世界の動き 2025年8月15日 火曜日

今日の一言
「8月は 6日9日 15日」
 毎年8月になると先の大戦を思い出す報道が並ぶ。今日15日は戦没者を慰霊する特別な日だ。
 ほとんどの報道が、戦争の悲惨さを語り、生存者の声を伝える情緒的な内容だ。
 先の大戦への日本の参戦は、八方ふさがりの国情を打開するために軍部・政府そして国民が打った大きな博打という要素が多かった。
 現在の我が国を取り囲む情勢は「新たな戦前」と言われるほど厳しい。いまわれわれが何をすべきかは週末に考えたい。今日は、しばし黙祷。

世界の動き
ニューヨークタイムズ電子版より
1.ウクライナの運命はアラスカで決まるのか?
【長文記事】
 トランプ氏とプーチン大統領は本日、ウクライナ戦争の今後について協議するためアラスカで会談する。ウクライナ側からは誰も出席していない。
 事態は流動的ではなく戦線はここ数年ほとんど動いていない。ロシアとウクライナの目的は変わっていない。
 しかし、トランプ氏が何をするかは誰にも分からない。過去7ヶ月間、彼の戦争に関する立場は大きく揺れ動いた。大統領執務室でウクライナのゼレンスキー大統領を侮辱し、プーチン大統領の「戯言」を批判し、モスクワへの制裁をちらつかせた。
 先週、トランプ氏はロシア大統領と長らく待ち望まれていた一対一の会談を突然実現させたが、ゼレンスキー大統領を招待リストから外した。ウクライナとそのヨーロッパの同盟国は、トランプ氏がプーチン大統領と取引をすることを懸念している。
 この戦争を理解するためのいくつかの方法を挙げよう。
 誰が勝っているのか? 2022年にウクライナが装備不足のロシア軍を壊滅させた後、プーチン大統領は自国を戦争に備えさせるべく再構築した。ロシアは新規兵士の募集に巨額の資金を投じ、イラン製ドローンにも多額の投資を行った。プーチン大統領は自国の兵士を犠牲にすることをいとわず、ウクライナの約2倍の犠牲者を出している。苛酷な消耗戦が今やロシアに有利に働いている。
 ウクライナは依然としてロシアに打撃を与えることができる。資金と兵士の不足をドローン戦がいかに補えるかを示した。ロシアの奥深くに数十億ドルの損害をもたらしたウクライナの奇襲攻撃「スパイダーズ・ウェブ作戦」では使用されたドローンの価格はわずか600ドルだった。
 トランプとプーチンの関係:トランプはロシア大統領を高く評価しているようだ。これは、彼が強権政治家を一般的に称賛していることを反映している。彼は、ロシアの干渉が2016年の大統領選での自身の勝利を後押ししたという非難に依然として憤慨している。トランプ氏が『ロシア捏造Russia hoax』と呼ぶものに対する彼の怒りは何年もくすぶり、今ではプーチン氏を被害者意識を持つ味方と見なしている。
 戦争を変えた戦争:数千機のドローンがウクライナ(そして時にはロシア)上空を殺戮の実験場と化した。この戦争は、誰がこの紛争を、そしておそらくはその後のあらゆる紛争を制するかを競うダーウィン的な競争を促した。
 人的損失:この戦争は世界政治を一変させたが、実際に戦っているのは生身の人間だ。100万人以上のロシア兵とウクライナ兵が殺害または重傷を負った。民間人も悲惨な被害を受けた。Timesのフォトジャーナリストたちは、ロシア軍の進撃から逃れる避難民、戦闘に復帰した重傷を負ったウクライナ兵、そしてロシアの激化する攻撃による血なまぐさい犠牲者を取材してきた。
【コメント】
 So what?という内容の記事だ。この記事の内容の殆どを読者は理解しているだろう。会談の結果の可能性やその後の両国の政策展開についての洞察が欲しかった。

2.ガザ地区への物資供給は増加しているが、まだ十分ではない
【記事要旨】
 ガザ地区への支援物資輸送を調整しているイスラエルの機関は、ここ数日、毎日約300台のトラックがガザ地区に入り、食料価格が下落していると述べた。
 しかし、人道支援団体と国連は、これではまだ十分ではないと指摘する。多くのトラックが目的地に到着する前に、困窮した人々や武装勢力に阻止されている。また、ガザ地区へのルートが限られていることや、イスラエルの検問所での長時間の待ち時間なども障害になっている。
 関連記事:世界がガザ地区に注目する中、ヨルダン川西岸地区の過激派入植者たちは、1967年のイスラエルによる同地区占領以来、最も暴力的で効果的な脅迫と土地収奪作戦の一つを展開している。私たちの報道によると、覆面をした入植者たちは、通常、真夜中にパレスチナ人の村に忍び込み、車両や建物に放火している。
【コメント】
 ガザが少し落ち着いたと思ったら、ヨルダン河西岸がきな臭いようだ。イスラエルの武力を使った拡張主義はとどまるところを知らない。

その他の記事
スーダン:戦争と避難により、同国ではここ数年で最悪のコレラ流行が発生している。
インド:インド領カシミールの巡礼路で発生した突発的な洪水により、数十人が死亡、数百人が行方不明となっている。
カナダ:エア・カナダは昨日、客室乗務員によるストライキの可能性に備えて、運航停止措置を開始した。

貿易:トランプ大統領が計画している関税は、長年にわたり米国の製薬会社が税制優遇措置を受けてきたアイルランドの医薬品産業の中心地を脅かす。

2025年8月15日 金曜日