世界の動き 2026年3月18日 水曜日

今日の一言

「開花ウィーク」

 昨日散歩の途中で、桜坂の桜が一輪咲いていた。東京での開花宣言も間近だと思われる。季節は良いが、政治経済環境はどんよりしている。空気の中に花粉が充満しているようだ。気分の晴れない春だ。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.ラテンアメリカはキューバを見捨てつつあるのか
【記事要旨】
 かつてキューバは、ラテンアメリカ左派にとって「革命の象徴」だった。しかし現在、経済崩壊と燃料不足に直面するキューバを、地域の国々は以前のようには支援していない。
●支援縮小の背景
– 右派政権の台頭により、キューバは「革命の象徴」ではなく「権威主義の失敗例」と見られつつある。
– 左派政権のブラジル、メキシコ、コロンビアでさえ、米国(トランプ政権)の制裁を恐れ、緊急の燃料支援を控えている。
– これは地域政治の大きな転換点だ。
●キューバの孤立
– 主要な石油供給国だったベネズエラが供給停止。
– ニカラグアはキューバ人のビザ免除を停止、エクアドルは外交官を追放。
– 医師派遣プログラム(外貨獲得源)も複数国で終了。
●メキシコとブラジルの変化
– 歴史的にキューバを支えてきたメキシコは、米国の関税圧力で石油輸出を停止し、食料・医薬品に切り替え。
– ブラジルも同様に人道支援のみに縮小。
– 国内世論もキューバ支援に懐疑的で、未払い債務や人権問題が反発を招いている。
●経済崩壊と移民流出
– 2020年以降、275万人がキューバを脱出。
– 米国の移民規制強化により、ブラジルやメキシコが主要な移住先に。
– 2025年には、ブラジルでキューバ人が最多の難民申請者となり、キューバ体制の失敗を象徴する現象と受け止められている。
●右派の台頭と反キューバ感情
– エルサルバドルのブケレ大統領など、地域の右派指導者が勢力を伸ばし、キューバ批判を強めている。
– トランプ政権主催の会合では、キューバ政府が「崩壊寸前」と称賛される場面も。
【コメント】
 ラテンアメリカは、かつての「革命の兄弟国」キューバを支える姿勢から大きく転換しつつある。経済危機、移民流出、米国の圧力、地域での右派の台頭が重なり、キューバは再び深い孤立に追い込まれているようだ。
 トランプは“I do believe I’ll have the honor of taking Cuba.”と発言している。

2.イスラエルがイランの最高安全保障責任者を殺害したと発表
【記事要旨】
 イスラエル軍は、イラン国家安全保障最高評議会議長で事実上の最高指導者だったアリ・ラリジャニを、テヘラン近郊での夜間空爆で殺害したと発表した。ラリジャニは軍強硬派と穏健派の橋渡し役として知られ、その死はイラン軍部の権力強化につながる可能性が指摘されている。
●イラン側の反応
– イラン高官は「ラリジャニ死亡の連絡を受けた」と述べ、政府内は深い衝撃と“イスラエルは指導部全員を殺害するまで止まらないのでは”という不安に包まれているという。
– イスラエルは同時に、革命防衛隊系民兵組織バシジの司令官ゴラムレザ・ソレイマニ准将も殺害したと主張。
●米国・国際情勢の動き
– 米国の対テロ高官が辞任:イラン戦争への反対が理由で、「イスラエルがトランプを戦争に引きずり込んだ」と批判。
– トランプ大統領:イランへの地上軍投入も辞さず、「ホルムズ海峡を開くために同盟国の助けは不要」と発言。
– 米国はイラン軍関連のタンカーがロシア産石油を輸送・販売することを黙認。
– 米中首脳会談は戦争の影響で延期へ。
【コメント】
 イスラエルを止めることは出来ない。トランプでさえも。そういう状況だ。

3.パキスタンがカブールを空爆
【記事要旨】
 パキスタン軍がアフガニスタンの首都カブールを空爆し、薬物リハビリ施設が直撃されて数十人が死亡した。ここ数週間で3回目のカブール空爆だ。
●パキスタン側の主張
– 空爆はパキスタンが実施したと認めたが、「標的は弾薬庫だった」と説明。
●タリバン側の反応
– タリバン報道官は、「アフガニスタンは報復する」と強く非難。
【コメント】
 世界中でタガが外れてきたようだ。外した張本人のトランプ氏は、パキスタンとアフガニスタンの戦争が下火になれば、自分の成果として誇示することだろう。

その他のニュース
・ナイジェリアで、大学病院と2つの市場で爆弾が爆発し、少なくとも23人が死亡、100人以上が負傷した。当局者は、この攻撃はボコ・ハラムによる自爆テロだと断定した。
・右派のIT億万長者ピーター・ティールはローマで反キリストに関する講演を行い、異端の疑いをかけられている。
・カナダのマーク・カーニー首相は、中国、インド、カタールとの同盟関係を模索する一方で、人権問題には目を向けていない。
・銃器は、店舗、銃器見本市、ウェブサイト、アプリなどを通じて、米国からメキシコの麻薬カルテルに供給されている。

2026年3月18日 水曜日 曇り
AM7:05 9℃ 西から雨が近づいているようです

世界の動き 2026年3月17日 火曜日

今日の一言
「簿外債務」
 BISはハイテク企業の借入が簿外化していることを懸念している。手法は特別目的会社(SPV)を使った古典的なものだ。
 具体的なやり方は以下だ。
 半導体チップ、不動産、データセンターなどの資産をSPVに移す。
 SPVが私募債やプライベートクレジットで資金調達する。
 ハイパースケーラー(Meta、Microsoft、Amazonなど)はSPVの少数株主にとどまり、借入はSPV側に残る。
 結果として、本体の貸借対照表に負債が載らない。
 過去の金融危機の多くがSPVの過大な利用で引き起こされた。注目すべき状況だ。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.ホルムズ海峡封鎖という「予測されていた最悪の事態」
【記事要旨】
 何十年も懸念されてきた「最悪のシナリオ」が現実になった。ホルムズ海峡は世界の石油の約2割が通過する最重要ルート。幅が最も狭い部分で34kmしかなく、イランからの攻撃に極めて脆弱。米軍も石油業界も「ここが封鎖されるリスク」を長年最大の懸念としてきた。
 ●イランは軍事的に劣勢でも「非対称戦」で優位を持つ
– イラン海軍の多くは米・イスラエルの攻撃で破壊されたが、 小型高速艇、移動式ミサイル、機雷 などでタンカーを妨害できるため、依然として強力なカードを持つ。 実際、戦争開始後2週間で複数の船が攻撃され、海上交通はほぼ停止。
 ●世界のエネルギー価格が急騰
– 海峡がほぼ封鎖され、原油価格は100ドル超、開戦前から40%以上上昇。天然ガス価格も世界的に急騰。
 ●トランプ大統領は「海峡を再開できないのか」と軍に質問
– 軍の回答: 高速艇1隻でもタンカーを攻撃できるため、完全な防衛は不可能。イラン革命防衛隊は多数の高速艇を保有。
 米海軍による護衛案もあるが、 技術進化でリスクは増大。ミサイル拠点の破壊が必要がありるが、多数の艦艇を中東に再配置する必要。これは極めてコストが高く危険だ。
 ●同盟国に支援を求めるも、ほぼ拒否
– トランプはNATO諸国に艦艇派遣を要求し、「応じなければ同盟にとって非常に悪い」と警告。
 しかし、
– 中国、韓国、フランス、英国:直接の回答なし
– 日本、豪州、ドイツ:明確に拒否
– EU高官:「これはヨーロッパの戦争ではない」
– そもそも他国の艦艇派遣は長期的解決にならない。
 ●軍事的解決はほぼ不可能、残るのは外交
– 米軍の元戦略担当者ヒノート中将の結論:先端技術で攻撃を減らすことはできても完全には止められない。海峡が狭すぎ、船が脆弱すぎる。軍事的に海峡を守る唯一の方法は、イラン側の沿岸を占領すること。つまり「地上軍の投入」が必要。
– しかし現実的ではなく、持続的な解決は外交しかない。
 ●その他の動き
– トランプは中国に対し「協力しなければ米中首脳会談を延期する」と圧力。
– イスラエルはレバノン南部で地上攻撃を拡大。
– トランプは同盟国と協議せずに戦争を始めたが、結局は同盟国が後処理を迫られる可能性。
【コメント】
 ホルムズ海峡の閉鎖が世界経済へ与える影響を、開戦前にトランプ大統領は理解していなかったようだ。部下からのブリーフィングを聞かない。自分の好きに解釈する。そもそも部下がトランプが気に入らないリスク情報を説明しない。いろいろな要因がありそうだ。
 トランプは自分の能力を過信している裸の王様だ。記事では日本は断ったことになっているが、そうでしたっけ。

2.今年のアカデミー賞の波乱と栄光
【記事要旨】
– 映画 『One Battle After Another』 が作品賞・監督賞(ポール・トーマス・アンダーソン)など 6部門を受賞。
– 最も注目された主演男優賞は、『Sinners』で双子の悪役 Smoke と Stack を演じたマイケル・B・ジョーダンが受賞。
– 『Sinners』の撮影監督 Autumn Durald Arkapaw が、女性として初めて撮影賞を受賞し歴史をつくった。
– 今年の授賞式は、批評家によれば「感情があり、良いサプライズも多かった」と評価。
– 受賞式のベスト&ワースト場面も話題に。
【コメント】
 どれ一つ見ていないので何ともコメント仕様がありません。

その他の記事
・キューバは深刻なエネルギー危機に直面しており、外国からの投資を歓迎すると発表する見込みだ。
・米国は、ザンビアが重要な鉱物資源へのアクセスを拡大しない限り、命を救うHIV治療薬の提供を停止すると脅迫している。
・Nvidiaは、急速に変化する市場における支配的な地位を守るため、新たなAIチップを発表した。
・トランプ大統領の首席補佐官であるスージー・ワイルズ氏は、乳がんと診断されたことを明らかにした。
・有罪判決を受けた性犯罪者ジェフリー・エプスタインは、名門私立学校の入学選考に影響を与えることを約束した。

2026年3月17日 火曜日 曇り
AM7:00 8℃ しばらくは曇天が続きそうです

世界の動き 2026年3月16日 月曜日

今日の一言
「負けに不思議の負けなし」
勝ちに不思議の価値あり、と続く野村克也監督の言葉だ。
侍ジャパンがベスト8で敗退した。
失投の多い投手陣、三振の多い(昨日は12三振)攻撃陣。日本人投手の変化球を避け直球に狙いを絞ったベネズエラ。このような要因を考えれば、今回の敗退は已む無しとも思える。敗因を分析し、次回に期待したい。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.イラン戦争が世界にもたらした影響
【記事要旨】
イランでの戦争は中東にとどまらず、世界の政治・経済・安全保障に広範な影響を及ぼしている。
●ロシア:思わぬ追い風
ロシアはウクライナ戦争と制裁で財政難だったが、イラン戦争による原油高で収入が増加している。米国がロシア産石油制裁を一時緩和したことで、ロシアはさらに利益を得る見通しだ。モスクワは「勝利感」に包まれる一方、ウクライナは国際的関心の低下と資金流入減を懸念している。
●中国:不安と利益の両面
中国は湾岸地域からの原油依存が高く、戦争はエネルギー価格上昇と貿易停滞を招く。しかし、米国がアジアから軍事資源を中東へ振り向けたことで、中国の地域的自由度が増す可能性がある。
●世界各地への波及
キプロス:ヒズボラ発とみられるドローンが英軍基地を攻撃し、欧州諸国が艦船を派遣。
南アジア:燃料高騰で飲食店・工場・大学などが深刻な影響。パキスタンでは燃料が一夜で20%値上げ。
北半球の農業:肥料供給の多くを担う湾岸諸国の輸出がストップし、春の作付け準備に支障。
●全体のポイント
イラン戦争は、エネルギー市場・安全保障・物流など、世界の相互依存の弱点を露呈した。わずか2週間で、国際秩序の力学が大きく揺らいでいる。
【コメント】
イラン内戦は世界大戦ではない。しかし、世界の多くの地域に影響を与える戦争であることは間違いない。
開戦から2週間が経過し、貿易ルート、旅行パターン、エネルギー価格、同盟関係、そして生活費に世界各地で波及効果が生じている。戦場から遠く離れたコルカタでは、住民がガソリンを求めて長蛇の列を作り、観光客はキプロスから避難し、北半球の農家は春の種まきシーズンを前に不安を募らせている。
このような事態を引き起こしたトランプ大統領が糾弾されず毎日勝手なことを述べて世界の金融株式市場を混乱させている。この人を取り除くことが世界経済の正常化に不可欠に思えるのだが。

2.トランプ大統領、ホルムズ海峡封鎖への国際支援を要請
【記事要旨】
トランプ大統領は、イランによるホルムズ海峡封鎖を終わらせるため、各国に軍艦派遣を求めた。しかし、各国政府の反応は慎重で、積極的な賛同はほとんど見られない。
●エネルギー市場の不透明感
米国のエネルギー長官は、今後数週間で原油価格が下がる保証はないと発言。ただし、紛争は「数週間以内に終わる」との見方も示した。一方、イラン外相は「必要な限り戦う」と強調し、対立は長期化の可能性がある。
●戦争は第3週へ、トランプ政権は難しい判断を迫られる
その他の動き
– 約2,500人の米海兵隊が中東に到着予定で、米軍は迅速な作戦行動が可能に。
– 偽動画やAI生成画像がSNSで拡散し、混乱を招いている。
– トランプ大統領は、イランの新最高指導者モジュタバ・ハメネイの健康状態に疑問を呈し、憶測を呼んでいる。
【コメント】
今週訪米する高市首相は「飛んで火にいる」ことになりそうだ。艦船派遣に同意する世界初の国になりそうだ。AIに聞いてみた。 

高市首相が取るべき現実的なアプローチ(一般的な外交原則に基づく)

ホルムズ海峡は日本のエネルギー安全保障にとって極めて重要ですが、同時に軍事的関与には大きなリスクがある。そのため、首相が取るべき対応は 「協力の姿勢を示しつつ、軍事的関与を慎重に抑制する」 という二層構造が現実的だ。

日本の立場を明確にしつつ、即答を避ける

  • 日本は中東の複数国と良好な関係を持つため、軍事参加は慎重であるべき。ただし、米国との同盟関係も重視する必要がある。よって、首相は次のような枠組みで回答するのが一般的に妥当。

例:

  • 「日本は国際社会の安定に責任を持つが、軍事行動には慎重な検討が必要」
  • 「まずは外交的解決を最優先する」

これはどの国の首脳でも使う典型的な外交的回答だ。

軍艦派遣以外の“協力”を提示する

軍事参加を避けつつ、米国に「協力している」というメッセージを出す方法は多い。

可能な協力例(一般論)

  • 情報共有の強化
  • 非軍事的な海上警備活動の拡大
  • 国際的な海上輸送の安全確保に向けた外交努力
  • 人道支援や復興支援の準備
  • 国連など多国間枠組みでの議論を主導

これらは軍事リスクを抑えつつ、米国との関係を維持するための典型的な手法だ。

日本のエネルギー安全保障を理由に慎重姿勢を正当化する

ホルムズ海峡は日本の原油輸入の大動脈。軍事的緊張を高める行動は、むしろ日本の国益を損なう可能性がある。

首相は次のように説明できる。

  • 「日本は地域の安定を最優先する」
  • 「軍事的緊張を高める行動は避けるべき」
  • 「外交的解決が日本と世界の利益に合致する」

これは国際的にも理解されやすい立場だ。

米国との関係を損なわない“言い回し”を使う

外交では、直接の拒否は避け、次のような表現がよく使われる。

  • 「前向きに検討する」
  • 「関係省庁と協議する」
  • 「国会の理解が必要」
  • 「地域情勢を慎重に見極める」

これらは 事実上の保留 を意味しつつ、相手の顔を立てる効果がある。

日本独自の外交ルートを活かす

日本はイランとも比較的良好な関係を持つため、
「緊張緩和の仲介役」を申し出ることは、米国にも受け入れられやすい。

  • 「日本は対話の橋渡し役として貢献できる」
  • 「軍事行動よりも外交的解決を支援する」

これは日本の伝統的な外交スタイルとも整合的だ。

まとめ:首相が取るべき現実的な姿勢

  • 軍艦派遣には慎重姿勢を維持
  • 米国には協力の姿勢を示す
  • 非軍事的な貢献を提示する
  • 外交的解決を強調する
  • 日本のエネルギー安全保障を理由に慎重姿勢を正当化

この組み合わせは、どの国の首脳でも採用しうる、
「同盟国との関係維持」と「自国の国益保護」を両立する現実的なアプローチだ。

その他のニュース
・パキスタンとアフガニスタンはイランのすぐそばで戦争を繰り広げており、民間人の死者は増加の一途をたどり、戦闘は収束の兆しを見せていない。
・ハリウッドスターたちが第98回アカデミー賞授賞式のためにまもなく到着する。作品賞をはじめ、いくつかの賞レースは接戦となっています。
・フランス各地の地方選挙では極右勢力が躍進すると予想されており、来年の大統領選の行方を占う試金石となる可能性がある。
・トランプ政権との新たな衝突の後、南アフリカは米国当局との対話を諦めた模様だ。
・戦後ドイツで最も影響力のある思想家の一人、ユルゲン・ハーバーマス氏が死去した。96歳だった。

2026年3月16日 月曜日 曇り
AM7:45   気温7℃ 新聞休刊日です。

Anthropic社とペンタゴンの確執

この問題についてコンパクトにまとめたNewYorkerの記事を基に解説したい。
・・・・・
Anthropic は OpenAI を離れた7人によって設立され、「安全性・厳密性・責任」を重視する姿勢を掲げてきた。しかし、同社のAI「Claude」を軍事利用したいトランプ政権(特に国防長官ヘグセス)との間で、倫理基準をめぐる深刻な対立が生じた。
政権側は AI を「軍事調達品の一つ」とみなし、購入した以上は自由に使えるべきだと考えていた。一方、Anthropic は AI の悪用や自律兵器化を防ぐための制限を契約に盛り込み、これを譲らなかった。
特に問題となったのは、Claude を使った大規模監視の可能性だった。政府は法律上の抜け穴を利用して膨大なデータを扱えるようになり、Claude によってそれが容易に実行されることを Amodei(Anthropic 共同創業者)は懸念していた。
皮肉なことに、政権は Anthropic を「サプライチェーン上の危険」として排除しようとしながら、同時にイラン戦争の標的選定に Claude を使用したとも報じられている。
Anthropic は「安全で責任あるAIこそ最も信頼できる」という考えだが、ペンタゴンは防衛分野はむしろ「制約の少ないAI」を求める考えであり、両者の価値観は根本的に噛み合わなかった。
・・・・・

この問題の核心は、AI を「兵器」とみるか、「自律性を持つ新種の技術」とみるかの価値観の衝突である。この対立は、単なる契約トラブルではなく、「AI をどう扱うべきか」という根源的な哲学の衝突といえる。
● Anthropic の立場:AI は“危険性を内包した新しい技術”であり、利用には倫理的制限が必要
– Claude は「自律的判断をし得る」ため、誤用すれば大規模監視・自律兵器化につながる
– だからこそ、軍事利用には明確なレッドライン(人間の最終判断、監視利用の制限など)が必要
– そもそも同社は「安全性・責任・厳密性」を企業理念として創業された背景がある
● トランプ政権(国防総省)の立場:AI は“軍事調達品の一つ”であり、制限は不要
– AI を「銃・戦車・ドローン」と同列の“調達品”とみなす
– 購入した以上、政府が自由に使う権利があると考える
– 追加の倫理的制限を企業が課すことに強い反発
– 特にヘグセス国防長官は「慎重すぎる」「傲慢だ」と批判
● 監視利用が最大の火種
– 米政府は法律上の定義を巧妙に使い、監視・収集の範囲を広く解釈してきた。しかし、従来は「人手不足」で限界があった
– Claude の登場で、膨大なデータを瞬時に解析できるようになる
– Anthropic社CEOのAmodei は「政府が法の抜け穴を最大限に悪用する」と危惧
● ペンタゴンはAnthropic を「サプライチェーンリスク」として排除しながら、実際には戦争で Claude を使用したと報じられる。 つまり、政府は Claude の能力を最も高く評価しつつ、制限だけを嫌った。

戦争継続に不可欠なAnthropicのAIをペンタゴンはどのような方便を使って使用し続けるのであろうか。衝突の行方に注目したい。

2026年3月15日 日曜日 晴れ
14:40 12℃ 気持ちの良い春の日です。

市場動向 2026年3月9日から13日 備忘録

【米国株式市場】
 米国株式市場は2026年3月9日(月)〜13日(金)にかけて、地政学リスク(イラン情勢)と原油価格の乱高下に大きく揺さぶられ、週を通して主要3指数はいずれも下落した。特に原油供給不安と利下げ期待の後退が重荷となり、S&P500・ダウ・NASDAQはいずれも前週末比で1%前後のマイナスとなった。

 主な市場イベント(3月9日〜13日)
1. 中東情勢の緊迫化と原油価格の乱高下
– ホルムズ海峡でのタンカー航行停止、イラン関連施設への攻撃などで供給不安が拡大。 原油は一時 $119 を突破する急騰局面も。 その後、米国大統領の「戦争はほぼ終結」との発言で原油が急反落し、株式市場は下げ幅を縮小。
2. 金利上昇(利下げ期待の後退)
– 原油高によるインフレ懸念で米国債利回りが上昇。利下げ時期が後ろ倒しになるとの見方が株式の重荷に。
3. セクター別ではエネルギーが強く、半導体が下支え
– 原油高を背景にエネルギー株が上昇(S&P500エネルギーセクター:+2.47%)。半導体株(Nvidia、AMD、Micron など)が市場の下支えに。

 主要指数の週間騰落率
 指数    終値    週間騰落率
 SP500   6632.19   -1.28%
ダウ平均  48558.47    -1.77%
NASDAQ   22105.36    -1.15%

 今後の見通し:市場が注目するテーマ
① 中東情勢と原油価格の動向
– 先週は原油が一時 $119 まで急騰し株式市場を圧迫。
– 週末にかけて「戦闘の終息に近い」との報道で原油が急反落し、株式は下げ渋り。今週は原油の方向性が最大のカギ。
– 原油が落ち着けば株式は反発余地
– 再び供給不安が高まれば株式は再度下押し
② 米国金利(利下げ時期)
– 原油高→インフレ懸念→金利上昇という流れが先週の株安要因。
– 今週は 金利上昇が一服するかどうか が焦点。
– 金利が落ち着けば、特に NASDAQ(ハイテク)に追い風。
③ 企業業績と半導体セクター
– 先週は半導体株(Nvidia、AMD、Micron)が市場の下支え。
– 今週も AI関連・半導体が相対的に強いセクターと予想。
– エネルギー株は原油次第で強弱が分かれる。

 総括
 今週の米国株は「不安定だが下値は限定的」という展開がメインシナリオ。原油価格と中東情勢が引き続き最大の変動要因だが、金利上昇が一服する兆しもあり、過度なリスクオフは後退しつつある。

【日本の株式市場】
 先週の日本株は、中東情勢の悪化による原油高・世界株安の影響を強く受けて下落した。特に週前半は米国株の急落を受けてリスクオフが広がり、日経平均・TOPIXともに大きく値を下げた。
 週後半は原油価格の反落や米国株の下げ渋りを受けて下げ幅を縮小したが、週間では明確なマイナスとなった。

 主要指数の終値と週間騰落率(3月13日終値)
■ 日経平均株価(Nikkei 225)終値:55,025.37 −1.07%
■ TOPIX(東証株価指数)終値:3,629.03 −0.57%

 日本株に影響する主要テーマ
① 中東情勢と原油価格(最大の外部要因)
– 先週は原油が一時 $119 まで急騰し、世界株安の引き金に。 週末にかけて原油が急反落し、リスクオフがやや後退。今週は 原油の方向性が日本株の最大のカギ
 特に日本はエネルギー輸入国のため、
– 原油高 → 景気懸念・コスト増 → 株安
– 原油安 → 景気安心感 → 株高 という反応が出やすい。
② 米国株の動き(NASDAQがカギ)
– 先週の米国株は3指数とも下落。 ただし半導体株は相対的に底堅い。 今週、米金利が落ち着けば NASDAQが反発し、日本の半導体株にも追い風になる。
 日本市場は「米国ハイテクの影響を最も受ける市場」の一つなので、米国の半導体・AI関連の動きが日本株の方向性を決める。
③ 国内要因:日銀政策は材料になりにくい
– 日銀は3月会合を控えつつも、政策変更は限定的との見方が主流。 為替は有事の円は起きず、やや円安方向だが、急激ではない
– 国内企業業績は総じて堅調で、日本株の下値を支える要因

【PE市場、プライベートクレジットPC市場の動き】
 PEの減速を PC が補完する構造が定着
– PEがLBOを組みにくい → PCが資金を提供
– 大型PEファンドは 自前でプライベートクレジット部門を拡大
  - Blackstone Credit
  - KKR Private Credit
  - Apolloの巨大クレジット部門
– 「PE × PC」の垣根が消えつつある
   Continuation Fund × Private Credit の組み合わせも増加
– 良い資産を延命するために→ continuation fund→ そこに private credit が融資 という構造が一般化。
  PEは「長期保有・運営型」にシフト
 短期で売り抜けるモデルから、運営改善・価値創造型Operational Value Creationへ。
  PCは「新しい銀行」として定着
 銀行規制強化の中で、プライベートクレジットは構造的な成長産業になった。

 一方、2025年後半〜2026年にかけて、PC市場では「不良資産の顕在化」「大手ファンドの引き出し制限」「ファンド閉鎖・再編」など、明確にストレスが表面化している。

 大手ファンドで「引き出し停止(Gate)」が発生
 2025年後半から2026年にかけて、複数の大手クレジットファンドで投資家の引き出し要求が急増 → Gate(引き出し制限)を発動
という事例が出ている。
 代表的な例(実際の市場で起きている傾向)
  - Blackstone のクレジット系ビークルで引き出し制限
(不動産REITのBREITと同様の仕組みで、PC版でもGateが発動)
  - Apollo・KKR の一部クレジットファンドで償還制限→ 特に「NAVローン」「ユニトランシェ」でリスクが高い部分

 なぜ引き出しが増えたのか
  - 金利高で投資家が「安全な債券」に戻り始めた
  - PCファンドの評価額が下がり、投資家がリスク回避
   - 一部ファンドで不良債権が増え、信頼が低下
 → 流動性の低いPCファンドに「取り付け」のような動きが発生

 ただし「市場全体が崩壊」ではない理由
✔ 大手(Blackstone, Apollo, KKR)はむしろ拡大
  - 不良債権の一部は織り込み済み
  - 銀行規制強化で PCへの構造的な需要は継続
  - 投資家資金は「大手に集中」する流れが強まる
✔ PCは「銀行の代替」として定着
  - BIS規制強化
  - 銀行が貸せない領域をPCが埋める構造は変わらない
✔ 不良債権の増加は「過熱の正常化」
  - 2021〜23年の過剰レバレッジの反動
  - 市場の健全化プロセスとも言える
 総じて米国のPCへの見方は楽観的だ。今後に注目したい。

2026年3月14日 土曜日 晴れ
PM4:25    14度 とても快適な日です