世界の動き 2024年11月19日 火曜日

今日の一言
「雪虫」
先週月曜(11月11日)の朝、那須で雪虫が舞うのを見た。一週間後の降雪を告げる冬の使者だ。
東京に帰ると、その後は20度を上回る日が続き、冬は何処だという状況だった。
ところが今日からは冷え込みが見込まれ、那須も初雪の予想だ。温暖化とは言え、季節の輪廻は続いて行くのだなと思う。
正しかった雪虫さんへ。「雪虫のゆらゆら肩を越えにけり」 臼田亞浪

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.バイデン長距離ミサイルの使用を許可
【記事要旨】
ゼレンスキー大統領は、バイデン大統領が長距離ミサイルの使用を許可したことを受け、アメリカから供給された長距離ミサイルを使用してロシア国内での攻撃を開始することを示唆した。
アメリカの当局者によると、これらのミサイル(ATACMS)は、ロシア西部のクルスク地域でロシアおよび北朝鮮の部隊に対して使用される可能性が高いとされている。バイデンの決定は短期的にはウクライナ軍を支援するかもしれないが、戦争の進展には大きな影響を与えないと見られている。
ロシア政府は、バイデン政権の決定をNATOとの直接対決への大きな一歩と見なしている。
バイデンは数か月にわたるウクライナからの要請を受けて長距離ミサイルの使用を許可したが、1月にホワイトハウスに戻るトランプ次期大統領の影響が懸念される。バイデン政権のウクライナへのアプローチがどれだけ維持されるかは不明だ。
国際舞台から降りるバイデンはブラジルでのG20サミットの開始時に、ウクライナを支援するよう世界のリーダーたちに呼びかけた。
【コメント】
無制限にウクライナ国内をミサイル攻撃するロシアに対し、ウクライナが長距離ミサイルで攻撃するのは当然の手段だ。北朝鮮軍の動きは気になるが報道は少ない。

2.不法移民に軍を使用
【記事要旨】
次期大統領ドナルド・トランプ氏は、国家非常事態を宣言し、米軍を使用して不法移民の大量追放を計画していることを確認した。トランプ氏はソーシャルメディアでこの計画について言及し、彼のトップ移民顧問であるスティーブン・ミラー氏は、軍事資金を使用して移民のための「広大な収容施設」を建設する計画を説明した。
その他のトランプ氏に関するニュース:
・トランプ氏は今週、財務長官候補者をマール・ア・ラーゴで面接する予定。
・国防長官に指名されたピート・ヘグセス氏に対する性的暴行の疑惑が浮上後も、トランプ氏は彼を支持すると述べた。
・オーストラリア大使のキャロライン・ケネディ氏は、ロバート・F・ケネディ・JR氏のワクチンに関する見解を批判した。
・トランプ氏は、連邦通信委員会の委員長にブレンダン・カー氏を選んだ。カー氏はビッグテックに対する取り締まりとテレビネットワークの政治的偏向に対する罰則を約束している。
【コメント】
人選が進むにつれてトランプ色がますます出てくる。全体像がわかるのを待ちたい。

3.支援物資、略奪される
【記事要旨】
週末、パレスチナを支援する国連機関UNRWAは、ガザ地区での大型援助トラックの車列が「暴力的に略奪された」と発表した。ドライバーは銃を突きつけられて物資を降ろされ、車列の109台のうちほぼ100台が失われました。この事件は、南部および中央ガザへの援助搬入の難しさを浮き彫りにした。
今月初め、国連支持の委員会は、ガザ全体が今から4月までの間に飢饉のリスクに直面していると発表しており、特に北部が危険だとされている。
一方、ベイルートでは、数週間ぶりとなるイスラエルの攻撃が行われ、イスラエルとヒズボラの戦闘のさらなる激化に直面しています。
【コメント】
ガザのニュースはとても現実味を感じない。このような報道に麻痺しているからだ。いまでも死傷する多くの住民がいるのだ。安穏に暮らしている自分は何と幸福なことだろうか。

その他の記事:
インド:
ニューデリーの当局は学校を閉鎖し、人々に屋内にとどまるよう促した。有毒なスモッグにより当局は医療上の緊急事態を宣言した。
気候:
国連の気候変動会議で、サウジアラビアは化石燃料からの移行の誓約を更新する合意を阻止しようとした。
メディア:
AP通信は、収益減少の結果、スタッフを8%削減する。

2024年11月19日 火曜日

世界の動き 2024年11月18日 月曜日

今日の一言
「斉藤元彦知事再選」
 トランプの再選と同様、プロレスの試合と考えるとわかりやすい。観衆が増えた(投票率が前回の選挙比15% 増加)盛り上がった会場では、観衆の過半数はヒール(悪役)を応援する。
 パワハラ、おねだりをさんざん報道され、県議会の全員による解任決議を受け、内部通報を無視して告発者を自死に追い込んだとされた斉藤氏はまさにうってつけのヒールだ。
 7人がリングに上がったが、彼らの主張には観衆は興味はない。ヒールの勝利で、日ごろのうっぷんを解消するのだ。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.バイデン、長距離ミサイルの使用を許可
【記事要旨】
 バイデン大統領は、ウクライナがアメリカから供給された長距離ミサイル(ATACMS)をロシア国内で使用することを初めて許可した。ロシアが北朝鮮の兵士を戦闘に投入することに応じたものであり、これらのミサイルは、ウクライナ軍が西ロシアのクルスク地域を防衛するために使用される予定だ。
 ロシア軍は、北朝鮮の兵士を含む約5万人の兵力で、ウクライナ軍の陣地に対する大規模な攻撃を計画している。クレムリンの目標は、8月のウクライナの侵攻で奪われた領土をすべて奪還することだ。
 ウクライナは、将来的な交渉でロシアが保持するウクライナ領土と交換するために、クルスク地域で保持するロシア領土を利用することを望んでいる。
 この決定はアメリカの政策における大きな変化を示している。2か月後に次期大統領に就任するドナルド・トランプ氏は、ウクライナへの支援をさらに制限することを公約している。
【コメント】
 寒い冬はすぐそこに来ている。ロシアからのミサイル攻撃に常時さらされているウクライナにとっては、当然の反撃行為ということになるだろうが、更なる戦闘のエスカレートは避けられない。

2.トランプ、ワシントンを揺るがす
【記事要旨】
 トランプ氏は、コロラド州のガス会社の経営者クリス・ライト氏をエネルギー長官に指名すると発表した。ライト氏は政府経験がなく、化石燃料を支持し、気候科学を軽視する発言をしてきた。
 トランプ氏は、忠実な支持者たちが上院の承認を得られるかどうかにあまり関心を示していないが、彼の支持者たちは、ワシントンを揺るがすという彼の約束を果たしていることに満足している。
 トランプ氏は。国の首都に巨大な手榴弾を投げ込み、誰が逃げ出し、誰がそれに飛び込むかを見て楽しんでいる。トランプは「本当の力」とは恐怖を生み出す能力であると述べており、それを達成しているようだ。
 その他のトランプ氏に関するニュース
・トランプ氏はマディソン・スクエア・ガーデンでのUFCイベントで数万人の人々から温かい歓迎を受けました。
・国防長官に指名されたピート・ヘグセス氏は、性的暴行を訴えた女性に和解金を支払ったことが報じられています。
・裕福なトランプ支持者たちは、ビジネスに優しい環境とバイデン時代の規制当局の解雇を期待している
・カマラ・ハリス副大統領は15週間の大統領選挙キャンペーンで15億ドルを費やした。
【コメント】
 これらの異色の候補者は上院で無事承認されるのだろうか。共和党が過半数を占めているとはいえ、賛成しない良識のある議員も現れるはずだ。

3.神韻芸術団、調査を受ける
【記事要旨】
 ニューヨーク州労働局は、世界的なダンスグループである神韻芸術団(Shen Yun Performing Arts)に対する調査を開始した。調査の詳細は明らかにされていないが、児童労働法の執行もその一環だ。この調査は、元神韻芸術団のパフォーマーが過酷なツアースケジュールを強いられ、虐待的な条件下で訓練されていたと語ったことを受けて始まった。
 神韻芸術団はニューヨーク市北西の400エーカーの警備されたキャンパスから運営されており、法輪功宗教運動によって運営されている。未成年のパフォーマーにはほとんどまたは全く報酬が支払われず、長年にわたりこのような運営が行われてきた。
【コメント】
 最近インターネットを立ち上げるたびに神韻の広告がでる。この記事を読むまで法輪功が関係する組織とは知らなかった。中国共産党の宣伝機関かと思っていたのだが、その逆だったのか。

中東情勢
・イスラエル軍の空爆が2波にわたってベイルート中心部を襲った。ヒズボラが支配するベイルート郊外の地域を攻撃している。
・イスラエルの空爆はガザ中心部と北部の町を襲い、地元の救助・救急サービスによると、30人以上が死亡した。
・トランプ大統領の中東政策はまだ明確ではないが、前回の大統領就任以来、交渉のチャンスは縮まっている。

その他のトップニュース
外交:
 バイデン大統領と中国の習近平国家主席は土曜日、おそらく最後となる会談を行い、両者ともトランプ大統領に向けたメッセージを送った。
北朝鮮:
 平壌は韓国との国境で不気味な音を響かせており、村人たちはそれが自分たちの生活を地獄にしていると話している。
米国:
 タイムズ紙の調査で、オンデマンド経済は長年、移民労働者を搾取する人材派遣会社によって支えられてきたことが判明した。

2024年11月18日 月曜日

タックスヘイブン化するアメリカ

 20年程前に、ケイマンに出張で行ったことがある。日本で投資活動を行うファンドの設置場所をケイマンにしたからだ。ファンドの活動に課税されない無税国であることがケイマン籍にした大きな理由だった。出張時に、現地の人に、国の財政はどうしているのかと聞いたら、ファンドに関する手数料収入と、輸入品に対する関税が国の主たる財源と聞いた。 

 トランプ次期大統領の高関税政策が論議を呼んでいる。中国には60%、その他の国には10-20%の関税をかけようというアイデアだ。

 以下の数字はすべてCopilotが提供してくれたものに依存している。

 米国の中国からの輸入総額 $448.02 billion
 60%の関税をかけると     268.81 billion

  米国の他の国からの輸入総額 $3.38 trillion
  15%の関税をかけると     507 billion

  トランプ関税による収入総額は 775.81 billion

 2023年の米国の連邦税収入総額は   1.2 trillion

そうすると、トランプの高関税策は、連邦レベルの税収の
実に64.7%を賄うことになる。

 トランプは、法人税の減税と所得税の減税も公約にしており、もしそれらの減税と、関税の引き上げが実現すると、米国の税収構造は、あたかもカリブ海のタックスヘイブン諸国と同じようになる。

 世界の警察官としての軍事予算を削減し、ワクチンをはじめとする医療費を減らし、医療保険への政府の関与を減らし、連保政府の支出を20%削減する。国家の役割を対外的にも対内的にも極力抑えようとトランプ政権はしている。

 これらも相まって、トランプの作り上げる米国は、全くタックスヘイブンそのものに見えることになる。

2024年11月17日 日曜日

米民主党はRoad Killされた

 今日は米国の友人からのメールを紹介したい。彼は民主党の熱烈な支持者ではないが、トランプが大統領になればファシズムが始まることを真剣に憂慮していた。このメールは、大きな失望に終わった選挙結果をRoad Killに例えて分析している。

 『アメリカの田舎では、夜間に可愛い狸など、動物が道路を横断しようとして、突然近づいてくる車のヘッドライトに照らされて目が見えなくなることが珍しくありません。反応が間に合わず、動物がついペッタンコになってしまうのです。見て悲しいことです。この現象をロードキルと呼びます。
 カマラ・ハリスは 11 月 5 日、ドナルド・トランプのヘッドライトを巧みに回避できませんでした。彼女の得票数は、2020 年の選挙にバイデンが得た票より 1500 万票も少なく、バイ
デンの得票数を上回った郡は一つもなかったのでした。
 7 つの激戦州全てでトランプに敗れ、中西部の所謂 「青い壁 」も、トランプの猛威の前に崩れ去りました。
 選挙結果地図を見ると、アメリカの大部分は赤に染まり、接
戦ですらなかったのです。大統領職だけでなく、議会も共和
党に奪われてしまいました。彼女は文字通りロードキルの如く潰されたわけです。目撃して悲しかったです。』

 私の友人の民主党の敗因の分析はこの後数ページにわたって続くが、今後どのように勢力を挽回するかについての建設的な議論は、残念ながら、無い。

 今はトランプ劇場が万座の注目を集めているが、第一期のトランプ政権の教訓は、トランプはとんでもない過ちを犯す恐れがあるということだ。今はトランプに尻尾を振っている人たちも離反する可能性は大だ。そうした際には、堅固な民主主義を守る勢力としての民主党に再度注目が集まる状況を期待したいものだ。

2024年11月16日 土曜日

世界の動き 2024年11月15日 金曜日

今日の一言
「関税」
トランプの高関税政策が注目されている。
世界のタックスヘイブン、たとえばケイマン諸島では、所得税も諸費税もない。国は何を国策実施の原資にしているかと言うと関税だ。
国内で殆ど消費財の生産が出来ないケイマンではすべてを輸入に頼っているので、物価は高い。関税を含むからだ。
こうした関税に頼る経済運営は、ケイマンのような小国だけ可能と思っていたが、米国では法人税と所得税を下げ、関税を上げ、政府支出を極小化し、タックスヘイブンのような経済を目指しているように見える。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.トランプ人事、共和党も驚かす
【記事要旨】
共和党議員たちは、次期大統領ドナルド・トランプ氏の政権の重要な役職に対する指名に驚きと失望を示した。特に、司法省のトップにマット・ゲーツ氏を指名したことに対しては懐疑的な反応があった。ゲーツ氏は性的不正行為などの倫理調査の対象となっている元下院議員であり、一部の共和党議員からは「まともな候補者ではない」と評されている。
トランプ氏は経験豊富な候補者ではなく、声高な支持者を選ぶことでワシントンの規範を打ち破ろうとしている。彼の指名は、上院共和党に対する最初の力の誇示でもあり、彼らは指名を承認するために大きな圧力を受けることになります。
また、トランプ氏は国防長官にフォックスニュースのホストであるピート・ヘグセス氏を、国家情報長官に元民主党議員のトゥルシー・ギャバード氏を指名しました。これらの指名も注目を集めています。
共和党 は下院の支配権を確保し、トランプ氏が就任する1月にはワシントンでの上下両院を支配することになる。
【コメント】
お友達を集めて好き放題にすると言うスタンスが明らかだ。しかし大統領選でトランプに投票した人はこれを望んでいたはずだ。

2.イスラエルで記録が改ざんされていたか
【記事要旨】
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の側近が、10月7日のハマスによる攻撃の朝に将軍からの電話記録を改ざんした疑いで調査されている。この将軍は、数百人のハマス戦闘員が侵入準備をしていることを首相に知らせようとしていた。
この疑惑は、最近ネタニヤフ首相の側近に対して提起された複数の疑惑の一つであり、ネタニヤフ首相自身はこの調査の対象ではない。
他の中東ニュース:
イスラエルはガザの人道的ゾーンに指定されたテントキャンプを爆撃し、ダマスカスのパレスチナ・イスラム聖戦(PIJ)に関連する場所を空爆した。これにより少なくとも15人が死亡した。
【コメント】
米大統領が就任する1月までイスラエルは攻撃の手を緩めることは無いだろう。市民の死傷者は増える一方だ。

3.気温目標は達成困難
【記事要旨】
過去1年間で国々は温室効果ガスの排出を十分に削減できず、地球温暖化が危険なレベルに向かって進んでいるという報告が、国連気候サミットで発表された。2015年のパリ協定では、世界の指導者たちは、工業革命前の水準から2度の上昇を目指すかなり緩い目標達成を約束したが、この目標はますます達成困難になっている。現在の気候政策に基づいて、気温は2100年までに約2.7度(4.9度ファーレンハイト)上昇すると、気候変動追跡グループ(Climate Action Tracker)は推定している。
【コメント】
目標未達成でもペナルティがあるわけでは無く、所詮努力目標だ。必死に達成するというインセンティブが無い。企業や消費者を市場システムでインセンティブを与えるのが唯一の手だが、上手いやり方が見つからない。

その他の記事
ノルウェー:
議会は、サーミ人や他の先住民を沈黙させ、彼らの子供たちを寄宿学校に強制した政策について謝罪した。
テクノロジー:
EUは、Facebook Marketplaceで競争法に違反したとしてMetaに約8億4000万ドルの罰金を科した。
ニューヨーク:
知事は、マンハッタンの最も混雑した地域へのドライバーの進入に料金を課す渋滞料金プログラムを復活させた。

野球:
大谷翔平選手の50本目のホームランボールが現在、台湾で最も高いビルである台北101内で厳重な警備の下展示されている。

2024年11月15日 金曜日