世界の動き 2022年6月17日 金曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
 「食べログ」
 「食べログ」で評価点が不当に下がり、売り上げが減少したとして、飲食チェーン店が賠償などを求めた訴訟の判決が16日、東京地裁であった。「優越的地位の乱用」に当たると判断。チェーン店側の請求を認め、カカクコムに3840万円の支払いを命じた。
 「アルゴリズムによる評点」というブラックボックスが隠れ蓑になっているが、実情は高い手数料を払うと掲載の位置が高まるという仕組みだ。飲食チェーンとしては、安易にグルメサイトに依存しないで、お客の人気を集める地道な努力が必要だ。 

1.欧州リーダーのキーウ訪問
【記事要旨】
 フランスのマクロン大統領とドイツのショルツ首相、イタリアのドラギ首相が16日 キーウを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談。ルーマニアのヨハニス大統領も出席した。独仏がゼレンスキーに停戦を呼び掛けるとの見方に反し、「勝利するまで欧州連合(EU)はあなたたちの味方だ。ウクライナを『加盟候補国』として速やかに認定することを支持する」と強調した。 西欧3首脳は、ロシア軍撤収後に民間人多数の遺体が見つかったキーウ近郊イルピンを訪問。マクロン氏はのロシア軍の蛮行を非難。東部セベロドネツクをめぐる激戦が継続し市民数千人は脱出できず。
【コメント】
 ロシアの前首相は「カエルとソーセージとスパゲティの目利きが」集まったと揶揄。カエルの面に、という感じか。

2.中国は香港の歴史を書き換える
【記事要旨】
 「香港は英国の植民地ではなかった。英国の国際法違反の違法による占領は合法なものではない」という記述の教科書が採用される見通し。香港の民主派は「香港はずっと中国の一部で、香港には自分の進路を決める権利はない」という共産党の考えを定着させる試みと見る。
【コメント】
 中国のロジックは、日本の日韓併合が非合法だったという韓国の一部の見方と同じロジック。考えさせられる動きだ。

3.コロンビアでトランプ的指導者
【記事要旨】
 右派のトランプ的なRodolfo Hernándezが大統領選挙の首位を走る。不正を撲滅する民主主義のチャンピオンと自称するが現実は逆のようだ。極左のGustavo Petroが対立候補で、支持率は拮抗する。
【コメント】
 極右対極左で中間の選択肢が無いのは不幸な状況。どちらが勝っても国内は二分され混乱が予想される。

その他:
中国の都市ではコロナアプリを抗議者の監視に使う
A Chinese city may have abused mobile apps, intended to stop the spread of Covid, to stop would-be protesters.
世界中で金利引き上げ
Nearly four dozen countries, inuding the U.S., Britain and India, have raised interest rates in the last six months in a bid to contain the most rapid inflation in decades.
チュニジアでは政情混乱
A nationwide strike by Tunisian public-sector workers threatened to deepen the country’s crisis in the most visible challenge yet to Kais Saied’s increasingly authoritarian presidency.

(2022年6月17日 金曜日)

世界の動き 2022年6月16日 木曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
「インフレには金利上昇策が有効か?」
 大学で習った。「重要拡大によるインフレ(ディマンドプル型)には金利上昇が有効。コストアップによるインフレ(コストプッシュ型)には金利上昇は有効でない。」これは今でも当てはまる原則だ。
 米中銀は米国の景気はまだ好調で拡大基調と判断しているのだろうが、そうだろうか。
 日本での物価上昇はコストプッシュ型であるのが明白なので一部識者が言う金利引き上げはすべきでない。

1.米はウクライナへ10億ドルの軍事支援
【記事要旨】
 ゼレンスキーの東部防衛での支援要請にこたえ米国は10憶ドルの、西側諸国も一層の軍事支援を約束。ロシアはセベロドネツクを包囲し人道回路を用意し降伏か死かの選択を迫る。中国はプーチンと電話会談し協力を約す。
【コメント】
 中国やインドの動きでロシアへの制裁はなかなか効かない。

2.FRBは政策金利を0.75%引き上げ
【記事要旨】
 0.75%は1994年でこれを受けてSP500は1.4%上昇。更なる金利引き上げは景気後退をもたらす懸念もあるが、FRBは今年の失業率は3.7%であり景気は堅調と説明。年末には金利は3-4%への上昇が予想される。昨年秋以来暗号資産の価格は65%低下し大打撃。
【コメント】
 予想外の大幅引き上げを市場は今のところ好感。噂で売り事実で買うという良い事例。

3.中国での暴行映像が広まる
【記事要旨】
 唐山市での暴力団による女性を暴行する画像が中国で拡散。性差別について中国での議論がされるようになってきているが、フェミニズム運動にはこのような暴行事件画像の拡散が水を差す動きも。一月には鎖につながれた女性の映像が、昨年は女性テニス選手の共産党高官への指摘が、中国での女性の人権問題の一部をあらわしている。
【コメント】
 SNSの力が強権支配への抵抗になっているということだろう。日本でのSNSは政治的な利用は少ないと思う。いわゆるネット右翼的な人たちが活発に利用しているようだが。

その他:
イスラムではご法度
Indonesia and Malaysia may follow the U.A.E. in restricting “Lightyear,” a new Disney film that features a same-sex kiss.
パキスタン政府は国民に紅茶を控えるように呼び掛け
Pakistan’s government is urging its people to drink less tea, saying that tea imports are hurting the economy, CNN reports.
温暖化でペンギンが死滅?
Penguins are washing up on New Zealand’s beaches, The Guardian reports. Officials think they are starving to death, as climate change warms waters and drives away their food source.

(2022年6月16日 木曜日)

世界の動き 2022年6月15日 水曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
 「文通費」
 結局使途の公表義務は課されない。毎月百万円自由に使えるお金を享受しているコンプライアンス意識のない人たちに自分を縛れと言うのは無理だ。国権の最高機関でこうした状況では、日本国家のモラルが崩れ落ちることになる。不正の最大の言い訳は「あの人達だってやっているから」というものだから。

1.セベロドネツクは孤立
【記事要旨】
 ウクライナの支配地域へ通じる最後の橋が破壊され市民が脱出できないセベロドネツクはロシア軍により殲滅される恐れ。東部戦線でのウクライナの状況が不利になるにつれ西側首脳の中にはゼレンスキー大統領の勝利を目指す動きに懸念を示す動きも。これ以上の兵器供給に躊躇する西側の動きにはゼレンスキー側近は「我々に負けることを期待するなら直接言え」と発言。西側首脳は今週ウクライナへの支援策を協議。米は、ウクライナに意思に反する平和を求めない方針。
【コメント】
 解決の目処が立たない戦争がずるずると続き市街戦で兵士たちの命が失われていく愚かな状況だ。プーチンに戦争を止める意思はなさそうなので打つ手は殆ど無いのだが。

2.中国のコロナ感染テスト
【記事要旨】
 ゼロコロナ政策を維持する中国では大規模PCR検査と陰性証明の提示が日常生活になる。労働者は有給勤務時間が削られ、地方政府は検査実施のために生活支援を削り、事業者は生産性の低下を懸念している。上海の2か月に及ぶロックダウンが解除されて2週間で再度数百万人がロックダウンされる事態に不満を示す動きが各地で現われる。政府はPCR検査を8月から有料化する方針。
【コメント】
 まあよくやるなー、というのが正直な感想。政府の統治力と巨大な経済力が為せる業だ。

3.南アフリカは気候変動に直面
【記事要旨】
 パキスタンでは巨大な森林火災が発生。バングラデシュではモンスーン期前に大規模洪水が発生、ネパールでは氷河湖が決壊し村が壊滅する恐れ。インドでは大雨と熱波が穀物の生育に打撃を与えている。
【コメント】
 日本には気候変動の影響はまだ少ないので理解しにくいが、南アジアは大変なことになっているのがわかる。日本でも豪雨と台風が心配だ。

その他:
韓国のトラック運転手ストは終了
South Korean truckers ended their strike after reaching a tentative agreement on minimum wage levels.
インドのクリケットは巨大産業
The broadcasting rights to Indian cricket sold for a record $6.2 billion, fortifying the league’s place as one of the most valuable sports properties.
日本では侮辱罪が成立
After a reality television star died by suicide after experiencing abuse on social media, Japan’s Parliament made “online insults” an offense punishable with prison.

(2022年6月15日 水曜日)

世界の動き 2022年6月14日 火曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
 「あじさい」
 漢字では紫陽花。英語ではhydrangea(ハイドランジャ)という発音しにくい言葉。
 いま街を歩くとあちこちに美しい花を咲かせている。大きな花屋に行くと種類の多さに驚く。我が家も那須で何鉢も育てているがなかなかうまく育てられない。年によってよく咲く年と咲かない年が一年ごとに繰りかえし、今年は当たり年のようだ。

1.ロシアの侵攻拡大に欧州は再考
【記事要旨】
 ロシアの東部ウクライナでの侵攻拡大に対し欧州の指導者たちは協調した対抗策を模索。これまで多くの金融・軍事支援をウクライナにしてきたが戦争のこれ以上の長期化はプーチンに核兵器・化学兵器の使用を誘発する恐れがありゼレンスキー大統領に停戦をいつどのように促すか考える欧州指導者も多い。
【コメント】
 戦争の長期化に直面し外交努力が一層求められる局面だ。そもそも武力紛争が起こらないようにする外交手腕が求められるのはいつも変わらない。日本では一足飛びに防衛費の2倍拡大。台湾有事の米軍との共同軍事行動の議論が喧しいが、地道な外交力の涵養が何より大事だろう。

2.トランプは現実から遊離していた
【記事要旨】
 1月6日の暴動に関する下院の公聴会は継続。トランプ陣営内部の人々が、トランプに彼の選挙不正が起きたという考えは誤りだと指摘したが、彼は聞く耳を持たなかったと証言。バー前司法長官は何度もトランプに選挙不正という考えの誤りを説明したが、トランプは幻想をいだき受け入れなかったと証言。
【コメント】
 トランプが「正しい選挙結果を意図的に覆そうとしていた」のか、彼が「偽りだと心底から思っていた選挙結果を覆そうとしていた」のか、では判断が異なるだろう。「ウソつき」か「愚か者」かでは異なる扱いになるということだ。

3.韓国のトラック運転手のスト
【記事要旨】
 運送量の拡大と交通の激化に反対するトラック運転手のストが7日目に突入している。安全と適正な料金の補償を求めている。燃料価格の高騰が生活をひっ迫させていると主張。長期化は韓国の経済への影響も。
【コメント】

 韓国の状況は全く知らなった。
 日本でもアマゾンの荷物を運ぶ個人事業者が適正な運賃と補償を求め組合を結成したという報道があった。いつまでもこのような仕打ちに耐えられないということだろう。

その他:
日本の円安
The Japanese yen is approaching its lowest point in two decades, The Wall Street Journal reported.
世界で株安進行
Global stocks tumbled after U.S. stocks fell into a bear market yesterday, a 20 percent decline from January.
やるな、SpaceX
SpaceX won approval to launch a giant new rocket to orbit, which could eventually travel to Mars.

(2022年6月14日 火曜日)

世界の動き 2022年6月13日 月曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
「日常の破壊」
毎日Timesを読む。あまり変わらない記事が記載されている。記事は、コロナであり、ウクライナだ。平穏な日常が記事になることはない。毎日こうしてTimesを読める平穏な日常は、ありがたいということなのだろう。

1.ロシアはセベロドネツク制圧へ
【記事要旨】
ロシア軍はロシア東部でのウクライナ最後の拠点であるセベロドネツクの包囲をほぼ完了した。ウクライナ軍は毎日100人以上の戦死者を出しており、西側諸国に長距離重火器の提供を求めている。ロシアはウクライナ南部での占領地でロシアのパスポートの発行を土曜日に開始。南部ではウクライナ住民のゲリラ行為も目立ってきた。
【コメント】
殆ど報道されないのがウクライナ南東部のロシア語使用住民の意向。ロシアへの編入は受け入れ可能なのか、それともウクライナ人として生きていきたいのか、彼らの真意がわからない。

2.中国は台湾を威嚇
【記事要旨】
中国国防相は台湾の独立の動きにはいかなるコストを払っても阻止する意向であり中国の軍事力を見くびるなと威嚇発言。台湾への軍事進攻の可能性と時期については専門家で見方が分かれる。米国は一つの中国の原則を acknowledge理解しているが endorse 支持しているわけではないという従来の発言を維持。
【コメント】
米国の曖昧政策がいつまで維持できるか疑問。立場を鮮明にしなけれならない時期が近い。

3.インド政府高官の発言にムスリムが抗議
【記事要旨】
モディ首相の報道官がムハンマドと若い夫人との関係をインタビューで発言した内容がムスリムの怒りに火を注ぎ17のイスラム教国がインドを非難。インド国内では抗議運動で若者二人が死亡。
【コメント】
宗教対立を地盤固めにしているモディ首相の手法は今後ますます対立を引き起こすだろう。大規模な内乱にならなければ良いが。

その他:
南米からの移民
A caravan of 6,000 migrants, many from Venezuela, set off toward the U.S. border from southern Mexico, as leaders from across the Americas met to discuss migration and other issues.
上院でも銃規制法案が可決
Senators reached a bipartisan deal on gun safety measures yesterday. The provisions are more modest than Democrats had hoped for, but with commitments from 10 Republicans, the agreement could become law.
面白い統計
Teenagers and adults under 25 make up roughly 43 percent of the U.S. transgender population, a new report estimates.

(2022年6月13日 月曜日)