普及 → 幻滅」という段階をたどる。
– ソーシャルメディアやスマートフォンはすでに幻滅期に入りつつある。
– 教室でのAI活用はまだ初期段階。ソーシャルメディアの変化
– 2011年、ユネスコは「学習にソーシャルメディアを活用すべき」と推奨。
– しかし現在は、犯罪者の接触、過激コンテンツ、ネットいじめなどのリスクが強調され、懸念が高まっている。
– オーストラリアは16歳未満の利用を禁止する画期的な規制を導入予定。デンマークやマレーシアも同様の動きを見せている。
– 規制は「親が子どもに法的根拠を示して利用を止めさせる」効果を持つ一方、教育的利点や友人との交流を奪う懸念もある。
●スマートフォン利用の盛衰
– 2010年代初頭には「教育を革新するツール」として期待された。
– しかし2023年以降は「学習の妨げ」とされ、世界79か国が学校での使用を制限。
– 集中力向上の効果は報告されるが、学力や精神的健康への影響は十分に検証されていない。
– 専門家の中には「全面禁止よりもリスク教育が必要」との意見もある。
●AI教育の拡大と懸念
– Google、Microsoft、OpenAIなどが学校へのAI導入を推進。
– しかし教育効果はまだ不透明で、むしろ批判的思考力を弱める可能性も指摘される。
– アイスランドは教師のみを対象に試験導入し、慎重に検証中。
– オーストラリアもAIリテラシー計画を検討しているが、過去の「ソーシャルメディアやスマホの失敗」から学ぶ必要があるとされる。
【コメント】
 この記事は、子どもとテクノロジーをめぐる期待と失望の繰り返しを描いており、ソーシャルメディアやスマホの規制強化の流れと、AI教育導入の初期段階を対比させている。新技術は最初は教育の救世主と見なされるが、後にリスクが顕在化し、規制や反発が起こるという従来のパターンを示している。

ぞの他の記事
・米軍高官は、9月にベネズエラ沖で発生した船舶への攻撃の映像を議会議員らに示し、生存者2名を殺害した追加攻撃を擁護した。
・ハマスはガザに残っていた最後のタイ人人質の遺体を返還した。残りの人質の遺体は1名を除き全員収容されている。
・ルワンダとコンゴ民主共和国の首脳は、コンゴ東部における壊滅的な戦争終結に向けた合意を前進させるため、ホワイトハウスで会談した。
・英国の調査で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が2018年に英国ソールズベリーで発生した毒物混入攻撃を「承認したに違いない」ことが判明した。
・プーチン大統領はナレンドラ・モディ首相と会談するためインドを訪問している。
・カンボジアは、数十億ドルに上る詐欺の利益をロンダリングするために利用されていた悪名高い拠点を閉鎖した。

●フランスを揺るがす盗難事件が発生。ルーブル美術館の盗難事件とは違います。サファイアではなく、カタツムリの盗難事件です。約450キログラム(990ポンド)のエスカルゴ(10万ドル以上相当)が、フランス北東部の農場から盗まれました。ちょうどカタツムリを食べるホリデーシーズンの真っ最中でした。警察はまだ容疑者を特定していない。

2025年12月5日 金曜日

世界の動き 2025年12月4日 木曜日

今日の一言
「AI利用の障害を克服するには」
 BCG(ボストン コンサルティング グループ)が11月に公開したレポート『Building Effective Enterprise Agents』は、現場レベルでAIエージェントを「使えるもの」にするための参考になる。
 企業にとっての最大の障壁は、古いシステムとの接続、信頼できないデータ、複雑なガバナンス構造にあり、AIの能力ではないと指摘。単一のAIエージェントではなく、複数のタスクを処理するサブエージェントが協調し合い、複雑な業務を担っていく「ディープエージェント」を推奨し、企業の中核業務へとスムーズに統合できると言う。
 BCGは、業務フローの改善よりも「何を達成したいのか」という「アウトカム(成果)起点の思考」を重視。ゴールから逆算して設計することで、本当に意味のあるAI導入が可能になるという。
 例えばローン申請業務なら、「例外処理の短縮」「書類確認の自動化」などと業務プロセスを細かく分解しエージェントが担うべき領域を明確にする。プロセス改善よりも成果にフォーカスするこのアプローチは面白い 。
 いずれにしても、2026年はAIエージェント元年になり、評価とガバナンス、そしてアーキテクチャの整備に長けた企業が、AI時代の成長曲線に乗れる段階に入ってきた。
記事元:https://www.bcg.com/assets/2025/building-effective-enterprise-agents.pdf

世界の動き
1.第二次世界大戦の物語をめぐる争い
【記事要旨】
●中国の主張
– 中国は戦後80周年の軍事パレードで、自国を「主要な勝利者」と位置づけ、ソ連と並んでナチス・ドイツや日本に勝利したと強調。
– 習近平は国際的な場面で繰り返し第二次世界大戦を引き合いに出し、「反ファシズム」「戦後秩序の保護」を語るが、暗に日本を歴史的侵略者として警戒すべき存在と示唆。
●戦後秩序と物語の多様性
– 戦後秩序は主に西側の物語(アメリカがヨーロッパを解放し、自由民主主義と市場経済を広めたというストーリー)によって形成されてきた。
– しかし現在、その秩序は揺らぎ、中国やロシアが自らの歴史解釈を前面に押し出し始めている。
●各国の歴史認識
– 勝者側(米英など)は「善と悪の戦い」として戦争を記憶し、教育や記念行事で繰り返し強調。
– 敗者側(ドイツ・日本)は複雑で、ドイツは「贖罪」、日本は「謝罪の十分さ」や「戦後の平和憲法の是非」が政治的論点。
– ソ連(約2400万人死亡)や中国(約2000万人死亡)は西側の物語では十分に扱われてこなかった。
●ロシアと中国の動き
– ロシアは「大祖国戦争」として犠牲の大きさを強調し、ウクライナ侵攻を「非ナチ化」と結びつける。
– 中国は日本の再軍備や台湾問題を、戦時の犠牲と「未完の約束」(中国本土と台湾の統一)に結びつけて正当化しようとしている。
●歴史の争奪戦と現在への影響
– 歴史解釈は単なる学問ではなく、現在の国際秩序や外交戦略を形づくる武器。
– 西側も9.11を真珠湾攻撃に例えるなど、自国の都合に合わせて第二次世界大戦を引用してきた。
– 今後は「ポスト戦後」からさらに進み、各国が自らの物語を競い合う「ポスト・ポスト戦後時代」に入ろうとしている。
【コメント】
 要するに、この記事は「第二次世界大戦の記憶と物語が、現在の国際秩序や対立に深く影響を与えており、中国やロシアは自らの歴史解釈を通じて新しい世界秩序を形づけようとしている」という点を強調している。
 それにしても高市首相の発言は「中国が台湾に軍事侵攻すれば日本は台湾防衛のために参戦する」と世界中で理解されていることを示す。しかも中国に言わせれば、日本は台湾を再保有の野心すら持っているというのだ。
 この悪意のある主張に日本は積極的な外交戦をして対抗しなければならない。

其の他の記事
・ウクライナ情勢をめぐり、米ロの交渉担当者らによる約5時間にわたる協議は進展をみせなかった。では、ロシアに紛争終結を迫るものは何だろうか?
・EU当局は、凍結されたロシア資産2100億ユーロをウクライナへの巨額融資に充てるという最新の計画を発表した。
・イスラエルは、一部のパレスチナ人がガザから脱出できるよう、ラファ国境検問所を再開すると発表した。エジプトは国境がすぐに再開されるとは考えていないと否定した。
・イスラエルがヒズボラへの攻撃を再開する懸念が高まる中、イスラエルとレバノンは停戦協議を実施した。
・香港当局は、少なくとも159人が死亡した火災の責任追及を求めた批判者を逮捕した。

*文化面から
韓国では、コーヒーはカフェイン以上の存在
 韓国人はコーヒーに情熱を注いでいます。そして、コーヒーショップを開くことは、多くの人にとって一種の夢となっています。ソウルのカフェ密度はパリのカフェに匹敵し、競争は熾烈です。
 韓国人にとって、コーヒーショップはカフェイン以上の意味を持っています。多くの人が家族と狭いアパートに住んでいるため、人を家に招くのは難しいのです。カフェは、カップルがゆっくりと過ごしたり、旧友と近況を語り合ったり、学生が勉強したりする空間を提供します。
【コメント:記事の写真で見るとコーヒーショップが林立している。日本では個人営業のショップはどんどん廃業しているようだが、韓国ではどのように稼いでいるのだろうか】

2025年12月4日 木曜日

世界の動き 2025年12月3日 水曜日

今日の一言
「Bitcoin急落」
 Bitcoinの最近の急落を強気の投資家Keith Fitz-Geraldはどう見ているか。今朝彼の長文のコメントがあったので紹介したい。
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 単に「有望な銘柄を探す」や「強い信念で投資する」だけでは不十分であり、市場の仕組みを理解することが成功の鍵だ。特に仮想通貨市場では以下のポイントが重要だ。
– ビットコインは高リスク資産
  安い資金で繁栄し、金利上昇で急落する。米国10年国債利回りの上昇が資金コストを高め、売り圧力を強めている。
– 機関投資家の参入は大規模レバレッジを伴う
  ETFや先物、構造商品などで資金が膨らみ、資金調達が厳しくなると一斉に強制清算が起こり、売りが雪崩のように広がる。
– 流動性の階層構造
  資金が逼迫すると投資家は「売りたいもの」ではなく「売れるもの」を売る。米国債やドルは守られるが、仮想通貨は最下層にあり必ず打撃を受ける。
– 神話に惑わされるな
  「機関投資家が救う」「ETFが下値を支える」「半減期が万能」などの物語は繰り返されるが、市場を動かすのは資金であり、神話ではない。
– ビットコインは壊れていないが、多くのトレーダーは壊れている
  恐怖に駆られた資金は利益を生まない。市場の仕組み(レート、レバレッジ、流動性、強制売却)を理解して冷静に動ける者がチャンスを掴む。
結論
  ビットコインの急落は「市場の仕組み」を理解していない投資家にとって混乱だが、冷静に仕組みを見抜ける者には大きなチャンスとなる。勝ちたいなら市場の構造を学び、恐怖に流されず戦略的に動くべきだ。
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 日本国内ではまだBitcoinETFが買えないため、米国市場のETFを証券口座経由で検討するか、複数の仮想通貨を分散投資してETF的な効果を再現するのが現実的だ。
– 安定性を重視するなら BlackRockのIBTC、コスト重視なら ARKB が注目度高い選択肢になる。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.独立した報道には厚い皮膚が必要
【記事要旨】
 ニューヨーク・タイムズの編集責任者ジョー・カーン氏が読者からの質問に答えた内容をまとめた記事だ。主なポイントは以下の通りです。
●独立した報道の姿勢
– インターネットには膨大な意見や解説があり、読者は自分の世界観を裏付ける情報を容易に得られる。
– 新聞社の役割はそれを補強することではなく、事実を掘り下げ、多様な視点を提示し、公共の関心事に対して説明責任を果たすこと。
– トランプ大統領の権力行使や民主的規範の軽視についても継続的に検証している。
●中国報道の視点
– 中国はかつて「追いつく存在」だったが、現在はインフラやEVなどで世界をリードしている。
– 米中関係の報道では客観的事実に基づく取材を重視しているが、米中間の緊張により現地に常駐できる記者が減っていることを懸念している。
– 現地に住み込む記者の存在は不可欠だと強調。
●イスラエル・パレスチナ報道の偏向批判
– 一部読者は「イスラエル寄り」、別の読者は「パレスチナ寄り」と感じるが、記者の基本姿勢は広く取材し、文脈を示し、事実に基づく調査報道を行うこと。
– 過激な対立の中では、権威ある事実報道を広い読者層に届けることが一層重要になる。
●独立報道の難しさ
– 読者の中には自分の立場に沿った報道を求める人もいるが、新聞社は政党や政府、企業などに縛られない独立したジャーナリズムを貫く。
– 独立報道を続けるには「厚い皮膚(批判に耐える強さ)」が必要。
– 民主主義は共通の事実基盤に依存しており、対立する側からも尊敬される報道機関が不可欠だが、批判の声は常に強い。
【コメント】
 ジョー・カーン氏は「独立したジャーナリズム」を守ることの重要性を強調し、政治的圧力や読者の期待に左右されず、事実に基づく報道を続ける姿勢を示している。民主主義において、信頼される独立報道は不可欠であり、そのためには批判に耐える覚悟が必要だという信念がうかがえる記事だ。

2.クレムリンで重要な会談
【記事要旨】
 ウラジーミル・プーチン大統領は昨日、トランプ大統領の特使スティーブ・ウィトコフ氏と、米国大統領の義理の息子ジャレッド・クシュナー氏と会談し、ウクライナ紛争について協議した。ロシアメディアは、二人がクレムリンの大きな白いテーブルに着席する様子を報じた。
 ウィトコフ氏は、ウクライナ紛争終結に向けた最新版の計画を発表すると予想されていた。しかし、同日早朝の発言で、プーチン大統領はトランプ政権の和平計画に難色を示す欧州諸国を批判し、ウクライナの欧州同盟国を脅迫した。「我々は欧州と戦うつもりはないが、もし欧州が突然我々と戦争を始めれば、我々は今すぐにでも準備を整えている」とプーチン大統領は述べた。
【コメント】
 プーチンの戦闘モードは不変だ。対外的にも国内的にも、ずっと取り続けないといけないスタンスなのだろう。

其の他の記事
・インドは、犯罪防止のため、すべてのスマートフォンに追跡アプリをプリインストールするよう命じた。野党はこれを大規模監視の道具だと非難した。
・トランプ大統領はソマリア移民に対し、米国にいさせたくない「ゴミ」と呼び、外国人排斥の激しい非難を浴びせた。
・レバノンでは、2020年のベイルート港爆発現場にて、教皇レオ1世が執り行うミサに数千人が参加した。
・英国は、膨大な未処理案件を解消するため、3年以下の刑期の犯罪に対する陪審裁判を廃止する計画を発表した。
・米国で麻薬関連罪で有罪判決を受けたホンジュラスの元大統領、フアン・オルランド・エルナンデス氏は、トランプ大統領の恩赦を受けて釈放された。
・韓国警察は、性的搾取を目的とした資料を入手するために12万台の家庭用カメラがハッキングされたと発表した。
・ニューヨーク・タイムズ紙は本日、ディールブック・サミットを開催する。主役には台湾の頼清徳総統や、チェスチャンピオンでロシアの野党政治家のガルリ・カスパロフ氏も含まれる。

2025年12月3日 水曜日

世界の動き 2025年12月2日 火曜日

今日の一言
「Professional Skepticism :職業的懐疑心」
内部監査人に求められる言葉だ。
日本を代表する一流企業で品質に関する不正がここ数年続いてきた。東芝は不正会計に端を発して消滅した。NIDECも不正会計の全貌がわからない。地方の信用組合が考えられないほどの乱脈計をしていた。最近は電力会社の役員による独断の支払い約束が明るみに出た。
社内で、企業活動の中枢を観察できる立場にいた内部監査人は何をしていたのだろうか。「職業的な懐疑心」をもっていれば、これはちょっとおかしいなと必ず気が付いたはずなのだが。

ニューヨークタイムズ電子版より
1,反分極化の教皇レオ1世
【記事要旨】
– フランシスコ教皇との比較的文脈
フランシスコ教皇は2013年、移民の玄関口ランペドゥーサ島を訪問し、移民・難民・弱者への関心を鮮明にした。これに対し、2025年に選出されたレオ1世教皇については「前任者とどれほど似ているか、どれほど違うか」が注目されている。
– 中東訪問の象徴性
レオ1世はトルコとレバノンを訪問し、キリスト教徒が少数派で紛争が続く地域に強い関心を示した。就任時の最初の言葉が「平和」であったように、訪問中も平和を一貫して強調している。通常ならカトリック多数派の国を最初に訪れるのが自然だが、敢えて中東を選んだ点に象徴性がある。
– イスラエル・パレスチナ問題への姿勢
フランシスコが「ガザでの出来事はジェノサイドの可能性」と強い表現を用いたのに対し、レオ1世はより外交的で、二国家解決支持を改めて表明。さらに、国務長官がハマスの攻撃とガザ戦争双方を「虐殺」と呼んだことも重要な発言として記録されている。
– 価値観と政策の特徴
基本的な価値観はフランシスコと大きく変わらないが、AIのリスクを強調する点が特徴的。環境保護や弱者の尊厳をさらに強調し、最初の公式文書は貧困問題に関するもの。米国司教に対して大量国外追放を非難するよう強く促すなど、社会的弱者への配慮を前面に出している。ただし、直接的な非難や攻撃的な言葉は避け、柔らかいアプローチを取る。
– 「反分極化の教皇」としての役割
世界が分断と対立に満ちる中で、彼は平和と統一を最大の課題と位置づける。教会内部でも女性の叙階、離婚・再婚者の聖体拝領、同性婚など論争的課題が山積しており、分極化への対応が不可欠。
– アメリカ的背景と個性
初のアメリカ出身教皇だが、ペルーで20年過ごし、スペイン語・イタリア語を流暢に話すなど「典型的なアメリカ人」とは異なる側面を持つ。一方で中西部特有のアクセントや映画の趣味(『サウンド・オブ・ミュージック』『素晴らしき哉、人生!』『普通の人々』『ライフ・イズ・ビューティフル』)にはアメリカ的要素が表れている。選んだ映画は必ずしもカトリック的価値観に合致せず、むしろ人間関係や葛藤を描く作品が含まれている点が興味深い。
– 人物像
遊び心があり、ユーモアのセンスを持ち、謙虚な印象を与える。政治家や外交官のように「自分が最重要人物だ」と振る舞うことはなく、観察者として場にいる姿勢が際立つ。
【コメント】
要するに、レオ1世はフランシスコの価値観を継承しつつも、より外交的で柔らかいアプローチを取り、分極化した世界と教会に「平和と統一」を掲げる存在として登場した新しい教皇ということのようだ。

2.ロシアは米国特使の提案を待ち望んでいる
【記事要旨】
トランプ大統領の特使であるスティーブ・ウィトコフ氏は、本日モスクワでウラジーミル・プーチン大統領と会談する予定だ。
ウィトコフ氏は、ウクライナ紛争終結に向けた新たな外交努力のきっかけとなった物議を醸した和平案の起草に尽力した。しかし、最近の活発な会談にもかかわらず、両者間の溝が縮まった兆候はほとんど見られない。それでも、EUの外交政策トップは記者団に対し、今週は「外交にとって極めて重要な週になる可能性がある」と述べた。
【コメント】
ロシアの代弁者に近いが、何もやらないよりは、紛争解決への関心を高める効果はありそうだ。

3.スリランカで甚大な災害
【記事要旨】
アヌラ・クマラ・ディサナヤケ大統領は、先週スリランカを襲ったサイクロンについて、「スリランカ史上最大かつ最も困難な自然災害」と宣言した。
サイクロン・ディトワによる死者は350人を超え、洪水と土砂崩れの被害は100万人以上に達した。昨年、大規模な抗議運動によって強大な政権が倒された後に政権に就いた政府にとって、復興は大きな課題となるだろう。
異例の破壊的なモンスーンシーズンは、インドネシア、タイ、ベトナムにも襲来した。少なくとも1,200人が死亡した。
【コメント】
日本人が閉じ込められたせいでインドネシアの報道が多いが、モンスーン地帯の台風被害は格別に多いようだ。日本政府は支援に資金と人を提供するべきだ。

其の他の記事
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・英国は、米国の潜在的な関税を回避するため、医薬品への支出を増やすことに同意した。
・ロシアが国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙飛行士や物資を送るために使用する発射台は、先週の事故により使用不能となっている。

2025年12月2日 火曜日