世界の動き 2022年9月2日 金曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の言葉:
『人生とはその「今日一日」の積み重ね、「いま」の連続にほかなりません。』
 亡くなった稲盛和夫氏の言葉

1.国連報告は中国の人権侵害を非難
【記事要旨】
 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は8月31日、中国・新疆ウイグル自治区の人権問題に関する報告書を公表。48ページの報告書は、ジェノサイド(虐殺)という言葉は使用していないものの、テロ対策名目で、ウイグル人やイスラム教徒の少数民族に対し、拷問や強制不妊といった重大な人権侵害が行われていると指摘した。報告書はもともと、22年初めまでには公表される予定だった。中国政府の圧力で公表が遅れたとみられ、バチェレ国連人権高等弁務官が退官する直前に発表された。「職業訓練施設」と呼ばれる強制収容所に拘束されていた26人にインタビューした内容をまとめており、元被拘禁者の3分の2は、施設または移送中に拷問や虐待を受けたと主張する。中国政府は131ページの反論文書を発表し「ウソと捏造」による報告書で、中国はテロ対策は止めないと主張している。
【コメント】
 強権中国にとっては単なる紙切れと言う位置づけだ。国連の負担金を減らすとか言い出せば国連自体がビビることもあるだろう。わが物青でふるまうドラゴンに世界はどのように対応すべきなのだろうか。

2.IAEAがウクライナ原発を調査
【記事要旨】
 ウクライナの国営原子力企業「エネルゴアトム」は1日、国際原子力機関(IAEA)の調査団が、ザポリージャ原子力発電所に到着したことを発表。到着前に、原発敷地内への砲撃で稼働中の原子炉2基のうち1基が緊急停止した。IAEA側は数日間の調査を予定しているが、地元の親露派幹部は露有力紙に対し、調査は「1日のみ」と話した。原発の損傷状況などの調査に必要な時間を十分に確保できない可能性がある。
【コメント】
 危険な任務だがIAEAには頑張ってもらいたい。彼らがいる間は少なくとも原子炉への攻撃は避けられるだろうから。

3.中国は成都を封鎖
【記事要旨】
 4月の上海のロックダウンに次ぐ21百万に都市の大規模なロックダウン。8月25日以降700人、水曜には157人の陽性者が出たことに対する処置だ。GoogleやAppleといったハイテク企業は地政学リスクとサプライチェーンの混乱に対応し一部事業を中国から他国へ移している。
【コメント】
 700人でロックダウンとは凄い。日本での第一波の時の緊張感がまだ全土を支配しているのだろうか。

その他:
スリランカへのIMFの支援
Sri Lanka and the International Monetary Fund reached a preliminary agreement on a bailout package.
半導体の輸出禁止
The Biden administration imposed new restrictions on sales of some sophisticated computer chips to China and Russia.
東京だは、養老院で働く赤ちゃん! 面白い記事!
A nursing home in Tokyo has been recruiting an unusual class of workers to enliven its residents’ days: babies. Socializing across generations has been shown to draw older people out, making them smile and talk more. The young workers, accompanied by their parents or guardians, spend time with residents and offer them hugs. In turn, they are rewarded in diapers, baby formula and free baby photo shoots.

(2022年9月2日 金曜日)

世界の動き 2022年9月1日 木曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「表現の自由」
 ゴルバチョフが自分が行ったソ連の改革で最も重要だと考えていたものだそうだ。

1.権威主義者へのゴルバチョフの教訓
【記事要旨】
 ゴルバチョフが火曜に亡くなった。西側では冷戦を平和裏に終わらあせた指導者として称賛されているが、権力を急速に衰退させた指導者とみる人たちもいる。習主席の3期目を目ざす中国では、ソ連の崩壊は注意すべき例と見られている。プーチンはソ連の崩壊を、史上最大の悲劇と呼んでいる。親プーチンのロシアのジャーナリストは、「ゴルバチョフの改革はすべて無くなり灰となり煙に消えた」と述べる。
【コメント】
 先日NHKで最近のゴルバチョフの生活を取り上げた番組を見た。郷里に住み、静かな生活を送っている様子だった。

2.短くなる米国の平均寿命
【記事要旨】
 2019年に79歳だったが今は76歳になり、3年も短くなった。コロナによる死亡増加に加え、事故や薬物接種が影響。病気では心臓疾患、慢性肝臓病、肝硬変が増加。コロナに苦しんだアメリカインディアンやアラスカエスキモーでは平均寿命が65歳にまで低下した。
【コメント】
 日本ではコロナ下でも死者数は平年のトレンドと比べ減少しているという結果だそうだ。米国での猛威に驚く。

3.台風Hinnamonor(日本名:台風11号)が猛威
(記事要旨】
 最大瞬間風速が時速172マイル(秒速240メートル)の今年最大の台風が沖縄を襲っている。日本の気象庁は木曜までに日本各地で20センチ以上の降雨が予想され家屋の被害が出ると警告している。気候変動による海水温の上昇が台風を苛烈にすると専門家は警告している。
【コメント】
 海外での台風の名前の付け方がよくわからない。Hinnamonorの由来がわかりませんでした。

その他:
台湾は侵略には反撃する
Taiwan said it would counterattack if Chinese forces entered its territory, Reuters reported.
日本では入国制限を緩和
Japan rolled back some of its strict Covid restrictions on tourism, but individual tourists who are not part of a package tour are still not permitted, The Japan Times reports.
AIを使った調査
French Tax Collectors Use A.I. to Spot Thousands of Undeclared Pools
Algorithms combing through satellite photos found over 20,000 unreported

(2022年9月1日 木曜日)

世界の動き 2022年8月31日 水曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
“If you are not a liberal at 25, you have no heart. If you are not a conservative at 35, you have no brain. “「25歳でリベラルでなければ心が無い。35歳で保守でなければ頭が無い」
チャーチルの言葉だと言われる。

1.中国共産党大会の全貌
【記事要旨】
 5年に一度2300人の代表の参加により開催される大会は今回は北京で10月16日から。習近平が3期目の主席に選出される予定。大会では中国の政策全般が決定されるが、強圧的なコロナとロシア政策は、批判される恐れもある。李首相はやや柔軟な政策を主張してきたが、今大会で退陣が見込まれる。
【コメント】
 既定路線通り進むと思われる。波乱は期待できない。

2.インドで家族の概念が広がる
【記事要旨】
 インド最高裁は、結婚していないカップルや同性婚カップル等の普通でない家族を家族と認める判断を示す。今回は、再婚した夫の子供の世話のために育児休暇を取った看護婦の女性が、自分の子供を産むために産児休暇を取ろうとして認めないとした雇用者の判断を違憲とした。
【コメント】
 先日はシンガポールで同性婚が認められた。保守的な憲法を持つ旧英連邦諸国で進歩的な判断が広がっているようだ。

3.中国での重要都市のロックダウン
【記事要旨】
 中国と北朝鮮をつなぐ重要都市である瀋陽市は、中国と北朝鮮によるロックダウンの影響を受けている。900万人の都会で数十人の感染者が判明しただけで同市は1か月封鎖された。同市は旅行者に対して中国で最も厳しい規制を敷いている。2018年には165200人の北朝鮮からの旅行者がいたが今は消滅している。
【コメント】
 デジタルでは解決しない実体経済の問題がある。人の動きが金の動きをもたらすのだが両国政府は無視している。

その他:
パキスタンの水害
Torrents of floodwater in Pakistan have damaged or destroyed more than one million homes and have left more than 1,100 people dead.
中国は演習を継続
Taiwan said China was still carrying out military drills around the island, Reuters reports.
世界保健機関(WHO)人種差別的で威圧的な言動をしたと職員から告発された西太平洋地域事務局の葛西健(事務局長を一時的に交代させた
The World Health Organization’s top director in Asia, Dr. Takeshi Kasai, has been put on leave after staff members accused him of racist, abusive and unethical behavior, The Associated Press reports.

(2022年8月31日 水曜日)

世界の動き 2022年8月30日 火曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「金融教育」
 日経新聞によれば、金融庁は、8月末にまとめる2022事務年度の金融行政方針で、民間金融機関などが進めてきた金融教育について、「国全体として体制を検討する」と明記し、国家戦略として推進するよう、官邸に設置した「新しい資本主義実現会議」に提言するという。官民が連携して推進する新たな体制を作り、全世代を通じて金融教育を提供する制度を議論したい考えだそうだ。
 金融の本質は、価格の変動(volatility)と時間価値(time value )を説明すれば理解できる。1989 年末以来、株式投資の運用利回りが預金金利を上回った時期は殆どないという歴史の説明も必要かもしれない。運用商品は手数料の低い単純なものが良い。これらを説明するのには1時間もあれば十分だろう。官民を挙げてとのことだが、業界の自社商品への誘引の機会にしてはならない。

1.中国で28人が婦女暴行で逮捕される
【記事要旨】
 唐山市で6月にレストランで起きた女性が暴行を受けた時間を契機に、市内のギャング団が逮捕された。これら28人は2012年以来11件の違法カジノ等の犯罪に関与していた。女性蔑視の中国での感情や警察や当局の腐敗も背景にある。
【コメント】
 監視カメラが社会の隅々に設置された中国でもギャング団が勢力を伸ばしているようだ。当局とつるんでいるとすれば可能なのだろう。腐敗撲滅がガス抜きにはなっているようだ。

2.海底資源開発に許可
【記事要旨】
 海底資源は強国に独占されておらず開放されている。国際海底機関(国連組織)はカナダのMetals Companyに、海底資源の開発許可を与えた。同社はコバルト、鈴、ニッケル資源に富んだ鉱区を開発する。サンディエゴの南西1500マイル沖にある鉱区で、同社は280百万台の電気自動車をまかなう金属を生産し25年で310億ドルの売り上げをあげる計画。国際海底機関の職員からはカナダの会社への情報共有と途上国差別への批判も出ているという。米政府はEVへの減税をすすめガソリン車からの転換を促進している。
【コメント】
 海底の鉱区を国連が割り振っているのだろうか?調べてみます。

3.台湾は半導体戦争に巻き込まれる

【記事要旨】
 台湾をめぐる緊張が半導体の供給に影響している。世界の先端企業の多くはTSMCが作る先端半導体に依存している。中国は半導体生産への影響を懸念し台湾への軍事進攻を控え、米国は安定供給維持のため台湾の防衛に努力する構図は、台湾の人たちが「TSMCは台湾を守る砦」と言う所以だ。
【コメント】
 TSMCは凄い企業だ。ファンドリーなんて何の価値も生み出さないと日本の半導体企業はうそぶいていた時期があったのですがね。

その他:
ウクライナは南部で攻勢
The Ukrainian military announced that it had launched offensive operations in southern Ukraine, perhaps signaling the start of a long anticipated counteroffensive aimed at retaking territory seized by Russia.
ネコ語の翻訳
Entrepreneurs are developing tools that use artificial intelligence in an attempt to translate animal communication into plain English. A Times reporter explored some of the tools and tested one with her cat.
欧州での渇水
Low water levels due to drought are disrupting European river cruises.
As droughts become more frequent, a British official said that people need to be “less squeamish” about drinking recycled wastewater.

(2022年8月30日 火曜日)

世界の動き 2022年8月29日 月曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の言葉:
「ラインの守り」
 ラインの守り、またはラインの護り(ドイツ語:Die Wacht am Rhein)はドイツの軍歌・愛国歌としての要素が強い民謡。 1840年にマックス・シュネッケンブルガー(Max Schneckenburger)が作詞し、1854年にカール・ヴィルヘルム(Karl Wilhelm)によって作曲された。(Wikipediaより)
 映画「カサブランカ」でドイツ軍将校団が我が物顔で「ラインの守り」を酒場で歌うのに対し、レジスタンスの闘士ラザロが「ラマルセイエーズ」を歌わせるシーンを思い出す人が多いのではないだろうか。
 渇水のライン河が干上がり、水没したドイツ軍艦船が現われ航行を邪魔する様子が報じられている。座礁を避けるために船は積み荷を4分の一に減らして運航しているそうだ。渇水の本番は秋だそうで、更なる水位の低下も見込まれる。ガス価格の高騰でドイツでは褐炭を使った発電と原発が再開される計画だが、与党の一角である「緑の党」が強硬に反対しているようだ。
 ロシアに対する守りとしての民主主義大国ドイツの安定に期待したい。

1.中国での記録的な干ばつ
【記事要旨】
 11週間続く干ばつが南西部での水力発電に大きく減らしている。フォックスコン、トヨタ、フォルクスワーゲンの工場が電力不足により生産を制限している。電力自動車の充電に徹夜したり、四川省では停電が10時間以上続く都市が出ている。河川の渇水で内航海運が使えず大量のトラック輸送で代替している。20百万人を抱える重慶では45度を記録している。
【コメント】
 ドイツの渇水と同じ話。人口降水を図っているがまさに焼け石に水のようだ。

2.パキスタン全土での豪雨
【記事要旨】
 6月中旬からのパキスタン全土での豪雨ですでに1000人以上の死者が出ている。国土を貫くインダス川流域では過去30年平均の3倍の降水量を記録。33百万人が被害を受け50万人がキャンプに避難中。
【コメント】
 同じアジアで方や渇水、方や豪雨。お天道様、何とかしてくださいよ。

3.オーストラリアは原住民の権利を確認
【記事要旨】
 オーストラリアは同国憲法で認められていないアボリジニとの間で契約を結んだことは無かった。現労働党政府は国民投票を行い、憲法を改正してAboriginal and Torres Strait Islander Voiceという組織を作り、改善に取り組む意向。詳細はまだ不明だ。
【コメント】
 どうもステップがわかりにくいが、先住民族が憲法で認められていなかったという現状は驚きだ。

その他:
米海軍艦艇が台湾海峡通過
Two U.S. warships sailed through the Taiwan Strait yesterday, defying Chinese pressure.
日本のアフリカ会議は常任理事国入りが狙い?
Japan pledged $30 billion in aid to Africa and said it would push for an African seat on the U.N. Security Council, Al Jazeera reported.
ウクライナの原発
Artillery strikes continued near the Zaporizhzhia nuclear plant during negotiations to allow international inspectors to visit.

(2022年8月29日 月曜日)