世界の動き 2025年12月9日 火曜日

今日の一言
「ダブルの災害に備える」
 昨夜寝入りばなに長い震動を感じた。すぐTVをつけたところ青森で震度6強とのニュースだった。
 昨年の能登地震でもそうだったが、災害のダブルパンチが最近は起きるようになった。大地震と豪雨、大火災と津波、山火事と水不足といった具合だ。
 これからは一つの災害に備えるだけでなく、複合的に起こる事象に備える必要がある。
 これは自然現象だけでなく、身近な経済事象にも当てはまるだろう。「金利高」と「住宅高」、「物価高」と「失業」とかいろいろな事象が考えられる。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.第二の「チャイナ・ショック」
【記事要旨】
●第一のチャイナ・ショック(2000年代)
欧米企業が中国へ製造を委託し、中国は「世界の工場」と化した。安価な製品の大量輸出により欧米の産業が崩壊し、数百万規模の雇用が失われ、政治的影響は現在も続いている。
●第二のチャイナ・ショック(現在進行中)
– 米国市場では関税により販売が制限され、中国は輸出先を途上国へシフト。さらに現地に工場を建設している。
– 途上国は製造業依存度が高く、西側諸国以上に影響を受けやすい。
●具体的影響
– インドネシア:過去2年間で30万人以上が衣料・繊維産業の雇用を喪失。ソロ市では工場閉鎖により1万人が一夜で失業。
– タイ:中央銀行が「中国輸出の洪水」に警告。製造業の過剰能力が圧力を強めている。
– アフリカ:中国からの輸入が急増し、2025年9月には600億ドルに達し、前年をすでに超過。
– 中国の世界貿易黒字は初めて年間1兆ドルを突破。輸出は世界貿易全体の3倍の速度で拡大。
●工場の輸出
– ベトナム:家具や靴など労働集約型産業が移転し、現地雇用にプラス効果。
– マレーシア:中国企業が巨大な太陽光発電工場を建設し地元産業を駆逐。しかし米国の関税で中国企業が撤退し、マレーシアの太陽光産業は壊滅。
●社会的不安
– 多くの途上国で国内製造業が急減速。若年層人口が多く、失業や機会不足が抗議運動につながっている。
– インドネシアでは若者の抗議が拡大。反中感情が歴史的に根強く、1998年の暴動や2014年ベトナムでの工場焼き討ちの記憶が残る。
●教訓
西側は自ら中国の製造力を受け入れ、その後の社会的・政治的代償に苦しんできた。
一方、東南アジアやアフリカ諸国は望まずして第二のチャイナ・ショックに直面しており、今後の衝撃に備える必要がある。
【コメント】
 第二のチャイナ・ショックは途上国を中心に広がり、製造業の崩壊・失業・社会不安を引き起こしつつあり、影響は第一のショック同様に深刻になる可能性が高い。こうした見方があるのを知らなかった。

 巨大なドラゴンは世界中で軋轢を起こしている。ドラゴンが来る、彼と食卓をともにしなければ、食べられる方になってしまう。

2.ハマスはガザで「依然として抵抗」
【記事要旨】
 10月に停戦合意に基づきイスラエル軍がガザの一部から撤退して以来、ハマスは迅速に行動を起こし、再び警察部隊を街頭に展開している。
 ハマスは現在、ガザ地区の領土の半分以下を支配しており、残りはイスラエルが占領している。しかし、この過激派組織は再び勢力を回復することに成功した。「彼らは依然として抵抗を続けている」と、イスラエルの国内情報機関シンベトの元高官は述べた。この急速な再編は、ハマスのないガザを再建するという米国の計画にとって大きな障害となっている。
【コメント】
 壊滅間近と思っていたら、まだ頑張っているのか。。

3.タイとカンボジアの新たな戦闘の波
【記事要旨】
 タイとカンボジアの国境で新たな暴力が発生し、少なくとも5人が死亡、数十万人が避難を余儀なくされた。
 タイの戦闘機が昨日、カンボジアの標的を爆撃した。タイ軍は、この空爆は、同日早朝にカンボジアによる攻撃があり、少なくともタイ兵1人が死亡、8人が負傷したことへの報復措置であると述べた。今回の戦闘は、カンボジアとタイの間の亀裂がいかに深刻であるかを改めて浮き彫りにした。
【コメント】
 ここはディールメーカーの登場だ。トランプさん、助けて。

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2025年12月9日 火曜日