世界の動き 2024年8月6日 火曜日

今日の言葉
「株価暴落」
 世界中で株価が暴落しているが日経平均の下がり方が群を抜いて酷い。
 1987年10月19日のブラックマンデーの下げ幅以上の下げを記録した。あの時のことは覚えているが、相場が一度に下がり売るに売れない状況だった。
 新NISAで新たに投資を始めた投資家、金融業界で中心となっているトレーダーは、下げ相場の経験が無いので、狼狽売りに走ったことが大きな要因ではないかと思う。
 植田日銀総裁の会見も酷かったが、急落を受けた鈴木財務大臣の会見は、もごもごした説明だった。もっと若くてシャープな人が出てこないと「日本はダメだなー」という印象を世界中に与えかねない。
 過剰流動性の行き場が無いので、このまま相場がズルズル下がることは無いと思う。我慢のしどころだ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.米経済減速への懸念で株価が急落
【記事要旨】
 投資家が米経済減速の兆候に注目する中、昨日、米国および世界中で金融市場に不安の波が広がり株価が下落した。
 米国が失業率がほぼ3年ぶりの高水準を示した雇用統計を受けて金曜日に始まった売り圧力をさらに拡大させ、米経済が成長鈍化に向かう​​のではないかという懸念が深まった。
 米国では、S&P 500が3%下落し、2022年9月以来の最悪の日となった。日本では、日経平均株価が12.4%下落し、1日としては最大の下落率となった。英国のFTSE 100は、2023年7月以来の最悪の日となり2%強下落した。
 急落には他の要因も影響していた。ハイテク株が急騰しすぎたという懸念と、円高が日本企業や一部のグローバルトレーダーの見通しに悪影響を及ぼす可能性があるという懸念だ。米国では、連邦準備制度理事会が金利引き下げを遅らせすぎたのではないかと疑問視する声もあった。
 売るタイミングか?このような市場の混乱時に何もしないのはつらい。しかし、今回の場合はそれが最善の選択肢だと、タイムズのコラムニストは書いている。
【コメント】
 狼狽売りは下げが下げを呼ぶ。何もしないのが正しい。

2.バングラデシュの指導者が辞任し逃亡
【記事要旨】
 シェイク・ハシナ首相が辞任し国外に逃亡したため、昨日、首都ダッカの路上で群衆が祝った。軍司令官は、軍が暫定政府の樹立を監督すると述べた。
 抗議活動は平和的に始まった後、治安部隊との致命的な衝突に発展した。騒乱の中で最も死者が多かった日曜日には、100人近くが死亡したと報じられた。
 流血事件を受けて、抗議活動家らはハシナ首相の邸宅に向かって行進した。ハシナ首相はヘリコプターで逃亡し、群衆が建物に押し寄せた。略奪者たちは家具、寝具、鉢植えを奪っていった。ハシナ首相の現在の居場所は不明。米国と英国の両方に家族がいる。
 76歳のハシナ首相は、世界で最も長く在任した女性指導者の一人だった。彼女の統治下で経済は急速に成長し、国は急速な発展を遂げた。しかし、彼女は政敵を投獄し、独裁主義者として批判された。
 彼女の退陣は、楽な未来を保証するものではない。暫定政府を承認するプロセスは困難になる可能性が高い。
【コメント】
 あっさり政権が倒れた。これほどハシナの治世に人々の不満が強かったのかと思い知らされる。

3.ハリス氏は副大統領候補を発表する準備を整えている
【記事要旨】
 カマラ・ハリスの副大統領候補の選定は、最終段階に差し掛かっている。
 ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事、アリゾナ州のマーク・ケリー上院議員、ミネソタ州のティム・ウォルツ知事の3人の候補者は、日曜日にワシントンでハリス氏と会談した。ハリス氏は候補者を発表した後、本日フィラデルフィアで新しい副大統領候補との最初の集会を開く予定だ。
 このタイムラインはハリス氏に有利に働く可能性が高いとアナリストは見る。
 ビデオゲーマーとのライブインタビューで、ドナルド・トランプ氏は世界の株式市場の下落は移民のせいだと主張したようだ。
 ナンシー・ペロシ氏は新著で、バイデン大統領に撤退を静かに、しかし断固として迫った理由は、ドナルド・トランプ氏を倒す必要性という1つの要因に帰着したからだと述べた。
【コメント】
 私はケリー上院議員が有力と見る。どうなるだろうか。

その他の記事
英国:
 キール・スターマー首相は、反移民の偽情報による暴動を取り締まると誓った後、緊急会議を開いた。
テクノロジー:
 グーグルはオンライン検索の独占を維持するために違法行為を行ったと米国の判事が判決を下した。この判決は大手テクノロジー企業のビジネスのやり方を変える可能性がある。
日本:
 外国人労働者の数は2007年以来4倍に増えているが、同国の政策では依然として、外国人労働者は短期滞在のみ歓迎されることが明確にされている。

2024年8月6日 火曜日

世界の動き 2024年8月5日 月曜日

今日の言葉
「黒の舟歌」
 大昔、野坂昭如が歌っていた。「男と女の間には深くて暗い河がある・・・」と言う歌だ。 人類学的には男女の区別はそれほど明確ではないらしい。
 パリオリンピックで二人の女子ボクシング選手のメダル獲得が確実になった。一人は性転換した人、もう一人は遺伝子的に確実に女性とは言えない人だ。
 オリンピック委員会と国際ボクシング協会の男女の判定の基準が分かれていることが事情を複雑にしているようで批判を浴びている。
 ルールが統一されていないのはビジネスの世界でもよくあることで、生き方は二つある。
 1.ルールを決める側に回ること
 2.自分に有利なルールの世界で生きること
 いずれにしてもビジネスでは舟を漕ぎ続けるしかない。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.報復を待つイスラエルの緊張
 紛争拡大の恐れから、多くの国際航空会社が、イスラエル便を運休した。英国、カナダ、フランス、米国は、自国民にレバノンから直ちに退去するよう促した。
 この動きは、今週初めにベイルートでヒズボラの上級司令官が、テヘランでハマスの政治指導者が殺害されたことを受けてのものだ。イスラエルには多くの紛争を鎮める明確な計画がないとの印象が強まっている。
 衝突は週末を通して続いた。ガザ市の避難所として機能していた学校へのイスラエルの空爆で、少なくとも30人が死亡、さらに数十人が負傷した。イスラエルは、攻撃はハマスの「指揮統制センター」を標的にしたと述べた。
 イスラエルのハマスに対する戦争は、ガザ地区のパレスチナ人がこれまでに直面した中で最も致命的なものだが、ハマスが生き残れば、政治的に強くなることを可能にする象徴的な勝利となる可能性がある。
【コメント】
 イスラエルはこれまで巧みにモグラ叩きを続けてきたが、今やモグラが多すぎて手が回らなくなりそうだ。

2.ミャンマー軍事政権、空爆を加速させるために制裁を回避
【記事要旨】
 ミャンマー軍は地上で反政府勢力を倒すことができず、民間人への無差別爆撃を増やしている。軍事政権は最近、結婚式と寺院を爆撃し、約60人を殺害した。
 攻撃の激化は、政権の爆撃機、戦闘機、ヘリコプターの飛行に必要なジェット燃料の流入を阻止することを目的とした制裁をミャンマーが回避していることを示している。
 攻撃は犠牲をもたらしたが、反政府勢力は引き続き勢力を伸ばしている。ここ数週間、反政府勢力はシャン州の刑務所を占拠し、数百人の政治犯を解放した。また、国の反対側では、別の反政府軍がラカイン州の民間空港を占拠した。
【コメント】
 ニュースは五輪一色で、アジアのこの辺の報道は全くない。ベトナムからミャンマーに技能実習生の供給国が変わって来ていると聞くが、かの国の状況はどうなっているのだろうか。

3.ハリス氏、副大統領候補を絞り込む
【記事要旨】
 カマラ・ハリス副大統領は、副大統領候補として少なくとも3人の有力候補、アリゾナ州のマーク・ケリー上院議員、ミネソタ州のティム・ウォルツ知事、ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事と会談し、明日は激戦州を回る予定だ。
 ハリス氏とドナルド・トランプ氏は、アリゾナ州、ミシガン州、ペンシルベニア州でほぼ互角で、ジョージア州とウィスコンシン州ではトランプ氏がわずかにリードしている。
 トランプ氏は、証拠もなく、ジョージア州の共和党知事が激戦州で勝利するための自身の取り組みを妨害していると示唆しました。
 トランプ氏の副大統領候補であるJD・ヴァンス氏は、憲法の限界を試したいと率直に述べている。
【コメント】
 もう選挙まで100日を切った。これからがバックストレッチでのデッドヒートになるだろう。

その他の記事
バングラデシュ:
 政府は反政府運動の拡大を抑えるため新たな規制を課し、治安部隊とデモ隊の衝突で少なくとも70人が死亡した。
英国:
 北部の町サウスポートでの大量刺傷事件を受けて、複数の都市で暴力的な反移民抗議デモが勃発。
ロシア:
 先週の囚人交換で釈放された囚人のうち2人は潜入スパイで、その子供たちは家族がロシアと関係があることを知らなかった。

2024年8月5日 月曜日

リベンジする

 オリンピックで敗れた選手の弁で「次はリベンジする」という発言を良く聞く。例えば、競泳の池江璃花子選手、柔道の阿部詩選手がそうだった。

 池江選手は、インタビューではそう発言していたし、SNSに『4年後、リベンジしに帰ってきます』と投稿したそうだ。
 阿部選手は、団体で銀を獲得した後に、個人戦で次回オリンピックではリベンジしたいと発言していた。

 revengeという言葉を調べるとthe action of hurting or harming someone in return for an injury or wrong suffered at their hands.となっている。
 日本語にすれば、「与えられた傷に対し復讐する、相手を傷つけて報復する」という、とても嫌な言葉で、私はこの言葉を日本の女子選手から聞くと、穏当でない印象を受ける。

 再度挑戦したいと言うか、和製英語を使うなら、又チャレンジしたいというのが妥当な表現だ。

 選手や競技団体に、妥当と思われる言葉を使用することを望みたい。「リベンジ」は血生臭さすぎる言葉だ。

2024年8月4日 日曜日

質への逃避

 日銀の日銀の金利引き上げの動きと黒田総裁の不明確な記者会見での発言、さらに米国での弱い雇用統計の発表を受けて、東証は金曜に35,909.70円へと−2,216.63円 (5.81%)下落した。

 日経新聞はこれを「質への逃避」と言う言葉で説明している。大和証券の用語集によれば、この言葉の意味は以下だ。
 『経済に大きな影響が及ぶ事案が発生し、先行きへの不安が高まった際に、運用資産を相対的にリスクが低く、流動性の高い資産に移す動きが強まること。
 株式を売って国債や金を買う、新興国の通貨からドルや円にシフトするといった現象です。「フライ・トゥ・クオリティ」とも言います。』

 識者の意見は2分している。今回の下げが本格的な相場の調整に移行するという弱気派と、早晩安定するという強気派だ。
 筆者は強気派で、株式市場はすぐに回復に向かうと見る。これは筆者の株式投資のマネジャーとしての経験から導かれる結論だ。

 私の経験では運用を受託するファンドマネジャーは運用を委託する会社(企業年金、生保、投信委託等)との間で、運用対象を取り決めている。株式投資の場合、株式以外の資産に運用できるのは多くて10%程度だ。だから、一時的に現金や債券の持ち高を増やしても、早晩、株式に振り向けざるを得ない。
 株式の中でリスクの高いと思われる(PERが極めて高い、βが高い、ボラティリティが高い)銘柄から、その反対の銘柄に乗り換えるぐらいが、ファンドマネジャーの出来ることだ。

 資金は株式市場に滞留する。従って、早晩株式市場が復活するのは間違いない。

2024年8月3日 土曜日

世界の動き 2024年8月2日 金曜日

今日の言葉
「DIME」
 DIME (安全保障) – 国家戦略を考える際に重要となる、外交(Diplomacy)、インテリジェンス(Intelligence)、軍事(Military)、経済(Economy)の4要素を組み合わせた国家の安全保障の基本戦略だ。
 最近の我が国を見るとMだけが突出しているように見えるのが懸念される。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.ロシア、大規模な囚人交換でエヴァン・ガーシュコビッチを解放
【記事要旨】
 昨日、7カ国が関与する大規模な囚人交換により、ロシアで拘束されていたウォール・ストリート・ジャーナルの記者エヴァン・ガーシュコビッチと他の2人のアメリカ人、およびロシアの反体制派の人物数名が解放された。
 これは、ロシアと西側諸国の間で数十年ぶりに行われた最も広範囲な交換だった。
 西側諸国政府は、ベルリンでチェチェンの元戦闘員を暗殺した罪でドイツで終身刑を宣告されていたヴァディム・クラシコフを含む8人を釈放した。
 ロシアは、人権団体メモリアルの共同議長オレグ・オルロフ、独房からワシントン・ポスト紙に寄稿したコラムで今年ピューリッツァー賞を受賞したウラジミール・カラ・ムルザ、同じく投獄されていた著名な反体制派指導者イリヤ・ヤシンを含む16人の囚人を釈放した。この交換で解放されたのは、米国、ドイツ、ポーランド、スロベニア、ノルウェー、ロシア出身の24人の囚人だ。
 ロシアにとって、この取引の要はクラシコフの解放であり、これはウラジミール・プーチン大統領が長い間求めていたことだ。何故か。
「ロシアは2006年に、モスクワが過激主義やテロ行為で告発した者たちを国外で超法規的に殺害することを正式に認める法律を可決した。だから、クレムリンの目には、ロシアがテロリストとみなしたチェチェン分離主義指導者をベルリンでクラシコフが暗殺したことは正当だったのだ。さらに、クラシコフは、プーチンがキャリアの大半を過ごしたKGBの後継機関であるFSBのエージェントだったため、自分の仲間を救出するという要素もあった」とタイムズの同僚は語る。
 バイデン大統領はホワイトハウスで、ゲルシコビッチ氏や他の釈放囚人の親族に囲まれて、囚人たちが「もうすぐ家に帰れる」ことを願っていると述べた。
【コメント】
 WSJの記者が解放されたのは朗報だが、ロシアのテロリストも解放されるのは問題だ。
 多くの日本人が中国で拘束されているが、解放するには、日本も中国人でスパイ容疑の人間を拘束し、交換するのが一つの方法と知れる。

2.イランでハマス指導者を殺害した計画の内幕
【記事要旨】
 タイムズ紙の調査で、ハマスのトップ指導者であるイスマイル・ハニヤが水曜日、彼が滞在していたテヘランのゲストハウスに2か月前に密かに持ち込まれた爆発物によって暗殺されたことが判明した。爆発物は午前2時ごろ遠隔操作で起爆された。
 このゲストハウスはイスラム革命防衛隊によって運営・警備されており、ハニヤはテヘランを訪れた際に何度かここに滞在していたと中東当局は述べた。イスラエルは殺害の責任を公に認めていないが、イスラエルの情報当局は事件直後に米国および他の西側諸国政府に作戦について説明した。
 イスラエルはまた、10月7日の攻撃の主要計画者の1人と考えられているハマスの武装組織の指導者、ムハンマド・デイフを殺害したと本日主張した。イスラエル軍は、情報機関による評価に基づき、デイフ氏は7月中旬のガザ地区での空爆で死亡したと発表した。
【コメント】
 昨日のコメントを繰り返す。「歯には歯を倍返しで」はイスラエルの国是だ。

3.民主党はハリス氏を正式に指名する手続きを開始
【記事要旨】
 月曜日に終了する予定のオンラインでの点呼が昨日開始され、カマラ・ハリス副大統領が民主党の候補者として正式に選出された。ハリス氏はそれまでに副大統領候補も発表する予定だ。
 代議員らが投票の準備をする中、ハリス陣営と共和党は、ハリス氏の人種的アイデンティティに関するドナルド・トランプ氏の虚偽の主張の影響に対処した。
 ハリス氏は慎重に反撃し、トランプ氏の発言を「いつもの分裂と無礼のショー」と呼んだ。
 トランプ氏の副大統領候補であるJD・ヴァンス氏は、ハリス氏を「カナダで育った偽者」と呼んだ。
 共和党上院議員数名は、ハリス氏のアイデンティティを攻撃するトランプ氏の戦略を批判したが、攻撃の本質については批判しなかった。
【コメント】
 民主党に勢いが出て来ている。

その他の記事
9月11日:
 攻撃の首謀者だと自慢するハリド・シェイク・モハメドを含む、3人の首謀者がグアンタナモ湾で有罪を認めることに同意した。
北朝鮮:
 孤立した北朝鮮が洪水による甚大な被害を報告したことを受け、韓国は人道支援の派遣を申し出た。
パキスタン:
 過去数週間のデモは、政権発足5か月に対する不満を反映しており、国を再び政治的混乱に陥れる恐れがある。

2024年8月2日 金曜日