世界の動き 2022年8月31日 水曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
“If you are not a liberal at 25, you have no heart. If you are not a conservative at 35, you have no brain. “「25歳でリベラルでなければ心が無い。35歳で保守でなければ頭が無い」
チャーチルの言葉だと言われる。

1.中国共産党大会の全貌
【記事要旨】
 5年に一度2300人の代表の参加により開催される大会は今回は北京で10月16日から。習近平が3期目の主席に選出される予定。大会では中国の政策全般が決定されるが、強圧的なコロナとロシア政策は、批判される恐れもある。李首相はやや柔軟な政策を主張してきたが、今大会で退陣が見込まれる。
【コメント】
 既定路線通り進むと思われる。波乱は期待できない。

2.インドで家族の概念が広がる
【記事要旨】
 インド最高裁は、結婚していないカップルや同性婚カップル等の普通でない家族を家族と認める判断を示す。今回は、再婚した夫の子供の世話のために育児休暇を取った看護婦の女性が、自分の子供を産むために産児休暇を取ろうとして認めないとした雇用者の判断を違憲とした。
【コメント】
 先日はシンガポールで同性婚が認められた。保守的な憲法を持つ旧英連邦諸国で進歩的な判断が広がっているようだ。

3.中国での重要都市のロックダウン
【記事要旨】
 中国と北朝鮮をつなぐ重要都市である瀋陽市は、中国と北朝鮮によるロックダウンの影響を受けている。900万人の都会で数十人の感染者が判明しただけで同市は1か月封鎖された。同市は旅行者に対して中国で最も厳しい規制を敷いている。2018年には165200人の北朝鮮からの旅行者がいたが今は消滅している。
【コメント】
 デジタルでは解決しない実体経済の問題がある。人の動きが金の動きをもたらすのだが両国政府は無視している。

その他:
パキスタンの水害
Torrents of floodwater in Pakistan have damaged or destroyed more than one million homes and have left more than 1,100 people dead.
中国は演習を継続
Taiwan said China was still carrying out military drills around the island, Reuters reports.
世界保健機関(WHO)人種差別的で威圧的な言動をしたと職員から告発された西太平洋地域事務局の葛西健(事務局長を一時的に交代させた
The World Health Organization’s top director in Asia, Dr. Takeshi Kasai, has been put on leave after staff members accused him of racist, abusive and unethical behavior, The Associated Press reports.

(2022年8月31日 水曜日)

世界の動き 2022年8月30日 火曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「金融教育」
 日経新聞によれば、金融庁は、8月末にまとめる2022事務年度の金融行政方針で、民間金融機関などが進めてきた金融教育について、「国全体として体制を検討する」と明記し、国家戦略として推進するよう、官邸に設置した「新しい資本主義実現会議」に提言するという。官民が連携して推進する新たな体制を作り、全世代を通じて金融教育を提供する制度を議論したい考えだそうだ。
 金融の本質は、価格の変動(volatility)と時間価値(time value )を説明すれば理解できる。1989 年末以来、株式投資の運用利回りが預金金利を上回った時期は殆どないという歴史の説明も必要かもしれない。運用商品は手数料の低い単純なものが良い。これらを説明するのには1時間もあれば十分だろう。官民を挙げてとのことだが、業界の自社商品への誘引の機会にしてはならない。

1.中国で28人が婦女暴行で逮捕される
【記事要旨】
 唐山市で6月にレストランで起きた女性が暴行を受けた時間を契機に、市内のギャング団が逮捕された。これら28人は2012年以来11件の違法カジノ等の犯罪に関与していた。女性蔑視の中国での感情や警察や当局の腐敗も背景にある。
【コメント】
 監視カメラが社会の隅々に設置された中国でもギャング団が勢力を伸ばしているようだ。当局とつるんでいるとすれば可能なのだろう。腐敗撲滅がガス抜きにはなっているようだ。

2.海底資源開発に許可
【記事要旨】
 海底資源は強国に独占されておらず開放されている。国際海底機関(国連組織)はカナダのMetals Companyに、海底資源の開発許可を与えた。同社はコバルト、鈴、ニッケル資源に富んだ鉱区を開発する。サンディエゴの南西1500マイル沖にある鉱区で、同社は280百万台の電気自動車をまかなう金属を生産し25年で310億ドルの売り上げをあげる計画。国際海底機関の職員からはカナダの会社への情報共有と途上国差別への批判も出ているという。米政府はEVへの減税をすすめガソリン車からの転換を促進している。
【コメント】
 海底の鉱区を国連が割り振っているのだろうか?調べてみます。

3.台湾は半導体戦争に巻き込まれる

【記事要旨】
 台湾をめぐる緊張が半導体の供給に影響している。世界の先端企業の多くはTSMCが作る先端半導体に依存している。中国は半導体生産への影響を懸念し台湾への軍事進攻を控え、米国は安定供給維持のため台湾の防衛に努力する構図は、台湾の人たちが「TSMCは台湾を守る砦」と言う所以だ。
【コメント】
 TSMCは凄い企業だ。ファンドリーなんて何の価値も生み出さないと日本の半導体企業はうそぶいていた時期があったのですがね。

その他:
ウクライナは南部で攻勢
The Ukrainian military announced that it had launched offensive operations in southern Ukraine, perhaps signaling the start of a long anticipated counteroffensive aimed at retaking territory seized by Russia.
ネコ語の翻訳
Entrepreneurs are developing tools that use artificial intelligence in an attempt to translate animal communication into plain English. A Times reporter explored some of the tools and tested one with her cat.
欧州での渇水
Low water levels due to drought are disrupting European river cruises.
As droughts become more frequent, a British official said that people need to be “less squeamish” about drinking recycled wastewater.

(2022年8月30日 火曜日)

世界の動き 2022年8月29日 月曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の言葉:
「ラインの守り」
 ラインの守り、またはラインの護り(ドイツ語:Die Wacht am Rhein)はドイツの軍歌・愛国歌としての要素が強い民謡。 1840年にマックス・シュネッケンブルガー(Max Schneckenburger)が作詞し、1854年にカール・ヴィルヘルム(Karl Wilhelm)によって作曲された。(Wikipediaより)
 映画「カサブランカ」でドイツ軍将校団が我が物顔で「ラインの守り」を酒場で歌うのに対し、レジスタンスの闘士ラザロが「ラマルセイエーズ」を歌わせるシーンを思い出す人が多いのではないだろうか。
 渇水のライン河が干上がり、水没したドイツ軍艦船が現われ航行を邪魔する様子が報じられている。座礁を避けるために船は積み荷を4分の一に減らして運航しているそうだ。渇水の本番は秋だそうで、更なる水位の低下も見込まれる。ガス価格の高騰でドイツでは褐炭を使った発電と原発が再開される計画だが、与党の一角である「緑の党」が強硬に反対しているようだ。
 ロシアに対する守りとしての民主主義大国ドイツの安定に期待したい。

1.中国での記録的な干ばつ
【記事要旨】
 11週間続く干ばつが南西部での水力発電に大きく減らしている。フォックスコン、トヨタ、フォルクスワーゲンの工場が電力不足により生産を制限している。電力自動車の充電に徹夜したり、四川省では停電が10時間以上続く都市が出ている。河川の渇水で内航海運が使えず大量のトラック輸送で代替している。20百万人を抱える重慶では45度を記録している。
【コメント】
 ドイツの渇水と同じ話。人口降水を図っているがまさに焼け石に水のようだ。

2.パキスタン全土での豪雨
【記事要旨】
 6月中旬からのパキスタン全土での豪雨ですでに1000人以上の死者が出ている。国土を貫くインダス川流域では過去30年平均の3倍の降水量を記録。33百万人が被害を受け50万人がキャンプに避難中。
【コメント】
 同じアジアで方や渇水、方や豪雨。お天道様、何とかしてくださいよ。

3.オーストラリアは原住民の権利を確認
【記事要旨】
 オーストラリアは同国憲法で認められていないアボリジニとの間で契約を結んだことは無かった。現労働党政府は国民投票を行い、憲法を改正してAboriginal and Torres Strait Islander Voiceという組織を作り、改善に取り組む意向。詳細はまだ不明だ。
【コメント】
 どうもステップがわかりにくいが、先住民族が憲法で認められていなかったという現状は驚きだ。

その他:
米海軍艦艇が台湾海峡通過
Two U.S. warships sailed through the Taiwan Strait yesterday, defying Chinese pressure.
日本のアフリカ会議は常任理事国入りが狙い?
Japan pledged $30 billion in aid to Africa and said it would push for an African seat on the U.N. Security Council, Al Jazeera reported.
ウクライナの原発
Artillery strikes continued near the Zaporizhzhia nuclear plant during negotiations to allow international inspectors to visit.

(2022年8月29日 月曜日)

夏の宿題

今日、久しぶりに「サザエさん」を見た。夏休みの終わりに、カツオは例によって宿題が終わっていない。まずは工作の宿題で大作を作ろうとするが上手く行かない。そうこうしているうちに夏休み最後の日が来て、結局はカツオの宿題を、波平とマスオさんが手伝うことになり、フネさんとサザエさんは徹夜用のおむすびを作るというお話だ。

この話は奥深い。大事を横に置いて小事に囚われることはよくある。楽なことばかりして苦は後回しにしがちだ。なさなければならないことを、本人がしないと、家族や会社では同僚や上司がやらなければならなくなる。宿題はさっさと済ませた方だったが、銀行に就職してからは、ピンチで上司に助けられたことは今でも思いだす。

今日新聞を取りに行ったら、玄関前でセミが死んでいた。ミンミン蝉の声はもう聞かれない。夏も終わりだ。4月から始まったフランス語講座も最後の9月に入る。ラジオ講座を毎日惰性で聞いてきたが、予習も復習もしないため、少しも身に付かない。

日曜にサザエさんを見終わると日曜も終わりと気づきブルーになるという話がある。カツオを笑うわけには行かない自分を発見し、いつものことなので、自分にあきれる。反省!

(2022年8月28日 日曜日)

「売国奴」という嫌な言葉

「売国奴」というとても汚い響きを持つ言葉がある。辞書に寄れば「国を売る行為を行うものに対する侮蔑語」と説明されている。類語に「国賊」があるが、こちらは侮蔑の感情は含まれていないと思う。

 自民党の政治家の「旧統一教会」との関係が取りざたされている。私が大学生のころは原理研究会の活動が盛んでキャンパスで何度か勧誘を受けた記憶がある。ただ、最近メディアで大きく取り上げられている教会の「思想」は知らなかった。

  Wikipediaによると旧統一教会の思想は以下のようなものだ。「日本は”エバ国家”で「サタン(悪魔)の国」であるとの反日教義が教えられている。また、エバ国家である日本のLGBTや同性婚、夫婦別姓は「共産主義」とされ、認めさせてはならないと説いている。文鮮明の教え(教義)の一つとして、文教祖の恨(ハン)を晴らすのは「エバ国家日本をアダム国家韓国の植民地にすること」「天皇を自分(文鮮明)にひれ伏させること」としている。また文鮮明が大韓民国中央情報部(KCIA)の指示の下、同じく設立した関連団体の反共産主義政治団体国際勝共連合では、「朝鮮半島が突破口に第三次世界大戦が必ずおこらなければならない」「日本は生活水準を3分の1に減らし、税金を4倍、5倍にしてでも、軍事力を増強してゆかねばならない」とし、日本の国民に犠牲(生贄)になることを要求している。」

 自民党議員で、教会の会合に実際に参加したり、教祖夫人に花束を贈ったり、ビデオメッセージを送っていた人や教会施設に候補者を紹介した人や、教会に票の取りまとめを依頼していた人は、このような教会の「思想」を把握していたのであろうか?

 もしこうした思想の一端でも把握しながら、選挙での票と動員力と資金力に期待して積極的に接近していたとしたら、「売国奴」のそしりを免れられないであろう。不注意で接近していたとしても「国賊」にはなりそうだ。        そうした人たちには議員を続けてほしくないものだ。

(2022年8月27日 土曜日)