世界の動き 2026年1月16日 金曜日

今日の一言
「中道」
立憲民主党と公明党が新党の結成に合意したと昨日の16時ころ急にニュースが流れて驚いた。
敗者連合という冷ややかな見方から、自民は大きく苦戦という見方まで識者の見方はばらばらだ。
両党は中道勢力の結集というが、「中道」とは、単に「右と左の中間」という意味だけでなく、仏教的な「中(ちゅう)の道」を指し、「道に中(あた)る」、つまり物事の本質・根源(生命や尊厳)に迫り、真実の在り方を見極める姿勢を意味する。それは偏らず、生命の尊厳を重んじ、民衆の幸福や平和の実現を目指す哲学的な立場だ。
しっかりそうした考えを政策に反映して選挙を戦ってもらいたい。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.健康な脳は健康な肉体から
【記事要旨】
脳の健康は誰にとっても重要で、不安を感じやすいテーマだが、実は自分で改善できる部分が多い。
認知症の患者数は高齢化で増えているものの、発症率は低下しており、その理由は主に生活習慣の改善にある。
– 喫煙者の減少
– 心血管の健康向上(特に血圧管理)
脳の健康を守る基本は、よく知られた「食事・睡眠・運動」だ。
運動が脳に良いのは、筋肉などから分泌される「エクサーカイン」が神経を修復し、新しい神経回路を作るためだ。
脳の状態は睡眠の質に最も表れやすい。
よく眠れた日は頭が冴え、眠れない日は集中力や気分が落ちる。
散歩などの小さなセルフケアも脳の働きを良くする。
結論として、脳の健康と身体の健康は不可分であり、「健康な身体=健康な脳」という考え方が重要だ。
【コメント】
世界が混乱していると感じるほど、自分自身を大切にすることが重要になる。世界で何が起こっていても、自分や自分の家族が健康危機に陥れば、すべてが止まってしまうからだ。

2.イスラエルとアラブ諸国、トランプ大統領にイラン攻撃の自制を要請
【記事要旨】
トランプ大統領は、数日間検討してきたイランへの米国による攻撃を控える動きを見せている。水曜日、トランプ大統領はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と会談し、ネタニヤフ首相はイランへの米国による軍事攻撃計画の延期を要請したと、米国当局者が明らかにした。
カタール、サウジアラビア、オマーン、エジプトも、米国の軍事行動がより広範な地域紛争につながる可能性があるとして、トランプ政権に軍事行動の停止を要請した。
専門家によると、イスラエルが米国のイラン攻撃に慎重な姿勢を見せているのは当然のことだ。イスラエルへの反発、新たな戦争を含むリスクはあまりにも大きい。そして、大規模な攻撃以外でイランの聖職者による統治体制を転覆させる可能性は低い。
イランは昨日、数週間にわたるデモの後、政府が残忍な弾圧を続けているにもかかわらず、抗議活動参加者を処刑するとのこれまでの脅しを撤回したようだ。イラン当局は次のように語っている。
【コメント】
トランプはcontrarian:A contrarian is a person who goes against other people’s/majority/prevailing opinions. だ。
みんながやめろというとやる可能性がある。

その他の記事
・グリーンランドの人々は、トランプ政権との会談が行き詰まりに終わった後、今後何が起こるのか不安を抱いている。NATO加盟国の一部は、グリーンランドへの部隊派遣計画を発表した。
・国際宇宙ステーションから医療避難を受けた4人の宇宙飛行士が地球に帰還した。
・トランプ大統領は、ミネアポリスの抗議活動を鎮圧するため、大統領が米国内で軍事力を使用することを認める反乱法を発動すると警告した。
・ノーベル賞受賞者でベネズエラの野党指導者であるマリア・コリーナ・マチャド氏は、トランプ大統領に賞金を分け合うことを申し出た後、会談した。
・オーストラリアのソーシャルネットワークは、禁止措置発効から1か月後、10代の若者のアカウント約500万件を削除または削除した。

かつて世界で最も生産性の高い研究大学だったハーバード大学は、中国の大学がランキングを上げてきたため、3位に後退した。

2026年1月16日 金曜日 当方睡眠の質は低い。昨夜も2度起きた。

世界の動き 2026年1月15日 木曜日

今日の一言
「株価の重し」
 解散報道を受けて株式市場がさらに上昇。証券会社の一部は日経ダウの60000も間近とはやしている。マジか?
 根本的な懸念は少しも解決していない。

1. 財政赤字の持続不可能性 → 金利上昇リスク
 Fitchは、日本の財政赤字が再び拡大する方向にあり、長期的な債務圧力は依然として「重大」と明言している。さらに、2026年にかけて追加の利上げ(1.5%まで)を予測しており、国債費の増大は避けられない。
金利上昇は以下の経路で株価に逆風になる:
– 企業の資金調達コスト上昇
– バリュエーションの圧縮(特に高PER銘柄)
– 家計の可処分所得減少 → 消費鈍化
– 国債利回り上昇による株式から債券への資金シフト
つまり、財政懸念 → 金利上昇 → 株価の重石という構図は全く変わっていないリスクだ。円安で輸入物価が上昇し庶民の生活は全く楽にならない。

2. 業績改善ではなく自社株買いが株価を押し上げている
 2025年の株価上昇は「過去最大規模の自社株買い」による需給改善が大きかったとのアナリストレポートも多い。
 - 企業業績は予想を下回った
 - 米国関税の影響で製造業は伸び悩んだ
という現実もある。ファンダメンタルズが株価に追いついていない状況だ。需給主導の相場は、逆回転が始まると脆い。

3. 日銀のETF売却は「長期的な売り圧力」
 日銀は2025年からETFの売却を開始し、年間約6200億円のペースで売却する計画で、完了には100年以上かかる可能性があると報じられている。
 市場への影響としては:
– 日銀は日本株の約7%を保有 → 売却は需給悪化
– 特に大型株(TOPIX・日経225構成銘柄)に売り圧力
– 海外投資家のセンチメント悪化リスク
 長期的には確実に需給の重石になる。

4. 世界的な地政学リスクの高まり
 - 米中対立の激化
 - 中東・台湾海峡の緊張
 - AI・半導体を巡る国家間競争
 - 日本–中国関係悪化のリスク
これらは日本企業のサプライチェーンに直撃し、株価のボラティリティを高める。

【結論】高市トレードでしばらくは強い相場が続くだろう。その間に利益を確定しポートフォリオをリバランスするべきだ。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.まるで軍事政権下だ(ミネアポリスの現状)
【記事要旨】
 ミネアポリスでは、連邦捜査官によるレニー・グッド射殺事件から1週間、移民取り締まりの強化と強硬な逮捕が住民の怒りを招き、街は緊張状態にある。連邦政府は不法移民の摘発を強化し、住宅街や商業施設の駐車場で住民を拘束するだけでなく、米国市民まで乱暴に扱う事例が相次ぎ、SNSにはその映像が拡散している。
 住民や活動家は、連邦捜査官の行動を監視・記録し、時に妨害しようとしている。市議会議長を含む市民が武装した捜査官に押し倒されるなど、まるで「軍事占領」のようだとの声も上がる。
 一部の取り締まりは通常の法執行を逸脱し、車を衝突させて停止させるなど過激化。群衆が集まり捜査官に怒号を浴びせる場面も増え、暴力的な衝突への懸念が高まっている。
 トランプ大統領は事態の沈静化に関心を示さず、射殺の正当化を示唆し、さらに1000人の移民捜査官を追加派遣。ソマリア移民2,000人以上の保護措置の撤廃も発表した。ミネソタ州とミネアポリス、セントポール市は連邦政府の措置を差し止める訴訟を起こした。
 街では住民と捜査官の対立が激化し、催涙ガスやペッパースプレーが使用される事態も発生。ジョージ・フロイド事件から5年以上が経つが、警察署長は「2020年の再来」を懸念し、街が再び破壊される可能性を警告している。
【コメント】
 民主主義国家と権威主義国家の違いの一つは、治安部隊と市民の関係だ。民主主義社会では、警察官は市民の権利を守るために任命される。一方、治安部隊が市民に対して展開されると、それはしばしば権威主義の蔓延の兆候と見なされる。
 トランプ大統領はアメリカ各地の都市に移民税関捜査局(ICE)の職員を派遣し、ライフルや戦闘装備をつけた州兵を増派している。米国は対外的にも国内的にも権威主義国家と化している。

2.イラン情勢の緊張が高まる中、米国はカタールから人員を撤退
【記事要旨】
 トランプ大統領がイランによる反政府デモ弾圧への軍事対応を検討する中、国防総省はカタールの空軍基地から不要不急の人員の一部を撤退させ始めた。
 人権団体や遺族によると、イランはデモ参加者の死刑執行を計画しているという。しかしトランプ大統領は昨日、「イランでの殺害は既に停止しており、死刑執行の計画はない」との通知を受けたと述べ、イランがそのような死刑執行を実行した場合、「強力な措置」を取ると警告している。
【コメント】
 スターリンクで反政府運動の通信を助けることや、政府の通信をサイバー妨害することが軍事介入に先んじてとられる手段になりそうだ。ハメネイ氏のロシア亡命の噂があるが、どうなるだろうか。

3.グリーンランドをめぐる「根本的な意見の相違」
【記事要旨】
 デンマーク外相は昨日、ホワイトハウスでの会談後、協議は「率直」なものだったものの、グリーンランドの将来をめぐる米国との「根本的な意見の相違」は解決していないと述べた。
 デンマークとグリーンランドの外相は、J・D・ヴァンス副大統領とマルコ・ルビオ国務長官と会談した。これは、トランプ大統領がグリーンランドの購入または奪取を繰り返し脅迫していることについて両政府が協議する初の会談となった。これらの脅迫は、デンマークが加盟しているNATOにとって深刻な問題を提起する。NATO創設条約は、同盟国同士が攻撃した場合の対応について規定していない。
【コメント】
 ヴァンスやルビオの本心はどうなのだろうか。忠臣としてトランプに使えているのだろうか。彼らも同じように考えているのか。
 国内に大きな課題を抱えており、グリーンランドの領有問題の優先順位は極めて低いと思うのだが。

その他の記事
・中国は、世界中に輸出を殺到させ、過去最大の貿易黒字を発表した。
・カナダのマーク・カーニー首相は、重要な関係修復を目指し、中国への公式訪問を開始した。
・FBI捜査官は、情報漏洩捜査の一環として、ワシントン・ポスト紙のハンナ・ナタンソン記者の自宅を捜索し、彼女の機器を押収した。
・米国は、壊滅的な被害を受けたガザ地区の日常生活を監視するため、パレスチナのテクノクラートで構成される委員会の設置を間近に控えている。
・国際宇宙ステーションの乗組員1人の健康問題のため、4人の宇宙飛行士が早期離脱する。

・BTSは、5大陸79公演を予定する大規模なカムバックツアーを発表した。

2026年1月15日 木曜日

世界の動き 2026年1月14日 水曜日

今日の一言
「日本株急上昇の理由」
 日本の株価が上がっている。論理だって理由を説明すると、以下の要因が挙げられるようだ。
1. 海外投資家の資金流入
 米国株と比べた日本株の割安感(低PER)が強く意識され、海外勢の買いが急増していることが大きな要因だ。特に時価総額の大きい大型株に資金が入り、指数を押し上げている。
2. 個人投資家の買い(新NISA効果)
 新年入りとともに、NISA成長枠を使った個人の買いが需給を大きく改善しているとの指摘がある。「乗り遅れまい」という心理も働き、短期的な買い圧力が強まっていると言われる。
3. 日本企業の業績改善期待
 企業収益の改善、ガバナンス改革、積みあがった現預金の活用などが進み、今期以降の業績上振れ期待がある。TOPIXの予想EPSも上昇基調にあり、構造的な収益力改善が背景にある。
4. 高市政権への期待(積極財政・政策安定)
 高市政権の政策(積極財政、企業改革、成長戦略)への期待が、株価の下支えになっている。政治の安定は海外投資家にとっては重要な判断材料となる。
5. 米国株の堅調さとAI関連の追い風
 米国の利下げ観測やAI関連株の強さが日本株にも波及している。
特に半導体・AI関連(東エレ、アドバンテスト、レーザーテックなど)が指数を牽引している。
6. 賃金上昇 → 個人消費の拡大期待
 賃金上昇が4年目に入り、消費が本格的に拡大する転換点にあるとの分析もある。外食・レジャーなど内需株への期待が高まり、相場全体のセンチメントを押し上げている。
まとめると、
– 割安感 × 海外勢の買い
– 新NISA × 個人の買い
– 業績改善期待
– 政策期待
– 米国株の追い風
– 賃金上昇による内需回復期待
これらが同時に重なり、「買いが買いを呼ぶ」初動相場が形成されていると考えられるという説明が可能だ。
 今日は、相場急騰の理由を考えたが、リスクはむしろ高まっていると筆者はみる。その点は明日述べてみたい。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.世界の「北の頂点」をめぐる争い
【記事要旨】
 北極圏のスバールバル諸島は、長年「誰でも住める国際的な場所」として知られてきた。ノルウェー領でありながら、100年前の条約によりビザなしで各国の人々が移住でき、国際色豊かな共同体が形成されている。
 しかし近年、状況が変わりつつある。ノルウェー政府は主権をより強く主張し、
  - 外国人への土地売却の制限
  - 外国人の投票権剥奪
  - 科学研究の制限
  - 周辺海域の領有主張
などを進めており、他国の反発を招いている。
 背景には、北極をめぐる地政学的競争の激化がある。気候変動で氷が溶け、北極がアクセスしやすくなるにつれ、
  - 米国、ロシア、中国などが資源・軍事・航路の観点から関心を強めている
  - スバールバルやグリーンランドには銅・コバルト・レアアースなど豊富な資源が眠る
  - 北極海航路やミサイル監視・衛星データ受信の戦略拠点として重要性が増している
 また、スバールバル条約やグリーンランドの特殊な地位は、現在の「力が前面に出る」国際政治の中で弱点となりつつある。
 米国がグリーンランドの併合を模索していることも、世界秩序を揺るがす問題として注目されている。北極は、資源、地政学、気候変動という三つの要因が重なり、各国が競い合う新たなフロンティアになりつつある。
【コメント】
 スバールバル諸島の暮らしをYouTubeで見たことがあるが、4か月間は太陽が出てこない日が続く。正午でも真っ暗闇な氷の世界は想像を越える。物価は極めて高い。2500人ほどの住民が、これまでは平和な多国籍のコミュニティーを構成しているようだが今後はどうなるのだろうか。グリーンランドと合わせて注目したい。

2.イランにおける死者を出した弾圧
【記事要旨】
 イラン当局は、大規模な反政府デモの期間中、ほぼ完全な通信遮断を実施しており、情報の入手が困難になっている。しかし、動画や目撃証言から、政府が過去10年以上で最悪の弾圧を行っていることが示唆されている。
 最大3,000人が死亡したとみられる。目撃者によると、政府軍が非武装のデモ参加者に発砲したという。「政権は殺戮を続けている」とあるデモ参加者は語った。
 トランプ大統領はイラン国民に対し、抗議活動を続けるよう呼びかけ、デモ参加者殺害の責任者は「大きな代償を払うことになる」と警告した。「支援はすぐそこだHELP IS ON ITS WAY,」とソーシャルメディアで述べた。トランプ大統領は軍事介入も辞さない構えを見せており、イランと取引のある国には25%の関税を課すと表明した。
【コメント】
 繰り返すが、イランに米軍の介入は無いとみる。西半球では無いから優先順位は低い。ガザですら手に負えないのにさらにイランに介入するのは無理だ。

その他の記事
・検察は、戒厳令発令に失敗した韓国の尹錫烈前大統領に対し、死刑を求めた。
・ビル・クリントン氏とヒラリー・クリントン氏は、下院によるジェフリー・エプスタイン捜査での証言を拒否したことで、議会侮辱罪に問われる危険にさらている。
・フランスの極右政党指導者マリーヌ・ル・ペン氏は、大統領選への出馬を禁じられている横領罪の有罪判決に対し、控訴した。
・連邦準備制度理事会(FRB)の独立性に対する攻撃と広く見なされている刑事捜査を受けているジェローム・パウエルFRB議長に対し、12人の中央銀行関係者が支持を表明した。
・ウガンダ当局は、ヨウェリ・ムセベニ大統領が7期目を目指す選挙の数日前に、全国でインターネットサービスを遮断した。

漫画「ディルバート」の作者、スコット・アダムス氏が68歳で亡くなった。【この漫画は愛読した。作者が私より若いとは思っていなかった】

2026年1月14日 水曜日
久米宏さんが亡くなった。享年81歳。昨日NHKで片岡仁左衛門さんの「仕事の流儀」を見た。人間国宝、81歳。元気に仕事を続けられるのが何よりと思った。

世界の動き 2026年1月13日 火曜日

今日の一言
「トランプ関税への最高裁判断」
 1月9日には出る出ると言われていたが、現時点(2026年1月13日朝)では、トランプ大統領の新たな「グローバル関税」に関する最高裁の最終判断はまだ出ていない。

現状のステータス
 大統領が2025年に国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に導入した幅広い関税について、違法とした下級審判決をトランプ政権側が不服として最高裁に上告している。
​ 最高裁は2025年11月に口頭弁論を実施し、2026年1月以降に判決が出ると見込まれているが、1月8日・9日時点の意見公表日にはこの関税事件の判決は含まれておらず、言い渡し日は未定のままだ。

下級審での判断
 2025年5月、米国国際貿易裁判所(CIT)は、IEEPAはこのような包括的輸入関税を認めておらず、トランプ大統領が主張する「無制限の関税権限」は認められないとして、関税を違法と判断した。
​ 2025年8月、連邦巡回控訴裁判所(CAFC)もこの判断を支持し、IEEPAを使った今回の広範な関税発動は権限逸脱だと結論づけている。​

今後の見通し
 最高裁は、大統領がIEEPAを根拠に関税を課す権限をどこまで持つか、そして違法とされた場合に既に支払われた関税をどこまで返還すべきか、といった点を中心に判断するとみられている。
​ 判決内容次第では、数千億ドル規模の関税還付や、今後の大統領による単独の通商政策権限の範囲に大きな影響が出る可能性がある。

要するに、「関税は違法」とした下級審判断は出ているものの、それを最終的に確定させる最高裁の判決はまだ出ていない、という状況だ。パウエルの状況を見れば自分に反対の判断をした最高裁判事でさえトランプ政権に訴追対象にされかねない。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.トランプによるFRBのいじくり
【記事要旨】
 トランプ大統領は、FRB(米連邦準備制度)のパウエル議長を繰り返し批判し、利下げを強く要求してきた。最近では、FRB本部の改修工事に関するパウエル氏の監督責任をめぐり、連邦検察が刑事捜査を開始したことが明らかになった。この捜査はトランプ氏に近い人物が指揮しており、パウエル氏は「金融政策が政治的圧力や威嚇で左右されるかどうかが問われている」と警告している。
 争点は、FRBが専門家による独立機関として雇用と物価安定を追求すべきか、それとも政治家が選挙などの目的を含めてコントロールすべきかという点にある。
 FRBは世界で最も影響力のある中央銀行であり、米ドルの安定は世界経済の基盤となっているため、その独立性への揺さぶりは国際市場にも動揺を与えている。
 実際、パウエル氏への捜査が報じられた直後、株式・ドル・米国債が不安定になり、金価格は過去最高を更新した。中央銀行の独立性が損なわれれば、他国でも同様の圧力が強まり、トルコのように高インフレを招く危険性がある。
 一方で、一部の学者は、FRBが低インフレに偏りすぎて国民の優先課題を十分に反映していない可能性を指摘し、政治的な関与を部分的に見直す議論も出ている。しかし、世界から見れば、政治介入はドルの信頼性を損ない、米国の財政運営にも悪影響を及ぼしかねない。
 トランプ氏は重要な点に触れているものの、パウエル氏を刑事的に脅すやり方は、中央銀行の説明責任を求める立場の人々でさえ支持していない。
【コメント】
 トランプはパウエル議長を口汚くののしっている。Jerome Powell a “clown,” a “dummy,” a “major loser” and a “bad head of the Fed.”
「道化師」「間抜け」「大敗者」「FRBの頭の悪い人」というようにだ。
 彼の政権の人たちはこんなことを言う指導者に唯々諾々と従っているのだろうか。

2.ガザ地区の建物を一つ一つ破壊
【記事要旨】
 2ヶ月以上前、イスラエルとハマスは停戦合意に署名した。この合意は、2年間にわたるイスラエルの激しい爆撃でガザ地区の大部分が廃墟と化した後、ガザ地区のパレスチナ人に休、破壊は続いている。、しかし破壊は続いている。
 ニューヨーク・タイムズが衛星画像を分析した結果、停戦開始以来、イスラエルはガザ地区で2,500棟以上の建物を破壊したことが明らかになった。これらの建物のほとんどはイスラエルの支配地域内にあるが、数十棟はイスラエル軍の占領地と合意された境界線の外側に位置している。
 イスラエル当局は、これらの破壊はトンネルや爆弾が仕掛けられた家屋を破壊し、ガザ地区を「非武装化」する取り組みの一環だと述べている。しかし、ガザ地区のパレスチナ人は、イスラエルが地域全体を破壊していると主張している。
 「これは完全な破壊だ」と、1990年代にガザ地区で軍を率いた元イスラエル軍司令官は語った。「選択的な破壊ではない。全てを破壊しているのだ。」
【コメント】
 大阪冬の陣の後、家康が大阪城の外堀を埋めたような行為だ。

その他の記事
・トランプ大統領が軍事攻撃を警告したことを受け、イラン政府は戦争への準備は整っているものの、交渉の用意もあると述べた。
・ベネズエラ政府は少なくとも24人の政治犯を釈放し、政治犯の総数は少なくとも41人となった。
・英国は、女性や子供の性的な画像を人工的に生成したソーシャルメディアプラットフォーム「X」の調査を開始した。
・EUは、中国製電気自動車について、自動車メーカーに対し、輸入を制限し最低価格を設定することで、高関税を免除するという回避策を与えた。
・スイスの裁判所は、元旦に火災が発生したバーのオーナーに対し、少なくとも3か月の公判前勾留を命じた。

2026年1月13日 火曜日

世界の動き 2026年1月12日 月曜日

今日の一言
「成人の日」
 今日は成人の日。国民の祝日だ。新成人は109万人で昨年とほぼ同数で統計開始以来の低さ。少子化は顕著に進んでいる。
 日本では年齢に関係する祝日が3つもある。5月5日「こどもの日」は Children’s Day、1月の第二月曜日「成人の日」は Coming-of-Age Day、9月の第三月曜日「敬老の日」は Respect for the Aged Day だ。それぞれ子供の成長を祝い、大人になったことを自覚する若者を励まし、高齢者を敬う日として祝われていますという説明だ。
 日本の労働時間が西欧に比べて極めて大きかった昔はいざ知らず、これの祝日の必要性は再検討すべき時期に来ていると思われる。成人の日の振り袖姿や若者の空虚に聞こえる誓いの報道を見るたびにそう思うのだ。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.イラン抗議デモとトランプ政権の威嚇
【記事要旨】
– イランでは、昨年12月以来、経済危機(制裁、腐敗、通貨暴落、物価高、失業)を背景に反政府デモが拡大していた。
– 12月28日の通貨リアル急落が引き金となり、テヘランのバザール商人が抗議を開始。これは1979年革命を想起させる象徴的な出来事だった。当時もバザール商人の抗議が革命の引き金になったのだ。
– デモは大学や地方都市にも広がり、政府庁舎の放火やインターネット遮断が発生。
– イランは地域での軍事的影響力が弱まり、同盟勢力(シリア政権、ハマス、ヒズボラ)も打撃を受けている中での危機となった。
– トランプ大統領は、デモ参加者が殺害されれば米国は「攻撃準備完了」と警告した。
– その直後に、米国は反米陣営の一角であるベネズエラを攻撃し、マドゥロ大統領を拘束。これがイラン国内に大きな衝撃を与えた。
– トランプはさらにイランへの威嚇を強め、「過去のように市民を殺せば米国は強く攻撃する」と発言。
– 人権団体はすでに死者が出ていると報告しており、米国が軍事行動を検討しているとの情報もある。
– イラン国内では「次の標的はイランか」という不安が広がっている。
– ベネズエラの事例から、
– トランプは嫌う指導者を軍事力で排除することをためらわない
– 米国はタンカー拿捕などで経済封鎖を強化できる
– ロシアや中国は介入しない可能性が高い
   ことが明らかになった。-
– イラン政府はこれまで強硬弾圧でデモを抑えてきたが、今回は米国の威嚇が計算を複雑にしている。
– デモ参加者は「米国がどう動くか政府が気にしているため、今回は押し返せるかもしれない」と感じている。
– 一方で、ベネズエラでは体制そのものは崩壊せず、副大統領が政権を継承した点もイランの人々は理解している。
– 最後に、米国の敵対国の中で最も安全なのは核兵器を持つ北朝鮮であり、イラン政権が生き残れば核開発の動機がさらに強まる可能性があると指摘されている。
【コメント】
 イランの軍備の張子の虎状況は、イスラエルとの紛争であらわになった。ただ、トランプ氏にはベネズエラとイランの二か国で問題に対処する能力は無いだろう。

2.シリア軍、衝突後アレッポの一部地域に進攻
【記事要旨】
 シリア最大の都市の一つであるアレッポでは、クルド人主導の民兵が同市から撤退し、数日にわたる衝突が終結したことを受け、昨日、2つの地区がシリア政府軍の制圧下に入った。
 民兵の撤退により、2024年12月の内戦終結以来最悪の暴力事件の一つとなったアレッポは静けさを取り戻した。この戦闘で少なくとも24人の民間人が死亡し、120人以上が負傷した。
 米国は土曜日、シリア全土のイスラム国拠点に対して大規模な空爆を実施した。この作戦は、シリアで米軍兵士2人と民間通訳1人が殺害されたことへの報復として、先月行われたさらに大規模な空爆に続くものとなった。
【コメント】
 ベネズエラにすっかり目を奪われていたが、シリアでは戦闘が続いていたのだ。ここはトランプが解決したと称する8つの戦争のうちの一つだ。

その他の記事
・ミネアポリスでICE職員が女性を殺害したことに対する怒りが高まり、抗議活動が全米各地の街頭に広がった。国土安全保障長官は、ミネアポリスにさらに職員を派遣すると述べた。
・オーストラリアの山火事で少なくとも1人が死亡し、数十棟の家屋が焼失した。
・イスラエル警察は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の側近の1人を、機密軍事文書の漏洩に関する捜査を妨害しようとしたとして拘束した。
・インドネシアとマレーシアは、AIチャットボット「Grok」が実在の人物の性的に露骨な画像を生成したことを受け、Grokへのアクセスを遮断した。
・欧州当局は、トランプ大統領によるグリーンランド占領の脅しへの対応策を水面下で策定している。

・グレイトフル・デッドのギタリストで創設メンバーのボブ・ウィアーが78歳で亡くなった。

2026年1月12日 月曜日 成人の日