世界の動き 2022年12月13日 火曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の言葉:
「モロッコ」
 ワールドカップでベスト4に躍進したモロッコ。名画「カサブランカ」ぐらいしか知らなかったので調べてみた。
 首都はラバトだ。1956年にフランスから独立。国家体制は国王を元首とする立憲君主制を採り、現国王はアラウィー朝のムハンマド6世。憲法によって議会の解散権や条約の批准権を認められており、軍の最高司令官でもある。2011年の2月から4月にかけて、アラブの春の影響でデモが発生し、2011年7月の憲法改正により、国王の権限縮小と首相の権限強化が為された。現在は政情は比較的安定しているようだ。
 国民1人当たりのGDPは4000ドル未満でアフリカ諸国では高い水準にあり、アジアなどの新興国に匹敵するレベル。
 観光では、フェズ、カサブランカ、マラケシュといった都市部の旧市街地から、アイット=ベン=ハドゥなど集落レベルの各種居住エリアにある世界遺産、サハラ沙漠やトドラ渓谷といった自然が観光資源として利用されている。古い邸宅を利用したリヤドと呼ばれる「モロッコ独特の宿泊施設」も知られている。
 一度訪問したい国ですね。

ニューヨークタイムズ記事
1.中国の宇宙マラソン
【記事要旨】
 10月下旬、中国は天宮宇宙ステーションの組み立てを完了した。 先月末、3人の中国人宇宙飛行士が酒泉砂漠にある衛星発射センターから離陸し、宇宙ステーションの恒久的な占有を開始した。
 最近の月と火星への探査と相まって、中国の成功を示している。 中国は月と火星へ人間を送ることを企図している。
  中国は、世界での威信に磨きをかけようとして、特に宇宙計画が確立されていない国で、天宮を世界中の科学者のための宇宙ステーションとして描いている。
 米国は、中国が 2045 年までに宇宙能力で米国を上回ると予測した。
【コメント】
 中国は中国版の国際宇宙ステーションを目指し、火星に人を送るという壮大な計画だ。凄いね。宇宙技術は軍事転用が可能なので注意が必要だ。

2.中国のCovid計画:より多くの予防接種
【記事要旨】
 中国は、最新のCovid-19ワクチンが服用しやすく効果的であることを高齢者に納得させるための全面的なキャンペーンを開始した.
 吸入ワクチンは針刺しの恐怖を軽減できる。国営メディアではその容易さが宣伝されている。
 中国が抗議の後に制限を解除するにつれて、医療リソースを圧倒する可能性のある症例の急増に備えている。今後のアウトブレイクは、高齢者が接種する意思があるかどうかに部分的に依存しているが、根深い懐疑論を克服する必要がある。
 中国のワクチンは通常、外国のmRNAワクチンよりも効果が低く、吸入治療の実際の有効性についてはほとんど知られていない。中国の高齢者層の 40% はブースター接種を受け取っていない。
  中国はCovid-19 アプリの無効化も計画している、と CNN は報じている。 このアプリは何年もの間、日常生活を支配し、人々の動きを支配してきた。 政府は反対意見を鎮圧するためにアプリを使用した可能性がある。
【コメント】
 アプリの終了は本当だろうか。

3.日本はインドの技術系人材を求める
【記事要旨】
 日本は IT エンジニアの不足に直面しており、インドでは毎年 150 万人のエンジニアの卒業生が生まれている。しかし日本は、アメリカやヨーロッパとの競合で、高学歴のインド人を採用するのに苦労している。
 日本は人口の高齢化に伴い、より多くの労働者を必死に必要としている。技術部門だけでも、政府は、日本が長い間延期されてきた全国的なデジタル化の取り組みを追求しているため、今後数年間で労働者の不足がほぼ800,000人に達すると推定している。
 しかし、日本は外国人労働者を引き付け、インドで技術系人材を採用しようとしているが、厳しい課題に直面している。低賃金、厳格な企業階層、厳しい言語障壁により、日本は魅力的な選択肢ではなくなる。 たとえば、米国では、技術職の平均給与は日本の 2 倍以上だ。
 日本の外国人に対する両価性は、外国人を社会に統合する方法が確立されていないことを意味している。
 世界第 3 位の経済大国である日本は、物理的な事務処理からデジタル ツールへの移行に苦労しています。 日本企業のクラウド テクノロジーの使用は、米国の企業よりも 10 年近く遅れている。
【コメント】
 厳しい記事だ。IT技術者では数年で80万人。介護職では毎年20万人不足する、外国人に日本に来てもらうには給与レベルが低い。ぬるま湯日本に沈殿するのは日本人を太宗とした世界のクズ(宮台真司さんの言い方)と言うことになるのだろうか。

その他:
オーストラリアで亀の保護
 Australia is trying to move a rare tortoise to a cooler environment. The experiment is believed to be the first attempt to relocate an endangered vertebrate species because of climate change.
北朝鮮からの犬は動物園へ
 South Korea has found a home for two dogs, which North Korea’s leader gave to its former president. After a disagreement about the cost of their care, the dogs will live in a zoo, The Associated Press reports.
プーチンは恒例の記者会見を開かず
 Vladimir Putin, Russia’s president, won’t hold his traditional December news conference. The annual event was one of the few times that foreign reporters could question him directly.

2022年12月13日 火曜日

世界の動き 2022年12月12日 月曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の言葉:
「ニューヨークタイムズのストライキ」
 ニューヨーク・タイムズの記者など従業員が加入する労働組合は、およそ40年ぶりとなるストライキを決行。記録的なインフレの中、賃上げなどの交渉で経営側と折り合いがつかなかったとしている。労働組合は8日、24時間のストライキに踏み切り、記者など1000人を超える従業員が参加した。
 マンハッタン中心部の本社前には多くの人が集まり、「新聞社は給料を払う時だ」などと声を上げながら抗議活動を行った。


 この報道には驚いた。24時間の時限ストで良かった。長引けばこのレポートも出来ないところだった。日本で朝日新聞がストを起こしたらどうだろうか。大いに批判されることだろう。

ニューヨークタイムズ記事
1.準決勝に備えよう
【記事要旨】
 4つの国がワールドカップの準決勝に進み、アルゼンチンは明日クロアチアと、フランスは水曜日にモロッコと対戦する。
 アルゼンチンは、このワールド カップで優勝することがリオネル メッシの運命であるという信念に突き動かされている。しかしクロアチアは、トップ候補であるブラジルを破り独自の目的を持っている。
 フランスはイングランドを破り、 モロッコがポルトガルを破り、アフリカおよびアラブ世界で初めて準決勝に進出した国になった。 その頑丈な防御は、トーナメントの主要な得点者であるキリアン・エムバペによって挑戦される。
 カタールはヨーロッパにとって重要なエネルギー源になる態勢を整えている。
 ベルギー当局は、カタールによる賄賂の可能性に関する調査で、欧州議会の現議員および元議員を含む 5 人を拘留した。
【コメント】
 米国が出ないのに準決勝に熱が入っているな。

2.中国はCovidの急増に備える
【記事要旨】
 中国はCovid-19の制限を撤回。 現在、北京は症例の急増に備えている。
 先週、氷点下に近い天候の中、中国の首都の住民は病院や薬局に列を作った。熱のために助けを求めたり、減りつつある在宅検査キットを買ったりした。 報告された症例数は信頼性が低く、政府が大規模な検査をやめた現在、かなりの過小評価されている。
 政府は、3 年間の絶え間ないプロパガンダの後、突然コロナウイルスの脅威を軽視し、資源を節約するために、必要でない限り助けを求めないように住民に呼びかけている。
 共産党にとっての課題の 1 つは、11 月までに中国の人口の 1% 未満しか感染していないため、多くの人が脆弱なことだ。 昨年以降、中国はまだ 4 回目の接種に移行していない。 中国のワクチンは、mRNA よりも効果が低い。
 多くの若者が失業しており、就職の見込みがほとんどない。抗議者たちは、彼らの戦いはCovidが制御するよりも大きいと言う。
【コメント】
 数百万人の単位で感染者が増えると共産党政府はどう対応するのだろうか。壮大な社会実験だ。

3.ロッカービー事件の容疑者逮捕
【記事要旨】
 1988 年にスコットランドのロッカビーでパンナム103便が爆破され270人が死亡した事件で起訴されたリビアの諜報工作員が、F.B.I. によって逮捕された。 彼は、米国史上最悪のテロ攻撃の 1 つで起訴されるため、米国に身柄を引き渡されようとしている。
 工作員アブ・アギラ・モハマド・マスードの逮捕は、彼を起訴するための司法省による数十年にわたる努力の結果だ。米国政府がマスードの身柄引き渡しをどのように交渉したかは不明だ。
 司法省が 2 年前に彼に対する容疑を明らかにしたとき、彼は無関係の犯罪でリビアの刑務所に拘留されていた。マスードは 2012 年の爆破事件について、リビアの法執行官に自供した。
 引き渡しにより、マスードは裁判を受けることになるが、法律の専門家は、戦争で荒廃したリビアの刑務所で得られた彼の自白が証拠として認められるかどうかについて疑問を表明している。
【コメント】
 「ロッカビー」といえば「御巣鷹山」と同様の意味を米国人には持つのだろう。この事件はパンナムの崩壊の引き金になったことで私には記憶に残っている。

その他:
香港の民主化運動家に刑期
 Jimmy Lai, the pro-democracy media tycoon in Hong Kong, was sentenced to more than five years in prison.
バヌアツは国際司法に訴える
 Vanuatu wants the world’s highest judicial body to weigh in on whether nations are legally bound to protect against climate risks.
キューバの経済危機
 Deepening poverty and hopelessness in Cuba have set off the largest exodus since Fidel Castro rose to power.

2022年12月12日 月曜日

昭和16年12月の動き

 「12月8日未明、帝国は米英と戦争状態に入れり。」大本営発表を勇ましく告げるNHKラジオの放送を聞き覚えのある人も多いだろう。

 昭和16年の12月に何が起こったか考察することはとても興味深い。以下に列記する。

【年表】
1941/12/01
御前会議が対米・英・蘭との開戦を決定する。

1941/12/05
野村、栗栖両大使が、日本側回答をハル国務長官に手渡す。

1941/12/06
野村駐米大使宛てに、対米最終覚書が打電される。

1941/12/07
ホノルル時間午前6時45分(日本時間8日午前2時15分)米駆逐艦ウォードが真珠湾港外で特殊潜航艇を撃沈する。

1941/12/08
日本時間午前2時、日本軍がマレー半島へ上陸開始する。

1941/12/08
日本時間午前3時19分(ホノルル時間7日午前7時49分)、日本軍がハワイ真珠湾空襲を開始する。日本時間午前4時、米英に宣戦布告の詔勅を発表し、太平洋戦争の開戦となる。

1941/12/08
イギリス、アメリカが日本に宣戦布告する。

1941/12/09
国民政府が、日本、ドイツ、イタリアに宣戦布告する。

1941/12/09
東条英機内閣が、左翼関係者・自由主義者・人道主義者など200人余を予防拘禁・スパイ容疑などで検挙する。

1941/12/10
日本軍が、マレー沖海戦でイギリスの主力艦のプリンス・オブ・ウェールズを撃沈する。

1941/12/11
ドイツ・イタリアがアメリカに宣戦布告する。

1941/12/12
ソ連軍が、モスクワに迫ってきたドイツ軍を撃退する。

1941/12/12
ブルガリア、ルーマニア、スロバキアがアメリカ、イギリスに宣戦布告する。

1941/12/13
ハンガリーが、イギリス、アメリカに宣戦布告する。

1941/12/16
戦艦大和が竣工する。

1941/12/25
香港のイギリス軍が日本軍に降伏する。

【年表を観て】
 この年表(日表?)を見るだけでとても多くのことがわかる。

 日本はハルノートを米国からの実質的な最後通牒ととらえ、真珠湾攻撃とマレー半島上陸に踏み切った。このタイミングはとても微妙で、もう1週間待てば独ソ戦でドイツが負け始めるところだった。日本はドイツが勝つ前に勝ち馬に乗るのに遅れまいと参戦しようとしたのだから間の抜けた話だ。

 ヒトラーは日本の参戦により米国が欧州の戦争に加わるのを歓迎しなかったのに、アメリカに戦線布告した。これは何故かいまだによくわからない行動だ。ドイツが宣戦布告しなければ米国は欧州の戦争に参加する理由はなかったはずだ。

 戦後ソ連の陣営にに組み入れられた東欧諸国(ブルガリア、ルー
マニア、スロバキア、ハンガリー)が枢軸国側で戦争に参加した。この判断も後知恵だが、滑稽だ。

 戦艦大和は開戦後にやっと完成したのだ。戦艦武蔵は更に後だ。この2艦が空母であったらと言うのも後知恵だ。

 香港はクリスマスに陥落したのだ。Merry Christmas, Mr. Lawrence. を思い起こさせる。

【防衛力強化論争に思う】

 論争が喧しい。
 保守陣営は、現下の国際情勢で、防衛費のGDP2%への増額は妥当であり、国防に不可欠だと主張する。
 左派陣営は、防衛費の増額で日本は米国、中国に次ぐ軍事大国になり、そんなに巨額の軍備は必要ない、戦争への前夜だ、と主張する。
 議論は全く嚙み合わない。

 中露という軍事大国と核武装を遂げた北調整、領土問題・歴史問題のある韓国に隣接する日本では、どのような紛争が起こり得て、どのような防衛策が効果的で効率的かは、国家の存亡に係る大問題だ。与野党を問わず、国民を巻き込んだ議論が必要だろう。一介の審議会で決定できる問題では無い。

 議論の際にベースになるのはあくまでも現行憲法ではないかと思う。理想主義だと笑われそうだが、憲法九条を見ると、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」と謳っている。

 敵基地攻撃能力は「武力による威嚇」には相当しないのであろうか。日本に向けて数千発のミサイル攻撃能力を持つ中国・ロシアに対し、500発の巡航ミサイル整備は、抑止力になるのだろうか。結局は核武装が必要だと言うことになりはしないだろうか。

 安倍首相が「積極的平和主義」という良い言葉(安倍さんの意図は別のようだが)を残した。今こそ、国家の100年の計を考えるべき時であり、その際には現行憲法が議論のベースになるべきだと考える。

2022年12月11日 日曜日

世界の動き 2022年12月9日 金曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の言葉:
「郵便貯金」
 10年満期の定期貯金は20年経つと貯金者に催告書が送られ、2か月以内に引き出ししないと失効するそうだ。催告書の8割は宛先不明で郵便局に戻ってくるそうで、20年の間に転居などで連絡が付かなくなってしまう人が如何に多いかということだ。
 お金を貯めるのは大切だが、しっかり管理することはもっと大切だ。

ニューヨークタイムズ記事
1.ロシアと米国の捕虜交換
【記事要旨】
 ロシアで投獄されていたアメリカのバスケットボールのスター、ブリトニー・グリナーは、有罪判決を受けたロシアの武器商人ヴィクトル・バウトと引き換えに釈放された。 バイデン大統領は、グリナーがアラブ首長国連邦に無事着陸し、24時間以内に米国に戻ると述べた。
 この取引は、ロシアがウクライナに侵攻する直前に逮捕され、ハシシ油を含む電子タバコのカートリッジを荷物に入れていたため、違法な麻薬をロシアに密輸しようとした罪で有罪判決を受けたグリナーの 10 か月間の拘束に終止符を打った。 彼女は、ロシアで最も恐れられている流刑地の 1 つで、9 年の刑を言い渡されていた。
 「死の商人」というあだ名のバウトは、25 年の刑期の半分未満て釈放された。 アルカイダ、タリバン、ルワンダの反乱軍に武器を供給したとして告発されたバウトは、2008 年にタイで逮捕され、2011 年にニューヨークでアメリカ人の殺害を共謀したなどの罪で有罪判決を受けた。
 捕虜交換はロシア政府が、ウクライナでのロシアの不安定な戦争から注意をそらすためだった可能性がある. 政府支持者は、ロシアの勝利として歓迎した。
 グリナーと同時に逮捕された企業のセキュリティ担当役員であるポール ウィーランは釈放されていない。
【コメント】
 長かった交渉がやっと終わった。専制国家への渡航には注意が必要だ。日本人で中国で投獄されている人が何人もいるようだ。逮捕されても日本政府は助けてくれない。

2.中国がアラブ世界に近づく
【記事要旨】
 習近平はサウジアラビアへの訪問を開始し、北京とリヤドの間の関係の拡大を喧伝している。 他の湾岸諸国やアラブ諸国の指導者たちは、習主席との首脳会談のためにサウジアラビアを訪れている。
 中国外務省の毛寧報道官は記者会見で、「これは中華人民共和国の建国以来、中国とアラブ世界の間で最大かつ最高レベルの外交イベントになるだろう」と語った。
 習主席とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、石油、武器、技術、インフラに関する両国の同盟関係の拡大を反映して、戦略的パートナーシップ協定に調印した。
 サウジアラビアは、半世紀以上にわたって米国の緊密な同盟国であり、米国は王国の主要な安全保障の保証人であり続けているが、サウジの支配者は、中国を超大国とする多極世界の出現に備えるために、米国以外との同盟を強化することを長い間求めてきた。
 サウジアラビアと米国との関係は、2018 年にイスタンブールで殺害された、ワシントン ポストのコラムニストでサウジ市民のジャマル カショギの殺害をめぐって緊張している。
 習主席は 7 月のバイデン大統領よりも盛大に迎えられた。
【コメント】
 専制指導者はウマが合うということだろう。世界を俯瞰した中国の動きは目を離せない。

3.米、同性婚法案可決
【記事要旨】
 下院ではこの法案に、両党の議員が賛成票を投じた。 現在、バイデン大統領が法律に署名する。
 同性婚を連邦政府に承認することを義務付けるこの法案は、かつて政治的に分裂を招くと考えられていた問題について、アメリカの政治と文化の大きな変化を浮き彫りにしている。
 過去 10 年間で、同性結婚は両党のメンバーに広く受け入れられるようになり、世論調査によると、米国の有権者の 70% 以上が同性結婚を支持している。
【コメント】
 日本の司法判断と比べると随分進んでいる。日本はどうするのだろうか。

その他:
カシミールの安定化
 A surge in tourists traveling to Kashmir is a sign, India says, that its control of the region has turned things around. But many residents remain stuck in an old cycle of fear.


 柄谷行人氏の嬉しいニュース
The Japanese philosopher Kojin Karatani won the $1 million Berggruen Prize.
 (朝日新聞デジタルより
「世界史の構造」などの著書がある哲学者の柄谷行人(からたに・こうじん)さん(81)が、今年の「バーグルエン哲学・文化賞」の受賞者に決まった。米カリフォルニア州のシンクタンク、バーグルエン研究所が8日、発表した。この賞は、同所長で慈善家のニコラス・バーグルエンさんが「哲学のノーベル賞」を目指して2016年に創設し、「急速に変化していく世界のなかでその思想が人間の自己理解の形成と進歩に大きく貢献した思想家」に毎年授与している。
 柄谷さんの受賞理由は「現代哲学、哲学史、政治思想に対する極めて独創的な貢献」。そして「混迷するグローバル資本主義と民主主義国家の危機、めったに自己批判が伴うことのないナショナリズムの復活という今の時代において、その作品は特に重要である」とされた。アジア初の受賞。柄谷さんは「思いもかけなかった評価に喜んでいる。感謝しています」と話す。賞金は100万米ドル(約1億3700万円)。授賞式は来春、東京で行われる予定だ。
 柄谷さんは夏目漱石論から出発し、著書「日本近代文学の起源」などで、従来の文芸批評のあり方を一新した。その後、哲学・理論的な仕事に重心を移し、「トランスクリティーク カントとマルクス」や「力と交換様式」などを刊行してきた。著作は、英語をはじめ複数の言語に翻訳されている。05年から本紙書評委員。)


英国での石炭鉱山
 The British government approved the country’s first coal mine in decades, a project that will create jobs but has been criticized as a setback in the fight against climate change.

(英国に化石賞を贈らなければならない。約束と行動の二重舌は欧州は得意だ)

2022年12月9日 金曜日

世界の動き 2022年12月8日 木曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の言葉:
「出産一時金」
 出産育児一時金直接支払制度とは、出産した医療機関に対して、健保組合が直接出産育児一時金を支払う制度であり、この制度により、医療機関の窓口での支払いは出産育児一時金を超えた金額だけで済むそうだ。協会けんぽに申請すると、医療機関に直接出産育児一時金が支払われるため、高額な出産費用をあらかじめ用意する必要がない。支給額は誕生した子ども1人あたり42万円。もしも、双子以上の場合は産まれた人数分だけ支給されるそうだ。
 政府はこの金額を50万円に拡大する考えがあるとの報道が出た。
 初めて知って驚いたのだが、一時金の出どころは「国」ではなく「健保組合」だ。健保で不足する資金小一部は老齢者医療保険からまわす計画のようだ。対象は所得が250万円程度ある「高所得」高齢者だそうで、取れるとことろから取ろうという考えが露骨だ。
 そもそもこの政策は少子化の改善に役立っているのだろうか。効果の検証はされているのだろうか。効果があるなら金額を大幅に増やすことが考えられる。小手先で、取れそうなところから取って、聞こえの良い政策を宣伝することは大いに疑問だ。

ニューヨークタイムズ記事
1.中国は「ゼロCovid」制限を緩和
【記事要旨】
 中国政府は、国の厳格なコロナウイルス制限の緩和し、習近平国家主席が正当性を賭けていた政策からの大きな転換をした。
 この動きは、Covidの制限に対する大規模な街頭抗議が中国を襲った後の国民の不満への暗黙の譲歩だ。抗議者たちは、何億人もの人々を何週間も自宅に閉じ込め、経済を引き下げたロックダウンに激怒し、恣意的な制限方法を嫌っていた。
 中国共産党は、習近平の面子を保ちつつ緩和することを試みているが、人々が通常の生活を再開するにつれて、中国は感染の急増に直面することが予想される。
 P.C.R. テストと健康コードは、地域間の旅行についてチェックされなくなり、軽度の新型コロナウイルスに感染している人々は、自宅で隔離することが許可される。 政府は依然として封鎖を課すことができるが、近隣、地区、または都市ではなく、建物に対してだ。
【コメント】
 妥当な緩和策ではないか。これで日本へインバウンドの波が押し寄せるのを憂慮する。

2.議会を解散を試みたペルーの大統領が追放された
【記事要旨】
 ペルーのペドロ・カスティージョ大統領は、彼を弾劾するかどうかの投票が予定される数時間前の水曜日に、議会の解散と緊急政府の設置を発表した。
 政治指導者達は、カスティージョの動きはクーデターの試みであると述べ、議会はすぐに彼を弾劾して解任することを可決した。
 ペルーの軍隊と警察は、彼を支持しないことを示唆する共同声明を発表し、彼の政権の多くのメンバーは、彼の発表後に辞任した. しかし、彼は依然としてペルーの脆弱な民主主義をここ数年で最大の政治危機に陥れている。
 カスティージョの在職期間は、高レベルのスキャンダル、犯罪捜査、内閣の交代に悩まされてきた。 彼は 80 人以上の閣僚を次々と替え、過去 2 回の弾劾の試みを生き延びてきた。
 ペルーの政治では汚職がはびこっているため、2016 年以降、5 人の大統領が選出されています。カスティージョ— 元農民、学校教師、組合活動家であり、政治経験はない — は、右派の政治家であるKeiko Fujimoriを選挙運動で破り、大統領選挙に勝利した。
【コメント】
 これで3度目の弾劾だそうだが、まだ民衆に支持されているのだろうか。

3.ドイツでのクーデター計画で数十人逮捕
【記事要旨】
 ドイツ全土での早朝の家宅捜索で、3,000 人の警察と特殊部隊のメンバーが、国内のテロ組織の支持者と疑われる 25 人を逮捕した。
 重武装グループの計画には、ドイツの国会議事堂である国会議事堂への攻撃が含まれていた。 検察官によると、グループのメンバーは武器訓練を組織し、計画が成功した場合に設置する影の政府を形成していた。
 検察官は、合計52人の容疑者を捜査しており、王子、元国会議員、元ドイツ兵を拘束したと述べた。
  検察官によると、昨年結成されたこのグループは、「ディープ ステート」のメンバーがドイツを支配しており、転覆する必要があると信じていた。
 ドイツの諜報機関は、国に対する最大の脅威は極右の国内過激派グループから来ていると何年も言い続けてきた。 2020年、極右支持者、QAnonの支持者、反ワクチン活動家が国会議事堂を襲撃しようとした。
【コメント】
 この記事には驚いた。ドイツでこんなことが起きるようだと、米国では本気で警戒しないといけない。

その他:
インドの成長ペイン
 India is pursuing clean power while burning more fossil fuels, an approach that many growing countries have taken and that puts economic security before climate concerns.
ロシアは戦争の長期化を予想
   President Vladimir Putin said in a speech yesterday that Russia’s war in Ukraine “might be a long process,” and a U.N. report documented the killings of 441 civilians around Kyiv.
イランでの内政不安
 Businesses in more than 50 cities in Iran were shut for a second day yesterday, demonstrating the staying power of protests calling for an end to clerical rule.

2022年12月8日 木曜日