世界の動き 2025年10月21日 火曜日

今日の一言
「高市政権発足」
 日経平均は1603.35上昇し49185.50と最高値を更新。政権の誕生を好感しているようだ。
 維新の会との連立成立の会見では、両党とも「国家観」「日本を前に進める」という言葉が目立った。日本を前進させる考えは当たりまえとだ。国家観については、首相選出で協力を求めている参政党や日本保守党とも似ているようだ。
 日本を考えの基軸とする(対米従属でない)保守の確立を期待し、高市氏の登場をはやし立てる勢力がある。一方、冷静に見れば、高市氏の政策は、政府に従属的な金融政策、拡張的な財政政策、成長戦略の組み合わせでアベノミックス2.0にすぎない印象だ。
 現在の市場の熱狂をどう見ればよいのだろうか。以前、トラス政権の登場時と日本の現状の類似性を指摘した。経済を推進する政治の確立は期待できそうもない。株価の剥落が、政権を揺るがす状況だ。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.ルーブル美術館での窃盗
【記事要旨】
 事件概要
 日曜午前、ルーブル美術館に4人組の窃盗犯が侵入し、わずか8分で「計り知れない価値」の宝飾品9点を盗み逃走。犯行は電動はしごとディスクカッターを使い、警備員を脅して展示ケースを破壊するという大胆な手口だった。
 盗まれた品と狙い
 盗まれたのはティアラ、ネックレス、イヤリングなどの宝飾品で、美術品ではなく、個別に売却可能なダイヤモンドや金などが標的。識別が容易な有名宝石は避けられた。
 犯行の性質
 これは「美術品窃盗」ではなく、換金目的の「商品窃盗」。犯人は売却困難な品は放棄し、換金しやすい宝石類に絞っていた。
 美術館の過去の強盗例
– 1911年:ルーブルで「モナ・リザ」盗難(後に回収)
– 1994年:オスロでムンクの「叫び」盗難(1分未満)
– 2000年:オックスフォードでセザンヌ作品盗難(未発見)
– 2017年:ベルリンで巨大金貨盗難
【コメント】
 詳しく知れば知るほど「ルパン3世」の犯行だ。犯人はどのように換金するのかに興味がある。

2.ガザ計画推進に向けた米国の取り組み
【記事要旨】
 トランプ大統領の義理の息子の一人、ジャレッド・クシュナー氏と大統領の中東担当特使スティーブ・ウィトコフ氏は昨日、ガザ和平計画の強化を図るためイスラエルに到着した。J・D・ヴァンス副大統領は本日イスラエルに到着する予定だ。
 イスラエルとハマス間の停戦が緊張の兆しを見せている中で、こうした要人訪問が行われた。停戦の将来を危うくする未解決の問題がいくつか残っている。
 イスラエルとハマスの合意で重要な役割を果たしているのは、政府関係者ではないクシュナー氏だ。
 米国の安全保障請負業者によって運営され、イスラエルの支援を受けているため厳しく批判されている援助団体であるガザ人道財団は、停戦のため援助活動を一時停止した。
【コメント】
 クシュナーは第一次トランプ政権でアドバイザーを務め、アブラハム合意を成立させた中心人物だ。中東の政権と富裕層に強い人脈を持つ。彼が運営するマイアミ投資会社は資金のほとんどを中東から集めている。

其の他の記事
・トランプ大統領は、オーストラリアのアンソニー・アルバネーゼ首相と希土類鉱物の供給確保に関する合意に署名した。
・Amazonのクラウドサービスに世界的な障害が発生し、WhatsAppやSnapchatを含む数百のウェブサイトとアプリがオフラインになった。
・オーストラリア当局は、南シナ海上空を哨戒していた中国の戦闘機が、オーストラリア空軍機の危険なほど接近して照明弾を発射したと発表した。

香港国際空港でエミレーツ航空の貨物機が滑走路から滑り落ち、哨戒車両に衝突し、地上要員2名が死亡した。

2025年10月21日 火曜日

世界の動き 2025年10月20日 月曜日

今日の一言
「投機は創造の源」
 米国の株式市場が乱高下している。市場はすでにバブル状況にあり、現在の株式市場への資金の流入は投資ではなく投機だとする見方が強い。
 1929年の株式市場の大暴落は、しばしば「投機=悪」として語られるが、そうした見方は一面的だ。実際、投機はアメリカの経済成長と革新の原動力であり、破壊ではなく創造の源だった。
 投機は単なるギャンブルではなく、信念を持ってリスクを取る行為だ。未来の不確実性に資本を投じることで、イノベーションが生まれる。電気自動車、COVIDワクチン、OpenAI、Amazon、インターネットなど、すべては「一見無謀な賭け」から始まった。
 1929年当時の金融資本家たちは投資の民主化を信じていたが、レバレッジの危険性や市場の脆弱性を見誤った。結果として大惨事が起きたが、それでも投機そのものが悪だったわけではない。
 1929年以降、アメリカは投機を禁止するのではなく、SECやFDICなどの制度を通じてリスクを管理する仕組みを整えた。これにより、投機はより健全な形で経済を支える力となってきた。個人の資金も安心して株式市場に参入できる状況が整備された。
 リスクと報酬は表裏一体だ。重要なのは「投機をやめること」ではなく、「責任を持って投機すること」だ。投機資金の流入が米国でのたゆまぬ創造の源だ。
 翻ってわが国では、投機どころか投資にも資金が回らない状況だ。新NISAは個人資金を投資に呼び込むための官製の仕組みだ。企業に対しては、内部留保課税の強化・再設計が俎上に上がってきている。一定以上の現金保有に対して課税することで、企業に投資や賃上げを促す官製の改革だ。
 創造の源たる投機に対する彼我の考え方の差は大きい。

ニューヨークタイムズ電子版より
(以前は6時ちょうどに配信されたが、今は10分ほどの遅延が常態化している。今日は6:17にやっと届いた。ちょっとTimesはたるんでいる)
1.伝染するZ世代の革命
【記事要旨】
 Z世代による抗議活動が世界各地で広がっており、ネパールやマダガスカルでは政権転覆にまで至った。これらの運動は、ソーシャルメディアを通じて国境を越えて連携し、共通の言語やミーム文化を共有することで拡散している。
 共通点と背景
– 抗議のきっかけは国ごとに異なる(ネパール:SNS禁止、マダガスカル:インフラ崩壊)。
– 両国とも若年層が多く、失業率が高く、汚職や縁故主義が蔓延している。
– TikTokやDiscordなどを通じて、若者同士が国境を越えて影響を与え合っている。
 パラドックスと課題
– 若者は変革を起こす力を持つが、運動後の政治的影響力や生活改善には限界がある。
– マダガスカルでは軍が権力を掌握し、旧体制の政治家が復権した。
– ネパールでは若者が暫定政権から排除されつつある。
– 根本的な問題(若者の失業、政治参加の困難)は構造的で、抗議だけでは解決が難しい。
 歴史的文脈
– 1968年の西欧・米国の若者運動や、2010年代の「アラブの春」と同様に、Z世代も変化を求めて立ち上がっている。
– しかし、過去の例と同様に、政権交代が若者の未来を保証するとは限らない。
【コメント】
 若者は変革の火種となるが、その後の持続的な成果を得るには、より深い制度改革と政治的包摂が必要だ。平均年齢の若い民主主義にまだ希望を見出す国々だけに起きる事象だろうか。
 私が大学生だったころキャンパスには政治スローガンをあおるタテカンがあふれかえっていた。若者の政治への熱気は日本でははるか昔の出来事だ。

2.イスラエル、ガザ地区への攻撃を開始
【記事要旨】
 イスラエルは昨日、ハマスがイスラエル軍への発砲と停戦違反を犯したと非難し、10月10日の停戦発効以来、最も激しい一連の攻撃をガザ地区に対して実施した。
 イスラエル当局者は、今回の攻撃によりガザ地区への人道支援は停止されたが、爆撃が終息すれば支援は再開される見込みだと述べた。イスラエルとハマスは、過去3日間の暴力行為の激化を受け、互いに停戦違反を非難している。
 しかし、双方とも依然として停戦維持に尽力していることを明確にしている。
 停戦発効後、数千人のパレスチナ人がガザ市やガザ北部の他の地域に帰還した。多くの場合、彼らは自宅や近隣地域が壊滅状態にあるのを目にした。
【コメント】
 ガザの映像を見ると瓦礫の山だ。どうやって住民の生活を再建するのだろうか。

3.ルーブル美術館で7分間の強盗
【記事要旨】
 昨日、パリのルーブル美術館2階にあるアポロン・ギャラリーに、トラックのリフト装置を使って強盗が入りました。このギャラリーには、王室の宝石コレクションと王冠のダイヤモンドが展示されている。
 フランス内務大臣によると、強盗たちは2つの展示ケースから貴重な宝石8点を奪い、スクーターで逃走した。しかも、逃走を急ぐあまり、1,354個のダイヤモンドと56個のエメラルドがちりばめられたウジェニー皇后の王冠を落としてしまった。
 捜査当局は、強盗の精度とスピードから、3人か4人の強盗が関与しており、経験豊富な犯罪者集団だったとみている。
【コメント】
 映像を見ると長いはしご車を使ってギャラリーのある上層階に侵入したようだ。ルパン三世のような犯行だ。

其の他の記事
・米軍は、カリブ海で麻薬を密輸しているとみられる船舶を攻撃し、男性3人を殺害した。これは9月初旬以降、7度目の船舶攻撃となる。
・アフガニスタンとパキスタンは停戦に合意し、数年ぶりの最悪の軍事攻撃激化を受け、緊張緩和を約束した。
・トランプ政権に反対する「ノー・キングス」集会が全米各地で開催され、大勢の人々が参加した。トランプ大統領は王冠をかぶった自身の動画を投稿した。

NYTimesのスポーツ欄は何を報道していると思いますか?
スポーツ
・サッカー:アンジェ・ポステコグルー監督がノッティンガム・フォレストを率いた39日間の悲惨な日々の裏側。
・トライアスロン:アイアンマン世界選手権を完走したばかりの80歳の男性。

2025年10月20日 月曜日

もはや神業

大谷翔平の大活躍を報じるThe Atlanticの記事だ。
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史上最高の個人パフォーマンス?

大谷翔平のマウンドでの働きが、打席での苦戦を招いたという噂が広まった。しかし、その結論?は全くの的外れだった。

昨夜の第4戦、大谷はドジャース対ブルワーズのスイープを決定づけるチャンスで先発登板した。1回裏に三者凡退の三振を奪い、続く3回裏には先頭打者本塁打を放った。いつもの翔平らしいプレーだ。

さらに4回にも469フィート(約130メートル)のムーンショット本塁打を放ち、その数イニング後には6イニング、2安打、無失点、10奪三振という成績でマウンドを降りた。

7回に打席に立った時点で、すでにポストシーズン史上最高のパフォーマンスの一つだった大谷だが、7回途中でマウンドを去った。

言うまでもなく、大谷は1試合で3本塁打を放ち、10三振を奪った史上初の選手だ。これは野球史上最高の個人成績だったという議論も当然だろう。

ドジャースは再びワールドシリーズにHalloと言い、世界は野球シーズンにGoodbyeする。
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ヒーローインタビューで通訳がうまく大谷の発言を訳した。
Everybody, please taste good sake tonight!

大谷選手のワールドシリーズでの活躍に期待したい。

2025年10月19日 日曜日

週間市場動向 2025/10/13-10/17 (備忘録)

10月13日から17日の週、日米の株式市場は政治要因と金利動向に翻弄され、週末にかけて調整色を強めた。​

日本株市場
日経平均株価は週を通じて下落基調となり、10月17日(金)の終値は47,582円、前週比で約1.05%の下落だった。米国株の下落と円高進行、さらに21日に予定される首相選による政治的不透明感が重荷となった。一方で、半導体関連などでは一時的な買い戻しも見られた。​

米国株市場
米国市場では週前半にAI関連株主導で最高値を更新したが、週末にかけて急落した。10月17日の終値ベースで、ダウ平均株価は38,450ドル前後(週末比−0.4%)、S&P500は5,090(−0.3%)、ナスダック総合は15,520(−0.8%)となった。要因はトランプ政権による中国製品への追加関税懸念と、米地域銀行の不良債権報道によるリスク回避である。​

為替と金利動向
為替市場では一時1ドル=153円台まで円安が進んだが、週末は150.6円まで反発して取引を終えた。日銀の追加利上げ示唆発言や安全資産買いが円買いを誘った。​

日米金利は方向感が分かれた。日本の10年国債利回りは1.63%(前週比−0.03pt)と小幅低下した。米10年債利回りは4.10%前後まで低下し、安全資産需要が強まった。短期金利では日銀が緩やかな正常化姿勢を維持しつつも、FRBは利下げ観測を遠ざける発言を続けている。​

今週(10月20日週)の注目点
今週は米企業決算(テクノロジー・金融セクター)と10月FOMC議事要旨が焦点となる。日本では新首相選出を控えた政治動向が株価に影響を与える見込み。為替は150円水準を中心にドル円のレンジ推移が想定され、植田総裁の発言が注目される。​

PE市場の動向
プライベート・エクイティ市場では、2025年前半の出口環境が停滞し、LP(投資家)側がセカンダリー取引で流動性確保を図る動きが顕著となっている。大型買収案件は減少傾向だが、中堅市場(ミッドマーケット)でAI活用型のコスト削減・再編案件が増加している。​

プライベート・クレジット市場の動向
2025年上半期だけで1,240億ドルの資金調達があり、前年同期比50%増と好調を維持している。直接融資(ダイレクトレンディング)が主流だが、金利上昇下で借り手のカバレッジ比率低下(平均1.5倍未満)が見られ、信用リスクへの警戒が高まっている。​

総じて、先週は金利低下と円の反発を背景に、調整基調が強い週であった。今週は政治決定と決算発表を通じてリスク選好の方向性が試される局面にある。

特記事項
2025年10月中旬、米国の中小銀行と自動車部品セクターにおいて信用不安が広がり、金融市場全体に再び緊張感が走っている。​

自動車部品会社の破綻
9月末に米自動車部品大手First Brands Groupがテキサス州で連邦倒産法第11章(チャプター11)の適用を申請し、10月に入ってから債権者への影響が顕在化した。同社はアフターマーケット向けブレーキ、フィルター、潤滑製品を製造しており、負債総額は100億〜500億ドルに達するとされる。倒産の背景には、EV市場の冷え込み、関税引き上げ、資金繰りの逼迫、さらには約23億ドルに上る「オフバランス取引」の不正疑惑がある。​

特に注目されているのは、日本の農林中央金庫(Nochu)および三井物産との合弁会社JA三井リース(JA Mitsui Leasing)傘下のKatsumi Globalが同社への売掛債権買取取引(ファクタリング)を通じて17.5億ドル(約2,600億円)ものエクスポージャーを抱えている点である。この損失懸念は日本の金融株にも波及し、国内の信用リスク認識を高めた。さらに、同業のMarelli Holdings(旧カルソニックカンセイ)も春に米国で破綻手続に入り、この分野全体に構造的な再編圧力が強まっている。​

米国地方銀行の信用不安
一方米国では、地域銀行(regional banks)の与信リスク懸念が再燃している。原因の一つは、上述のFirst Brands破綻に加え、Zions Bancorp(ユタ州)とWestern Alliance Bank(アリゾナ州)が商業ローンに関する損失や不正融資問題を公表したことにある。Zionsは5,000万ドルの貸倒損失を第3四半期に計上し、Western Allianceは融資先「Cantor Group V LLC」への詐欺被害を発表した。これを受け、両行の株価は一日で約10〜12%急落した。​

加えて、Jefferies Financial GroupがFirst Brands関連の負債5.9億ドルを保有していると明かし、マーケット全体の信用リスク不安を一段と高めた。こうした報道を受けて、銀行業界株価指数であるKBW Bank Indexは10月中旬だけで7%下落し、金融市場は2023年の中堅銀行危機以来の警戒ムードに包まれた。​

分析と影響
今回の一連の事象は、信用市場の透明性欠如と民間債務過多を改めて浮き彫りにしている。米地域銀行は依然として商業不動産や産業ローンに高い集中度を持ち、利上げ後の信用コスト上昇に耐えきれない構造的脆弱性が残る。また、自動車サプライチェーンにおける金利上昇・需要鈍化・貿易摩擦が重なり、サプライヤーの倒産連鎖リスクが拡大している。​

総じて、自動車関連金融と地域銀行の与信の両面から「信用リスクの再燃」が顕在化した週であり、今後の市場の焦点はこれが一過性の調整か、あるいは広範な資本市場リスクに発展するかに向かっている。

2025年10月18日 土曜日

世界の動き 2025年10月17日 金曜日

今日の一言
「ゴキブリが一匹いれば」
 米国金融大手の第3四半期決算の話だ。総じて好調だが警戒感も出ている。
 業績好調
• JPモルガン・チェース、シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレーなどが前年同期比で大幅な増益を報告。
• ゴールドマン・サックスは過去最高の四半期売上を記録。
• 投資家にとっては、政府統計が滞る中で経済の健全性を示す重要な指標となっている。
 銀行経営陣の懸念
• 一部のCEOやCFOは、AIブームによる過熱感や資産バブルの兆候を指摘している。
• ゴールドマンのソロモン氏は「規律あるリスク管理が不可欠」と警告。
• JPモルガンのダイモン氏は「バブル期に入りつつある資産が多い」と発言。
 信用リスクと破綻事例
• 自動車金融会社トリコロールや部品メーカーファースト・ブランズの破綻が懸念材料になっている。
• アポロのローワン氏は「景気サイクル終盤の事故は驚きではない」とコメントしている。
• ダイモン氏は「ゴキブリが1匹いれば他にもいる」と例え、信用リスクの広がりを示唆した。同氏は、破綻した上記の2社がプライベートクレジットを多用していたことに懸念を示し「ゴキブリ」という言葉をあえて使用したとみられる。プライベートクレジット業界からはこの言い方に反発が出ている。
 楽観的な見方も
• ブラックストーンのグレイ氏は、破綻事例を「炭鉱のカナリア」とする見方を否定し、 一部の金融リーダーは、好景気の終焉とは限らないと考えている。
 次回FOMCでの利下げ観測が高まり、米株式市場にはプラスに働く部分があるが、経済の不振が現実となれば下落するだろう。さて、どう動くか注目だ。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.内向的でも健康で長生きするために
【記事要旨】
 社交的な人が長寿傾向にある一方で、内向的な人も適切な人間関係を築くことで、同様の健康効果を得られる。重要なのは「人脈の数」ではなく「質」である。大切な4つの要素は以下だ。
1. 精神的サポート
– 親しい友人や家族との深い関係が、孤独感やストレスを軽減。
– 慢性的な孤独は炎症を引き起こし、心疾患や認知症のリスクを高める。
2. 物的サポート
– 日常の助け(送迎、食事の差し入れなど)や、困難時の支援が重要。
– 親しい友人は4〜6人が理想的。頼りすぎを防ぎ、バランスを保てる。
3. 健康的な習慣の促進
– 支え合う関係が、運動・食生活・医療受診などの健康行動を後押し。
– 健康への意欲は、自分を大切にする姿勢からも生まれる。
4. 精神的な刺激
– 家族以外の人との会話(スーパーや通勤中など)が認知機能を刺激。
– 言葉選びや思考力が求められ、脳の活性化につながる。
【コメント】
 珍しいタイプの記事だ。
 内向的な人でも、心地よい範囲での社交を通じて、健康と長寿を実現できる。孤独を避け、質の高い人間関係を意識することが鍵だと結論付けている。

2.トランプ大統領、プーチン大統領と再会談へ
【記事要旨】
 トランプ大統領は昨日、数週間以内にブダペストでウラジーミル・プーチン大統領と会談し、ウクライナにおけるロシアの戦争終結に向けた方策を協議する計画だと述べた。
 トランプ大統領は、プーチン大統領との2時間以上に及ぶ電話会談後にこの計画を発表した。また、マルコ・ルビオ国務長官を含むロシアと米国の高官が来週会談する予定だと付け加えた。クレムリンは、両首脳がアラスカでの会談から約2か月ぶりに新たな会談について協議したことを確認した。
 トランプ大統領は本日、ホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー大統領と会談する予定だ。ゼレンスキー大統領は、米国からのさらなる兵器、特にトマホーク巡航ミサイルの提供を求めるとみられる。トマホーク巡航ミサイルは、米国がウクライナに供与した兵器の中で、これまでで最も射程の長いものとなる。クレムリンによると、プーチン大統領はトランプ大統領に対し、ミサイルをウクライナに送らないよう警告したという。
【コメント】
 今回トランプはどのようにプーチンに圧力をかけようとするのだろうか。ロシア軍の死傷者はすでに100万人を越え、原油に依存するロシア経済の疲弊が目立つとの報道もなる。プーチンも潮時と考えているかもしれないという淡い期待がある。

3.アサド政権の執行者たち
【記事要旨】
 シリアの独裁者バッシャール・アル=アサドは、20年間、そして50万人の死者を出した13年間の内戦の間、自らの統治を支えるために手下たちのネットワークに依存していた。
 彼らは民間人を拷問し、化学兵器を製造・使用し、政府の資金源となる麻薬を密輸し、病院への爆撃を命じた。そして、2024年12月にアサド政権が崩壊すると、彼らの多くは姿を消した。私と同僚たちは、彼らが犯したとされる犯罪の証拠を暴き、彼らが今どこにいるのか、例えばロシアにいるのか、あるいはレバノンで復讐を企んでいるのかを突き止めようとした。
 私たちは断片的な情報を追いかけた。Facebookに投稿されたダマスカスの豪邸の写真、制裁文書に記載された小さな村の名前、記者にひっそりと提供されたロシアの国番号付き電話番号などだ。法的書類を読んだり、戸別訪問をしたり、人々の友人、家族、同僚に電話をかけたりするなどした。多くの政府職員が深夜のフライトで脱出した経緯を含め、彼らがどのようにして脱出したのか詳細を突き止めた。
【コメント】
 タイムズ得意の調査報道だが、so whatという印象を免れない。

其の他の記事
・イスラエルは10月7日の攻撃から2年を記念する式典を開催した。
・イエメンのフーシ派民兵は、軍参謀総長が空爆で死亡したと発表した。イスラエルがこの攻撃の犯行声明を出した。
・フランス政府は議会での不信任決議を辛うじて乗り切ったが、予算をめぐる激しい争いが今後待ち受けている可能性がある。

・昨年韓国で発生した済州航空機墜落事故で犠牲者の遺族の一部は、ボーイング社に対し、機体のシステム更新を怠ったとして訴訟を起こした。
・トランプ大統領がニコラス・マドゥロ大統領への圧力を強める中、米国はベネズエラ近海にB-52爆撃機と特殊作戦ヘリコプターを派遣した。

2025年10月17日 金曜日