世界の動き 2022年6月7日 火曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
「一犬虚に吠えると百犬実に吠ゆ」
黒田総裁の円安は日本経済にプラス発言は多くの保守派の論客に支持されている。金融緩和も然りだ。米国での金融引締めは確定的であり、円売りドル買いを投機家は安心して出来る。日本(経済)への信任回復が無ければ円安が更に続く。総裁の論理がいつまで持つか見守りたい。

1.ジョンソン首相、不信任投票を生き抜く
【記事要旨】
359人の保守党議員の211人が不信任に反対し否決されたが、与党内で投票された事態で指導力は大きく低下。2018年に不信任を切り抜けたメイ首相は数か月後に辞任を余儀なくされた前例あり。
【コメント】
英国内での物価の上昇をどのようにコントロールできるかがジョンソン首相の正念場だろう。

2.ミャンマーで暗殺が続く
【記事要旨】
ミャンマーのゲリラ勢力は政府の強権的支配に対抗しゲリラによる地方政府の役人の殺害を開始し、毎日一人以上が殺されている。軍事政権は対抗して村を焼き爆撃を強化。反政府側は60000人の兵力を擁し現在国土の半分を支配と主張。
【コメント】
軍事政権はロシアに武器を支援されてきたがウクライナの戦争でロシアからの供与が途絶えたとの報道もある。いろいろなところにウクライナの影響がある。

3.英国はウクライナに武器供与
【記事要旨】
英国は先端的なロケットシステムの供与を約す。プーチン首相は西側からの武器供与に対しこれまで攻撃していない目標への攻撃を始めると再三警告している。東部での戦争は砲撃戦が主体になり、西側の先進的な武器はウクライナにとって大きな支援。ただ使いこなすのは大変で「iPhone13を電話にしか使っていない」状況とウクライナ兵士が語る。
【コメント】
プーチンの発言は不気味だ。西側諸国は代理戦争に油を注ぐのではなく休戦交渉再開の努力をしなければならない。今のところトルコに外交努力を期待したい。

その他:
バイデンはガソリン価格を下げないと支持率は上がらないが、
President Biden has few tools to bring down U.S. gas prices. A trip to Saudi Arabia probably won’t help.
週休3日制の試行
Britain is experimenting with a four-day workweek: The pilot program will assess the happiness and productivity of more than 3,300 workers across 70 companies.
Twitterはどうなるのだろうか
Elon Musk threatened to pull out of his deal to buy Twitter over fake accounts.

(2022年6月7日 火曜日)

世界の動き 2022年6月6日 月曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
「水無月」
 雨が大量に降るのに水無月とは? 今まで水の無かった田んぼに水を注ぎ入れる頃であることから、「水無月」や「水月(みなづき・すいげつ)」「水張月(みずはりづき)」と呼ばれるようになったそうだ。
 雨の月曜日、気分を変えて頑張りましょう。

1.ロシア、キエフをミサイル攻撃
【記事要旨】
 ロシアが1か月以上行っていなかったキエフへのミサイル攻撃を再開。少なくとも5発が撃ち込まれ、うち1発は原子力発電所の上を低空で通過した。ロシアは軍事目標を攻撃と述べるが、市民数人が負傷。
【コメント】
 原発が攻撃されれば核攻撃と同じになるという恐れが現実になりそう。日本でも防衛費増額の議論が盛んだが、ウクライナの原発はミサイル攻撃への防御態勢はどうしているのかといった事実関係の報道は皆無。

2.カシミールでの暴動からヒンズー教徒が避難
【記事要旨】
 カシミールでの暴動激化でヒンズー教徒が大量に退避を始めた。19080年代、1990年代にも起きた反ヒンズーの暴動。モディ政権はカシミールの自治権に大幅制限を加え、地域のヒンズー化が安定の証拠だと主張し、ヒンズー教徒の退避をブロックしている。
【コメント】
 新疆ウイグルの漢民族化と同様なことがカシミールでインドによって行われていたのだと認識。

3.天安門事件追悼の夕べ
【記事要旨】
 1989年6月4日に天安門で発生した民主化デモの武力弾圧で死者多数が発生した事件の追悼行事が香港では2020年に禁止されて以来今年も行われなかった。それに代わって台北が慰霊追悼の場所となり、事件の追悼、香港への共感、新疆ウイグルでの人権弾圧への抗議が行われた。
【コメント】
 中国に拘束された香港の人権活動家は今どうしているのだろうか。

その他:
北朝鮮のミサイル発射
North Korea launched eight short-range missiles on Sunday, a day after the U.S. and South Korea finished joint naval exercises in the East China Sea.
豪州とニュージーランドでの革新政権と英王室
Political shifts in Australia and New Zealand may lead to a “divorce” from the British monarchy.
英国、世界の優秀な大学卒業生にビザ
The U.K. unveiled a “best and brightest visa” to entice graduates of top-ranked universities in the U.S., Canada, Asia and parts of the Pacific to move to Britain for two years.
(説明:日本では京大と東大が対象だそうだ。こんなシステムは日本でも取り入れたら良いのではないかと思う。日本の教育は抜本的な見直しが必要だ)

(2022年6月6日 月曜日)

生産性の高い働き方は?

 従業員への「職場復帰」を求める米国辣腕経営者の発言が目立ってきている。

 先週、Elon Muskはテスラの従業員に「週に少なくとも40時間はオフィスに戻るか、職を失うか」という最後通告を出した。テスラの工場で何週間も寝泊りをしていたことで知られるマスク氏は、リモートワークは生産性と個人的なコミットメントを破壊すると考えている。先月、彼は中国人労働者を「午前3時に石油を燃やしている(burning the 3 a.m. oil)」と称賛し、「まったく仕事に行かないようにしようとしている」アメリカ人労働者を批判した。

 JPモルガン銀行のジェイミー・ダイモンは先月、自宅で仕事をすることは「喧嘩したい」人には向いていないと述べた。彼は、意思決定の遅れや「自発的な学習と創造性」の欠如など、在宅勤務の「深刻な弱点」を指摘している。同行はゴールドマンサックス同様に従業員の出社率をデジタル的に監視している。

 従業員を職場に集める他の要因もある。多くの組織がオフィスの不動産に高額な投資を行っており、その結果、最終的にはデスクに労働者を配置することに依存する広大な経済システムが構築されている。ニューヨークのエリック市長は「私はオフィスビルを埋めようとしています。JPモルガンに、ゴールドマンサックスに、すべての人に伝えています。エコシステムを構築するために、あなた方の人々をオフィスに戻す必要があります」と今週言った。当然ニューヨークの職員は出社を要請されている。

 会社での同僚とのふれあいや雑談が新しいビジネスのアイデアに結びついたり、仕事の効果的な進め方について非公式な支援が得られることは、経験上あったので、自分は、出来れば出社賛成派だ。社内ポリティックス上の顔を見せておいた方が有利というのも、いまだ事実だろう。

 ただ、リモートワークに慣れると、通勤地獄から解放され、勤務時間の自由度が高まることが、新しく創造的な時間を生み出せるとも感じる。

 短絡的な結論を許していただければ、エッセンシャルワーカー以外のホワイトカラーワーカーの多くは、「週休3日制+リモートワーク」ヘとシフトしてゆくのではないかと思われる。

 いまTBSテレビのサンデーモーニングを見ていたら、スポーツのコーナーでレギュラーコメンテーターの上原がニューヨークから参加していた。
そういう時代なのだろう。

(2022年6月5日 日曜日)

命の値段

    昔タイに勤務していた時に、日本人(商社マン)が運転する自動車が交通事故を起こしタイ人の小さな子供をはねて死なせるという事故があった。その時にその商社マンは1万バーツ(当時のレートで5万円ほど。当時のタイの生活水準を考えれば50万円ほどに相当する金額)で示談したと聞いた。金額の小ささには驚いたが、それよりも、子供の父親がカップンカップ(ありがとう)と言ってお金を受け取ったということを聞いて更に驚いた。
 貧しい子だくさんのタイ人の父親にとっては、子供の命の値段はそんなものだったということなのであろう。今から40年も前、タイがまだまだ貧しかった日の話だ。私は30歳前だったが、運転手付きの社用車があり、メードのいるアパートに住んでいた。

 日本で自分の子供や親が事故に巻き込まれ亡くなったら一体いくらが妥当な金額になるのであろうか。池袋の高齢ドライバーが自転車に乗った母子を死なせた交通事故では、刑事事件で有罪になった元工業技術院院長に対し、民事訴訟では1億7千万円が請求されている。

 この事故では因果関係が明白だが、因果関係が明白でない事案では、いくらぐらいが妥当なのであろうか。財務省の書類改竄事案では、裁判を長引かせたくない国は、改竄作業の強要が自殺の原因になったという判定は行われていないのに、金を払って強引に結審させた。

 福島原発のせいで故郷を去らざるを得ず、避難先で失意のうちに亡くなった人などは、いくらぐらいの補償・賠償をもらっているのだろうか。

 今の日本で生活苦にあえぐ人が、親や子供を偶発的な事故で亡くした場合には、一体いくらぐらいの和解金を事故原因を作った人に対して請求するのだろうか。昔のタイ人の父親のように、少額の現金に目がくらむようなことは無いのだろうか。デフレと共に日本人の命の値段も下がってはいまいかと、余計なことだが、心配になるのだ。

 さて、6月から外国人旅行者の入国が解禁された。「安い日本」へとタイ人の観光客も沢山訪れることだろう。40年間で彼我の関係は大きく変わった。バンコクに住む日本人駐在員でも電車で通勤する人が多いと聞く。

 これからの40年で、更にどのように変わるのだろうか?命の値段を含めて。

(2022年6月4日 土曜日)

世界の動き 2022年6月3日 金曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
 「老舗も苦しむ」
 横浜の聘珍楼が破産申請だそうだ。負債総額は約6億円。のれんだけでも相当な価値がありそうだが老舗もコロナに勝てなかったということだろう。飲食業の多くが今が辛抱のしどころと考えているだろうが、緊急融資の利払いや返済が始まる今、再生・清算シナリオも含む準備をする時期だ。

1.ロシアがウクライナの5分の1を支配とゼレンスキー語る
【記事要旨】
 侵攻から100日が経過しウクライナの予想以上の奮戦にも拘わらずロシアは国土の5分の一を支配し20万人の子供をロシアに移送したとゼレンスキー大統領は語った。シビエロドネツクをめぐる戦闘は激化し露軍は市全体の制圧に近づく。黒海での数千頭のイルカの死亡は戦争の生態系への影響を懸念させる。
【コメント】
 戦争の激化で武器メーカーは有卦に入り、軍事関連ビジネスの株価も上がっている。ESGの観点からこうした企業は投資対象にならないので運用成績にはマイナスだ。投資対象の制限は市場全体の運用成績を下回る事例だ。

2.英国は史上最長の王室を祝う
【記事要旨】
 クイーンエリザベス2世は、バッキンガム宮殿バルコニーで国旗を振る大勢の国民に姿を見せた。即位70年を祝うプラチナ・ジュビリーは4日間の行事。世界の首脳がビデオで祝賀メッセージを送った。96歳に達しコロナから回復した女王が姿を見せたのは久しぶりで、女王と共に、チャールズ皇太子、ウィリアム王子、ジョージ王子の3世代の王位継承者がバルコニーに並んだ。70年以上在位の国王はルイ14世(フランス)、ヨハン2世(リヒテンシュタイン)、プミポン(タイ)の3人だけ。
【コメント】
 王室内の不協和を乗り越えて国民から支持される王室を堅持してきたのは女王の資質によるところが大きいと思われる。それにしてもチャールズ皇太子はもう73歳。随分と歳を取られた外見だ。

3.韓国地方選で保守派与党が大勝
【記事要旨】
 主要17首長選挙のうち12で保守派が勝利し与党「国民の力」と尹大統領に国民の大きな支持が判明。前回の地方選で14地区で勝利した「共に民主党」は5勝にとどまり退潮が明らかになった。ただ尹政権での新閣僚中2人が不適切な行為で辞任するというつまずきもある。
【コメント】
 やはり日本との関係改善が気になるところ。竹島周辺で海底の調査をしたり韓国の姿勢は変わらない印象もあるが、論争点が多いので、交渉の余地は大きいとも思われる。

その他:
珍しい経済人事の記事
Sheryl Sandberg, who helped lead Facebook though the last 14 years, announced that she would depart later this year. She leaves far from unscathed.
人口の98%が抗体を持つ南アでコロナ拡大?
Coronavirus infections surged in South Africa in recent months despite, according to new research, about 98 percent of the population having some antibodies.
オペックプラスの増産?
The major oil-producing nations in OPEC Plus agreed to raise oil production by 50 percent more than planned for July and August.

(2022年6月3日 金曜日)