2026年2月23日から3月6日の市場動向 備忘録

【米国株式市場】
市場全体の流れ(2/23〜3/6)
この期間の米国株は、地政学リスク(米国・イラン情勢の急激な悪化と戦争の開始)と原油高騰、インフレ懸念の再燃により、全体として下落基調。特に 3月6日 にかけて原油価格が急騰し、株式市場は大きく売られました。

🗓 主要イベントと株価の動き(時系列)
■ 2月20日(前週末基準日)
– Dow:49,395.16
– NASDAQ:22,682.73
– S&P500:6,861.89

■ 2月23日週(2/23〜2/28)
2月20日時点で既に
– 米国・イランの緊張
– 民間クレジット市場の不安
が市場を押し下げていた。

■ 2月28日:米国・イスラエルのイラン攻撃
●攻撃の内容
– 米国とイスラエルがイランを攻撃し、最高指導者アリ・ハメネイ師が死亡。
– 中東全域が緊張状態に入り、イランはイスラエルへミサイルを発射して報復。
– ホルムズ海峡のタンカー輸送が停止・混乱
→ 一部の石油メジャーやトレーディング会社が原油・燃料の出荷を停止。
●市場の反応(直後〜週明けの見通し)
原油市場:急騰
アナリストの共通見解は「原油価格は週明けに大幅上昇」。
– 供給リスクが極端に高まった
– ホルムズ海峡は世界の原油輸送の約20%を占める要衝
– 8〜10百万バレル/日の供給が実質的に失われる可能性
– OPEC+の余力はほぼゼロ(サウジ以外は増産余地なし)
→ 供給ショックに対する緩衝材がない
株式市場:リスクオフ(下落圧力)
2月28日は土曜日のため、株式市場は休場だがアナリストは以下の反応を予測:
– エネルギー価格急騰 → インフレ再燃懸念 → 金利低下期待の後退
– 地政学リスクの急上昇 → 株式は週明けに売られやすい
– 特に影響を受けるセクター
– 航空、物流、消費関連(燃料コスト上昇)
– 金融(リスクオフで利回り低下)
– 相対的に強い可能性
– エネルギー株(原油高)
– 防衛関連

■3月2日〜3月5日
この期間は、
– 原油価格の上昇
– 中東情勢の悪化
– インフレ懸念
が強まり、株式市場は徐々にリスクオフへ。
■ 3月6日(Close)
地政学リスクがピークに達し、株式市場は大幅安。
– Dow:47,954.74(Nasdaq記事) 2週間でー3%
– NASDAQ:22,748.99(Nasdaq記事)同 +0.3%
– S&P500:6,830.71(Nasdaq記事) 同 ー0.5%

【日本株市場】
日本株:2月23日〜3月6日の全体像
この期間の日本株は、米国・イスラエルによるイラン攻撃(2月28日)を中心とした中東情勢の急激な悪化により、3月前半にかけて大きく乱高下しました。特に 3月4日・3月3日 にかけては、TOPIX・日経平均ともに急落しています。

🗓 日別の動き(TOPIXデータより)
■ 2月23日〜2月27日:堅調 → 最高値更新
– 2/24:3,815.98(+0.20%)
– 2/25:3,843.16(+0.71%)
– 2/26:3,880.34(+0.97%)
– 2/27:3,938.68(年初来高値)
→ 米国株の強さと円安を背景に、日本株は連日上昇。
■ 2月28日:中東情勢の急悪化(米国・イスラエルがイラン攻撃)
– 日本市場は休場(週末)
– しかし、週明けに向けて「原油急騰・地政学リスク増大」の警戒感が急速に高まる。
■ 3月2日〜3月6日:急落 → 反発
– 3/2:3,898.42(-1.02%)
→ 中東リスクでエネルギー価格上昇、世界株安の流れに追随。
– 3/3:3,772.17(-3.24%)
→ 原油急騰・米国株急落を受け、日本株も大幅安。
– 3/4:3,633.67(-3.67%)
→ 2日連続の大幅下落。リスクオフがピーク。
– 3/5:3,702.67(+1.90%)
→ 過度な悲観後の自律反発。
– 3/6:3,716.93(+0.39%)
→ 小幅続伸。    2週間ではー2.4%

■セクター分析
ポジティブなセクター
エネルギー(石油・石炭製品)
– 原油供給不安 → 原油価格急騰
– 日本の石油元売り(ENEOS、出光興産など)は原油価格上昇局面で利益改善が期待されやすい
– 世界的にエネルギー株が買われる流れに連動
ネガティブなセクター
航空・陸運
– 燃料費上昇 → 収益悪化懸念
– リスクオフで旅行関連も売られやすい
製造業(自動車・機械)
– 世界株安の影響
– 円高リスク(地政学ショック時に円が買われやすい)
金融
– 世界的な株安 → リスクオフ
– 金利低下観測の後退で銀行株も弱含み
小売・消費関連
– 原油高 → コスト増
– 景気後退懸念

【金利・為替市場】
日本の10年国債利回り
– 2月下旬:やや上昇(2.10% → 2.15%)
→ インフレ懸念と世界金利上昇の影響
– 3月初旬:一時低下(2.06%)→ 再上昇(2.14%)
→ 地政学ショックで安全資産買い → その後原油高でインフレ懸念が再燃
日本の金利は全体として小幅上昇(約+0.03%)だが、日銀の政策枠組みのため、米国ほど大きく動かず。

米国10年債
– 日本10年金利:3/3 時点で 2.14%
– スプレッド:3/5 時点で 1.97%
→ 米10年金利は 約 4.1% 前後。
米金利の特徴(市場コンセンサス)
– 原油急騰 → インフレ懸念 → 金利上昇圧力
– 地政学ショック → 一時的な安全資産買い → 金利低下
– 結果として、上下に振れながらも全体としてはやや上昇

ドル円為替
有事の円高の経験則は当たらず、2月20日の155.045から3月6日の157.765まで徐々に円安が進行。地政学リスクと中東へのエネルギ0-依存度の高い日本の通貨が買われる可能性は低い。

【PE市場プライベートクレジット市場】
2026年に入ってからのMBOのまとめ
2026年に入ってからの MBO 発表・成立件数
– 発表ベース:7件
– 久光製薬
– 三光産業
– MCJ
– ワットマン
– INFORICH
– ほか(Fast Fitness Japan・太平洋工業は前年からの継続案件)
– 成立ベース:4件以上
– 久光製薬
– マンダム
– Fast Fitness Japan
– 太平洋工業

プライベートクレジット市場の暗雲
1. BlackRock がプライベートクレジットの貸付を「ゼロ」に評価
■ 事例①:Infinite Commerce Holdings(Amazon アグリゲーター)
– BlackRock のプライベートクレジット部門(TCP Capital Corp)が
約2,500万ドルの貸付を「100 → 0」へ一気に評価減。
– わずか 3か月前は100セント(満額)評価だったものが、突然の全損扱い。
– 同社は Amazon の店舗買収ビジネス(アグリゲーター)で、
業界全体が急速に悪化していた。
■ 事例②:Renovo Home Partners(住宅リフォーム)
– BlackRock TCP は Renovo Home Partners の貸付も全額ゼロ評価。
– 同社は破綻(Chapter 7)により、価値が完全に毀損。
■ 事例③:Razor Group(Infinite の親会社)
– 約80%の価値毀損(ゼロではないが大幅減)
→ 事業悪化と金利上昇の影響。

1. BlackRock がプライベートクレジットの貸付を「ゼロ」に評価
■ 事例①:Infinite Commerce Holdings(Amazon アグリゲーター)
– BlackRock のプライベートクレジット部門(TCP Capital Corp)が
約2,500万ドルの貸付を「100 → 0」へ一気に評価減。
– わずか 3か月前は100セント(満額)評価だったものが、突然の全損扱い。
– 同社は Amazon の店舗買収ビジネス(アグリゲーター)で、
業界全体が急速に悪化していた。
■ 事例②:Renovo Home Partners(住宅リフォーム)
– BlackRock TCP は Renovo Home Partners の貸付も全額ゼロ評価。
– 同社は破綻(Chapter 7)により、価値が完全に毀損。
■ 事例③:Razor Group(Infinite の親会社)
– 約80%の価値毀損(ゼロではないが大幅減)
→ 事業悪化と金利上昇の影響。

2. 他の大手ファンドでも「ゼロ評価」「償却」「償還停止」が発生
■ Victory Park Capital
– Infinite Commerce への貸付を 完全償却(ゼロ評価)。
■ Blue Owl(大手プライベートクレジット)
– 償還停止(redemption halt) を実施。
→ 流動性不安が顕在化。
■ Blackstone(世界最大級)
– BCRED(Blackstone Private Credit Fund)で過去最大の償還請求
→ 投資家が資金引き上げを急ぐ動き。

3. なぜ「ゼロ評価」が相次いでいるのか?(構造的要因)
■ (1) 金利高止まり → 浮動金利ローンの返済負担が急増
– 多くのプライベートクレジットは 変動金利
– 2021年以前の案件(低金利前提)ほど返済不能に陥りやすい
→ BlackRock TCP の評価減の 91%が2021年以前の案件
■ (2) ソフトウェア・EC企業への過剰エクスポージャー
– Amazon アグリゲーター(Infinite、Razor、SellerX など)が総崩れ
– AI の進展でソフトウェア企業のビジネスモデルが揺らぐ
■ (3) プライベートクレジット市場の「評価の遅れ」
– 非公開市場のため、悪化が一気に表面化する
– 「安定して見えるが、突然ゼロになる」構造的リスク

2026年3月7日 土曜日
AM12:10 曇り 15℃ 暖かいが花粉がひどいです