先週(9/22–9/26)の概況
米国
主要指数は週末にかけて3日続落後に反発し、金曜は小幅上昇で終えたものの、週間では小幅下落となった(S&P500・Nasdaq・Dowは週ベースで微減)。
金曜の上昇はインフレ関連指標が市場予想にほぼ沿ったことを好感した流れ。
週の前半(9/22)はNVIDIA と OpenAI に関する大型投資/提携ニュースがAI関連株を押し上げ、半導体・AI関連が相対的に強かった。
中盤にFRB関連発言(パウエルら)や米指標を受けた利回り上昇・利下げ観測の変化で売られる局面があった。
日本
日経平均・TOPIX は先週概ね高水準で推移したが、週末はやや調整。日経は45,000点台半ばを中心に小幅変動した。
背景には日銀の政策・見通しに関する不確実性、および円相場の動き(やや総じて円安方向)が影響。BOJ理事の異論/利上げ予想が一部に出ており、債券利回りや輸出関連株に影響を与えた。
2) 先週、株価に影響した主な出来事(ピンポイント)
NVIDIA × OpenAI 関連ニュース(大型投資/データセンター計画) — GPU/半導体・AI関連株を押し上げ。
米インフレ指標(PCEなど)が市場予想に概ね沿い Fedの追加利下げ期待が再び下支え。
FRB高官発言(パウエル等)や改定GDPの強さ → 一部で利下げ観測後退、長短金利の変動が株式に影響。
日銀の政策スタンスと円相場 — BOJ内の利上げ志向(異論)が意識され、円安・国債利回りに影響。輸出株は恩恵、国内消費関連は相対的に重い動き。
3) 9月29日(週)に注目すべきポイント
米国の雇用統計(9月分)/雇用関連データ:市場は9月の雇用増加が鈍化するとの見方が強く、結果次第で利下げ見通しが大きく動く可能性がある。雇用が弱ければリスク資産に追い風、強ければ利下げ期待後退で株安圧力。
為替/日銀動向(日本):日銀要人の発言や国債市場の動き、円の対ドル動向は日本株(特に輸出株・金融株)に直結。円は1ドル150円目前。
4) 注目セクター(短期〜中期)
米国
AI / 半導体(Semis):NVIDIAを中心とした材料技術関連。大型投資ニュースの波及効果が継続する可能性。
ソフトウェア / クラウド:AI投資の受益、受注開示で個別に大きく動く。
消費関連(耐久消費財/アパレル):雇用・消費データに敏感(ナイキなどの決算にも注目)。
日本
輸出・自動車(円安で恩恵):トヨタ等の輸出株は為替で有利に。
銀行・保険(債券利回り上昇で利ざや期待):日銀スタンスの変化が追い風になる可能性。
半導体 / 電子部品:グローバルAI投資の追い風。
5) 注目銘柄(監視リスト:情報的な例示)
米国(代表例):
NVDA — AI/データセンター需要の核心で短期的な材料が多い。
AVGO(Broadcom) — 半導体大手・通信インフラ関連。来週の決算やガイダンスに注意。
nAAPL / MSFT — マクロ環境とクラウド/AI需要の両方に感応。
日本(代表例):
トヨタ自動車(7203) — 為替感応度が高く、円安で有利。
ソニーグループ / 半導体関連メーカー — グローバル需要の影響を受けやすい。
メガバンク系(例:三菱UFJ) — 国債利回り上昇・日銀シフトで注目。
6) 短い戦術的提言(運用観点)
来週(9/29週)は「雇用統計」と「FRB高官発言」を主にチェック。雇用が弱ければリスク資産に追い風、強ければ利下げ期待が後退してボラティリティ上昇。
AI/半導体は引き続き注目だが、短期は決算・ガイダンスで上下に振れる(ポジションは分割で入る等のリスク管理を推奨)。
日本市場は為替と日銀関連ニュースに敏感。為替急変がある局面では輸出株/金融株の比重を見直すのが有効。
7) PE市場とプライベートクレジット市場の動向
プライベート・エクイティ(PE)
– 投資活動は堅調:特にテクノロジー、ヘルスケア分野での買収が活発
– バリュエーションはやや調整傾向:金利上昇によりレバレッジ取引の慎重化が進む
プライベートクレジット
– 資金流入が継続:銀行の融資抑制を背景に、企業の資金調達手段として需要増
– 利回り水準は高止まり:金利環境により投資家にとって魅力的な利回りが維持
– 注目分野:ミドルマーケット向け融資、ディストレスト債務、ユニトランシェ型融資
2025年9月27日 土曜日