世界の動き 2022年8月9日 火曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「国葬」
 是非についての議論が喧しいが、時期について比較したい。
 吉田茂 1967年10月20日没 国葬1967年10月31日
 シャルル・アズナブール 2018年10月1日没 国葬2018年10月5日
 安倍晋三 2022年7月8日没 国葬予定2022年9月27日
 どう思われますか?

1.中国は台湾近海で更なる軍事演習を実施
【記事要旨】
 台湾を包囲する演習で海空での台湾へのアクセスを制限する狙い。合湾軍は、中国艦船40隻が台湾周囲で活動し内21隻は非公式の台湾海峡の中間線を犯し台湾側に侵入と発表。中国はペロシ訪台への報復と言うが、日本のような台湾支援国への警告であり、すぐにも武力侵攻可能という示威行動。習近平は秋の共産党大会での3選を狙い強いリーダーのイメージを示す。
【コメント】
 習近平はイメージ作りを狙っているのだろうか。そういう人なのだと見るほうが妥当だ。私は人殺しの真似をしていると言って殺人を犯せば、その人は殺人者だ。

2.ウクライナでの戦争の日常化
【記事要旨】
 タイムズのウクライナ人レポーターがドンバス地域で死者を埋葬する大規模墓地の状況を報告している。死者を越えてくる風が死臭を記者の胸に送る。キエフに戻れば親友がミサイル攻撃で死亡し葬儀に参加しなければならない。ロシアの戦争開始から5か月経過し、ウクライナではどこにも安全な場所が無い日常だ。
【コメント】
 英文ではこう表現されている。 deaths are an “inescapable reality that feels like the very air in your lungs”

3.崖っぷちのアフガニスタン
【記事要旨】
 米軍の撤退後1年経ち、アフガンは貧困にあえぐ。西側諸国からの1000億ドル以上の支援にかかわらずアフガンは援助に依存する最貧国の一つ。タリバン政権の女性への教育抑制、ブルカの着用の強制等の政策が西側の好意を抑制している。勧善懲悪省による文化政策には政権内からも批判が出ている。先週バイデン大統領はアルカイダのリーダーであるザワヒリ師をドローンで殺害したと発表したが、大統領は同師の役割を過大に発表。
【コメント】
 この辺りは常にきな臭い。ソ連が、そして米軍でさえ撤退した地域に、どこの国が支援を積極化して行けるのだろうか。

その他:
米国連邦海事委員会がインフレ退治に機能するか?
The Federal Maritime Commission is an obscure U.S. institution charged with regulating the massive global shipping industry — and now, taming inflation.
予算案は可決したが人気は?
Passing climate, health care and tax provisions has President Biden on a sudden roll, but whether the efforts will mark a turning point in his presidency remains to be seen.
経済弱者は物価高のあと失業?
In today’s profoundly unequal economy, low-income people could face inflation now and job losses later.

(2022年8月9日 火曜日)

世界の動き 2022年8月8日 月曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「軍事演習」
 中国の軍事演習は予定通りに終わらず継続しているようだ。台湾周辺の演習のみが注目を集めているが、尖閣周辺では日本領海への海警局船舶の侵入が続いている。日本政府には毅然とした態度で対応してもらいたい。

1.米上院は記念すべき法案を可決
【記事要旨】
 気候変動へ4000億ドルを支出する法案は世界的な影響を持つ。処方箋薬の薬価引き下げ、税制の簡素化をも含む法案は50対50の同数で拮抗したがハリス副大統領の賛成票で可決。同法案は下院へ送られ、民主党多数の下院で可決成立の見込み。
【コメント】
 タイムズのようなリベラルメディアは歓迎しているが、バイデン大統領の支持率は低迷。トランプが元気づいている米国はどうなっているのか。

2.中国の軍事演習は台湾を孤立化させる
【記事要旨】
 72時間の大規模軍事演習は台湾を支援する西側諸国に警告を与えた一方、中国には交渉による台湾統一の道を遠のけ、軍事衝突のリスクを高めている。台湾では経済協力による中国との融和案への支持率は最低に。世論調査では現状維持が多数。台湾は共産党の支配をうけたことは一度も無い。中国は1970年代後半から台湾を「一国二制度」で統一すると公言してきた。
【コメント】
 西側諸国が中国を国家として認め国交を回復したのはソ連との冷戦が大きな要因。ソ連と中国が連帯している現在、有効なフレームワークの構築が必要だが、具体策はない。

3.ロシアがウクライナ原発付近をミサイル攻撃
【記事要旨】
 ロシアが支配するザポリージャ原発の使用済核燃料貯蔵庫近くにミサイルが着弾し懸念が高まる。ロシアはウクライナを、ウクライナはロシアを危険な攻撃の犯人だと非難。
【コメント】
 原発を攻撃すれば核攻撃と同様の効果を持つ。日本の原発はミサイル攻撃への耐久力はどの程度あるのだろうか。

その他:
ガダルカナルの戦い80周年
Caroline Kennedy, the U.S. ambassador to Australia, and Wendy Sherman, the U.S. deputy secretary of state, visited the island of Guadalcanal on the 80th anniversary of the World War II battle there and spoke about the current fraught diplomatic moment.
ガザ地区では紛争が激化していた
Israel and Palestinian Islamic Jihad militants agreed to a cease-fire, potentially ending a three-day conflict that killed dozens of Palestinians and paralyzed parts of Israel.
At least 44 people have been killed so far in Gaza and 311 wounded, according to the health ministry.
ケニアの鉄道
A Kenyan railway designed, funded and built by China has become a national fiasco, and a hot-button issue leading up to Tuesday’s presidential election.

(2022年8月8日  月曜日)

日中関係の歴史的困難

 西部邁の『続批評する精神』という本を愛読している。那須に来るたびに一日一度は5分ほど目を通し、いつも目から鱗が落ちる思いがする。

 この本は主に同氏の論壇時評を集めたもので七〇年代終わりから八六年ぐらいまでをカバーしている。八七年七月の標記のタイトルの文章は二五年の歳月を経ているが、日中関係が基本的には少しも変化していないことをあらわしている。

 西部はこの文章のなかでいくつかの論考を批判的に解説しているが、結論部は主に中嶋峰雄の「いまこそ歴史の「帳簿」の決算を」という正論に発表された論文を批判している。

 中島は「中国に対する「御祝儀外交」および「陳謝外交」をそろそろ止めにし、友好のみではない対決もまた必要なのだ」と主張する。西部は「それはそうなのだが、中嶋氏も認めているように「日本は中国に一番借りの有る国である」という「歴史の帳簿」を廃棄することなどできはしない。そんなことをすれば日本が法匪になってしまう。とすれば祝儀や陳謝の必要もまだまだ続くのであろう。そこでなおかつ対決もしようというのだから、なまじっかな力量では「フラジャイルな国際関係の典型である」日中関係に対処できない」と説く。

 この後西部は自身初の中国旅行の予定だったが、旅行後の論考は、残念ながら載っていない。1987年当時日本のGDPは中国の八倍もあった。現在は中国が日本の四倍であり世界中で影響力を強めている。

 西部が存命であったら現在の日中関係にどのような判断を下すだろうか。

(2022年8月7日 日曜日)

8月は憂鬱な月

 毎年のことだが8月6日(広島原爆の日)8月9日(長崎原爆の日、ソ連参戦)8月15日(終戦の日)と続く8月は憂鬱な月だ。

 日本本土へのB29爆撃機による大規模な空襲が始まったのは昭和20年に入ってからで、空襲による民間人の死者・行方不明者は60万人をかぞえる。5月8日のドイツの降伏後、敗戦必至の戦争を早期に止められなかった指導者の責任は重い。

 ウクライナ戦争でのロシアの戦争犯罪が取りざたされているが、「戦争に関係のない日本の国民を焼き殺す」ことを狙った米国の爆撃行為は処罰されず、爆撃を指揮したカーチス・ルメイは、日本政府から1964年に勲一等旭日大綬章をもらってる。当時の政府はルメイに感謝していたらしい。

 政治中の指導者の責任を追及する機会は、極東軍事裁判で戦犯が処罰されて幕引きとなり、日本国民にはその機会が無かった。

 最近明白になってきた岸元首相の勝共連合との関係といった戦前的な考え方の悪しき残滓は、保守政治家と自民党に沈殿しているようにも見える。

 バブルの崩壊以来失われた年数は既に30年を超えた。本来、国の成長は民間企業の起業家精神により実現されるものなのに、麻薬的な財政政策と金融政策が永続されており国民もそれを希求しているようだ。

 過去を清算し清々しい日本を作りたいが、ご破算で願いましては、とはなかなか問屋が卸さない。

 憂鬱な日々が続く。

(2022年8月6日 土曜日)

世界の動き 2022年8月5日 金曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「ハトとタカ」
 弱腰の人をハト、強硬な人をタカと言う。英語でも同じで、dovishとhawkishという言い方をする。FRBの金融政策で、金利引き締め派をhawkish。金利緩和派をdovishという。howkishが優勢だと次回FOMCで0.75-1.00 %政策金利が引き上げられ、dovishが優勢だと0.25-0,5%の引き上げになるだろうという予想を立てるのだ。どちらが優勢か直前までわからないので世間はあれこれ予想する。これだけコストプッシュインフレが明確な状況下、次回引き上げはせいぜい0.5%までと予想する。

1.ブリトニー・グリナーはロシアで禁錮9年の判決
【記事要旨】
 薬物保有で2月からロシアで逮捕されていたブリトニー・グリナーは流刑地(penal colony)で9カ月禁錮される判決を受けた。米露間で収監者の交換の可能性も含め交渉が行われたが実らなった。バイデン大統領はこれまでの強硬姿勢を継続するか交換条件を緩和するか難しい選択を迫られる。
【コメント】
 ハトとタカのたとえで言えば、相手がタカだとこちらもタカで行くしかない。安易に立場を緩めれば食べられるだけだ。双方がタカのままだと対立が継続するのはウクライナ情勢を見れば明らかだ。ハトとタカは簡単な例えだが、これ以上の知恵は専門家からも出てこない。

2.中国は軍事演習で台湾を威嚇
【記事要旨】
 ペロシ訪台への見せしめ処置。少なくとも11発のミサイルがペロシ離台後24時間以内に発射され、演習の一部は台湾から10マイル以内で実施されている。威嚇に加え、実際に台湾進攻時の役に立つ演習になっている。3日間の大規模演習は地域の安全に大きな脅威。日本は排他的経済水域内に5発の中国ミサイルが着弾したと中国を非難。米国は演習が突発的な戦闘に発展しないか憂慮。中国国内のSNSでは政府の弱腰ぶりを自国のサッカーチーム(これまで一度しかワールドカップに出ていない)にたとえ揶揄する記事が目立つ。ペロシは台湾の後韓国を訪問したが尹大統領は直接面談は避け電話で会談。中国を刺激したくない韓国の立場の表れか。
【コメント】
 相手が明らかに狂暴なタカの場合は、こちらはタカで行くしか選択肢は無い。

3.豪州は気候対策法案を整備へ
【記事要旨】
 世界3位の化石燃料産出国の豪州で遅ればせながら気候対策法案が可決された。2005年比で2030年までに43%炭素ガス算出を削減し2050年までに炭素ガスのネットゼロを達成するという法案。緑の党の2030年までに75%削減案は否決され、同党は政府案は遅きに失しグレートバリアーリーフの破壊が食い止められないと警告。
【コメント】
 炭素ガス削減では米国、欧州、英国が先行。日本の削減策はどの辺まで進んでいるのだろうか。インフレと戦乱ですっかり関心が薄れている。

その他:
日本の半導体は脆弱
Covid outbreaks shut down Japan’s semiconductor plants, and an unanticipated surge in demand for electronics constrained supplies. The country is now spending billions to catch up.
米国はサル痘で緊急事態
The U.S. declared a public health emergency over monkeypox, but its supply of the vaccine will be limited for months because officials waited too long to ask the maker to process enough vials.
英仏でのインフレ対策 英は金融で仏は財政で
Britain’s central bank raised interest rates by half a percentage point, the largest jump since 1995, and warned that the country could see a long recession starting later this year.
The French Parliament approved a $65 billion inflation relief package.

(2022年8月5日 金曜日)