世界の動き 2023年3月29日 水曜日

今日の言葉:
「114兆円予算案成立」
高市大臣の発言にのみ焦点が当たり、増大する社会保障費、著増した防衛費、金利上昇下の国債費について、議論が深まらないまま巨大予算が成立した。

巨額な予備費がお財布として使われた。
この国の将来をどうするのかグランドデザインを議論する機会がまた失われた。

ニューヨークタイムズ記事より
1.中国が救済措置に乗り出す
【記事要旨】
何十年もの間、IMFと米国は世界の最後の貸し手だったが、現在、中国が、トルコ、アルゼンチン、スリランカなどの国に、より多くの緊急融資を提供するために介入している。
米国と欧州の調査によると、中国は2010年のゼロから2014年に100憶ドル、2021 年には405 億ドルの緊急融資を実施した。IMFは、2021 年に財政難にある国に 686 億ドルを貸し出した。
多くの点で、中国は頼りになる資金源として米国に取って代わっている。米国が中所得国に行った最後の大規模な救済融資は、2002 年にウルグアイに供与された 15 億ドルの融資だったが、中国はしばしば、戦略的に重要な国や豊富な天然資源を持つ国を優先し支援している。
インフラ整備のために何年にもわたって北京から多額の借り入れを行ってきた多くの国は、現在、債務の支払いに苦労している。米当局者は、中国企業が実施する建設プロジェクトのために過剰な債務を抱えた国を苦しめることで、中国が「債務の罠外交」に関与していると非難している。
中国は、困窮している中所得国への緊急融資に、IMF からの融資の 2% と比較して、5% のやや高い金利を課している。中国の緊急融資は、中国の国営銀行に多額の債務を負っている中所得国にほぼ完全に向けられている。
中国はまもなく自国内の債務危機に直面する可能性がある。 大規模なインフラスプロジェクトのために多額の借入を行ってきた中国の地方政府は、財務上の混乱に陥っており、中国の厳格なパンデミック政策の施行により財源が枯渇している。それでも、彼らは支出を続けている。
【コメント】
改めて中国の世界経済に占める巨大さを思い起こさせる記事だ。中国は世界経済の巨大な(古い言葉を使うと)「サラ金」のような存在だ。

2.アリババの激変
【記事要旨】
中国の e コマース大手であるアリババは、持ち株会社の下に編成された 6 つの異なるビジネス グループに再編成される。
この動きは、中国のハイテク大手の力に対する政府の懸念を反映している。 アリババの事例は,大企業を屈服させようとしてきた同国の与党共産党に異議を唱えることの危険性についての警鐘だ。
政府は、アリババの億万長者の創業者であるジャック・マー氏が世間の目から姿を消した3 年間の激動の後、テクノロジー部門に対する規制の緩和を行っているようだ。
マー氏は2020 年に中国の規制当局がイノベーションを抑制していると批判した後、今週中国本土に戻った。 規制当局は、2021 年にアリババに 28 億ドルの罰金を独占的支配を乱用したことなどで
科した。
中国政府は経済の活性化に注力していることを示したいと考えている。
【コメント】
ハイテクは中国の世界競争力の源泉だから、ハイテク企業への規制は緩まざるを得ない。

3.ロシアの東部攻勢で都市が野原に
【記事要旨】
住民が地下室に集まっているウクライナ東部の都市アヴディウカでは、砲撃が止むことは無かった。
1 年以上前に始まったロシアの攻撃は、ここ数週間でエスカレートした。ジャーナリストの訪問が許され訪れた NY Timesの記者が見つけたのは荒れ地だった。
戦前の人口 30,000 人のうち、アヴディウカには数百人しか住んでいないという。
その他の進展:
国連の核監視機関の責任者は、ロシア軍が管理するザポリージャ原子力発電所の安全上のリスクについて警告を発した。
ウクライナと国境を接するロシアの緊密な同盟国であるベラルーシ外務省は、ロシアの核兵器を保有する意思があると述べた。
国際オリンピック委員会は、ロシアとベラルーシの選手が2024年のオリンピックに出場できるかどうかについて決定を下すことを拒否した。

【コメント】

「国破れて山河あり」とは「都市は破壊され荒地あり」だったかと思う。

その他:
EV生産に関する日米合意
The U.S. and Japan reached a trade deal over minerals used to make electric vehicle batteries.
ミャンマーで政党解散
The junta in Myanmar dissolved the political party led by the ousted leader Aung San Suu Kyi, The Associated Press reports.
AIが仕事を奪うか
ChatGPT is worrying some workers who wonder if A.I. will take their jobs.

2023年3月29日 水曜日

世界の動き 2023年3月28日 火曜日

今日の言葉:
「AT1債」
 AT1債とは「Additional Tier1債券」の略称で、株式と債券の中間の性質を持ったハイブリッド証券のひとつ。 金融機関が破綻した際にお金が戻ってくる弁済順位が一般の債券などより低い半面、利回りが高く設定されている。(日経記事より)
 名前のとおり、銀行の基本的な自己資本(Tier1)を追加する(Additional)債券で2008年の金融危機後に編み出された債券だ。
 今回スイス金融当局FINMAは3月19日、クレディ・スイスのAT1債が無価値になると述べ、一晩で160億スイス・フラン(約2兆2800億円)相当の資産が事実上消滅することになった。
 資本金の返済に関しては、通常、株主よりも債権保有者の方が上位に位置付けられるのだが、クレディ・スイスのAT1債保有者は、FINMAが無価値化を決定したことで、手元に何も残らない。一方、株主は買収取引の一環として、約0.70スイスフラン(約101円)でUBSに株式を売却するオプションを得た。
 フィナンシャル・タイムズのデータによると、AT1債は2022年の市場規模が2600億ドル(約34兆円)だった。それを投資家が買い控えるようになると、銀行による債権の発行が難しくなる可能性がある。FINMAの決定により、UBSがクレディ・スイスを救済してから欧州に広がった銀行危機が長引くリスクが高まっている。

ニューヨークタイムズ記事より
1.ネタニヤフの譲歩
【記事要旨】
 イスラエルのネタニヤフ首相は、大規模な街頭抗議行動、反対抗議活動、ストライキが何日にもわたって続いた後、イスラエルの司法制度を改革するという論争の的となっている計画を延期すると発表した.。
 ネタニヤフの逆転は、強力な極右政党のグビル党首が投票を延期することにオープンであると述べた後に起こった。 彼の譲歩は市民の不安を和らげる試みだが、政府を不安定にする危険を冒している。彼の極右連立パートナーの多くは、投票の延期に抵抗している。
 ネタニヤフ首相は延期を発表する演説で、「対話によって内戦を防ぐ可能性がある場合、私は首相として対話のために時間を割く」と述べた。
 延期が抗議行動を鎮めるかどうかは不明である。 イスラエルの主要労働組合は、発表後にゼネストを中止したが、ある抗議グループは、提案が棚上げされるまでデモを続けると述べた。
 今回の変更が政府の抑制と均衡を取り除き、民主主義を侵食することを恐れている批評家がいる一方、司法制度改革の支持者は、行き過ぎた、選挙で選ばれていない司法官僚機構を抑制するだろうと言う。
 抗議者たちは日曜日にデモし、月曜日にテルアビブの主要道路を封鎖した。今後デモがどうなるか注目される。
【コメント】
 イスラエルの政治はいつまでたっても安定しない。パレスチナと緊張が高まると右派が結集する構図だが、右派の主張もばらばらだ。

2.台湾元総統の歴史的な訪中
【記事要旨】
 台湾の前総統である馬英九は月曜日に、1949年の中国の内戦終結以来、台湾の現職または元指導者による初めての中国へ訪問した。
 12日間の訪問は非公式だが、1月の台湾の大統領選挙に先立って、北京が台湾にどのように影響を与えようとするかが注目される。馬氏の訪問は、台湾の現総統である蔡英文による中央アメリカと米国への訪問と重なっており、両党間の重要な違いを浮き彫りにしている。
 民進党の蔡氏は在任8年で米台関係を強化してきたが、馬氏が率いる国民党は、中国政府によりうまく対応できると自負している。
 北京がかつて毛沢東の共産主義者の敵だった国民党との関係を築いたことは、中国が台湾の民主主義に対して譲歩しなければならないことだとオーストラリアの政治学者はタイムズに語った。
【コメント】
 最後の政治学者のコメントは面白い。中国を民主化させる効果が少しでもあるのだろうか。

3.アフリカにおける米国の利益
【記事要旨】
 カマラ・ハリス副大統領は、ガーナ、タンザニア、ザンビアへの 1 週間のツアーを開始した。 彼女の訪問は、地域における中国の影響力の増大の中で弱まっている米国とアフリカの同盟国との関係を活性化するための一歩だ。
 アフリカを訪問するバイデン政権の最高位の高官であるハリスは、ワシントンがイノベーションと経済成長を促進し、腐敗、暴力、人権問題に対処することに重点を置いていることを、この地域の米国の同盟国に安心させることを目指している。
 一部のアフリカの指導者は、西側の指導者からの民主主義に関する講義だけでなく、より多くの経済的パートナーシップ、特恵貿易協定、公正な料金での資金へのアクセスも求めている。ハリスは、アメリカの公共および民間部門のコミットメントについていくつかの発表を行う予定だ。
 ワシントンとは対照的に、北京はアフリカの小さな国でさえ外交上の注意を払っている。 ハリスが訪問している国々は、米国を大きく引き離して中国を最大の貿易相手国としており、ザンビアを含む一部の国も、返済しきれないほどの多額の資金を中国から借りている。
【コメント】
 日本の地道な支援は日本では評価が高いが、アフリカ諸国は本心では何を思っているのだろうか。

その他:
シリアの緊張
 Tensions are high in Syria: Iran-backed militias attacked U.S. coalition bases after American reprisals for a drone attack that killed a U.S. contractor.
スコットランド指導者はムスリム
 Scotland’s top party picked a new leader, Humza Yousaf. He is on course to be the first Muslim leader of a democratic western European nation.
SVBの救済
 Silicon Valley Bank’s collapse has dried up funding for tech start-ups. The bank will be acquired by First Citizens in a government-brokered deal.

2023年3月23日 火曜日

世界の動き 2023年3月27日 月曜日

今日の言葉
「自己実現的な行動」
 ある行動を起こすと避けようとした事態が起きてしまう行動をさす。典型的な例は「銀行への取り付け」だ。
 多くの人が自分が預金している銀行が心配で預金を引き出そうとすると、その銀行は対応できなくなり、潰れてしまう。崩壊を避けようとする取り付けの動きが銀行の崩壊を実現する。中央銀行によるメッセージの発信で、預金者の不安を払拭することが金融不安の連鎖を避ける唯一の手段だ。

ニューヨークタイムズ記事より
1.アジアでの軍拡競争
【記事要旨】
 アジア太平洋地域の国々は、中国の軍事力増強、ロシアのウクライナ侵攻、そしてこの地域における米国の関与の決意に対する疑念に動揺し、防衛予算を強化している。 現在の軍拡競争は、第二次世界大戦以来、アジアで最も重要だ。
 先月、北朝鮮は初めて潜水艦から巡航ミサイルを発射し、オーストラリアは原子力潜水艦を建造する2,000億ドルの計画を明らかにした. 何十年にもわたる平和主義の後、日本は米国のトマホーク ミサイルで新たな攻撃能力を獲得する。 アメリカの当局者は、台湾で巨大な武器の備蓄を進めようとしている。インドは日本やベトナムと共同訓練を行っている。
 インドと日本は、地域の防衛協定に調印した。米国に過度に依存しないようにしながら、地域の相互依存に焦点を当てている米国との協力を拡大している。
 中国の領土に対する脅威の増大が、近隣諸国が軍事力強化に傾く主な要因だ。習近平国家主席は、中国が南シナ海への他国のアクセスを制御し、台湾を北京の支配下に置くことを望んでいることを明言している。
 米国の疑念:多くのアジアの指導者は、ウクライナでの戦争が米国の能力をこの地域から引き離したことを懸念している。米中の外交関係が半世紀で最悪の状態にある中、一部の米軍司令官は、今後数年以内に戦争が始まる可能性があると示唆している。
  テニアン島は、1945 年に広島と長崎に原子爆弾を運ぶアメリカの爆撃機の基地だった。今は日米の共同訓練が行われている。
【コメント】
 中国は制御できない巨大な専制国家だ。周囲の国の軍備強化は避けられない対応だ。

2.プーチンの核の瀬戸際
【記事要旨】
 プーチン大統領は、ウクライナと国境を接するロシアの緊密な同盟国であるベラルーシに、夏までに戦術核兵器を配備できると述べた。ウクライナへの支持を止めるように西側に圧力をかけるために、核戦争への意欲を強調したものだ。
 毎週の国営テレビ番組のインタビューで、プーチン大統領は、10機のベラルーシの戦闘機がすでにロシアの核兵器を搭載するように改造されており、7月1日までに弾頭の保管施設が準備されると述べた。
 NATOの報道官は日曜日、プーチン大統領のレトリックを「危険で無責任」と呼んだが、「我々の態勢を調整せざるを得なくなるようなロシアの核態勢に変化は見られていない」と述べた。 米国国家安全保障会議のカービー報道官は、プーチンがウクライナで核兵器を使用するつもりである兆候はないと述べた。
 ウクライナ軍はバフムトの最前線を安定させることに近づいている可能性がある、軍司令官は述べた。
 ウクライナでは、疑わしい背景を持つアメリカのボランティアが戦いに参加するために殺到した。 ロシアでは、戦争で戦った元犯罪者が英雄として埋葬されているが、彼らの犯罪が忘れられているわけでは無い。
【コメント】
 ロシアの核に対応すると言うと「自己実現的」になるので、米の反応はあくまでもそうした兆候はない、と言う発言にとどまる。

3.ネタニヤフ、批判者を解雇
【記事要旨】
 イスラエルのネタニヤフ首相は、ヨアフ・ギャラント国防相が政府に司法改革の延期を求めてから1日もたたないうちに彼を解任した。
 この動きは、深刻な国内危機を激化させた。 イスラエルは、政府が最高裁判所判事の選任をより強力に管理し、議会に対する権限を制限するという提案によって引き起こされた、数週間にわたる抗議行動に悩まされてきた。 批評家は、この計画は司法の独立に致命的な打撃を与え、国を自由民主主義から遠ざけるだろうと言う。
 不安は軍隊にも波及し、ギャラントは演説で「これは、国家の安全に対する明白かつ差し迫った明白な危険だ」と述べ、法律が施行されれば非常に多くの予備兵が職務を辞任し国防に影響すると脅迫している。
 ネタニヤフのギャラント解任の決定は、政府が今週初めに議会で法案の最初の部分に投票する意向を示しているように見えたが、2つの連立メンバーは、プロセスを停止するというギャラントの呼びかけを支持しており、3番目がそれに続く場合、政府は過半数を失う可能性がある。
【コメント】
 サウジとイランの接近もありイスラエルの政治状況は流動的だ。

その他:
豪での魚の大量死
 The death of millions of fish is the latest ecological disaster for a troubled Australian river.
インドの反政府運動
 Protests erupted in India after the opposition leader Rahul Gandhi was expelled from Parliament and sentenced to prison.
ホンジュラスが中国と国交
 Honduras severed diplomatic relations with Taiwan in favor of Beijing.

2023年3月27日 月曜日

霧馬山優勝

大相撲3月場所で霧馬山が優勝した。先場所が小結で11種4敗、今場氏が12勝3敗で優勝だから、来場所10勝以上すれば大関昇進が確実だろう。
モンゴル出身のお相撲さんでは荒っぽい相撲を取る人が多いが、霧馬山は正統派の四つ相撲を取る力士だ。元横綱の鶴竜関の指導を受けたそうだが、人柄の円満さも受け継いだのだろうか。
1996年4月24日生まれの26歳。日本来たのは18歳だそうだ。日本語を覚え、日本と相撲に慣れるのは大変だったろう。三段目の時に左膝靭帯切断の大けがも克服しているそうだ。
好漢が大成するのを望みたい。元気の良い日本の若手も増えてきたので切磋琢磨して大相撲人気を支えてもらいたいものだ。

2023年3月26日 日曜日

MBSの問題はSVBだけではなさそう

 住宅ローン担保証券 (MBS) は、銀行が破綻するたびに出現する。
 2008 年には、MBSは世界の金融システムをほぼ崩壊させた。なぜなら、米国の投資銀行が、不動産向け債権でリスクが高いものを集めてプールを作り、それらを分割し、投資可能なレベルの信用格付けをつけて、年金基金と銀行に安全な投資として請求されたものを詰め込み、そうした商品の本源的な弱さを露呈したからだ。
 今日は話が違うと思われていた。                        現在のMBS の基礎となるローンは、’08/’09当時のものよりもはるかに安全であると考えられていた。シリコンバレー銀行の崩壊は、SVB が帳簿に積み上げていたファニーメイ・ジニーメイと言ったエージェンシー MBS は 750 億ドルを超えていたが、それは問題ではなく、 SVB が稚拙な金利リスクの管理行っていたせいだと理解されていた。
 FRB が前例のないペースで利上げを行ったため、SVB の MBS ポートフォリオの価値は下落し、預金がなくなると、SVB は MBS と米国国債のポートフォリオの一部を売却せざるを得なくなった。こうして損失を認識したことで、SVB はその貧弱な金利リスク管理を露呈し、取り付け騒ぎを引き起こした。これが従来の説明だった。


 MBS自体には現状リスクが無いと見て良いのだろうか? 現在の市場動向がMBSにそして銀行にどのように悪影響を及ぼすのかを分析したい。米国での状況を深堀しよう。
 商業用不動産、特にオフィス部門は深刻なの銀行からの流動性の不足に直面している。最近の銀行危機は事態を悪化させる。 2023 年には、オフィスを対象とするコマーシャル MBS (CMBS) で約 170 億ドル(2.2兆円)の借り換えが予定されている。
 PIMCO、ブルックフィールド、さらにはブラックストーンでさえ、今年 CMBS 債で債務不履行を行った。最大手のプレーヤーがそうすれば、他のプレーヤーも後に続く。特に老朽化したオフィス在庫を持つ都市にとって深刻な問題だ。


 例で示すとわかりやすい。
 あなたが不動産投資家であるとする。 2016 年に、あなたはクラス B のオフィス ビルに 5,000 万ドルを支払った。購入価格の 70%、つまり 3,500 万ドルを借りいれた。 金利は 3% で、7年のローンは 30 年にわたって償却される。
 今年は借り換えをしなければならないが、環境は完全に変わった。在宅勤務の増加により、建物の 3 分の 1 が空いている可能性がある。リースがまだ残っていても、リースされたスペースが使われていない場合、更新リスクが高まるため、銀行は 2016 年と同じような収益予測をしない。
 銀行は借り換えを認めないかもしれない。 借り換えが出来るとしても、ローン・トゥ・バリューの期待値は 50% 近くになり、金利は約 7% になる。 あなたのローンの償却は 30 年なので元本はほとんど減っていない。
 あなたはどういう選択が可能か。新しいローンを得るために、さらに 1,000 万ドルの資本を注入するか、債務不履行にするかだ。
 つまり、証券化されたローンを延長または再構築するのは大変困難なのだ。
 空きビルの増加は市の財政を直撃するので、不動産セクターに見ならず公共セクターへも影響が出てくる恐れがある。


 FRBや財務省はSVBや地銀数行で問題を収めようとしているが、CMBSの脆弱性が広く認識されてくると問題は解決困難になる。

2023年3月25日 土曜日