世界の動き 2022年6月22日 水曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
 「選挙の論点」
 各党ともに、物価高、エネルギー問題、防衛を論点にしている。我が国の課題を考えると、国際競争力維持するための「教育改革」と「少子高齢化対策」が一番の課題だと思うが、論点としている政党は殆どない。目先の問題も大切だが長期的な課題を解決しなければ日本は沈没するばかりだ。

1.アジアはロシア原油輸入を増やす
【記事要旨】
 ロシア産原油の輸入は、中国は5月に前月比28%増、インドは以前ゼロだったが現在は日量76万バレル。制裁対象とされるリスクを犯しても安い原油輸入は拡大しロシアの5月の原油輸出は4月比17億ドル増加。原油とガスの輸出でルーブルは主要通貨で最も高くなる。ロシアのジャーナリストは受賞したノーベル賞のメダルをオークションにかけ103.5百万ドルをウクライナへの人道支援に寄付。
【コメント】
 中国やインドが安ければ買うというのは理解できる。彼らは経済制裁にも反対しているわけだからそうした動きを止めることは出来ない。米国はもともとロシアにエネルギーを依存していなかったので、欧州と日本の輸入減少分は中国・インドの需要増で十分賄える。

2.中国は監視能力を強化
【記事要旨】
 中国では電話追跡システムが普及。監視カメラは5億台。警察は世界最大のDNAデータベースを構築。顔認証システムから声紋の募集も始めた。人々の日常生活の全てが当局に監視される状況になりつつある。例えば携帯電話でウイグル語中国語の翻訳アプリをダウンロードした人は当局に注目され追跡される等の使い方が一般化している。
【コメント】
 日常生活の全てが監視される世界はとても息苦しい世界だろう。中国の富裕層や有能な若者は脱出を目指すと思われる。日本はそうした人たちの受け皿になる準備が出来ているだろうか。

3.中国の不動産市況は沈静
【記事要旨】
 不動産借入の増嵩と経済不振で不動産市況はここ数年来初めて沈静化。コロナ対策のロックダウンもあり価格が下がっても需要は回復しない。中国の70都市の過半で不動産価格は下落し60%以上価格が下落した都市もある。1988年に始まった不動産の商業化以来、不動産は中国の経済成長の要でGDPの3割以上を占めるという見方もある。結婚したい若者には不動産所有は必須であり株や債券以上に不動産が投資対象になっている。
【コメント】
 日本同様に中国でも結婚できない若者が増えるのだろうと思われる。共産主義国なのに良質な公営住宅の供給が無いのだろうか。

その他:
香港の水上レストラン沈没
Jumbo Floating Restaurant, a mainstay of Hong Kong for decades, capsized and sank in the South China Sea.
強い組合が復活か?
Britain’s largest railway strike in three decades has thrown travel plans for tens of millions of people into disarray.
リビア内戦への国民の声
After more than a decade of chaos and war, fed-up Libyans are clamoring for peace: “We want to taste life, not death.”

(2022年6月22日 水曜日)

世界の動き 2022年6月21日 火曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:

『 のびきつて 夏至に逢ふたる 葵かな 』正岡子規
 今日は夏至。英語では summer solstice

1.イスラエルの連立政権崩壊
【記事要旨】
 イスラエル政府は今月末までに議会を解散し3年間で5度目の総選挙を実施予定。Naftali Bennett首相の政権は右派の2派と他の3派の離反で持続不可能に。現在世論調査で最大の支持を集めるのは前首相ナタニエフのリクード党。秋に予想される選挙はパレスチナの反乱やイランとの隠れた戦争という厳しい状況下で行われる。解散後の暫定首相は元TVキャスターのNaftali Bennett外相が務める見込み。イラン以外のアラブ諸国とは関係強化。
【コメント】
 極右から極左までの連立は成立時から無理があった。少数政党の乱立は安定政権をもたらさない。極端な安定政権も困りものだが。

2.ウクライナ東部の都市が焦点に
【記事要旨】
 Toshkivkaはロシアに包囲されたセベロドネツクに物資を供給するウクライナ側にとって唯一の通路。ウクライナのセベロドネツク死守の姿勢はドンバスの過半を占めるルハンスク州の完全制圧を目指すロシアの猛攻を招いている。ロシアは第二の都市カリキウでも露が攻勢を強化。中国のロシア原油輸入は最大に。ロシア領カリーニングラードへの鉄道を封鎖したリトアニアに対しロシアは制裁強化。
【コメント】
 ワイドショーのような戦争が続きすっかり日常化しているのが怖い。

3.中国の電池製造での強制労働
【記事要旨】
 新疆での電池製造での強制労働が世界の電気自動車のサプライチェーンに混乱をもたらす。世界のリチウム電池の3/4は新疆の電池メーカーでつくられている。ウイグル族は強制的な思想教育を受けさせられ鉱山と工場へ送られている。米国は強制労働が無い証明をつけない新疆製品の輸入を禁止する法案を火曜に成立させる。
【コメント】
 日本のバッテリーメーカーはどこで原料を確保しているのだろうか。消費者の目が厳しくなるので対応が必要だ。

その他:
コロンビアは左派のPetro氏が勝利
Gustavo Petro, a former rebel and a longtime legislator, won Colombia’s presidential election, galvanizing voters frustrated by decades of poverty and inequality under conservative leaders. Francia Márquez — a former housekeeper and activist — was elected as the country’s first Black vice president. (注:中南米では続々と左派政権が誕生。米の指導力低下が懸念される)

インドとバングラでの豪雨
Heavy monsoon rains in India and Bangladesh have caused major flooding, killing at least 116 people and forcing the evacuation of hundreds of thousands.
フランスでのマクロンの政権運営は変化するか
France was left wondering whether President Emmanuel Macron would be able to change his top-down governing style after losing his absolute majority in the lower house of Parliament. “Ungovernable!” read the front page of Le Parisien.

(2022年6月21日 火曜日)

世界の動き 2022年6月20日 月曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
「夏日、真夏日」
 夏日、真夏日という言い方は私が子供のころには無かったが今は普通に言われる。最高気温が35℃以上の日を猛暑日、30℃以上の日を真夏日、25℃以上の日を夏日という。
 英語では夏日はsummer day 真夏日はhot summer day 猛暑日は extremely hot day と言うらしい。今日はextremely hot day になるので皆さんご用心。

1.ロシアはドンバスで占領地域を拡大
【記事要旨】
 セベロドネツクとリシチャンスク近郊のトシキウカをロシアは猛攻しセベロドネツクは数週間内に陥落の恐れ。戦闘の長期化で両軍に疲労感が出る。NATO事務総長は戦争が数年間に及ぶ恐れを表明。戦争の死者数は正確にはわからないが多数の命が失われている。台湾のTimes記者はアジアでの中国の武力侵攻への恐れが高まっていると指摘。
【コメント】
 ウクライナの小さな都市の名前に詳しくなるのはもう沢山だ。

2.マクロンは過半数を維持できず
【記事要旨】
 マクロンの中道連合は議会定員577のうち過半数を失う見込みで(205~250議席獲得にとどまる見込み)マクロンの2期目の政策運営を困難にする。新任大統領の与党の過半数割れは20年来で初。投票率は46%で1956年位以来の史上2番目の低さ。
【コメント】
 フランスでも随分投票率が低いので驚いた。国民は政治に飽きているのだろうか。

3.コロンビアでは決選投票
【記事要旨】
 極左の上院議員Gustavo Petroと前知事で裕福な事業家 Rodolfo Hernándezの争い。貧困と不平等に苦しむ中南米第3位の大国の行方に注目があつまる。副大統領には初の黒人とコロンビア人混血女性の Marelen Castilloが選出される見込み。
【コメント】
 米国では連日取り上げられるが日本では地球の裏側のお話だなー。

その他:
アフガンでの人種紛争
An assault on a Sikh temple in Afghanistan was the latest in a series of attacks that have targeted the country’s religious minorities, stoking fears about the Taliban’s ability to provide security.
中国3番目の空母が浸水(筆者:カタパルトがある新型だ)
China launched its third and most advanced aircraft carrier on Friday, bringing the country one step closer to a modern navy that can compete with that of the U.S.
インドの警官の肥満
In India, a country that is historically undernourished, many people are now gaining more weight, and police officers are no exception. But in the island territory of Andaman and Nicobar, the police have declared creamy curries, oily paneer and carb-rich dosas Enemy No. 1. Instead, they have embraced diet discipline and physical fitness in the ranks.

(2022年6月20日 月曜日)

Stop and go.

   今、自宅の建て替えを進めているがなかなか上手く行かない。

 いくつかのハウスメーカーを比べてここが一番良さそうと思うところと計画を進めているが、当方の当初の目論見通り進まない点が多々出てきている。

 例えば、足場が組めないので道路ぎりぎりには建築できないという説明に対し建設現場の多くで足場が道路を施入していることから問いただして結局出来ることが判明したり、キッチンやバスや窓のセレクションが随分少ないことが判明しセレクションに無いものは入れにくいことがわかったり、空調のダクトが随分場所を取り天井が下がったりすることが、計画が進むにつれて現われてくるのだ。ベランダの形状もやや理解に苦しむ出来上がりになっている。

 全般に当方の確認不足かもしれないが、当方希望で出来ない点は早く教えてもらいたかったと思うのだ。最初から出来ないことを説明していては発注が取れないことを懸念して説明をしないのかもしれないが、当方から聞かれないと答えないという態度はビジネスマンとしては如何なものかと思われる。

 結局、当方はフルオーダーのつもりで考えていたが、メーカーの扱いはイージーオーダーだったということのようだ。

 また、交渉の過程で、担当者・設計者との理解の相違も顕著になってきた気がする。相性(ケミストリー)を深く考えず安直に大きな計画を進めていたのかもしれないと反省している。

(2022年6月19日 日曜日)

「祖国はありや?」

「マッチ擦るつかのま海に霧深し 身捨つるほどの祖国はありや」

 1935年〈昭和10年〉12月10日に生まれ- 1983年〈昭和58年〉5月4日に47歳で夭逝した寺山修司は、日本の歌人・劇作家。演劇実験室を標榜した前衛演劇グループ「天井桟敷」主宰。

 青森なまりを引きずりながらアングラ劇団を率いる時代の寵児は、繊細な言葉を操る天才的な歌人でもあった。

 この短歌は寺山の代表作。マッチをする一瞬に見える霧に包まれた海と祖国なるものへの疑念を見事に読んだ句だ。「祖国はありや?もちろん、無い」 反体制派・無政府主義者寺山の決意表明とも読み取れる。

 いま、国防の議論が喧しい。もう一度味わいたい名句だ。

(2022年6月18日 土曜日)