世界の動き 2023年5月26日 金曜日

今日の一言
「NVIDIA」
25日の米株式市場ではS&P500種株価指数が上昇。前日にエヌビディアが示した好調な売上高見通しを受け、人工知能(AI)関連を中心にハイテク銘柄が買われました。S&P500種の情報技術株指数は4%超の値上がりです。驚異的なスピードで進化するAIに対する市場の注目の高さがうかがえます。(Bloombergの記事より)

ニューヨークタイムズ記事より
1.トルコの選挙プレビュー
【記事要旨】
日曜日のレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とその挑戦者ケマル・キリクダログル氏の間での決選投票はトルコの将来をどのように形作るか世界中で注目されるだろう。
「ほとんどの人はエルドアン氏が勝つだろうという想定の下で行動している」とイスタンブール支局長のベン・ハバードは語る。
エルドアン大統領の勝利はトルコの将来にとって大局的には、ある程度の一貫性を意味する。同氏は首相として11年間、大統領として9年間、トップに君臨してきたため、事実上20年間にわたってこの国で最も権力のある政治家であり続けている。 彼が再選され、その後大きく方針を変える可能性は低い。
国内の反対派、政治的反体制派、L.G.B.T.Q.のメンバーは、民主主義の侵食が今後も続くのではないかという大きな懸念がある。
トルコは最近 80% のインフレを経験したが、選挙で誰が勝っても、やるべきリストの最上位にあるのは、経済状況をどうするかだ。
選挙の準備段階で、エルドアン大統領は多額の資金を注ぎ込んだが、いずれ誰かがそれらの請求書を支払わなければならない。
国際的には、米国でも欧州でも、エルドアンが敗北するのを望んでいた多くの指導者や政治家がいた。彼はNATOにおける米国のパートナーであり同盟国でありながら、常に頭の痛い存在であるという感覚がある。
彼はNATOのメンバーだがプーチンを頻繁に友人と呼び、両者は頻繁に会談しており、エルドアン大統領はウクライナ侵攻後の対ロシア制裁への参加を拒否し、代わりにロシアとの通商関係を拡大した。
それでも、エルドアン大統領はこの興味深い仲介者の役割を果たしてきた。 彼は敵国の大統領と定期的に会談するNATOでは珍しい人物だ。 彼はプーチン大統領とも会談し、ゼレンスキー大統領とも会談する。
西側諸国の首都の反応は喜びではなく、「よし、これまで通りなんとかやっていくつもりだ」というものになるだろう。
【コメント】
トルコとの大統領選挙は米国にとっては重大なイベントだとわかる記事だ。民主勢力が勝利し動乱が起こるよりはエルドアンによる圧政と安定が現在は望ましいかもしれない。

2.ワグナーは軍隊がバクムートを離れると言う
【記事要旨】
バフムートで勝利を宣言した数日後、ワーグナー民兵組織の創始者は、兵士たちが武器や装備の回復と修理のために撤退していると述べた。 同氏は彼らの代わりにロシアの正規兵士が就くと述べた。
この変化は、ロシアが苦労して勝ち取った地位を維持できるかどうかを示す可能性がある。 ウクライナ軍は市郊外に進軍し、より広範な反撃を開始する準備を進めている。
関連:ロシアはウクライナにソ連時代の爆弾を使用している。 これらは、ウクライナ人が迎撃に熟達したより高速な現代ミサイルよりも撃墜するのがはるかに難しいことが判明している。
【コメント】
民兵組織と正規軍の関係がわかりにくい。普通の砲弾がミサイルより対応しにくいというのは面白い話だ。

3.過剰建設に動揺する中国
【記事要旨】
江西省の省都である南昌のような都市では、長年にわたりノンストップで建設が行われ、過剰な供給が生み出されている。 空き家や空きオフィスの超高層ビルは、長年にわたる過剰建築によって不動産市場が動揺しているという全国的な問題の証拠である。
【コメント】
地方都市の多くで空きビルが林立しているという報道がある。日本のバブルは200兆円ではじけた。GDPの3分の1に近くなった時だ。今中国の不良貸出はそのレベルに近づいているだろう。

2023年5月26日 金曜日

世界の動き 2023年5月25日 木曜日

今日の言葉:
「人手不足」
 旅行業で、飲食業で、介護で、建設業で大幅な人手不足だという報道が相次いでいる。多くの報道では、日本人が「戻って来ない」ので、不足分は海外からの技能研修生、特定技能者で埋めるという説明だ。昨日は空港のオペレーターとしてフィジーから研修生が来ているという首都圏ニュースがNHKであったが、日本人がなぜ集まらないのかと言う説明はなかった。
 「消えた」人たちはどこに「移った」のだろうか。より労働環境の良い給料の高い業界や企業に移った違いない。消えたので無いとしたら、ゼロ成長すら維持できない労働力の供給不足ということになる。
 まずは労働力不足の状況を分析し、労働力不足に悩む業界は、労働条件を改善して対抗するしかあるまい。政府は、お得意の「補助金」を使うなら、原因を解消する効果的な使い方をしてほしい。

ニューヨークタイムズ記事より
1.デサンティス氏が大統領選に参戦
【記事要旨】
 ロン・デサンティスフロリダ州知事は昨日、大統領選に出馬表明のための書類を提出した。 同氏はイーロン・マスクとのツイッター上の会話で選挙運動の開始を発表する予定で、午後6時に始まる予定だ。
 共和党の選挙戦で何が争点になっているのか?タイムズの政治記者は、共和党の予備選は本質的にはドナルド・トランプに対する国民投票だとみる。 デサンティスは長い間トランピズムを求める共和党の候補者とみなされてきたが、デサンティスはトランプ氏の最も近いライバルであり、今のところ唯一の真剣なライバルだ。ただ、年初以来、共和党の世論調査ではトランプに約30ポイントの差を付けられている。
 トランプの2期目は、2021年1月6日の国会議事堂襲撃を含め、現代史のどの時点よりもアメリカの民主主義を強調することになる。トランプは現在、大統領選の結果を覆そうとしたこの暴動を「素晴らしい日」と呼んでいる。
 デサンティス氏は浮動有権者がトランプを嫌っているため、トランプ氏では敗北の危険が高いという選挙の見込を強調する作戦だ。
 デサンティス氏はフロリダ州知事として、中絶やその他の問題に関してトランプ同様の政策を執ってきた経歴を生かして出馬することになる。 そして44歳のデサンティス氏は、80歳のジョー・バイデン氏とは世代的に対照的だ。
【コメント】
 共和党内でトランプとデサンテスの支持率に大きな差がある理由がよくわからない。共和党支持ではなくトランプ支持と言う人たちがたくさんいるのだろう。デサンテスはそこをどう崩していくのだろうか。

2.中国では番組は続かない
【記事要旨】
 先週、全国各地でコンサート、スタンドアップコメディーショー、音楽公演が突然中止され、中には開演時間の数分前に中止になったものもあった。
 文化に対する弾圧は、すでに厳しい検閲が行われている中国のクリエイティブ界における監視の目が高まっていることを示している。 中国の最高指導者、習近平は、中国のアイデンティティに対する国家主義的なビジョンを促進するという共産党の目標に沿うようアーティストたちに要求している。
 北京当局は先週、スタンドアップパフォーマーの1人がジョークで軍を侮辱したとしてソーシャルメディアで告発されたことを受け、コメディスタジオに約200万ドルの罰金を科した。 ペナルティが発表されてから数時間後、他の主要都市の主催者はスタンドアップショーをキャンセルし、音楽パフォーマンスも消え始めた。 中止されたイベントの多くは外国人出演者や講演者が出演する予定だった。
 スタンドアップは、現代中国の生活についての限られた辛辣な言葉を表現する珍しい媒体として近年、国内で人気を博しており、当局者もそれに気づいた。
 米国諜報機関とマイクロソフトは2月、グアムの電気通信システムで中国のハッキンググループに関連するコンピューターコードを検出した。 グアムは台湾の侵略または封鎖に対する米軍の対応の重要な部分を占めることになるため、この発見は警戒を高めた。
【コメント】
 日本の戦前の文化統制に似たような動きに見える。自国を称賛し「夜郎自大」的な動きに中国が陥らなければ良いのだが。

3.ティナ・ターナー死去、83歳
【記事要旨】
 耳障りなボーカルと爆発的なエネルギーにより、彼女は忘れられないパフォーマーとなり、史上最も成功したレコーディング アーティストの 1 人となった。
 1984年にリリースされた彼女のソロ・アルバム「プライベート・ダンサー」は、タイトル曲「ベター・ビー・グッド・トゥ・ミー」と「ホワッツ・ラブ・ゴット・トゥ・ドゥ・ウィズ・イッ ト」が大ヒットし、1985年のグラミー賞で大賞を含む3つの賞を受賞した。このアルバムは500万枚を売り上げ、彼女の世界的地位を確立するツアーキャリアに火をつけた。
 ターナーは晩年をスイスで過ごし、そこで亡くなった。 「私はひどい人生を送っていました。私はただ進み続けました。」と2019年にタイムズに語った。
【コメント】
 波乱の多い人生だったようだ。随分以前からSGI創価学会インターナショナルの信者で「南無妙法蓮華経」のお題目を唱えて精神の安定を得ていたそうだ。ご冥福を祈りたい。

その他:
ドローン攻撃はウクライナ?
 U.S. officials said that a Ukrainian unit likely orchestrated the drone attack on the Kremlin earlier this month.
中露は関係強化
 China’s top leader, Xi Jinping, vowed that Chinese-Russian cooperation would reach a “higher level” during talks with Russia’s prime minister in Beijing.
朗報?
 A paralyzed man was able to walk again with the help of brain and spine implants, researchers in Switzerland reported.

2023年5月25日 木曜日

世界の動き 2023年5月24日 水曜日

今日の言葉:
「インターネット」
今朝はネットが起動せず焦った。万一ネットにつながらない事態が起きたらどういう対応策があるのだろうか。生活もビジネスも成りたたない。
企業のBCP(事業継続計画)でも一般的にはそこまで考えていないが、対策を講じなくて良いのか心配になる。杞憂だろうか。

ニューヨークタイムズ記事より
1.ロシア、国境地域への侵攻と戦う
【記事要旨】
親ウクライナ戦闘員グループがウクライナ国境近くのロシア南部のベルゴロド地域でさらなる攻撃を行い戦闘が2日目になった。 防衛工場で爆発があり、交差点で小競り合いが起きたと伝えられている。
ウクライナのために武器をとったロシア人のグループである自由ロシア軍団が、この侵攻に対する犯行声明を出した。 グループのメンバーは、ウクライナ軍は攻撃を認識していたが、指示はしなかったと語った。
ロシア国防省は昨日、すべての親ウクライナ過激派を国境を越えて追い返したと発表したが、親ウクライナ戦闘員を代表する人々は、攻撃は継続中であると主張した。
地元当局者によると、国境を越えた暴行は月曜日に始まり、ロシアのベルゴロド州知事は、昨日の朝この地域が15回の砲撃を受け民間人1名が死亡したと述べた。
クレムリン当局者は今回の攻撃を「ウクライナ過激派」のせいだと非難する一方、ウクライナ国防副大臣は襲撃犯らをプーチン大統領政府に反乱を起こした「ロシアの愛国者」だと述べた。
【コメント】
劇的な展開だ。このようなロシア国内の反政府勢力を支援するのが戦争の終結にはもっとも効果的かもしれない。彼らが使用している兵器はウクライナから(間接的には西側諸国から)提供されているので、プーチンは激怒し、西側のナチズムを批判するだろう。

2.オーストラリアはリチウム問題で中国と決別図る
【記事要旨】
オーストラリアは、携帯電話や電気自動車に電力を供給する電池の主要成分であるリチウムの約53パーセントを採掘し、ほぼすべてが中国に売られている。
オーストラリア政府と企業は、原料加工における世界の中国への依存を打破したいと考えているが、困難な課題に直面している。
中国は長年の経験と数百のリチウム精製工場を持ち、精製で大きくリードしている。 オーストラリアの職場基準の厳格化により、オーストラリアで精製することは価格面で難しくなるだろう。
オーストラリア最大の独立系リチウム鉱山会社であるピルバラ・ミネラルズは、オーストラリアのハイテク企業であるカリックスと協力して精製所プロジェクトに取り組んでおり、年末までに実証プラントの建設について最終決定を下す予定だ。
昨年の政府報告書では、2027 年までに世界のリチウム精製の 20% がオーストラリアで行われる可能性があると予測し、当局はさらに高い目標を設定している。
【コメント】
リチウム電池のサイクルで、採掘はオーストラリアが、精製は中国がという分業が行われていたとは知らなかった。だとすれば、西側の経済安保面では、オーストラリアが精製を行うのが理に適うので、環境面や価格面でも協力を図るべきだ。

3.ソーシャルメディアに関する米国の警告
【記事要旨】
米国公衆衛生長官は昨日、政策立案者、テクノロジー企業、保護者に対し、ソーシャルメディアが精神的健康や福祉にもたらす危険から子供や青少年を守るよう呼びかける公的勧告を発表した。
リスクはまだ完全には理解されていないが、ソーシャルメディアには自傷行為やその他の破壊的な行動を「常態化」させる潜在的な「有害なコンテンツ」が溢れていると報告書は指摘している。 ネットいじめが横行し、ソーシャルメディアの利用の増加は、脳の発達に不可欠と考えられる運動、睡眠、その他の活動の減少と一致している。
【コメント】
大いに同感する記事だ。今電車に乗るとほとんどの人が携帯電話とにらめっこしている。まるで「SMS原理教」の敬虔な教徒のようだ。

その他:
豪での民族問題
Australia is wrestling with the exit of Stan Grant, an Indigenous journalist who stepped away from his position as a TV host after enduring racist abuse.
インドでのチータ保護
India’s top court asked the government to find a new place for resettled cheetahs after three animals died in a wildlife sanctuary.
デサンティス立候補へ
Gov. Ron DeSantis is planning to kick off his presidential bid today in a live Twitter conversation with Elon Musk.

2023年5月24日 水曜日

世界の動き 2023年5月23日 火曜日

今日の言葉:
「日経平均8日続伸」
 バブル崩壊後30年振りの31000円を超える水準まで日経平均が回復した。ダウ平均が33000ドルほどだから、やっと追いついてきたということだ。
 これを機に日銀は積みあがったETFの売却を進めるべきだ。株価の過熱を避け利益を実現する数少ないチャンスだ。

ニューヨークタイムズ記事より
1.バフムトが廃墟となる中、ウクライナは焦点を移す
【記事要旨】
 ウクライナ当局者は本日、ロシア軍が市内に残っているウクライナ兵の「掃討」作戦に従事していると述べ、ロシアの支配を認めた。
 ウクライナはロシア軍によるバフムト市制圧を阻止する数ブロックを巡る激しい戦闘を重視してきたが、現在、バフムトの擁護からロシア側の保持を困難にすることに焦点が変わってきているようだ。
 バフムト自体は破壊され、岩塩鉱山とスパークリングワインで知られる平和だった街が灰燼と化している。
 バフムートの戦いは、戦争の中で最も長く、最も血なまぐさい戦いだった。戦争で重視されるまで無名だった、ゲティスバーグ、硫黄島、ファルージャとその名が並んだ。
【コメント】
 ゼレンスキーの演説の如く、バフムトの街は原爆投下後の広島を思わせる廃墟が並んでいる。
 冷静に考えよう。あの街を破壊尽くす戦いに人命をこれだけ費消するのをウクライナの国民もロシアの国民も望んでいるはずがない。
 両国の首脳には一刻も早い停戦を望みたい。

2.中国、米国製チップの一部販売を禁止
【記事要旨】
 中国政府は、重要情報を扱う中国企業に対し、電話やコンピューター、その他の電子機器に使用される米国マイクロン・テクノロジー製のマイクロチップの購入を禁止した。
 中国サイバースペース局は声明で、マイクロン製品は国家安全保障を脅かす可能性のある「比較的深刻なサイバーセキュリティ問題」を引き起こしていると述べた。
 日曜日に行われたこの動きは、米国と中国の間で進行中のテクノロジー戦争における最新の動きで、米国政府の、中国によるハイエンドチップへのアクセスを遮断しようとする動きに対する、中国の報復だとみなされる。
 この禁止により、中国のチップメーカーが埋めることができるスペースが市場に生まれる。米国の同盟国の企業が介入しマイクロンが失う可能性のあるビジネスを獲得できれば、米国と同盟国との間のくさびになる可能性がある。
【コメント】
 マイクロンのチップを代替できる中国製品があるのだろうか。もしそうならこういう動きは今後頻発するだろう。攻撃には攻撃で対抗する中国の正しい戦略だ。

3.メキシコの最高権力者がスパイウェアの標的に
【記事要旨】
 政府人権次官アレハンドロ・エンシナスは、軍による人権侵害を調査している際に、最も悪名高いスパイウェアであるペガサスの標的になった。
 誰がエンシナスの携帯電話をハッキングしたのか証拠はないが、関係者によると、メキシコでスパイウェアにアクセスできるのは軍だけだという。
 これまで報告されていなかったエンシナスへのスパイウェア攻撃は、アンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール大統領の、「違法スパイ行為を終わらせる」という公約を損なった。
 メキシコは長い間、スパイスキャンダルによって動揺してきたが、政権の上級メンバーがペガサスによって監視されたことが確認されたのは初めてだ。
【コメント】
 メキシコでの軍の政治関与は同程度あるのだろうか。軍が仕掛けたと見るのが自然だが、軍を弱体化できるのか、政争が大きくなり軍が影響力を増すのか注視したい。

その他:
中国の若者の失業率
 China’s youth unemployment reached a record high: The government reported that one in five young people were looking for a job last month.
米国は南太平洋支援を強化
 The U.S. signed a new defense pact with Papua New Guinea as it vies with China for influence in the Pacific, CNN reports.
コロラド河が干上がる
 The drought-strained Colorado River in the American West supplies drinking water to 40 million people. A breakthrough deal will keep it from going dry, for now.

2023年5月23日 火曜日

世界の動き 2023年5月22日 月曜日

今日の言葉
「F16」
 ウクライナが西側諸国に提供を求めている主力戦闘機だ。当然日本の航空自衛隊は採用していると思ったら、していない。
 日本の主力戦闘機はF15。200機保有している。F15はトップガンでトム・クルーズが乗っていたF14(海軍用)とほぼ同型の空軍機で、F18と同一のエンジンを2つ積み乗員が2名の重戦闘機だ。
 F18を日本が独自に改良したF2もある。91機保有。
 最新型のF35の保有が漸増し、27機を保有している。
 いずれにしてもF16を日本は保有していない。

ニューヨークタイムズ記事より
1.G7はウクライナ支持で終了
【記事要旨】
 G7サミットは昨日閉幕し、世界の主要経済国の首脳はゼレンスキー大統領を賓客として歓迎し、ウクライナへの支持を再確認した。
 バムフトを巡る戦いではロシアは勝利を主張し、モスクワは「任務完了」の瞬間を吹聴しているが、ウクライナは市郊外から主導権を握るチャンスを窺っている。
 ロシアによるバフムト占領は、ロシアがドンバス地域東部を征服するというより大きな目標に向けて必ずしも役立つとは限らない。ロシアがバフムトを守るために増援を送り続ければ、より広範な反撃を阻止する能力が損なわれる可能性がある。
 ゼレンスキーはバフムットは破壊しつくされ、サミットが開催された1945年の広島の惨状の映像にウクライナの痛みを重ねた。

G7 からのその他のアップデート:
 F-16:バイデン大統領は方針を転換し、ウクライナ人が米国製ジェット機で訓練を受けることに同意した。 同氏は同盟国に対し、他国によるウクライナへの戦闘機移送を承認する用意があると語った。
 中国:G7諸国は、中国政府からの「デカップリングではなく、リスク軽減」に焦点を当てるべきだと述べた。
 日本:駐東京米国大使のラーム・エマニュエルが同性愛者の権利を主張しすぎていると批判している。
【コメント】
 久しぶりに世界的に注目されたG7になった。欧米のメディアでもG7首脳の原爆資料館訪問を大きく報道している。
 主役はゼレンスキー大統領になったがG7首脳に加えい中立的なインドやブラジルの首脳とも会談し彼にとっても成果のある参加になった。
 グローバルサウスへの対応はG7各国で統一的に行っていくべきだろう。AIの規制については何か合意があったのだろうか。
 岸田首相の支持率は急上昇し「解散総選挙」への動きが加速すると見る。

2.タイで政治闘争が迫る
【記事要旨】
 ピタ・リムジャロンラット氏は先週の選挙で「前進党」を重大な勝利に導き、タイの政界を驚かせた。 軍部が阻止しない限り、彼は次期首相になる準備ができているようだ。
 ピタ氏が軍部が任命した上院を破るには、定数500の下院から376票が必要となるが、彼は 314票しか持っていない。
 複数の上院議員は、現状を脅かすピタ氏のような候補者は支持しないと述べており、現在、タイ国民は自分たちが選択した人が首相になるのか、それとも阻止されるのかを待っているが、その結果は国を政治的混乱に陥らせる可能性がある。
 ピタ氏の政策:彼はタイ政治に対する軍の支配を解き放ち、王政批判を犯罪とする法律を改正すると約束した。 9年間の軍事政権を経て、民主主義への復帰を求めている。 外交政策においても強力な姿勢をとりたいと考えている。
【コメント】
 上院は一枚岩なのだろうか。少数がピタ氏を支持すれば首相になれる。選挙で選ばれた首相に政権を委ねたいというタイ国民の希求は理解できるし実現するとよいと思う。 

3.米国国境にいるアフガニスタン人
【記事要旨】
 数千人のアフガニスタン人にとって、カブールからの米国撤退は安全を求める長い探求の始まりに過ぎなかった。 多くの人が南米に逃げ、米国に押し寄せる人波に加わりこの国に入ろうとした。
 中には何年も西側諸国と提携してきた者もいた。 彼らは弁護士、人権活動家、またはアフガニスタン政府の関係者だった。彼らのほぼ全員が米国への旅行中に強盗や恐喝に遭い、誘拐されたり投獄されたりする人もいる。
 「私はアメリカ人たちを助けました」と元アフガニスタン空軍情報将校はテキサス州の拘置所から、涙ながらに語った。 「なぜ彼らが私を助けてくれないのか理解できません。」
 パナマのデータによると、2022年の初め以来、約3,600人のアフガニスタン人が南北アメリカをつなぐ危険なダリエン溝を越えた。
【コメント】
 サイゴンの陥落時のベトナムの混乱とボートピープルの発生と同じような悲劇だ。日本にはアフガニスタンからの難民はどのくらいいるのだろうか。
 入国管理法の改正が問題になっているが、事実関係の報道が殆どないので一般国民には状況が理解できない。

その他:
スーダンでの停戦
 Warring groups in Sudan agreed to a seven-day cease-fire to begin today, the first truce to be signed by both sides.
ギリシャの総選挙
 Greece’s governing party leads in the election. But initial results show that it does not have a majority, setting the stage for another vote within weeks.
米国の債務上限交渉
 Kevin McCarthy sounded more sanguine yesterday than before about the prospects for a deal.
President Biden and Speaker Kevin McCarthy are planning to meet today to try to avert a looming debt default.

2023年5月22日 月曜日