ニューヨークタイムズ電子版より
今日の言葉:
「郵便貯金」
10年満期の定期貯金は20年経つと貯金者に催告書が送られ、2か月以内に引き出ししないと失効するそうだ。催告書の8割は宛先不明で郵便局に戻ってくるそうで、20年の間に転居などで連絡が付かなくなってしまう人が如何に多いかということだ。
お金を貯めるのは大切だが、しっかり管理することはもっと大切だ。
ニューヨークタイムズ記事
1.ロシアと米国の捕虜交換
【記事要旨】
ロシアで投獄されていたアメリカのバスケットボールのスター、ブリトニー・グリナーは、有罪判決を受けたロシアの武器商人ヴィクトル・バウトと引き換えに釈放された。 バイデン大統領は、グリナーがアラブ首長国連邦に無事着陸し、24時間以内に米国に戻ると述べた。
この取引は、ロシアがウクライナに侵攻する直前に逮捕され、ハシシ油を含む電子タバコのカートリッジを荷物に入れていたため、違法な麻薬をロシアに密輸しようとした罪で有罪判決を受けたグリナーの 10 か月間の拘束に終止符を打った。 彼女は、ロシアで最も恐れられている流刑地の 1 つで、9 年の刑を言い渡されていた。
「死の商人」というあだ名のバウトは、25 年の刑期の半分未満て釈放された。 アルカイダ、タリバン、ルワンダの反乱軍に武器を供給したとして告発されたバウトは、2008 年にタイで逮捕され、2011 年にニューヨークでアメリカ人の殺害を共謀したなどの罪で有罪判決を受けた。
捕虜交換はロシア政府が、ウクライナでのロシアの不安定な戦争から注意をそらすためだった可能性がある. 政府支持者は、ロシアの勝利として歓迎した。
グリナーと同時に逮捕された企業のセキュリティ担当役員であるポール ウィーランは釈放されていない。
【コメント】
長かった交渉がやっと終わった。専制国家への渡航には注意が必要だ。日本人で中国で投獄されている人が何人もいるようだ。逮捕されても日本政府は助けてくれない。
2.中国がアラブ世界に近づく
【記事要旨】
習近平はサウジアラビアへの訪問を開始し、北京とリヤドの間の関係の拡大を喧伝している。 他の湾岸諸国やアラブ諸国の指導者たちは、習主席との首脳会談のためにサウジアラビアを訪れている。
中国外務省の毛寧報道官は記者会見で、「これは中華人民共和国の建国以来、中国とアラブ世界の間で最大かつ最高レベルの外交イベントになるだろう」と語った。
習主席とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、石油、武器、技術、インフラに関する両国の同盟関係の拡大を反映して、戦略的パートナーシップ協定に調印した。
サウジアラビアは、半世紀以上にわたって米国の緊密な同盟国であり、米国は王国の主要な安全保障の保証人であり続けているが、サウジの支配者は、中国を超大国とする多極世界の出現に備えるために、米国以外との同盟を強化することを長い間求めてきた。
サウジアラビアと米国との関係は、2018 年にイスタンブールで殺害された、ワシントン ポストのコラムニストでサウジ市民のジャマル カショギの殺害をめぐって緊張している。
習主席は 7 月のバイデン大統領よりも盛大に迎えられた。
【コメント】
専制指導者はウマが合うということだろう。世界を俯瞰した中国の動きは目を離せない。
3.米、同性婚法案可決
【記事要旨】
下院ではこの法案に、両党の議員が賛成票を投じた。 現在、バイデン大統領が法律に署名する。
同性婚を連邦政府に承認することを義務付けるこの法案は、かつて政治的に分裂を招くと考えられていた問題について、アメリカの政治と文化の大きな変化を浮き彫りにしている。
過去 10 年間で、同性結婚は両党のメンバーに広く受け入れられるようになり、世論調査によると、米国の有権者の 70% 以上が同性結婚を支持している。
【コメント】
日本の司法判断と比べると随分進んでいる。日本はどうするのだろうか。
その他:
カシミールの安定化
A surge in tourists traveling to Kashmir is a sign, India says, that its control of the region has turned things around. But many residents remain stuck in an old cycle of fear.
柄谷行人氏の嬉しいニュース
The Japanese philosopher Kojin Karatani won the $1 million Berggruen Prize.
(朝日新聞デジタルより
「世界史の構造」などの著書がある哲学者の柄谷行人(からたに・こうじん)さん(81)が、今年の「バーグルエン哲学・文化賞」の受賞者に決まった。米カリフォルニア州のシンクタンク、バーグルエン研究所が8日、発表した。この賞は、同所長で慈善家のニコラス・バーグルエンさんが「哲学のノーベル賞」を目指して2016年に創設し、「急速に変化していく世界のなかでその思想が人間の自己理解の形成と進歩に大きく貢献した思想家」に毎年授与している。
柄谷さんの受賞理由は「現代哲学、哲学史、政治思想に対する極めて独創的な貢献」。そして「混迷するグローバル資本主義と民主主義国家の危機、めったに自己批判が伴うことのないナショナリズムの復活という今の時代において、その作品は特に重要である」とされた。アジア初の受賞。柄谷さんは「思いもかけなかった評価に喜んでいる。感謝しています」と話す。賞金は100万米ドル(約1億3700万円)。授賞式は来春、東京で行われる予定だ。
柄谷さんは夏目漱石論から出発し、著書「日本近代文学の起源」などで、従来の文芸批評のあり方を一新した。その後、哲学・理論的な仕事に重心を移し、「トランスクリティーク カントとマルクス」や「力と交換様式」などを刊行してきた。著作は、英語をはじめ複数の言語に翻訳されている。05年から本紙書評委員。)
英国での石炭鉱山
The British government approved the country’s first coal mine in decades, a project that will create jobs but has been criticized as a setback in the fight against climate change.
(英国に化石賞を贈らなければならない。約束と行動の二重舌は欧州は得意だ)
2022年12月9日 金曜日