世界の動き 2025年8月26日 火曜日

今日の一言
「Transcend」
 NHKの夕方6:30からの栃木のローカルニュースを好んで見ている。東京では知らないニュースが多い。
 昨日はBリーグ覇者の宇都宮BREXのファン感謝デーが大きく取りあげられた。今年のスローガンはTranscendだそうだ。
 以下Yahooニュースより
 「Bリーグ1部(B1)の宇都宮ブレックスが、2025ー26シーズンのスローガン「Transcend」を発表した。「超越する」という意味で、「全員で今までの自分たちを超えていく。過去のブレックスを超越する」シーズンにしていこうという思いが込められている。」
 チームメンバーの半数程度が外国人なので、彼らにもわかりやすいスローガンにしたのではないか。大学院レベルの英単語だ。
 Transcend BREX!
 Transcend Tochgi!
 Transcend Japan! これで難しい単語が覚えられた。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.イスラエル軍、ガザの病院を攻撃、ジャーナリスト5人死亡
【記事要旨】
 イスラエル軍が昨日、ガザ南部の都市ハンユニスの病院を2度にわたって攻撃し、ジャーナリスト5人を含む20人が死亡した。ネタニヤフ首相は「悲劇的な事故」と呼び、謝罪し、イスラエル軍が調査を行うと述べた。
 これは、約2年にわたる戦争中、ジャーナリストに対する最も致命的な攻撃の一つとなった。死者数を発表したガザ保健省は、さらに数十人が負傷したと発表している。負傷したジャーナリスト5人は、ロイター通信、AP通信、アルジャジーラなどのメディアに所属していた。
 「ダブルタップ」攻撃:カイロに拠点を置く放送局アル・ガドTVの生中継映像は、ナセル病院での爆発直後の様子を捉えていた。ニューヨーク・タイムズ紙が確認した映像には、救急隊員らが階段で白い遺体袋を移動させる様子が映っていた。その直後、2度目の攻撃が生中継で捉えられた。イスラエル軍は、部隊が「ダブルタップ」(同じ場所への二度攻撃)を実施したかどうかという質問に直ちに回答しなかった。人権団体はこのような攻撃を非難している。
 背景:ジャーナリスト保護委員会によると、ガザ紛争はジャーナリストにとって致命的なものであり、これまでに少なくとも192人が死亡している。イスラエルは国際特派員によるガザでの自由な報道を禁じているため、現在、世界の多くはガザからの報道をパレスチナ人ジャーナリストに頼っている。
【コメント】
 ウクライナでも使われているダブルタップ。以下読売新聞より。
 「ウクライナ侵略を続けるロシア軍は、「ダブルタップ」と呼ばれる攻撃手法を多用している。一度攻撃し、負傷者の救助に駆けつけた人たちを狙って時間差で再び攻撃を加える方法で、被害を拡大させる狙いがある。標的とされる消防士や救助隊員は、市民の命を救うため、それでも現場へ駆けつける。」

2.トランプ大統領、韓国大統領と会談
【記事要旨】
 トランプ大統領は昨日、ホワイトハウスで韓国の李在明大統領と初めて会談し、北朝鮮の独裁者、金正恩委員長を称賛した。2019年に歴史的な訪問で金委員長と会談したトランプ大統領は、金委員長との良好な関係を繰り返し強調し、北朝鮮には「大きな潜在力」があると述べ、金委員長と李大統領の会談をセッティングすることを申し出た。
 李大統領はまず、大統領執務室の金箔装飾を称賛し、米韓同盟に緊張の兆候が見られる中でもトランプ大統領を平和推進者として称賛した。権威主義体制をしばしば称賛してきたトランプ大統領は、「しかるべき将来」に金委員長と再び会談できることを楽しみにしていると述べた。
 背景:6月の就任以来、李委員長は朝鮮半島の緊張緩和への意欲を繰り返し表明してきた。しかし、北朝鮮は先月、この会談提案を拒否した。
【コメント】
 トランプのキムジョンウン関係の独演会は日本であまり報道されなかった。さて、日米交渉の対米投資部分は文書化するそうだ。米国が確認を求めているそうだ。

3.かつて中国最強の不動産会社、終焉
【記事要旨】
 かつて中国最大の不動産開発会社だった中国恒大集団(エバーグランデ)は、昨日、香港証券取引所から上場廃止となった。同社の破綻は、5年間中国経済を圧迫し、終わりの見えない住宅市場の低迷を引き起こした。
 16年前に香港で上場した同社は、2021年に3,000億ドルの巨額債務を抱えた債務不履行に陥り、中国経済の脆弱性と、成長を牽引する不動産への過度の依存を露呈したことで、記憶に残ることになるだろう。
【コメント】
 中国の不動産市場の現状。
 中国の不動産不況は2025年現在も深刻であり、回復の兆しが見えない状況が続いている。
・2025年1~7月の不動産投資は前年同期比で12%減少し、減少幅が拡大。
・住宅価格は依然として下落傾向にあり、多くの地域で中古住宅価格が連続的に下落。
・販売不振の影響で、中国全体の住宅在庫は5年分にまで積み上がっているとの報道もある。

その他の記事
フランス:新任の米国大使チャールズ・クシュナー氏は、フランス政府がユダヤ人市民の保護に十分な対策を講じていないと非難した後、外務省に召喚された。
ウクライナ:多くの軍が妊娠中の兵士を戦闘から外す中、ウクライナの女性は通常、妊娠7ヶ月まで兵役に就く。
外交:トランプ大統領にとって、一貫性よりも指導者同士の外交が重要だ。その結果、戦略的な混乱が生じていると、デイビッド・サンガー氏は書いている。

デンマーク:風力発電所開発会社Orstedの株価は、トランプ政権がロードアイランド沖で計画していた62億ドル規模のプロジェクトを中止したことを受けて急落した。
+(中国関連)
ドイツ:検察当局は、元軍事請負業者のアメリカ人を、機密性の高い米国の情報を中国に売却しようとしたとして起訴したと発表した。
ニューヨーク:マンハッタンの中国領事館が、中国政府に反対する地元政治家のキャリアを潰すために地域団体を動員していたことが、タイムズ紙の調査で明らかになった。
科学:中国の科学者が、脳死状態の男性に豚の肺を移植したと報告した。

2025年8月26日 火曜日

世界の動き 2025年8月25日 月曜日

今日の一言
「株価はバブルか?」
 株価最高値を「バブル」と見る向きが多いが、株価の「先行指標」と見る考えもある。双方が前提としている理論や視点は大きく異なる。

 「バブル」の考えは広く知られているので、「先行指標論」を少し詳しく取り上げたい。
 株価は未来の業績や経済成長を織り込み先に動く。投資家は半年~1年後の状態を見越して価格を付けると考える。
 急速なAI導入・イノベーション、地政学の安定化、金融政策の転換(利下げ期待)など、未来の成長や改革への期待が株価を押し上げるため、現在の高値は妥当だという主張だ。
 過去にもバブルのように見えた上昇局面が実は転換点で、景気拡大の先触れだったケースもある。

 筆者は「先行指標」派に近い。値上がりした株の半分は利食いして、残りは長期保有だ。AIの大きな波に乗るべき時だ。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.ウクライナはドンバスを放棄するだろうか?
【記事要旨】
 ウクライナにおける戦争終結に向けた最近の取り組みがどこへ向かうのかは明らかではない。しかし、ドネツク州とルハンスク州という二つの地域からなる鉱物資源に恵まれたドンバス地域は、あらゆる交渉の中心となるだろう。
 プーチン大統領は、キエフが実効支配する地域を含むドンバス地域全体をウクライナが放棄するよう要求している。この地域には、20万人以上のウクライナ人が居住している。世論調査ではウクライナ国民の大多数がロシアへの領土譲渡に反対していることから、放棄はゼレンスキー大統領にとって政治的に打撃となる可能性がある。
 ドンバスを放棄することは「ウクライナの第一防衛線」を放棄することを意味する。そこには塹壕が何列も続いている。ロシアはウクライナが現在この地域から得ているあらゆる利益を手に入れ、ウクライナに逆らって利用できるようになることがウクライナ国民が最も恐れていることだ。
 アナリストや元政府関係者は、ゼレンスキー大統領がウクライナ国民にこの土地の明け渡しを受け入れさせる唯一の方法は、米国が支援する安全保障を提供することだと述べている。しかし、トランプ大統領がNATO加盟を否定して以来、ウクライナはそれを実現できていない。
ウクライナに関するその他のニュース:
・ロシアのラブロフ外相は昨日、ロシアとウクライナの首脳会談は予定されていないと述べた。
・米国は、ロシアのウクライナ侵攻に関与したとして、6,000人の個人と企業に制裁を課した。では、なぜ戦争は止まらないのだろうか?
・あるウクライナ兵士は、捕虜として拷問、暴行、そして飢餓に耐えたと語った。
【コメント】
 ドンバスの放棄による停戦と、NATOに加わらない実質的なウクライナ防衛策。この複雑な問題の解は見つかりそうもない。ただ、ウクライナはドンバスを放棄しても停戦すべきだと思う。イギリス、フランス、ドイツがウクライナ防衛の意思を固めている今は好機だ。トランプは問題が複雑化すればNATOに入れないどころか、軍備支援の解除すら言い出しかねない。

2.韓国大統領、トランプ大統領と会談へ
【記事要旨】
 韓国の李在明大統領が本日ホワイトハウスでトランプ大統領と初めて会談するが、おそらく何らかの共通点を見出すだろう。両氏は暗殺未遂事件を生き延びており、北朝鮮の指導者との会談を望んでいる。
 しかし、中国への対応という重要な点をめぐって、両者は摩擦に直面する可能性がある。
 トランプ政権は、米国が中国封じ込めのため在韓米軍数万人規模の役割を拡大する中、韓国が自国の防衛責任をより一層担うことを求めている。韓国当局者は、中国が台湾に侵攻し、米国が台湾防衛のために在韓米軍を投入した場合、中国と北朝鮮が朝鮮半島で新たな軍事衝突を引き起こす可能性があることを懸念している。
 貿易:米国と韓国は先月合意した協定の詳細をまだ詰めていない。この協定では、トランプ大統領が米国への3,500億ドルの投資パッケージと引き換えに、韓国製品への関税を15%に引き下げることに同意した。トランプ大統領は、韓国は在韓米軍の維持費として年間の分担金を現在の9倍以上にあたる100億ドルに増額すべきだと述べた。
【コメント】
 李在明大統領の訪日は無難に終わり好感を持った。
対米では、日本と韓国の立場はよく似ていると改めて実感する。

3.イスラエルにおける従軍をめぐる争い
【記事要旨】
 イスラエル史上初めて、超正統派ユダヤ教徒が兵役に徴兵される事態となった。しかし、その多くが兵役を拒否している。数百人の超正統派ユダヤ教徒が街頭で抗議活動を展開している。
 ユダヤ系イスラエル人の大半は兵役を義務付けられているが、超正統派ユダヤ教徒は昨年のイスラエル最高裁判所の判決まで免除されていた。この免除は、他のユダヤ系住民から長年にわたり反発を受けてきた。しかし、ガザ地区で2年近く続く戦争は、この不満を政治危機へと変貌させ、イスラエル社会の分断を深め、ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いる脆弱な連立政権を危うくしている。
【コメント】
 超正統派ユダヤ教徒は、イスラエルにおいてユダヤ人人口の約12%から14%を占めている。彼らの人口は約100万人規模(2019年時点)とされ、出生率の高い彼らは、2050年にはユダヤ人人口の3分の1強、イスラエル全人口の24%にまで達するとの予測もある。

その他の記事
米国:政府は、エルサルバドルに不法送還された移民キルマー・アブレゴ・ガルシア氏をウガンダに強制送還すると警告している。
宇宙:イーロン・マスク氏のスペースXロケット「スターシップ」は、幾度かの失敗の後、10回目の試験飛行の準備を整えた。
ガザ:食料安全保障専門家による報告書でガザの一部で飢餓が発生していることが明らかになった後、米国はほぼ沈黙を守っていた。ネタニヤフ首相はこれを「全くの嘘」と非難した。

香港:ブルームバーグ・ニュースの記者、レベッカ・チョン・ウィルキンス氏はビザ発給を拒否され、事実上香港から追放された。

2025年8月25日 月曜日

株式市場の動き(週刊レポート)備忘録

1) 今週の相場像

米国株:ジャクソンホールでのパウエル議長の発言が「早期利下げ示唆」と受け止められ、金曜に主要3指数が大幅高・ダウは過去最高値で週末。週間では3指数とも上昇で着地。
日本株:週後半に持ち直しつつも、Nikkei 225は週間で下落。TOPIXは小幅安。

為替・金利:USD/JPYは週末に147円近辺へ急低下(ドル安・円高)。米10年金利は低下(4.2%台へ)。背景は「9月利下げ観測の強化」。

2) 主要指標:今週の動き
米国
ダウ平均:金曜+約1.9%、史上最高値で引け。週間でも上昇。終値45,631.74
S&P 500:金曜+約1.5%、週間で上昇。終値6466.91
NASDAQ:金曜+約1.8%、週間で上昇。終値21,496.53

日本
日経平均:週間で約2%下落 終値42,633.29
TOPIX:週間で小幅安(約▲0.2%)。終値3100.87

為替・金利
USD/JPY:週末146.9円近辺(日中で146.6〜148.8)。週末にかけてドル安・円高。
米10年金利:低下(パウエル発言後に4.27%近辺へ)。
日本国債
 10年物国債利回り:約1.61%(前日比 +0.01%)
 20年物国債利回り:約2.65%(前日比 +0.02%)
  30年物国債利回り:約3.20% いずれも過去最高水準

3) 今週の主な出来事と相場への影響
ジャクソンホール:パウエル議長が「利下げの必要性あり得るが慎重に進める」と発言。株高・金利低下・ドル安の「リスクオン+金融条件緩和方向」の反応。9月利下げ観測は~85–90%へ上昇。
米企業ニュース:一部将来業績のソフトガイダンス(例:Intuit)があったが、金曜の政策期待でテックを含む広範に買い直し。
日本では:今週は外部金利動向・為替の影響が優勢。円高方向が進んだ分、輸出株の重しに。JGB長期金利は7月以降高止まり観測も、今週は米金利低下が緩和要因。

4) 来週の見通し(イベントカレンダー&相場観)
イベント(米国)
7月PCEデフレーター(個人消費支出):8/29(金)発表。コアPCEも同時。利下げの最終確認材料。
米GDP 2Q改定値:8/28(木)。成長の持続性を再点検。
企業決算:NVIDIAほか小売(Best Buy、Bath & Body Works、Urban Outfittersなど)。AIサイクルの体温と米個人消費の強さを測る週。
イベント(日本)
東京都区部CPI(8/30土 日本時間):全国CPIの先行指標として注目。円・JGB・バリュエーションに影響。

ベースシナリオ
金利低下+利下げ観測が続く限り、米ハイベータ(テック・半導体)主導の戻り、ディフェンシブにも資金回帰が入りやすい。一方で、PCEが強めなら利下げ期待が剥落し、**リバーサル(株安・金利上昇・ドル高)**に注意。

5) 注目セクター/銘柄(来週)
米国:AI/半導体(NVIDIA 等)—決算・見通し・在庫/供給コメントが指数ドライバー。周辺のサプライチェーン(設計IP、EDA、HBM、後工程)にも波及
米国:小売(Best Buy、Bath & Body Works、Urban Outfitters)—PCE前の消費実勢の温度感。

日本:自動車・機械など輸出株—円高進行が逆風。一方で金利低下→バリュエーション下支えの綱引き。
日本:銀行—JGB長期金利のトレンド次第。来週、米金利低下が続くならスティープナー剥落→銀行株の一服に注意。

6) プライベートエクイティ(PE)/プライベートクレジット(PC)の動き
PEのマクロトーン:H1はエグジット難でディールは控えめ、セカンダリー市場が活況(年初来〜H1で記録的水準)。大手の大型セカンダリーファンド組成も継続。
直近トピック:Five Point支援のWaterBridgeがIPO申請—秋のIPOウィンドウ再開期待を示唆。

規制の目:米FTCがヘルスケア領域のPE案件に厳格姿勢—ヘルスケアM&Aのクローズ確度・期間に注意。
地域動向:中国のPEセカンダリー取引が急増(H1で件数・金額ともに過去最高)。
プライベートクレジット:バリュエーションの透明性に対する投資家の警戒感が指摘される一方、アセットとしての資金流入・拡大期待は継続。

2025年8月23日 土曜日

世界の動き 2025年8月22日 金曜日

今日の一言
「県岐阜商野球部とジム・アボット」
 岐阜商は準決勝で敗退した。準々決勝では優勝候補の横浜を接戦で退けた。あの試合では審判の誤審で救われた横浜を最後は突き放すことが出来て、良かった。
 スターティングメンバー20人中19人が岐阜県出身だそうで、(横浜は6人に過ぎない)好感が持てた。
 生まれつき左手に指がない横山温大選手の活躍は、右手の手のひらから先が無いが、大リーグで活躍したジム・アボットを髣髴とさせた。グローブを素早く持ち替えるアボット・スイッチを思い出す人が多いだろう。
 ニューヨークに住んでいたころ、ヤンキースにエンジェルスから移籍してきたばかりだった彼が、1993年9月4日にクリーブランド・インディアンス戦でノーヒットノーランを達成したゲームをスタジアムで見た。胸が熱くなった。
 アボットの言葉から、
 「自分が障害者だとは思ったことはない。子供の時自分に野球を教えようとして庭に連れ出した父こそ勇気のある人間だ。」また「少年期の頃に試合で相手チームが全員バントをしてきた事があり、それをきっかけに守備を努力しようと思うようになり自信がついた。」
 岐阜商野球部のメンバーも、今後の人生を頑張ってもらいたい。

ニューヨークタイムズ電子版より(今日は2つ)
1.欧州と米国、貿易協定を強化
【記事要旨】
 EUと米国は先月、関税協定を発表し、貿易戦争から離脱した。単なる握手による合意の後、数週間にわたり交渉担当者は詳細を詰め、昨日、詳細を発表した。
 協定の骨組みは変更されておらず、米国はEUからのほとんどの製品に15%の関税を課す。これには、欧州から米国への最大の輸出品である医薬品も含まれる。医薬品は、米国が外国製医薬品への関税を最終決定した後も、15%の税率を維持する。
 自動車の場合はより複雑である。新たに具体化された詳細によると、EUが多くの米国製品に対する関税を引き下げる法案を提出するまで、欧州車に対する米国の高関税は維持される。欧州の自動車メーカーは、米国の現行関税率27.5%の下で苦戦を強いられている。
 Timesのブリュッセル支局長は、欧州当局は共同声明で示された条件に対し、「かすかな安堵感を抱いている。合意内容は基本的に予想通りであり、明文化されたことで、EU域内の企業は状況が再び大きく揺らぐことはないという確信をある程度得られるからだ」と語った。
 トランプ大統領の関税は、大西洋横断貿易に様々な形で影響を及ぼすだろう。例えばチーズを例に挙げてみよう。
 受賞歴のあるスティルトンチーズを生産するイギリスの農場は、このチーズは本当に特別で、世界中のどこでも作れないと言う。
 農場のオーナーたちは、関税によるコスト上昇にもかかわらず、米国での事業拡大を目指している。英国と米国の間で別途締結された貿易協定に基づき、スティルトンチーズの輸出には現行の関税に加えて10%の関税が課せられ、合計で23~27%の関税がかかる。
 これは、貿易政策が私たちがどこで何を買えるかをいかに大きく変えようとしているかを示す一例に過ぎない。
関税に関するその他のニュース:
・関税により、一部のアメリカの中小企業は「生き残りモード」に追い込まれている。
・トランプ大統領が来週、インドに50%の関税を課すと脅しているが、これはサービス貿易を完全に除外している。
【コメント】
 スティルトン (Stilton) は、イギリス(イングランド)原産のチーズの一つ。アオカビで熟成されるブルーチーズタイプのもの(ブルー・スティルトン)がよく知られており、単に「スティルトン」といえば通常ブルー・スティルトンを指す。フランス原産のロックフォール、イタリア原産のゴルゴンゾーラとともに「三大ブルーチーズ」として並び称されている。(Wikipedia)

2.ウクライナ、戦死者数千人の身元確認作業に着手
【記事要旨】
 6月以降、ウクライナ南部オデッサ州の鉄道駅は、ロシアとの遺体交換の一環として、6,000体の兵士の遺体を受け入れてきた。鑑識チームは、兵士一人ひとりの身元を確認し、遺族に返還することを目指している。
 この大量の遺体輸送は、ロシアとウクライナの間で3回行われた停戦交渉の数少ない成果の一つだ。これらの遺体は、3年以上続いた戦争でウクライナ国内で行方不明となった7万人以上の人々のほんの一部に過ぎない。
 ウクライナ空軍によると、トランプ大統領がホワイトハウスで戦争終結に向けた協議を主催した直後、ロシアはウクライナの都市に向けて約600機のドローンと40発のミサイルを発射した。
 ホワイトハウスは大胆な主張をしているものの、和平への突破口は見えていない。
【コメント】
 「ウクライナ戦争における死者数は、ロシア側、ウクライナ側ともに公式発表が少ないため、正確な数字は不明です。しかし、様々な情報源からの推計によると、ロシア軍の死者数は数万人から25万人程度、ウクライナ軍の死者数は数万人規模とされています。」AI回答
 血なまぐさい地上戦が3年半続いて「産み出した」のが「死者」とは。何たる言語矛盾だろう。

その他の記事
米国
・移民:新たな調査によると、数十年ぶりに米国を出国する移民が米国に入国する移民を上回っている。トランプ政権下での国外追放件数が過去最高を記録している。
・トランプ:ニューヨークの控訴裁判所は、大統領に対する5億ドルの罰金を棄却しましたが、不正行為の有罪判決は維持しました。
・政治:テキサス州とカリフォルニア州の議員は、来年の下院選挙の結果を左右する可能性のある選挙区の区割り変更に着手しました。

その他の地域
・ガザ:イスラエル当局は、地上部隊がガザ市のある地区で作戦を展開していると述べましたが、軍がより広範な攻撃を開始する時期は依然として不明です。
・ノルドストリーム:2022年にロシアとドイツを結ぶ2本のガスパイプラインを海底爆破したとみられるウクライナ人の男がイタリアで逮捕されました。
・レアアース:米国は、ブラジルに豊富に埋蔵されているレアアースの採掘に関する提携を模索していました。そして関税が課された。

・日本:沖縄沖に停泊中の米海軍艦艇で火災が発生し、約12時間燃え続け、乗組員2名が負傷した後、鎮火した。
・スパイ活動:米海軍水兵の魏金超(ジンチャオ・ウェイ)は、機密情報取扱資格を悪用し、米軍艦艇の能力に関する情報を中国に売却した罪で有罪判決を受けた。

2025年8月22日 金曜日

世界の動き 2025年8月21日 木曜日

今日の一言
「ニュース報道」
現在(5:50AM) 28℃、昨夜も熱帯夜だった。
TVのニュースは天候がトップ。日本全国が真っ赤に塗られた地図がすっかりおなじみになった。熱中症警戒アラートが出たので、冷房をかけろ水を飲めとうるさく呼びかける。加えて、線状降水帯の発生や渇水報道で、ニュースの冒頭の5分は費やされる。
そして、ウクライナの停戦で5分。すっかり落ち着いた日本の政局関係が3分。高校野球が5分。大リーグが3分。あとはくだらないCMだ。
毎日こんな報道の繰り返しだ。頭が熱帯夜になりそうだ。うーん。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.イスラエル、ガザ市への攻撃準備
【記事要旨】
イスラエル当局は昨日、軍がガザ市制圧計画を進めていると発表した。約2年に及ぶ戦争の後もなお、ガザ市とその周辺地域は依然としてハマスの拠点となっていると、当局者は述べた。
イスラエル軍当局者は、部隊がガザ市郊外に到達し、作戦開始後に避難民となる人々のためにテントをガザ南部に移動させていると述べた。
計画では、部隊が市を包囲し、住民が検問所を通過して南下し、武装勢力を捕捉した後、強制的にガザ市へ進攻する。ガザ市に派遣された部隊の補充として約6万人の予備役が招集され、2万人の任務は延長される。
この準備は、ネタニヤフ首相が、ハマスが合意した、人質の一部解放を保証する停戦案を検討したことから始まった。
イスラエルでは、人質の家族はハマスによる攻撃への報復として殺害されるのではないかと懸念しており、極右派の政治家たちはネタニヤフ首相が停戦合意を受け入れれば政権を辞任すると警告している。
ガザ市では、数千人が同地区の中央部または南部への移住を検討した。しかし、同市の住民の多くは既に何度も移住しており、中には二度と移住しないと述べる者もいる。
関連記事:イスラエルはシリアとの死傷者を伴う衝突の後、シリアとの直接交渉を開始し、トランプ大統領はネタニヤフ首相と自身を戦争の英雄と称した。
【コメント】
ネタニヤフはどうすればよいのだろうか。真面目に考える。
交渉の「二段構え」戦略がよさそうだ。
第一段階:人質解放を最優先
・カタール、エジプト、米国など仲介者を通じ、人質解放を条件とした「限定的停戦」を模索。
・「人質が解放されるまでの間の一時的停戦」であれば、右派も完全な裏切りとまでは言えない形にする。
第二段階:軍事・政治的選択肢を確保
・停戦後も「軍事行動再開の権利」を保持することを公言し、右派の支持基盤をつなぎ止める。
といったところだろうか。

2.ロシア、ウクライナ領土の奪取に躍起
【記事要旨】
トランプ大統領がウクライナとロシアに和平を迫る中、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、可能な限り多くの領土を奪取しようと躍起になっている。ウクライナ軍司令官は、この戦術はウクライナを弱い立場から交渉に臨ませる可能性があると述べた。
ロシアは、発見されにくい小規模な徒歩部隊を派遣している。彼らはウクライナ軍の目をすり抜け、再集結して攻撃し、そしてこのサイクルを繰り返しながら徐々に前進している。戦闘が依然として激しいウクライナ東部ポクロフスク近郊からの報告だ。
外交:ロシアのラブロフ外相は昨日、ロシアはウクライナに対する将来のいかなる安全保障にも参加することを主張すると述べたが、欧州とウクライナの当局者はこの条件を不合理だと見ている。これは、ロシアによる侵攻終結の可能性をめぐる交渉において、依然として大きな隔たりが残っていることを示すものだ。
【コメント】
欧州は「ロシアを敵とみなす」安全保障を、ロシアは「自身を含めた」安全保障を、考えているようだ。トランプはロシア案を吞んでいるのだろうから、出発点が定まらない。

3.習近平国家主席、異例のチベット訪問
【記事要旨】
中国の指導者である習近平国家主席は昨日、チベットの首都ラサを訪問した。2021年以来となるチベットの首都ラサへの訪問である。今回の訪問は、90歳になるダライ・ラマの崩御後、後継者争いが勃発する可能性を懸念し、中国指導部が権力の強化を企図していることを反映している。
習近平国家主席は演説で、「宗教問題」の規制強化と「チベット仏教を社会主義社会に適応させる」よう訴えた。
その他の中国ニュース:
・香港政府は、民主化運動を鎮圧した後、「ソフトな抵抗」と呼ぶ、より微妙な不満の表明に狙いを定めている。
・習近平国家主席による政治・軍事指導者の秘密裏の粛清は、毛沢東やスターリンを彷彿とさせると、本紙のコラムニストは指摘する。
【コメント】
習近平主席の動きはいつも大局をとらえているように見える。のどに刺さったダライラマの亡命政権を無力化する動きだ。

その他の記事
アフガニスタン:イラン国境のヘラート州でバス事故が発生し、70人以上のアフガニスタン人が死亡した。
米国:トランプ大統領は連邦準備制度理事会(FRB)理事の辞任を要求し、中央銀行改革に向けた取り組みを激化させた。
宇宙:天文学者たちが天王星を周回する新しい衛星を発見し、天王星の衛星の数は29個になった。

教育:米国政府による学生ビザの審査とトランプ大統領の入国禁止令により、今後数週間は多くの留学生が米国の大学に入学できないことになる。
ジョージア:この国は西側諸国から逃げ出し、ロシアへと逆戻りしている。一体何が起きたのだろうか?

ゆがんだ地図
私たちの多くは学校でメルカトル図法を使って世界地理を学びました。しかし、ドイツの地図製作者によって作られたこの何世紀も前の地図は、現実を歪めています。ヨーロッパとアフリカを同じ大きさに見せていますが、実際にはアフリカは3倍の広さです。
セネガルのダカールにいるTimesの同僚のサイコウ・ジャメは言います。「なぜ私たちはいまだに、ヨーロッパを主要に描き、南半球の国々を過小評価している16世紀の地図を子供たちに教えているのでしょうか?」
サイコウは、アフリカの指導者たちがメルカトル図法をより正確な「イコール・アース図法」に置き換えるよう動いていることを取材しました。

2025年8月21日 木曜日