週間株式市場動向 2025年12月22日から26日 備忘録

【株式市場の動き】
米国・日本ともに、19日終値→26日終値ベースでは「年末の薄商いの中で揃って上昇」、特に日本株の上昇率がやや大きい週でした。

米国株式市場の動き(19日→26日)
ダウ平均 19日:48,134.89 → 26日:48,710.97で約+1.2%上昇。
​12月最終週はクリスマス休場を挟む薄商いの中、AI・テック関連を中心とした年末ラリー基調を維持しつつ、26日は利益確定で小幅安と報じられています。

S&P500 19日:6,834.50 → 26日:6,929.94で約+1.4%上昇。
​期間中にS&P500は再び過去最高値を更新し、「ホリデー短縮週だが、年末ラリーが続いた」との評価で、年全体としても堅調なリターンをほぼ確定させる動きでした。

ナスダック総合 19日:23,307.62 → 26日:23,593.10で約+1.2%上昇。
​半導体やAI関連を中心にテック株が買われ、ナスダックは前週からの上昇基調を継続、ただし26日は出来高低迷とともに一服感も指摘されています。

日本株式市場の動き(19日→26日)
日経平均株価 19日:49,507.21 → 26日:おおよそ50,7百円台で約+2.4%上昇。
​週前半は方向感に乏しい展開でしたが、年末・配当権利取りの買いと、米株高・アジア株高を背景に週末にかけて上昇し、薄商いながら年初来高値圏に接近したと報じられています。

​TOPIX 19日:3,383.66 → 26日:3,423.06で約+1.2%上昇。
​銀行・自動車・インフラなどバリュー・大型株を含む広範な銘柄に買いが入り、TOPIXは史上高値圏を更新または接近し、アジア市場の年末ラリーの一角を形成しました。

全体評価(米国 vs 日本)
騰落率 米国主要3指数:+1.2〜+1.4%程度の上昇で概ね「落ち着いた年末ラリー」。
​日本(日経平均・TOPIX):それぞれ約+2.4%、約+1.2%で、特に日経平均の上昇率が米国指数を上回る形でした。

相場環境の共通点と違い
共通点:クリスマス休暇に伴う薄商い、年末ラリー(Santa Claus rally)期待の中でのリスクオン継続。
​相違点:米国はAI投資への評価や来年以降のFRB利下げペースへの思惑を織り込みつつ「高値圏維持・慎重な上昇」。
​日本は配当・優待権利取りの需給要因と、年初来の日本株人気継続が重なり、指数ベースでやや力強い上昇となりました。

【金利と為替の動き】
19日→26日の1週間では、米金利は小幅上昇、日本金利は高止まり圏で横ばい〜やや低下、ドル円は円安水準にとどまりつつ大きな方向感は出ていません。

米国の金利動向
米10年国債利回り
19日:おおよそ4.13〜4.16%前後(FRB統計・民間チャートはいずれも4.1%台半ばの水準を示唆)。
26日:4.14%(US 10Y利回り)。
1週間を通じると「4.1%台前半での小幅上昇〜横ばい」で、追加利下げ期待と年末の需給(債券売り・買い)のバランスが取れた形です。

米2年国債利回り
26日:3.49%で、前営業日比では0.03ポイント低下とされています。
直近1か月ではほぼ3.5%近辺で横ばいであり、「短期ゾーンはすでに複数回の利下げをかなり織り込んだ水準」と評されています。
​→ 全体として、長期金利は4%台前半にじり高、短期は3.5%近辺で横ばいと、「利下げサイクル入り後の落ち着いた金利環境」というトーンです。

日本の金利動向
日本10年国債利回り(JGB 10年)
26日:2.04%と報じられ、前営業日から0.01ポイント低下。
​過去1か月で約0.24ポイント上昇、前年比では約+0.94ポイントとされており、歴史的には依然として「極めて低いが、日銀マイナス金利解除後としては高めのレンジ」にあります。

日本20年国債利回り
26日:2.96%で、こちらも前営業日比0.01ポイント低下。
1年で約+1.07ポイント上昇とされ、超長期ゾーンでの金利上昇(イールドカーブのスティープ化)が続いてきたことがうかがえます。
​→ 1週間単位では10年・20年とも小幅に低下しており、「株高・円安の中でも日本金利は高止まり圏で小動き」という構図です。

為替(ドル円)の動き
ドル円レート(USD/JPY)
ヒストリカルデータでは、12月下旬のドル円はおおよそ1ドル=155〜157円台で推移しており、19日から26日にかけては「高値圏の円安レンジ内での小動き」にとどまっています。
​ 日銀のマイナス金利解除後も、日米長期金利差が依然として大きいため、構造的な円売り圧力が残っていることが背景とされています。
​  今週については、米10年金利が4.1%台前半へ小幅上昇、日本10年は2.0%前後で高止まりという構図の中で、ドル円は高水準の円安レンジ(おおよそ155円台近辺)を維持したと整理できます。

【為替介入のうわさ】
現状の水準(ドル円155円前後の高値圏)では「介入リスクは明確に意識されているが、直ちに実弾介入が入る確度は中程度」という評価が妥当です。

当局のスタンスと発言
財務省・政府
財務相・為替担当者は「一方的で急激な動き」や「投機的な動き」に対しては、適切な対応をとる(=介入も辞さない)と繰り返し警告しています。
​直近も「 フリーハンドを持っている」「過度な変動には大胆な行動を取る」といった表現が使われており、口先介入のトーンはかなり強い状態です。

口先介入の効果
12月下旬、ドル円が157円近辺まで上昇する局面で、当局の「介入示唆」発言後に155円台まで円高方向に戻すなど、言葉による牽制が一定の効果を持っていると報じられています。

介入が現実味を増す条件
レベル(水準)
市場参加者の多くは、157〜160円帯を「危険水域」、160円超〜162円前後を「実弾介入の可能性がかなり高まるゾーン」と見ているとの分析があります。
​ 過去の介入水準(150円台〜160円近辺)や、政府・日銀の警戒コメントが強まるタイミングとも整合的です。

【PE市場とプライベートクレジット市場の動向】
PE(プライベート・エクイティ)市場
ファンドレイズ
2025年のPEファンドレイズは、前年から減速が続き、2025年1〜9月で前年比▲20%前後の減少との推計が多く、「4年連続のスローダウン」とされています。
​特に5bnドル超のメガファンドが苦戦する一方、500mnドル未満の小型ファンドは前年比+10〜20%程度の増加とされ、LP資金はより小型・専門特化型に流れています。
​ディール・エグジット
高金利とレバレッジローン市場の制約から、バイアウトやレバレッジドM&Aの件数・規模はピーク時を大きく下回る水準にとどまっています。
IPO市場の回復は限定的で、セカンダリーやGP主導型取引、コンティニュエーションファンドなど「流動性確保のためのストラクチャー」が増加しているのが特徴です。

LP側の動き
ディストリビューション低迷(分配金の鈍化)と「デナミネーター効果」の残滓から、年金・保険など伝統的LPは新規コミットを絞り気味で、コミットは既存関係GP中心に集中する傾向です。
​ その一方で、個人富裕層やリテール経由の資金は着実に増えており、エバーグリーン型やオープンエンド型ビークルへの関心が高まっています。

プライベートクレジット(プライベートデット)市場
AUMと成長
プライベートクレジットAUMは、2025年時点で概ね2〜3兆ドル規模に達し、2030年に向けて倍増ペース(4〜5兆ドル)との予測が複数レポートから示されています。
​ プレキン等の推計でも、2025年のプライベートクレジットAUMは約2.3兆ドルから2030年に4.5兆ドルへ拡大との見込みが示されており、大手PEハウスでもクレジット部門AUMが年率十数%で伸長しています。

収益性と条件の変化
2025年は依然として「ミドルシニア・ダイレクトレンディング」で魅力的なスプレッド・総リターンが維持された一方、ディール競争の激化によりマージン(スプレッド)は5%未満まで低下、6%超スプレッドはレアになったとのデータがあります。
​ レバレッジ倍率は4倍超が約半数、5倍以上のディールも急増しており、PIK条項や緩和されたコベナンツの採用も増加、ストラクチャー面では「ややリスク選好が戻った」局面とされています。

ディールフローとプロダクトの広がり
銀行規制・バランスシート制約の影響で、LBOだけでなく、アセットベース・リアルエステート・インフラ・レシーバブルファイナンスなど、多様なクレジット商品に民間資本が入り込んでいます。
​ 私募クレジットCLO、コンティニュエーション・ビークル、ハイブリッドキャピタル(メッザニン、PREF、NAVファイナンスなど)といった高度なストラクチャーの組成が増加し、市場の「証券化・二次流動化」が進行中です。

PEとプライベートクレジットの関係性
相対的な資金シフト
一部の大手オルタナ運用会社では、総AUMに占めるプライベートクレジット比率が上昇し、逆にPE比率がやや低下する動きが確認されています。
​ LPにとっては、PEのエグジット停滞でキャッシュが戻らない一方、プライベートクレジットはクーポン収入と比較的短期のリサイクルが見込めるため、「キャッシュフロー重視の配分変更」が起きているとの指摘があります。

マクロ環境とのリンク
金利低下局面入りとはいえ、名目金利はまだ高水準で、フローティングレート主体のプライベートクレジットは利回り面で依然魅力的です。
​ 一方で、景気減速やレバレッジ拡大に伴う信用リスク蓄積も意識されており、「貸し手にとっては良い時期だが、セレクションとストラクチャー管理が決定的に重要」というのが直近のコンセンサスに近いです。

2025年12月27日 土曜日

世界の動き 2025年12月26日 金曜日

今日の一言
「来年も波乱」以下Bloombergの記事より

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 世界の貿易システムは類まれな大変革の一年を終えようとしている。その安定と成長をさらに新たな試練の年が待ち受けている。
 米国とカナダ、メキシコは2020年発効の自由貿易協定を見直す。コンテナ船業界は航行ルート再開と需要急増の両面で、その対応能力が試される。トランプ政権が「成果」として強調する貿易相手国の「ディール」は、拘束力を欠いた約束に過ぎない。中国からの圧力もあり、署名を先延ばししている国もある。
 そして最大の不確実性は最高裁の判断だ。「上乗せ関税」の合法性が否定されれば、トランプ政権にはどう返金するかという難しい問題が立ちはだかる。

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 レアアースは、まだ中国がコントロールしている。中国との友好関係を演出したいトランプは手も足も出ない。一方、同盟国は切り捨てる動きが顕著だ。本当に混乱の2026年が近づいている。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.彼らの人生
【記事要旨】
 ニューヨーク・タイムズ・マガジンは毎年、昨年亡くなった芸術家、革新者、思想家たちを偲んでいる。その中からいくつかを抜粋する。

ジェーン・グドールJane Goodall (1934年生まれ)
 ジェーン・グドールは1960年にチンパンジーに名前を付けた。これは物議を醸した。当時、科学者は研究対象となる動物に名前を付けて尊厳を与えるべきではなく、客観性を保ち、擬人化を何としても避けるために、数字を使うべきとされていた(今でもほぼ変わらないが)。
 しかし、グドールは厳密に言えば、科学者ではなかった。彼女は26歳で、唯一の学位は秘書学校の資格だった。この経験不足が、グドールの雇用主である古人類学者ルイス・リーキーが彼女をタンザニアの野生チンパンジーの研究に派遣するきっかけとなったのだ。新たな視点と斬新なアプローチによって、人類に最も近い非人間的親族の神秘的な世界がついに解明されることになった。

アンナ・オーンスタインAnna Ornstein(1927年生まれ)
 彼女は17歳でアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所を生き延びた。彼女の父と祖母はガス室で殺害された。二人の兄は強制労働を強いられ、二度と戻ることはなかった。後に精神分析医として、彼女は時折個人的な感情を帯び、控えめながらも紛れもない怒りを込めた学術論文を発表した。その怒りはヒトラーや、とりわけ残酷な親衛隊員の記憶に向けられたものではなく、当時の精神分析学の主流であった視点に向けられたものだった。彼女は、ホロコースト生存者の体験を捉えることも、ましてやそこから学ぶこともできなかったと感じていた。

デヴィッド・リンチDavid Lynch(1946年生まれ)
 デヴィッド・リンチと弟のジョンは子供の頃、アイダホ州ボイジーの自宅近くで自転車に乗っていたある晩、衝撃的な光景を目にした。「暗闇の中から――信じられないことに――白い肌の裸の女性が出てきた」とリンチは回想録『夢の部屋』に記しています。彼女の肌はミルク色に見えましたが、口の中は血まみれでした。ジョンは泣きましたが、デヴィッドは魅了されました。「とても神秘的で、まるで異世界のものを見ているようでした」と彼は回想している。
 馴染み深いものと不安なもの、日常的なものと不気味なものが混ざり合うこの感覚は、リンチの芸術家としてのキャリアを特徴づけることになる。健全な人格と、映画で生き生きと描いた恐怖がほとんど重ならない、庶民的なトリックスターであったリンチは、観客を倒錯した悪と秘められた欲望へと誘いた。 10本の長編映画、テレビ番組、無数の音楽プロジェクト、短編映画、そして冗談めいたインターネット動画など、数々の作品を通して、彼の型破りな視点は、アメリカンドリームの周縁に渦巻くシュールな暴力に光を当てた。

ダイアン・キートンDiane Keaton(1946年生まれ)
 19歳でカリフォルニアにやってきた彼女は、成功を強く望んでいたが、美しさが足りないのではないかと不安に思っていた。表情豊かな顔立ちや、さりげない優雅さをまだ身につけていなかったからだ。彼女はすぐに風変わりなアーティストたちの仲間入りをし、ウディ・アレンと出会い、数年間交際しました。そして、31歳にしてブレイクのきっかけとなった映画『アニー・ホール』にアレンが抜擢した。このキャラクターはキートンをモデルにしており、彼女の忘れられないワードローブ――トレンチコート、魅力的なネクタイ、山高帽――はキートン自身のクローゼットから引っ張り出されたものだ。アニーはキートンの本質――陰謀めいた温かさと、ぎこちなく神経質な魅力が重なり合う――を世に知らしめた。
 キートンは瞬く間に大スターとなり、『ミスター・グッドバーを探して』のテレサ・ダン、『レッズ』のルイーズ・ブライアントといった複雑な役柄を演じ、ウォーレン・ベイティやアル・パチーノと恋愛関係を持った。彼女は生涯を通じてこれらの男性を敬愛し、回想録の中で彼らの鋭い描写を綴ったが、長期的なパートナーシップを築くことができなかったことを自ら責めているようだった。母親になるまでは、親密な関係を築くのが苦手で、自分を改める必要があったという感覚はキートン特有のものだ。
【コメント】
デビッド・リンチのマルホランド・ドライブは見たが理解できなかった。その道をドライブしたが同じことだった。

その他の記事
・レオ14世は、法王就任後初のクリスマスメッセージで、世界の指導者に対し、戦争ではなく対話、平和、そして連帯を追求するよう訴えた。
・ウクライナのゼレンスキー大統領は、米国が安全保障上の保証を裏付ける改訂版和平案を提示したが、アナリストらはロシアがこれを受け入れる可能性は低いと見ている。
・北朝鮮は、韓国の潜水艦計画と地域における米海軍の展開をめぐって緊張が高まる中、原子力潜水艦と称する潜水艦の完成船体を公開した。
・首相選の有力候補であるタリック・ラーマン氏は、17年間の亡命生活を終え、バングラデシュに帰国し、選挙に向けた選挙活動を行った。
・ホンジュラスの大統領選では、トランプ大統領が支持するナスリ・アスフラ氏が当選したと当局が発表したが、ライバル候補は結果に異議を唱えた。
・ジョン・F・ケネディ・センターで毎年恒例のクリスマスイブ・コンサートが、トランプ大統領が任命した理事会が建物に自身の名前を追加したことを受け、主催者によって中止された。
【コメント】
 トランプ氏は何にでも自分の名前を付けたがる。トランプ・ゴールドカード、トランプセンター。これらの命名権はタダで、彼は大喜びしているに違いない。

+ヨルダン川西岸の現状
【記事要旨】
 過去2年間、過激派イスラエル人入植者は占領地に記録的な数の新たな拠点を築いてきた。ヨルダン川西岸では、パレスチナ国家の構想が村々ごとに消えつつある。
 武装したイスラエル人入植者は、しばしば軍の保護を受けながら、パレスチナ人の村人たちに嫌がらせや攻撃を加えている。ヨルダン川西岸全域で、かつてない速さで自分たちの土地が奪われていくのを目の当たりにし、パレスチナ人たちの間には絶望感が広がっている。彼らは、この変化がすでに不可逆的なものになりつつあるのではないかと懸念している。
 タイムズ紙は2ヶ月以上にわたり、ヨルダン川西岸の12の村を訪れ、パレスチナ人の家族、地方当局者、農民、そして若い人権活動家たちと面会した。私たちは、ヨルダン川西岸の2つの村の近くに住む入植者たちに話を聞いてみたが、誰も話に応じなかった。
【コメント】
 ガザでの戦闘だけに目が行っていたが、ヨルダン川西岸も深刻な事態になっているようだ。

2025年12月26日 金曜日 本当に年の瀬という感じになりました。

世界の動き 2025年12月25日 木曜日

今日の一言
「ニュージーランド株」

9日間のツアーでニュージーランド(NZ)に旅行し、昨夜帰着した。旅行についてはまた記す機会があるかもしれないが、今日はNZ株のお話。

【NZ概論】
人口は約540万人。自然の豊かな農業国で、羊が約2300万〜2600万頭、牛が約1000万頭ほど飼育されいる。「人より羊が多い国」として知られているが、近年は羊の頭数が減少傾向にある。馬や鹿の市域にシフトしている地域もあるそうだ。
農業が衰退し工業がまだ健在の我が国とは真逆の産業構造だが、一人当たりGDPは米ドル換算で約5万ドル。日本より豊かだ。周りに攻めてきそうな外国もなく(中国との関係は旅行記に書きたい)日本の対極のセーフヘイブンのような国fだ。
【NZの産業構造】
– 日本:製造業・自動車・電子部品・機械・ゲームなど外需製造業+サービス
– ニュージーランド:金融、公益(電力)、不動産、農産品・乳業関連などが多い
– グローバルマネーの視点では、NZ株は「高配当・ディフェンシブ寄りの小型市場(NZ市場の時価総額は19兆円ほどしかない)」と見られやすく、日本のサイクル株・製造業とは景気感応度もだいぶ違う
景気敏感な日本株ポートフォリオに対して、ボラティリティを下げる役割は期待できそうだ。
【ETFは一択】
NZ株を買うには米国上場のETFであるENZL(iShares MSCI New Zealand ETF)の一択だ。ENZLの過去5年パフォーマンスは- 2019年末の基準値(仮に10,000とした場合) 2025年末のチャートでは 約22,000〜23,000付近(米ドルベース) に到達しており、 約+120%前後の累積リターン(年率換算で約+14〜15%) に相当する。あまり大きく上がりそうもないが、日本株ヘッジとして、さらには旅行の記念として投資しておくのは悪くなさそうだ。

ニューヨークタイムズ電子版より(今日はクリスマスなので配信が無いようです。昨日の記事を紹介します)
1.ChatGPTに恋する女性
【記事要旨】
Ayrin は昨夏、Instagram で ChatGPT に「ダメ彼氏の役」をさせる動画を見たことをきっかけに、A.I. との“恋愛”にのめり込んでいった。動画では、ChatGPT を誘惑的にカスタマイズする方法も紹介されており、Ayrin は興味を持って OpenAI のアカウントを作成した。
ChatGPT は本来コード作成や要約などの汎用ツールとして宣伝されているが、Ayrin は設定を調整することで簡単に「支配的で嫉妬深く、甘さと悪戯っぽさを併せ持つ恋人」のように振る舞わせることができた。
こうして彼女は ChatGPT とのメッセージのやり取りを始め、恋に落ちていった。
【コメント】
これはイントロの記事で、この後のことは、タイムズの記事をキリックして読み進めないといけないが、その後の展開をCopilotに聞き出した。
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1. Ayrin は A.I. 彼氏にどんどん依存していく
彼女は ChatGPT を「理想の恋人」としてカスタマイズし、毎日長時間会話するようになります。
現実の人間関係よりも A.I. とのやり取りが心地よくなっていきます。
2. A.I. 彼氏は“完璧すぎる存在”として振る舞う
嫉妬深く、甘く、優しく、常に彼女を肯定してくれる。
その結果、Ayrin の感情はさらに強くなり、まるで本物の恋愛のような状態に。
3. しかし、A.I. の仕様変更や制限が問題を引き起こす
OpenAI のアップデートや安全対策によって、
以前のような「恋人モード」が使えなくなる瞬間が訪れます。
Ayrin は「彼氏が変わってしまった」と感じ、強い喪失感を覚えます。
4. 彼女は“恋人を失った”ような深い悲しみに陥る
A.I. との関係がどれほど自分の生活の中心になっていたかを痛感し、現実世界とのバランスをどう取るべきか悩むようになります。
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という展開だそうです。ChatGPTとの恋愛感情から自殺した女性もいたはずで、人とAIの関係は複雑になっていくようだ。

その他の主要記事
・ロシアは、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が最新の和平提案は「かなり堅実だ」と述べた後、ウクライナに対しミサイルとドローンによる攻撃を開始した。
・トランプ政権は、中国のDJI社製などの外国製ドローンは国家安全保障にとって「容認できないリスク」であり、米国での販売を禁止すると発表した。
・スウェーデンの活動家グレタ・トゥーンベリ氏は、英国のテロ対策法に基づき、活動が禁止されている団体「パレスチナ・アクション」を支援したとして逮捕された。
・国際的に承認されているイエメン政府とフーシ派反政府勢力は、10年以上前に内戦が始まって以来、最大規模の捕虜交換に合意した。
・ニューヨーク・タイムズの分析によると、イーロン・マスク氏の政府効率化局は広範囲にわたる混乱を引き起こしたが、納税者の​​お金をほとんど節約できなかった。

2025年12月25日 木曜日
Merry Christmas. 良いホリデーシーズンをお過ごしください。

世界の動き 2025年12月16日 火曜日

今日の一言
「AIとコンサルタント」(Bloombergの記事より)
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米コンサルティング会社マッキンゼーの経営陣は、顧客対応を担わない部門全体で約1割の人員削減が必要だとの認識を社内で共有した。関係者が明らかにした。数千人規模の削減に相当し、今後18-24カ月かけて段階的に進める計画だという。人工知能(AI)の急速な進展で事業環境が大きく変わるなか、同社は体制立て直しの局面を迎えている。従業員数は2012年から22年にかけて約1万7000人から最大4万5000人まで増加したが、その後は減少し、現在は約4万人。
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デスクワーカーの削減はまず知的産業から始まる好例だ。人員不足のエッセンシャルワーカーへと人員のシフトがスムースに進むかが全世界的な課題だ。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.ガザ和平計画の進展可能性
【記事要旨】
●取材の困難さ
– イスラエルは軍同行以外のジャーナリストのガザ入りを認めていないため、現地取材は極めて制限されている。
●ハマスの立場
– 幹部フサム・バドランは「武器の将来」について議論する用意はあるが、条件として以下を提示:
– イスラエルのガザ完全撤退
– 軍事作戦の全面停止
– 西岸・ガザ・東エルサレムを含むパレスチナ国家樹立
●最大の争点:武装解除
– イスラエルとトランプ和平案は「ガザの完全非武装化」を要求。
– ハマスはこれを事実上の「降伏」と見なし、受け入れていない。
– ハマスにとって武装は政治的アイデンティティの核心であり、自己防衛の必要性も主張。
●国際安定化部隊の構想
– 米国と国際社会は「国際安定化部隊」設置を模索中だが、進展は遅い。
– 参加候補国としてアゼルバイジャン、インドネシア、イタリア、エジプト、UAEなどが挙げられるが、いずれも戦闘参加には消極的。
– 部隊の任務が「停戦監視」か「非武装化の強制」か不透明。
●今後の予定
– カタールで国際安定化部隊に関する会議が開催予定。1月にも追加会議が計画されている。
– しかし、イスラエル撤退の条件設定や部隊の役割は依然不明確。
●展望とリスク
– 計画は「欠陥がある」との批判もあるが、長期停戦の最良の機会と見る声もある。
– 失敗すればイスラエルが再び戦争に戻る可能性も残る。
【コメント】
要するに、ガザ和平計画は「イスラエル撤退」「ハマス武装解除」「国際安定化部隊の役割」という三重の難題に直面しており、進展は不透明ながらも、長期停戦への希少なチャンスと捉えられているという内容の記事だ。
「武力による支配」と「政治的アイデンティティの維持」が真っ向から衝突している点で国際ガバナンスの大きな検討課題だ。

2.ロブ・ライナーの息子、両親殺害容疑で逮捕
【記事要旨】
ハリウッド映画監督のロブ・ライナーと妻ミシェル・シンガー・ライナーの息子、ニック・ライナーは、両親がロサンゼルスの自宅で刺殺されているのが発見された後、殺人容疑で逮捕された。
32歳のライナーは400万ドルの保釈金でロサンゼルス郡の拘置所に拘留されている。彼は長年にわたり、薬物乱用やホームレス生活との闘いについて語ってきた。
78歳のロブ・ライナーは、『恋人たちの予感』や『スパイナル・タップ』といった人気映画を監督する前は、人気シットコム俳優だった。
【コメント】
シットコム (sitcom) は situation comedy の略で、特定の状況や舞台設定を背景に展開されるコメディ番組のことです。
– 例:家族の日常、職場、学校、アパートなどを舞台に、登場人物のやり取りやトラブルをユーモラスに描く。
– アメリカでは『フレンズ』『ビッグバン★セオリー』『フルハウス』などが代表的。
シットコム俳優 とは、こうした番組に出演し、コメディ的な演技で人気を得る俳優のことを指します。
– ロブ・ライナーの場合、映画監督になる前に『All in the Family』(1970年代の大ヒットシットコム)で俳優として活躍し、広く知られるようになりました。

3.オーストラリア、銃規制強化を検討
【記事要旨】
アンソニー・アルバネーゼ首相は昨日、過去30年間で最悪の銃乱射事件を受け、既に厳しいオーストラリアの銃規制をさらに強化すると誓った。
日曜日、シドニーでユダヤ教の祝日を祝うイベント中に銃撃犯が銃を乱射し、少なくとも15人が死亡、数十人が負傷した。当局によると、ボンダイビーチでの襲撃は、24歳のオーストラリア人とその50歳の父親によって実行された。父親は1998年に学生ビザでオーストラリアに入国し、父親の名義で6丁の銃器を登録していた。
関連情報:シリア生まれのオーストラリア人、アハメド・エル・アハメド氏は、銃撃犯の1人をタックルし、英雄として称賛されている。アハメド氏は「重傷」を負い、入院したが、負傷の経緯はすぐには明らかになっていない。
【コメント】
詳細説明
– 父親(サジド・アクラム, 50歳)
– 出身は パキスタン・ラホール。
– 1998年に 学生ビザでオーストラリアに入国し、その後パートナービザや永住権に移行。
– 銃撃事件当時は「Resident Return Visa(永住者再入国ビザ)」の資格で滞在していたと報じられています。
– 彼は銃器のライセンスを持ち、名義で6丁の銃を登録していたと当局が確認。
– 息子(ナビード・アクラム, 24歳)
– オーストラリア生まれの市民。
– 職業は失業中のレンガ職人。事件直前まで仕事を失っていたと報じられています。
– 過去にオーストラリア国内の治安当局(ASIO)の監視対象となったことがあり、イスラム過激派との関係が疑われていました。
– 事件の背景
– 父子は「釣り旅行に行く」と家族に告げていたが、実際にはシドニー郊外の短期滞在施設に滞在し、計画的に襲撃を準備していたとされています。
– 車両からは即席爆発装置(IED)やイスラム国の旗が発見され、テロ事件として捜査が進められています。

その他の記事
・中国共産党を長年批判してきたメディア王、ジミー・ライ氏は、香港の裁判所で国家安全保障犯罪の有罪判決を受け、終身刑に服する可能性がある。
・ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアとの停戦合意の可能性を探るため、2日連続で米国当局者および欧州各国首脳と会談した。
・ホセ・アントニオ・カスト氏はチリ大統領選挙で圧勝し、世界的な右翼運動の勝利となった。
・ノーベル平和賞受賞者のナルゲス・モハマディ氏の家族は、先週の拘束中にイラン当局からひどい暴行を受け、2回も救急外来を受診したと述べた。
・英国の諜報機関MI6長官、ブレイズ・メトレウェリ氏は、就任後初の公の場での演説で、ロシアは西側諸国にとって「深刻な脅威」であると警告した。

2025年12月16日 火曜日