今日の一言
「モートンの熊手」
「モートンの熊手」 (Morton’s Fork) と言う言葉を聞いたことがあるだろうか。どちらも望ましくない2つの選択肢から選ぶというもので、誤った二分法の例とされることが多い。
この言葉は英国貴族への課税についての論証を起源としている。「わが国の貴族が裕福なら、永久に課税しても問題はない。逆に貧しくみえるなら、彼らは質素に暮らして莫大な貯金を蓄えているはずで、やはり永久に課税しても問題はない」とモートンという領主が貴族に課税した考えを示す言葉だ。土地だけ所有していて税として徴収可能な流動資産がない貴族を考慮していないという点で、誤った二分法と言える。
石破総理は続投を表明したが、国政の混乱を避けるためだと説明しているが、彼自身が国政の混乱を招いていることを意図的に無視している。彼はゴールポストを何度でも自分の有利に変更する。国民にとってはモートンの熊手状態の現出だ。
ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.バングラデシュ軍のジェット機が学校に墜落
【記事要旨】
バングラデシュ空軍の練習機が昨日、ダッカの学校に墜落し、少なくとも20人が死亡、171人が負傷したと当局が発表した。軍は、墜落の原因は機械的な不具合だと発表した。
墜落現場は、ダッカ国際空港と軍の空軍基地の北に位置する小学生から高校生までの生徒が通っている学校だ。暫定政権のムハマド・ユヌス首相の補佐官によると、負傷者の大半は子供で、25人が重体だという。
詳細:ジェット機は空軍基地を離陸した後、学校の2階に墜落した。軍によると、墜落で死亡したパイロットは、人が少ない場所へ機体を移動させようとしていたという。
【コメント】
またも学校への航空機の墜落という悲劇だ。言葉が出ない。
2.イスラエルはガザにおける今後の対応策出せない
【記事要旨】
週末にイスラエル軍がガザの支援拠点でパレスチナ人に対し発砲するという2件の事件が発生。これは1年以上前の専門家の警告が事実になった。権力の空白状態が続く限り、ガザは無政府状態に陥るだろう。
土曜日の発砲事件はイスラエル支配地域にあるイスラエルの支援拠点で発生し、日曜日には、イスラエルからガザに越境してきた国連の車列から援助物資を奪おうとしたパレスチナ人が銃撃された。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、パレスチナ自治政府の復帰阻止を含む暫定統治システムの創設に繰り返し反対してきた。機能的な統治システムの不在はガザの大部分で混乱を引き起こし、解決策が見つからないことでイスラエルの外交的孤立が深まっている。英国、フランス、日本は昨日、イスラエルの行動を「容認できない」と非難し、イスラエルに戦争の即時終結を要求した25カ国のうちの1つとなった。
国連:イスラエルは、ガザ地区とヨルダン川西岸被占領地における人道支援活動を監督する国連高官のビザ更新を拒否した。
【コメント】
今こそトランプ政権が主体的に動くべきだ。トランプにとってはディールの好機だ。
3.ロシアはウクライナに対し、激しい攻撃を継続
【記事要旨】
ロシアは昨日、ここ数ヶ月で着実に激化しているウクライナへのミサイル攻撃と爆発性ドローン攻撃を実施した。トランプ大統領が先週、軍事援助の増強を約束し、プーチン大統領に50日以内に戦争終結を求めるよう指示して以来、初めての大規模な一斉攻撃だった。
ロシアは現在、イランで開発された「シャヘド」と呼ばれるドローンを使用しており、その攻撃力の大きさからウクライナにとって最も深刻なリスクとなっている。ウクライナ軍によると、ウクライナ国内の標的に命中したシャヘドの数はミサイルを上回っている。ウクライナにとってもう一つの痛手として、ロシアによるシャヘドドローンによる防空網突破率も上昇している。昨年は7%が標的に命中したが、今年はこれまでに11%に達している(空軍の統計による)。
関連記事:ウクライナは、戦争初期のような武器供与の要請ではなく、自国軍の兵器開発のための資金をますます求めている。
【コメント】
戦争の技術は実戦を通じで磨かれ発展する。ウクライナは無視できない軍事大国になりつつある。
その他の記事
日本:日曜日の国会選挙で極右の反体制政党2党が勝利したことは、多くの日本の若者の不満を浮き彫りにした。
【コメント】 極右の2政党とは、参政党とどこを指すのだろうか??
中国:当局は、保健当局と病院職員が250人以上の小児の鉛中毒を隠蔽するため、血液検査結果を改ざんしたと発表した。
宇宙:NASA職員からの公開書簡は、NASAの幹部に対し、トランプ政権が求めている大幅な予算削減を行わないよう求めた。
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貿易:クライスラー、ジープ、ラムなどの自動車メーカーであるステランティスは、今年上半期に27億ドルの損失を計上したと発表し、その一因としてトランプ大統領の関税を挙げた。
2025年7月22日 火曜日