世界の動き 2026年3月9日 月曜日

今日の一言
「時差ぼけ」
英語ではJet lagという。ジェット機を使って海外旅行に要する時間が短縮されたことが時差ぼけの原因ということを示唆する言葉だ。
戦争の影響で2日伸びて13日間になったエジプト旅行から帰って時差ぼけがひどい。今朝は目覚ましを6時にセットしていたが止めて二度寝して7時半にやっと起床した。困った状況だ。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.イランにおける革命防衛隊(IRGC)の役割
【記事要旨】
■ 空爆直後の国内対応
イスラエルと米国がイランを空爆した直後、革命防衛隊(IRGC)の民兵がテヘランなどの都市部に展開。
・私服で武装した隊員が検問を設置し、車両や携帯電話をチェック
・反政府的な叫び声が上がった建物に発砲する事例も
・「最高指導者のために来た軍だ」と叫びながら街を巡回
■ IRGCとは何か
IRGCはイラン体制の軍事的中枢であり、以下を掌握する。
– 弾道ミサイル・ドローン開発
– 核施設の防護
– 中東各地の親イラン民兵組織の統括
– 国内経済の大部分(少なくとも25%、実際はもっと多い可能性)
専門家は「IRGCこそが体制そのもの」と指摘。
最高指導者が最終決定者で、IRGCが国家運営の大部分を担う構造。
■ 体制変革の可能性について
トランプ政権は、
– IRGCが武装解除して政権交代を後押しする
– あるいは、現実路線の派閥が米国と妥協する
といったシナリオを想定しているとされる。
しかし多くの専門家は逆にIRGCこそが体制変革の最大の障壁だとみている。
■ 歴史的背景:革命防衛隊の誕生
1979年革命後、ホメイニ師は旧軍(アルテシュ)を信用せず、
革命を守るための並行軍事組織としてIRGCを創設。
– 地域のモスクを中心とした自警団が母体
– イラン・イラク戦争で組織が強化
– 1989年以降、ハメネイ師が権力基盤としてIRGCを拡大
制裁下では密輸やインフラ建設を通じて経済力を拡大。
■ 中東での影響力拡大
2003年の米国によるサダム・フセイン政権崩壊後、
IRGCの「コッズ部隊」がレバノン、シリア、イラク、イエメン、ガザなどで親イラン武装勢力のネットワークを構築し、外交面でも大きな力を持つようになった。
■ 現在のIRGCの構造
– 人員:12万〜18万人
– 情報機関や民兵組織バシジを統括
– 兵士の多くは徴兵制で社会の縮図だが、
中核は2,000〜3,000人の強硬派エリートで、体制と利権に深く結びつく
– 各州の指揮官に大きな裁量を与える「モザイク戦略」を採用
次世代指揮官は未知数で、米国と妥協する可能性もあるが、
今回の戦争がむしろ反米・反イスラエル感情を強める可能性もある。
■ 今後の見通し
米・イスラエルの攻撃が長期化すれば、IRGC上層部が壊滅し組織が弱体化する可能性はある。しかしIRGCは伝統的に消耗戦で相手を疲弊させる戦略を取っており、今回もその構えを見せている。
■ 最新の戦況(記事時点)
– イスラエルがイランの燃料施設を攻撃
– 米軍はイラン国民に「自宅待機」を警告
– 最高指導者の後継選びが進み、ハメネイ師の息子モジュタバが有力視(その後選出されたとの報道)
– イスラエルはレバノンでも大規模攻撃
– オスロの米大使館で爆発(標的型攻撃の可能性)
– ホルムズ海峡の緊張で原油価格が影響
【コメント】
戦争は長期化する様相を呈している。NYの原油先物は100ドルを突破した。トランプはイランの無条件降伏を要求しているが、この記事にあるように革命防衛隊がイランの骨格なら、そのような要求を呑むはずもない。

2.元ラッパーの政党がネパールで圧勝
【記事要旨】
ネパールで行われた総選挙の部分開票結果によると、元ラッパーでカトマンズ前市長のバレンドラ・シャー(35)が率いる政党 Rastriya Swatantra Party(R.S.P.) が、165議席中100議席を獲得する勢いで、近代ネパール史上最大級の地滑り的勝利となっている。
今回の選挙は、前年の若者主導の反政府運動で腐敗とみなされた政権が崩壊した後、初めての選挙。シャーは次期首相に就任する見通しで、R.S.P.の候補者の平均年齢は、従来の三大政党よりもはるかに若い世代で構成されている。
【コメント】
ネパールの選挙結果は、「若者の政治的エネルギーは、眠っているだけで消えてはいない」ということを教えてくれる。
そして、既存政治がそのエネルギーを吸収できなければ、全く新しい勢力に一気に流れるということを示唆する。日本にとっても、決して他人事ではない。

その他の記事
・ロシアはミサイルとドローンでウクライナを攻撃し、ハリコフで少なくとも10人が死亡した。
・コロンビアでは、相次ぐ暴力行為により国民の多くが不安に陥った後、議会選挙が実施された。
・トロント地域のシナゴーグ2軒が銃撃を受け、さらに1週間も経たないうちに別のシナゴーグが銃撃された。
・世界有数のレストラン「ノーマ」の元従業員数十人が、創業シェフのレネ・レゼピ氏が長年にわたり従業員に対し、身体的および精神的な暴力を加えていたと証言した。

2026年3月9日 月曜日
AM8:12 曇り 4℃ 肌寒い朝です

NIDECの第三者委員会調査報告書

エジプト旅行中に興味を引いた事案がNIDECの会計不正に関する第三者委員会調査報告書だった。
 3月3日にNIDECからその詳細が以下に公表されている。
 https://www.nidec.com/files/user/www-nidec-com/corporate/news/2026/0303-01/260303-01jp.pdf

 商売柄気になるのは、内部監査部門がどのように機能し内部統制が機能していたかだ。しかし、272ページに及ぶ報告を読むのは至難の業だ。そこで筆者が行っているのが、文書を語句検索することだ。「内部統制」「内部監査」について言及されている場所をさっさと確認することだ。

 「内部統制」については20か所。「内部監査」については121か所で言及されている。今日は「内部統制」について報告書がどのように説明しているか見てみたい。

■ 内部統制に関する主要な指摘
1. 内部統制は「存在していた」が「機能していなかった」
 報告書は、ニデックの内部統制について次のように総括している。
 - 文書上は内部統制制度は整備されていた
 - しかし、実質的には内部統制は機能していなかった
 - 特に「統制環境(Control Environment)」が崩壊していた
● 統制環境の崩壊とは?
 - 永守氏の強烈な業績プレッシャー
 - KPI至上主義
 - 不正を誘発するインセンティブ構造
 - 経営トップの意向が内部統制を上書きする文化
 → COSO内部統制の最上位層(統制環境)が壊れると、他の統制はすべて無力化するという典型例。

2. 「経営者による統制の無効化(Management Override)」が常態化
 報告書は、ニデックの不正の根本原因として、
経営トップによる統制の無効化を明確に指摘している。
● 具体的には
 - 永守氏の指示で、売上・利益の調整が行われる
 - 特命監査や特命調査が、内部統制を迂回する手段として使われる
 - 経理部門がトップの意向に沿って数字を“作る”文化が形成
 → 内部統制の最大の弱点である「トップによる無効化」が制度化されていた。

3. 財務報告に係る内部統制(J-SOX)が実質的に機能不全
 報告書は、財務報告プロセスにおける内部統制の問題を次のように整理している。
● 問題点
 - 売上計上のタイミングが恣意的
 - 在庫評価の操作
 - 引当金の過少計上
 - 子会社の数字を“調整”する慣行
 - 経理部門がトップの意向に従属し牽制機能がない
● 結果
 - 財務報告に係る内部統制は「形式的には存在するが、実質的には無効」
 - J-SOXの評価も、実態を反映していなかった

4. 子会社管理(モニタリング)が極めて不十分
 ニデックは多数の子会社を抱えているが、報告書は次の点を問題視している。
● 子会社管理の問題
 - 子会社の経理・管理部門が弱い
 - 本社のモニタリングが形式的
 - 子会社の不正が長期間発見されない
 - 子会社の数字が“調整対象”として扱われる
 → グループ内部統制が機能していない典型例。

5. 内部通報制度が機能していない
 内部統制の重要要素である内部通報制度についても、報告書は厳しい評価をしている。
● 指摘点
 - 通報しても改善されない
 - トップの意向に反する通報は握りつぶされる可能性
 - 通報者保護が不十分
 - 通報制度が「経営トップの意向を補強する装置」になっていた
 → 内部通報制度が“統制の最後の砦”として機能していない。

6. 監査等委員会・社外役員への情報伝達が不十分
 内部統制のモニタリング機能として重要な社外役員への報告が、意図的に“薄められて”いた。
● 問題点
 - 個別不正の事実だけを報告
 - 根本原因(プレッシャー文化)は共有されない
 - 特命監査の結果は共有されない
 - 社外役員が「異常な不正件数」に気づけない構造
 → モニタリング機能が情報遮断によって無力化されていた。

 COSOフレームワークで要約するとどうなるか?
COSO構成要素 NIDECでの状況
統制環境   経営トップのプレッシャー文化で崩壊
リスク評価  業績プレッシャーのリスクを過小評価
統制活動   トップの意向で恣意的に無効化
情報と伝達  社外役員・監査等委員に重要情報が遮断
モニタリング 内部監査が機能不全。
       特命監査はブラックボックス
 → COSOの5要素すべてが実質的に機能せず。

■ 内部統制に関する示唆(実務に落とせるポイント)
1. 内部統制は「制度」ではなく「文化」で決まる
 - 文書化された制度があっても 経営トップの価値観が統制を上書きすれば 内部統制は完全に無力化する
2. トップの統制無効化は最も危険なリスク
 - 経営者の意向が数字を動かす文化は、内部統制の根幹を破壊する。これは内部監査だけでは止められない
3. 内部統制は“情報の透明性”がなければ機能しない
 - 特命監査のブラックボックス化
 - 社外役員への情報遮断
 - 子会社管理の不透明性
 これらは内部統制の死を意味する。

■まとめ:内部統制部分の本質
 報告書が内部統制に突きつけたメッセージは非常に明確である。
「内部統制は存在していたが、経営トップの文化と行動によって実質的に無効化されていた」
「統制環境が壊れると、どれほど制度を整えても内部統制は機能しない」

■報告書には無い筆者の独自指摘を2点しておきたい。

1.専門性を欠く社外役員と監査等委員

NIDECの決算遅延がなかった2024年3月期の有価証券報告書で確認すると、常勤監査等委員の出身は大蔵省と経産省、社外役員5名の出身は大蔵省2名、大学教授3名、社外監査等委員3名は、大学1名、弁護士1名、外務省1名、という構成だ。会計や監査、企業金融の専門家は一人もいないのには驚きだ。社外役員や監査等委員からうるさい指摘を受けないために永守氏が考えた人員構成に思える。

2.二流の会計監査事務所

PWC京都会計事務所は、不正会計事案に何度か名前の挙がる事務所で、PWCの傍系とは言うものお粗末な監査法人だ。事務所で最大の顧客であろうNIDECの永守氏に対しては、なかなか内部統制上の指摘も難しかったのであろうと思われる。不正会計事案の萌芽をrつかんだ時点で、もっと強くNIDECの経営者に完全を迫ることが出来たと思われるのだが、そうはならなかった。

2026年3月8日 日曜日
14:00 快晴 11℃ 肌寒く風が強い

2026年2月23日から3月6日の市場動向 備忘録

【米国株式市場】
市場全体の流れ(2/23〜3/6)
この期間の米国株は、地政学リスク(米国・イラン情勢の急激な悪化と戦争の開始)と原油高騰、インフレ懸念の再燃により、全体として下落基調。特に 3月6日 にかけて原油価格が急騰し、株式市場は大きく売られました。

🗓 主要イベントと株価の動き(時系列)
■ 2月20日(前週末基準日)
– Dow:49,395.16
– NASDAQ:22,682.73
– S&P500:6,861.89

■ 2月23日週(2/23〜2/28)
2月20日時点で既に
– 米国・イランの緊張
– 民間クレジット市場の不安
が市場を押し下げていた。

■ 2月28日:米国・イスラエルのイラン攻撃
●攻撃の内容
– 米国とイスラエルがイランを攻撃し、最高指導者アリ・ハメネイ師が死亡。
– 中東全域が緊張状態に入り、イランはイスラエルへミサイルを発射して報復。
– ホルムズ海峡のタンカー輸送が停止・混乱
→ 一部の石油メジャーやトレーディング会社が原油・燃料の出荷を停止。
●市場の反応(直後〜週明けの見通し)
原油市場:急騰
アナリストの共通見解は「原油価格は週明けに大幅上昇」。
– 供給リスクが極端に高まった
– ホルムズ海峡は世界の原油輸送の約20%を占める要衝
– 8〜10百万バレル/日の供給が実質的に失われる可能性
– OPEC+の余力はほぼゼロ(サウジ以外は増産余地なし)
→ 供給ショックに対する緩衝材がない
株式市場:リスクオフ(下落圧力)
2月28日は土曜日のため、株式市場は休場だがアナリストは以下の反応を予測:
– エネルギー価格急騰 → インフレ再燃懸念 → 金利低下期待の後退
– 地政学リスクの急上昇 → 株式は週明けに売られやすい
– 特に影響を受けるセクター
– 航空、物流、消費関連(燃料コスト上昇)
– 金融(リスクオフで利回り低下)
– 相対的に強い可能性
– エネルギー株(原油高)
– 防衛関連

■3月2日〜3月5日
この期間は、
– 原油価格の上昇
– 中東情勢の悪化
– インフレ懸念
が強まり、株式市場は徐々にリスクオフへ。
■ 3月6日(Close)
地政学リスクがピークに達し、株式市場は大幅安。
– Dow:47,954.74(Nasdaq記事) 2週間でー3%
– NASDAQ:22,748.99(Nasdaq記事)同 +0.3%
– S&P500:6,830.71(Nasdaq記事) 同 ー0.5%

【日本株市場】
日本株:2月23日〜3月6日の全体像
この期間の日本株は、米国・イスラエルによるイラン攻撃(2月28日)を中心とした中東情勢の急激な悪化により、3月前半にかけて大きく乱高下しました。特に 3月4日・3月3日 にかけては、TOPIX・日経平均ともに急落しています。

🗓 日別の動き(TOPIXデータより)
■ 2月23日〜2月27日:堅調 → 最高値更新
– 2/24:3,815.98(+0.20%)
– 2/25:3,843.16(+0.71%)
– 2/26:3,880.34(+0.97%)
– 2/27:3,938.68(年初来高値)
→ 米国株の強さと円安を背景に、日本株は連日上昇。
■ 2月28日:中東情勢の急悪化(米国・イスラエルがイラン攻撃)
– 日本市場は休場(週末)
– しかし、週明けに向けて「原油急騰・地政学リスク増大」の警戒感が急速に高まる。
■ 3月2日〜3月6日:急落 → 反発
– 3/2:3,898.42(-1.02%)
→ 中東リスクでエネルギー価格上昇、世界株安の流れに追随。
– 3/3:3,772.17(-3.24%)
→ 原油急騰・米国株急落を受け、日本株も大幅安。
– 3/4:3,633.67(-3.67%)
→ 2日連続の大幅下落。リスクオフがピーク。
– 3/5:3,702.67(+1.90%)
→ 過度な悲観後の自律反発。
– 3/6:3,716.93(+0.39%)
→ 小幅続伸。    2週間ではー2.4%

■セクター分析
ポジティブなセクター
エネルギー(石油・石炭製品)
– 原油供給不安 → 原油価格急騰
– 日本の石油元売り(ENEOS、出光興産など)は原油価格上昇局面で利益改善が期待されやすい
– 世界的にエネルギー株が買われる流れに連動
ネガティブなセクター
航空・陸運
– 燃料費上昇 → 収益悪化懸念
– リスクオフで旅行関連も売られやすい
製造業(自動車・機械)
– 世界株安の影響
– 円高リスク(地政学ショック時に円が買われやすい)
金融
– 世界的な株安 → リスクオフ
– 金利低下観測の後退で銀行株も弱含み
小売・消費関連
– 原油高 → コスト増
– 景気後退懸念

【金利・為替市場】
日本の10年国債利回り
– 2月下旬:やや上昇(2.10% → 2.15%)
→ インフレ懸念と世界金利上昇の影響
– 3月初旬:一時低下(2.06%)→ 再上昇(2.14%)
→ 地政学ショックで安全資産買い → その後原油高でインフレ懸念が再燃
日本の金利は全体として小幅上昇(約+0.03%)だが、日銀の政策枠組みのため、米国ほど大きく動かず。

米国10年債
– 日本10年金利:3/3 時点で 2.14%
– スプレッド:3/5 時点で 1.97%
→ 米10年金利は 約 4.1% 前後。
米金利の特徴(市場コンセンサス)
– 原油急騰 → インフレ懸念 → 金利上昇圧力
– 地政学ショック → 一時的な安全資産買い → 金利低下
– 結果として、上下に振れながらも全体としてはやや上昇

ドル円為替
有事の円高の経験則は当たらず、2月20日の155.045から3月6日の157.765まで徐々に円安が進行。地政学リスクと中東へのエネルギ0-依存度の高い日本の通貨が買われる可能性は低い。

【PE市場プライベートクレジット市場】
2026年に入ってからのMBOのまとめ
2026年に入ってからの MBO 発表・成立件数
– 発表ベース:7件
– 久光製薬
– 三光産業
– MCJ
– ワットマン
– INFORICH
– ほか(Fast Fitness Japan・太平洋工業は前年からの継続案件)
– 成立ベース:4件以上
– 久光製薬
– マンダム
– Fast Fitness Japan
– 太平洋工業

プライベートクレジット市場の暗雲
1. BlackRock がプライベートクレジットの貸付を「ゼロ」に評価
■ 事例①:Infinite Commerce Holdings(Amazon アグリゲーター)
– BlackRock のプライベートクレジット部門(TCP Capital Corp)が
約2,500万ドルの貸付を「100 → 0」へ一気に評価減。
– わずか 3か月前は100セント(満額)評価だったものが、突然の全損扱い。
– 同社は Amazon の店舗買収ビジネス(アグリゲーター)で、
業界全体が急速に悪化していた。
■ 事例②:Renovo Home Partners(住宅リフォーム)
– BlackRock TCP は Renovo Home Partners の貸付も全額ゼロ評価。
– 同社は破綻(Chapter 7)により、価値が完全に毀損。
■ 事例③:Razor Group(Infinite の親会社)
– 約80%の価値毀損(ゼロではないが大幅減)
→ 事業悪化と金利上昇の影響。

1. BlackRock がプライベートクレジットの貸付を「ゼロ」に評価
■ 事例①:Infinite Commerce Holdings(Amazon アグリゲーター)
– BlackRock のプライベートクレジット部門(TCP Capital Corp)が
約2,500万ドルの貸付を「100 → 0」へ一気に評価減。
– わずか 3か月前は100セント(満額)評価だったものが、突然の全損扱い。
– 同社は Amazon の店舗買収ビジネス(アグリゲーター)で、
業界全体が急速に悪化していた。
■ 事例②:Renovo Home Partners(住宅リフォーム)
– BlackRock TCP は Renovo Home Partners の貸付も全額ゼロ評価。
– 同社は破綻(Chapter 7)により、価値が完全に毀損。
■ 事例③:Razor Group(Infinite の親会社)
– 約80%の価値毀損(ゼロではないが大幅減)
→ 事業悪化と金利上昇の影響。

2. 他の大手ファンドでも「ゼロ評価」「償却」「償還停止」が発生
■ Victory Park Capital
– Infinite Commerce への貸付を 完全償却(ゼロ評価)。
■ Blue Owl(大手プライベートクレジット)
– 償還停止(redemption halt) を実施。
→ 流動性不安が顕在化。
■ Blackstone(世界最大級)
– BCRED(Blackstone Private Credit Fund)で過去最大の償還請求
→ 投資家が資金引き上げを急ぐ動き。

3. なぜ「ゼロ評価」が相次いでいるのか?(構造的要因)
■ (1) 金利高止まり → 浮動金利ローンの返済負担が急増
– 多くのプライベートクレジットは 変動金利
– 2021年以前の案件(低金利前提)ほど返済不能に陥りやすい
→ BlackRock TCP の評価減の 91%が2021年以前の案件
■ (2) ソフトウェア・EC企業への過剰エクスポージャー
– Amazon アグリゲーター(Infinite、Razor、SellerX など)が総崩れ
– AI の進展でソフトウェア企業のビジネスモデルが揺らぐ
■ (3) プライベートクレジット市場の「評価の遅れ」
– 非公開市場のため、悪化が一気に表面化する
– 「安定して見えるが、突然ゼロになる」構造的リスク

2026年3月7日 土曜日
AM12:10 曇り 15℃ 暖かいが花粉がひどいです

ブログ再開 Hi, I am back!

 2月19日にブログ休載時には3月2日再開とお知らせしていました。
 やっと、今日3月6日から再開します。

 事情はこうです。2月19日成田発3月1日成田帰着のエジプトツアーに参加していたのです。

 旅行は快適でした。フライトは成田ードバイーカイロのエミレーツ航空での往復。エジプトでは、アブシンベル神殿見学、3泊のナイル河クルーズ、アガサクリスティが「ナイルに死す」を書き武帝にもなっているオールドカタラクトホテル宿泊、ギザのピラミッド見物と順調に進み、2月28日には新装なった大エジプト博物館を見学しピラミッドの見えるレストランでおいしいランチをいただき、あとは帰国するばかりという運びだった。

 悪い知らせは食後届いた。米国とイスラエルのイラン攻撃で、エミレーツ航空が運休になったのだ。とりあえず2月28日は旅行社のアレンジでガザ近郊のホテルに宿泊。3月1日にはイランのドバイへのミサイル攻撃でドバイ空港が被害を受けたため、しばらくエミレーツの運休が続く見込みになった。3月1日も同じホテルに連泊することになった。

 仕事や病院・薬の都合もあり帰国を急ぎたかったので欧州経由での帰国便を捜した。AMEXのヘルプデスクが役に立った。3月2日のカイローパリー羽田(3月3日着)の予約が出来たので、帰国した。

 同じツアーの方々はまだカイロで足止めされているようだ。エミレーツが徐々に運航再開したので、近々帰国されることだろう。皆様の無事を祈りたい。添乗員の方にとっては悪夢のような日々だっただろう。お礼を申し上げたい。

 4日、5日は時差ぼけから、ボーとして過ごしていた。
 今回得た教訓は以下だ。
 ・今後は世界のいつどこでこのようなフォースマジュール(Force Majeure)「不可抗力」、即ち、自然災害、戦争、ストライキ、感染症の流行など、人の力では制御・予測できない事由で契約履行が不可能となる事態が起きないとも限らない。
 ・旅装はなるべく身軽にしておいた方が良い。
 ・大きな金額のチャージが可能なクレジットカードを持っておくべきだ。AMEXのヘルプデスクは本当に有難かった。
 ・CNNが一番報道が早い。日本のメディアは海外ではつながらない。空港のフライトインフォメーションが一番役に立った。

 今日から頑張ってブログを再開しますのでよろしくお願いします。

2026年3月6日 金曜日 10:00AM
曇り 8℃