内部統制ことわざシリーズ No.2 「25のサンプル検査で10,000を知る」

本歌:「一を聞いて十を知る」

解題:サンプリングは、検査の対象全体(母集団)の全てを調べることなしに、その状態を把握する手法だ。我々の身近で良く見るのは「一流シェフのスープの味見」だ。大鍋で作ったスープをスプーンで一口すくうだけで出来栄えがわかるのだ。

内部統制の確認のためには「属性サンプリング」を使うが、内部統制の可否についての判断するためには、いくつサンプルを取れば良いのだろうか? 

「内部統制監査実施基準」では、以下のように説明されている。日常反復継続する取引について評価対象となる統制上の要点ごとに少なくとも 25 件のサンプルを取ることが例示されているが、こ のサンプル数は統計的サンプリングに基づいて、母集団に予想される逸脱(内部統制が遵守されないケース)がないと仮定したサンプル数であるため、通常、全社的な内部統制の評価が有効であることが前提になっている。

 つまり、皆さんの組織がしっかりした運営をしている場合は、母集団がいくつあっても(10,000であっても)、25件のサンプルを取れば良いというわけだ。内部統制をレビューする実務上は大変ありがたいルールになっているのだ。

結論:「25のサンプル検査で10,000を知る」

(2022.1.31 Monday)