世界の動き 2022年7月8日 金曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
「7月8日は何の日?」
 那覇の日。質屋の日。ナンパの日。だそうでこれは音感で説明が付きますね。外務省が設立された日として外務省記念日でもあるそうです。

1.ジョンソン首相が辞任を発表
【記事要旨】
 保守党内での不支持の広がりと閣僚の反乱に直面し辞任を発表。秋の保守党党大会まで首相を続けたい意向だがそうなるかは不透明。新聞記者出身のジョンソン氏の政権の3年間はEU離脱に向けた高支持に始まり、大衆の意向を素早く取り込み、ルールを無視し倫理観が欠如し、やるかやられるかという政治手法が、最後は党内での大幅不支持になった。後任はハント前外相、スナク前蔵相が取りざたされている。
【コメント】
 特異な政治家だった。ルール無視の姿勢が自分に最後は跳ね返ってきたということだろう。

2.バスケット選手は露で有罪を認める
【記事要旨】
 薬物所持で2月からロシアで拘束されていたブリトニー・グリナ―は有罪を認めた。ハッシシオイルの所持について罪を認めたので1、0年間の禁錮刑を受ける恐れがある。ロシア政府はこの件への関与を否定しているが、米国で拘束されている武器商人ヴィクトール・バウトとの交換を要求しているとされる。
 ロシアのドネツクへの攻勢が拡大。ドンバス地方占領への大攻勢の序曲との見方。ウクライナは黒海のスネーク島を奪還しウクライナ国旗を掲げた。ウクライナ軍の前線で軍歴の有る海外義勇兵が戦闘に参加している。
【コメント】
 グリナー選手をめぐる動きが人質交換になるのか、バイデンの判断しだいだ。

3.北京はワクチン接種を義務化
【記事要旨】
 北京市は公共交通と公共施設を理由する人にはワクチンの接種証明提示を要求。従来の完全封じ込め政策からの転換と見られる。中国では国産ワクチンのみが認められており、ワクチンに不信を持つ高齢者の接種が進んでいない。60歳以上で2回以上のワクチンを接種したのは5月で82%にとどまる。(筆者:十分高いと思われるが)
 BA5は新しい流行の波を米でももたらす恐れがある。
【コメント】
 BA5は随分感染力が強そうだ。日本でも増えているが重症者は少ない。2類か5類かという議論がすっかり聞かれなくなった。このままBA5が流行すれば、保健所中心の対応は政府の言う「目詰まり」が起こるのが確実だ。政府はコロナ対策を「しっかりやっている」という評価を得るために従来の対応を継続するのは考え直すべきだ。

その他:
スリランカは露に支援を求める
With his country in economic crisis, Sri Lanka’s president said that he asked President Vladimir Putin of Russia for help buying fuel, the BBC reported.
ニュージーランドはバイデン政権と距離
With his country in economic crisis, Sri Lanka’s president said that he asked President Vladimir Putin of Russia for help buying fuel, the BBC reported.
TikTokが騒がれているが米国も危ない
Irish regulators threatened to block Facebook and Instagram from moving data about European users to the U.S.

(2022年7月8日 金曜日)

世界の動き 2022年7月7日 木曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
「七夕」
 今日は七夕。今年は七夕祭りを復活させている街が多いそうだ。七夕祭りは元々は、織姫と彦星の「天の川の両岸に住む2人は年に一度…7月7日の夜にだけ会うことを許されている」という「七夕伝説」に由来するもので多くの中華圏の国々で祝われている。
 宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」は「星まつり」の夜の出来事だ。蒸し暑い日本の夏が賢治にかかると涼しい北欧の話のようになるのが不思議だ。

1.戦争によりウクライナの人口の1/3が移動
【記事要旨】
 女性と子供が中心の5百万人の海外への移動に加え、国内で移住を余儀なくされた600万人がいる。東部から露軍の侵攻初期に逃れた人達は早期に戻れると思い着の身着のままが殆ど。Yandexというロシア版Googleは現在使用を制限され崩壊している。米女性プロバスケプレイヤーであるBrittney Grinerのロシアでの拘置は継続している。
【コメント】
 1/3というのは凄い数だ。破壊された市街の映像を見ると、平和になっても故郷に戻って日常を取り戻すのは容易でない。

2.ジョンソン首相への身内の反乱
【記事要旨】
 閣僚を含む30人以上の政府高官が昨日辞任し首相は窮地に陥る。首相は減税策で挽回を測るが、議員の多くは首相を辞任させる方策を協議している。ジョンソンが辞任した場合は与党の保守党内で新首相に就任することになる新首班を選任する見込み。Chris Pincher氏をめぐる性的スキャンダルが首相の最後に命取りになりそう。
【コメント】
 次から次にスキャンダルが暴露され、第一次安倍政権の末期の様相。対露強硬派のジョンソンが辞任すると米国にも打撃だろう。

3.欧州議会は天然ガスと原発は「グリーン」だと言い始める
【記事要旨】
 世界へ影響を与える決定。「グリーン」認定で天然ガスや原発プロジェクトには銀行融資が付き、補助金が与えられるケースも出てきた。炭素ガスを2030年までに半減させ2050年までにカーボンニュートラルを目指す欧州の努力を台無しにするという見方も。EUは制裁でロシアからの燃料輸入を大きく制限しているが天然ガスでは依然依存度が高い。フランスは発電大手の再国営化によりエネルギーの安定供給を目指す。
【コメント】
 欧州は理念と現実を上手く使い分ける弾力性がある。

その他:
中国での情報漏洩
A hacker is selling a Shanghai police database that could contain information on one billion Chinese citizens for about $200,000, in what may be one of the largest known breaches of Chinese personal data.
米国籍パレスタン人ジャーナリストの死について続報
Palestinians expressed disappointment and anger after the U.S. concluded that a Palestinian American journalist was most likely shot unintentionally by the Israeli military.
南アでの若者を巻き込んだ事故
Hundreds of young people flocked to a small tavern in South Africa for a party at the end of the school term in June. Twenty-one of them, all teenagers, did not survive the night. Survivors recall a mysterious gas and then a crush to escape.

(2022年7月7日 木曜日)

世界の動き 2022年7月6日 水曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
 「オシロイバナ(白粉花)」
 家の前面道路わき(正確には線路わき)に白粉花の群落がある。
 どこかから取ってきた黒い小さな円い種をまいたら10年ほどで長さ10mを越える群落に成長した。赤い花の種をまいたところには赤い花が、黄色い花の種をまいたところは黄色い花が咲く。中間は赤と黄色が混ざった朱色っぽい花になる。メンデルの法則がわかる花の色だ。
 花屋で売っていない半雑草扱いの花だが、毎年咲いてくれる義理堅さが嬉しい花だ。花は、夕方に咲き、翌朝にはしぼんでしまうという性質をもっていて、この様子が人目を忍んでいるように見えることから、「臆病」「内気」という花言葉だそうだ。

1.ロシアは新たな攻勢を準備
【記事要旨】
 ルハンスク掌握後ドネツク州への本格侵攻を準備。Bakhmut市、スロビアンスク市への攻勢が始まりドネツク州の要衝クラマトルスク市の占領が露軍の目標になる。Denys Shmyhalウクライナ首相はウクライナ復興には7500億ドル必要とうったえる。NATOは2か国の参加を承認。NATOメンバー30か国の議会承認が必要。
【コメント】
 無言

2.英国では閣僚が辞任
【記事要旨】
 不祥事が相次ぐジョンソン政権への抗議のため、リシ・スナック財務相とサジド・ジャヴィド保健相が辞任を表明。3年間のジョンソン政権では最も危機的な状況。保守党の副院内総務ピンチャーのスキャンダルによる辞任もジョンソンには痛手。
【コメント】
 不祥事が続き党の求心力を失いつつあるジョンソン政権の維持は難しそうだ、

3.Twitterはインド政府を訴える
【記事要旨】
 記事の削除やアカウントの制限を命じる政府の指示に抗議し政府を提訴。月曜までに数十アカウントへの制限を命じられ、違反はTwitter役員への刑事犯罪が問われる状況に反論した。政府の人権弾圧、コロナ対応批判、報道の自由抑圧についてのTweetが政府の規制対象。モディ首相と与党は何年間もテック企業の報道への規制を続けてきた。
【コメント】
 インドのことを笑っていられない。日本の報道の自由度はここ数年急落してきている。政権に忖度し官僚やメディアに「モノ言えば」の風潮も出てきている印象がある。

その他:
ブータンの入国税
Bhutan will require a $200 tax on international visitors when it reopens this fall in order to limit the negative effects of tourism.
シドニーの豪雨
About 50,000 people were urged to evacuate after Sydney received eight months’ worth of rain in four days, the BBC reports.
Bitcoinを法定通貨にしている国があるのか??
El Salvador, which made Bitcoin a national currency, has moved closer to default after its cryptocurrency holdings lost about 60 percent of their presumed value.

(2022年7月6日 水曜日)

世界の動き 2022年7月5日 火曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
 「エンゲージメント調査」
 エンゲージメントとは従業員が仕事にやりがいを持ち、企業と従業員が強い絆で結ばれている状態のこと。エンゲージメントの状況を全社的に調査し、離職が少なく業績が上がる組織作りを目指すためにKPIとして活用するのがエンゲージメント調査だ。
 昨日の日経一面の囲み記事で「パナソニック子会社でエンゲージメントの結果を執行役員のボーナスに反映する」というのがあった。
 本来エンゲージメント調査は企業の状況把握のための「手段」だが、その結果を執行役員のボーナスに反映させるのには違和感を感じる。「手段」が「目的」化しないかという懸念だ。調査の結果を上手に活用し業績向上に結び付けるのが経営の腕の見せ所なので、そこが評価されるべき点なのだ。

1.シカゴ近郊で銃乱射
【記事要旨】
 シカゴ近郊の裕福なエリアであるハイランドパーク市で独立記念日のパレードに向け建物屋上からライフル銃が乱射され少なくとも6人が死亡24人以上が負傷した。犯人は捕まっていない。パンデミック後の銃乱射事件の増加が懸念されており特にメモリアルデー(5月最終月曜)や独立記念日(7月4日)といった暖かくなった時期の祝日に増加ずる傾向。
【コメント】
 Home Aloneに出てくるような豊かな白人居住地域での乱射事件だ。犯人の意図は何なのだろうか。

2.ロシアはウクライナ東部を制圧
【記事要旨】
 クリミアを2014年に奪取して以来のロシアの領地(ルハンスク州)の獲得でありロシアは戦略的な勝利と発表。ロシアは5日間の猛砲撃後戦車と歩兵で攻撃し占領地を拡大。
【コメント】
 ロシアが生物化学兵器・さらには核兵器を使用した際のNATOの対応はどうなるのだろうか。

3,中国の億万長者の裁判
【記事を理解するためにwikipediaより】
 Xiao Jianhua (Chinese: 肖建华, born c. 1972) is a Chinese-Canadian businessman and billionaire known for managing assets for descendants of prominent Chinese leaders. He was abducted to Mainland China in 2017.
【記事要旨】
 5年前に香港の高級ホテルから忽然と消えた肖は現在裁判に掛けられているが罪状は不明だ。肖は中国高官の財産の運用で58憶ドルもの財産を築いたと言われる。ある時点では多くの中国企業を傘下に収め、Tomorrow Groupは中国の金融システムを揺るがすほど巨大になり、習近平の腐敗撲滅キャンペーンの対象になった。同様の億万長者Lai Xiaomin (Chinese: 赖小民; 21 July 1962 – 29 January 2021)は死刑判決を受けた。
【コメント】
 中国やロシアと言った強権国家ではいつ寝首をかかれるかわからない。怖い怖い。

その他:
スリランカの経済危機は深刻
Sri Lanka’s energy minister said the country had less than a day’s worth of fuel left, Al Jazeera reports. The crisis forced the country to extend school closures.
上海ではデベロッパーが債務危機
A big Shanghai developer defaulted on its debt, CNN Business reports, deepening China’s real estate crisis.
ベニスでは入場制限
Venice is trying to limit tourists by introducing a reservation system and a daily fee to see the city.

(2022年7月5日 火曜日)

世界の動き 2022年7月4日 月曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
 「EUの最低賃金」
 EUでは最低賃金制度の共通化の法案が6月8日に可決された。EU加盟各国の法定最低賃金は、月額500ユーロ未満のブルガリアやルーマニアから、2,000ユーロ超のルクセンブルクまで大きな開きがある。デンマーク、フィンランド、スウェーデン、オーストリア、イタリア、キプロスの6カ国は驚いたことに法定最低賃金を定めていない。日本国内でも安い地域と高い地域の違いがあるがそれが国家間に拡大していると考えればわかりやすい。多数の個人事業者を含む経営者は共通ルールの導入に反対しており実際の運用がどうなるかは不確定だ。アジア域内で同様のルールが適用されると仮定すると、日本はシンガポール、香港、韓国を下回ることがはっきりする。恰好悪いですね。

1.ロシアはルシチャンスクを占領
【記事要旨】
 ルハンスク州最後のウクライナ側拠点が陥落しロシアがドンバス地域の殆どを制圧したことになる。ロシアは自国内のベルゴロドで爆発が起き市民4名が死亡とウクライナを非難。ウクライナのスロビアンスク市が攻撃され市民多数が死傷。ロシアはソ連時代のミサイルを使用し一般市民への攻撃を加速。
【コメント】
 無言

2.熱波が日本を襲う
【記事要旨】
 史上最悪の熱波により政府はエアコン使用を推奨するも電力供給危機。ここ数日で4500人以上が熱中症で病院に搬送された。東京では最高気温35C以上が土曜で八日連続。ウクライナ戦争以来のLNG価格上昇で発電コストが増嵩している。
【コメント】
 インドやパキスタンと同列の熱波記事。寂しい。

3.パキスタンでの性転換者の権利
【記事要旨】
 4年前にパキスタンは性転換者の権利を法律で認める少数の国の一つとなった。当初はカミングアウトが進んだが近時このような人たちへの暴力行為が頻発している。法律の施行には地域でばらつきがあり、カミングアウトしていない人が殆ど。
【コメント】
 イスラム国での法制化は画期的だが、宗教規範は法律より強いのだろう。

その他:
シドニーでも豪雨 環境保護派への規制強化
Heavy flooding has engulfed Sydney, the BBC reports. At least one man died and thousands more have evacuated.
A new law in the Australian state of New South Wales has sharply increased punishment for demonstrators who disrupt economic activity. Climate activists say they are the target.
日本の同調圧力
Japan never mandated masks or vaccinations. Instead, peer pressure and a fear of public shaming helped the country avoid the worst of Covid.
また北欧で銃乱射
Several people were shot and killed at a mall in Copenhagen yesterday. Danish police have arrested a suspect.

(2022年7月4日 月曜日)