「売国奴」という嫌な言葉

「売国奴」というとても汚い響きを持つ言葉がある。辞書に寄れば「国を売る行為を行うものに対する侮蔑語」と説明されている。類語に「国賊」があるが、こちらは侮蔑の感情は含まれていないと思う。

 自民党の政治家の「旧統一教会」との関係が取りざたされている。私が大学生のころは原理研究会の活動が盛んでキャンパスで何度か勧誘を受けた記憶がある。ただ、最近メディアで大きく取り上げられている教会の「思想」は知らなかった。

  Wikipediaによると旧統一教会の思想は以下のようなものだ。「日本は”エバ国家”で「サタン(悪魔)の国」であるとの反日教義が教えられている。また、エバ国家である日本のLGBTや同性婚、夫婦別姓は「共産主義」とされ、認めさせてはならないと説いている。文鮮明の教え(教義)の一つとして、文教祖の恨(ハン)を晴らすのは「エバ国家日本をアダム国家韓国の植民地にすること」「天皇を自分(文鮮明)にひれ伏させること」としている。また文鮮明が大韓民国中央情報部(KCIA)の指示の下、同じく設立した関連団体の反共産主義政治団体国際勝共連合では、「朝鮮半島が突破口に第三次世界大戦が必ずおこらなければならない」「日本は生活水準を3分の1に減らし、税金を4倍、5倍にしてでも、軍事力を増強してゆかねばならない」とし、日本の国民に犠牲(生贄)になることを要求している。」

 自民党議員で、教会の会合に実際に参加したり、教祖夫人に花束を贈ったり、ビデオメッセージを送っていた人や教会施設に候補者を紹介した人や、教会に票の取りまとめを依頼していた人は、このような教会の「思想」を把握していたのであろうか?

 もしこうした思想の一端でも把握しながら、選挙での票と動員力と資金力に期待して積極的に接近していたとしたら、「売国奴」のそしりを免れられないであろう。不注意で接近していたとしても「国賊」にはなりそうだ。        そうした人たちには議員を続けてほしくないものだ。

(2022年8月27日 土曜日)