世界の動き 2023年12月15日 金曜日

今日の言葉:
「リニア新幹線」
 建設が難航している区間があり完成時期が伸びたようだ。建設が進んでいる区間も多く、もう止められない。
 東京名古屋を40分で結ぶそうだが、需要があるのだろうか。
 東京から名古屋まで1時間半、大阪まで2時間半。忙しいビジネスマンにとっては丁度良い休息の時間だ。ほとんどがトンネルの40分は楽しくなさそうだ。
 既に事例がある。コンコルドだ。速さを売りにしていたが商業的には失敗に終わった。リニア新幹線は第二のコンコルドになることを危惧する。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.米国はイスラエルに対し数週間以内に地上作戦を縮小するよう求める
【記事要旨】
 バイデン政権はイスラエル政府に対し、年末頃にガザ地区での大規模な地上作戦を終了し、ハマスに対するより的を絞った行動に移行することを望んでいると伝えた。
 米国はイスラエルがガザ地区の人口密集地に出入りする少数精鋭部隊を投入し、ハマス指導者の捜索・殺害、人質救出、トンネル破壊などのより精密な任務を遂行することを構想している。 アメリカの勧告に応えて、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は「イスラエルは全ての目標を達成するまで戦争を継続する」との声明を発表した。
最新の動き:(Timesの中東特派員の言葉)
 ガザ地区の状況が壊滅的になる中、ここ数週間で米国とイスラエルの溝が広がっていることから、戦術の変更が求められている。
 ガザのパレスチナ人の生活はひどいものだ。 彼らはただ人生にしがみついているだけだ。状況があまりにも絶望的になっていて、トンネルの先には何の光も見えないので、核爆弾が来てみんなをやっつけてほしいと私に言う人もいる。信じられないほど悲惨な場所がガザだ。
 ガザの人達は、全世界が自分たちを見捨てたように感じている。 最初は希望を持っていた人々でさえ、何度も避難し、安全な場所はどこにもないため、疲弊するだけだ。
 昨日、病院で働く医師は私に、小さな女の子が一人で入ってきた。彼女の家族は全員殺され、見知らぬ人たちが彼女を病院まで送り届けに来た。 実際、ガザの病院ではこれを表す用語があり、それは「未知のトラウマ児unknown trauma child」だ。 彼らは子供の体にそれを書き、家族が来てくれることを期待している。
 この医師はイスラエルの空爆で末の息子を失い、他に2人の子供がいる。 彼は、家に帰り、生き残った2人の子供たちと一緒に座って、「もし彼らが未知のトラウマの子供になったらどうなるだろう?」と考えると言う。 なぜなら、彼が今恐れているのは、自分と妻が殺され、子供たちがこの世に一人になってしまうことだからである。
ガザ人はの考える将来:
 永久にガザから追放になるのではないかという大きな恐怖がある。 特に、ガザ人の大多数は、イスラエル国家が樹立された1948年に故郷を逃れたか、故郷を離れて帰還を許されていない人々の子孫であるためだ。 したがって、永続的避難のこの経験と歴史は非常に強力だ。
 そして、この恐怖には二重の意味がある。 ガザ人は、ますます狭い地域に閉じ込められているため、ガザ内で永久に避難させられるのではないかと恐れている。イスラエルの指導者、軍司令官らは、ガザを縮小する、つまり一部の土地を接収する計画があると発言しており、家に帰ることを許されないという恐怖は間違いなく現実のものだ。
 しかし、ガザ人はまた、自分たちが他の場所、外に避難させられることを恐れています。 イスラエルが最初に避難命令を出した非常に早い段階でさえ、シナイ砂漠で避難民になるのではないかという恐怖が人々の話題になっていた。 ガザ人にとっては、ますます南へ押しやられているように感じている。 ある時点で「じゃあ、他にどこに行けばいいの?」と感じている。 今でもガザ北部には家から出ず、「死ぬなら家で死なせてほしい」と言う人たちがいる。
 したがって、将来にはあまり希望が持てず、ガザでもヨルダン川西岸でも状況はさらに悪化すると予想する人もいるのは間違いない。 一部のアナリストや評論家は、これは二国家解決策の考えに火をつけるだろうと言う。 しかし、ほとんどのパレスチナ人から必ずしもそのようなことを聞くわけではない。 彼らが見る限り、すべてが非常に後退しており、さらに悪化しています。
【コメント】
 ガザの状況を個人の観察を基に報じているとても衝撃的な記事だ。ガザの人々の悲惨さは言葉に尽くせない。一刻も早い休戦を求めるが、個人として何が出来るかわからない。嗚呼!

2.欧州連合の指導者らはウクライナとの加盟交渉を開始することで合意
【記事要旨】
 欧州連合(EU)首脳らは本日、ウクライナのEU加盟交渉を正式に開始することで合意した。 このニュースは、今週のワシントン訪問中に数十億ドルの米国軍事援助を確保できなかったゼレンスキー大統領にとって、極めて重要な時期に発表された。
 ロシアでは、昨日、ウラジーミル・プーチン大統領は4時間の年末記者会見で、ウクライナや西側諸国に対して勝ち残る決意を強調した。
【コメント】
 昨年は行わなかった恒例の年末記者会見を復活した。余裕綽々のプーチンがいる。

3.親中派の YouTube ネットワークが A.I. を使用し西側を中傷
【記事要旨】
 異例の大規模な YouTube チャンネル ネットワークが親中と反米を広めている。 オーストラリア戦略政策研究所の報告書によると、一部のビデオでは人工的に生成されたアバターやナレーションが使用されており、このキャンペーンは同研究所が知る限り、A.I.と人工知能を組み合わせたビデオエッセイ付きの音声による最初の影響力作戦となった。
【コメント】
 現在は紙媒体の新聞はすでに終わったもので、若者はTVすら見ない。これからはTouTubeも注意して見る必要がある。

その他の記事:
・米兵の釈放
 A U.S. Navy officer who was imprisoned in Japan after killing two people in a car crash was released to the U.S.
(これは何だろう。日本では全く報道されていない)
・英国中銀は金融引締め
 The Bank of England held interest rates at a 15-year high as policymakers sought to squeeze out inflationary pressures, even amid signs of a slowdown.
・UFOについて公表
 The U.S. Congress has passed legislation that directs the government to eventually tell the public at least some of what it knows about U.F.O.s.

2023年12月15日 金曜日

世界の動き 2023年12月14日 木曜日

今日の言葉:
「政策金利引き下げ見込み」
 米連邦準備理事会(FRB)は今回のFOMCでは金利を据え置いたが、2024年には3回(0.75%)引き下げることを示唆した。インフレは沈静化したので、引き下げられるときに金利を下げておこうということだろう。
 印象は、「金利政策の有効性が存続している米国はうらやましい」ということです。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.国連気候変動協定
【記事要旨】
 ドバイで開催された国連気候変動サミットに出席した約200カ国の外交官らは、2週間にわたる激しい議論を経て、昨日「化石燃料からの移行」を明確に求める包括的な合意に達した。
 この協定は各国に対し、この10年間に化石燃料からの世界的な移行を加速し、今世紀半ばまでに大気中への二酸化炭素の追加を完全に中止するよう求めている。 また、各国に対し、2030年までに世界中で導入される再生可能エネルギーの量を3倍にし、短期的には二酸化炭素よりも強力な温室効果ガスであるメタンの排出量を削減するよう求めている。
 以下はドバイを訪れていたタイムズの同僚のコメントだ。
・今回の気候サミットは何が違ったのか?
 石油国家でカンファレンスを開催するのは決して簡単なことではなかった。しかし、これらの COP のうち 12 件を取材した者として、これは非常に目を見張るものだったと思う。毎日、石油の恩恵に直面していたので。
 同時に、小島嶼の指導者とその他の人々がUAEに本質的に語っていることは非常に対照的だ。 そしてサウジアラビア人は、自分たちの贅沢は島国の存在を犠牲にして実現していると感じている。 私にとって、サミットの開催地は、国連がバランスをとらなければならないさまざまな国のニーズをすべて浮き彫りにしている。
・どのように合意に達したか?
 欧州の指導者や気候変動による異常気象に対して最も脆弱な国の多くは、化石燃料の完全な「段階的廃止」を求める文言を求めていた。 しかし、これはサウジアラビアを中心とする大手産油国の反発に直面していた。 最終的に、彼らは妥協点を見つけた。
・各国はこの協定についてどう感じているか?
 このことに一部の人々、特に島の指導者らは深い不満を抱いた。 実際、多くの島の指導者らは水曜朝、会議を主宰するUAEの石油幹部であるスルタン・アル・ジャベル氏が、全会一致で採択されたと宣言するまで、宣言について変更を提案したり懸念を伝えたりする機会さえなかったと述べた。
 同時に、各国政府が問題の対象を化石燃料と名付けるまでに、気候変動に関するこれらの年次会議が28回もかかったということは注目に値する。化石燃料の燃焼は地球温暖化の主な原因である。
・最終合意から得た主なポイントは何か?
 この決定は妥協だが、重要なことだ。多くの指導者は、これは化石燃料の時代が終わりに近づいているという信号を送っていると述べていますが、5年前には想像できなかった。
【コメント】
 ついに長い会議は終了した。日本の存在感は無かった。

2.ガザ人質の家族がバイデン大統領と面会
【記事要旨】
 昨日、ガザ地区でハマスに拘束されている米国人8人の家族がバイデン大統領と初めて直接面会した。 イスラエルが人質解放の交渉を行えるよう、米国が戦闘の一時停止を求めるよう求めた。
 バイデン氏は火曜日、イスラエルがハマスのトンネルに海水を注入し始めているとの報道を踏まえ、人質の安全に懸念を表明した。 家族は、愛する人の状態についてほとんど知らないことに深い不満を表明している。
 イスラエル当局者らによると、イスラエル南部への攻撃から2カ月以上が経過し、ガザに連行された人質約240人のうち半数以上が行方不明のままだ。
 国連総会は、即時停戦を要求する圧倒的多数の投票で米国の拒否権に対抗した。
【コメント】
 イスラエルは「大のためには小の虫は殺す」と言うのが対テロへの政策の基本だ。もう多分人質を救出しようというインセンティブは彼らには無い。

3.日本の軍事に課題をもたらす高齢化
【記事要旨】
 中国と北朝鮮による安全保障の脅威に直面している日本は、今後5年間で軍事費を約60%増額することを約束しており、これにより世界第3位の国防予算となる。 しかし、人口の減少と高齢化により、兵士の募集が困難になっている。
 日本の軍隊の現役職員の数は、1990年に比べて10パーセント近く減少している。全体の隊列を拡大するために、日本の統合幕僚会議議長は、自衛隊は現在8%未満の女性の割合を2030年までに12パーセントまで増やすべきであると述べた。
【コメント】
 記事のとおりだ。自衛官の平均年齢上昇は問題だ。
 「自衛隊の平均年齢は、1990年には31・8歳でしたが、2018年には陸自35・5歳、海自36・5歳、空自36・5歳(18年10月31日時点)となり、高齢化に拍車がかかっている。」(赤旗記事より)
 防衛大学校への志願者も大きく減少している。兵も士官も不足しているのに予算だけ大きく降りかかってくる。

その他の記事より:
・豪州で台風シーズン始まる
 A tropical cyclone is bearing down on northeastern Australia, the first of the season.
・途上国の債務増嵩
 The World Bank warned that record debt levels could cause a “lost decade” for developing countries.
・ロシアは戦争に耐える
 Russia, once awash in recriminations over its disastrous invasion of Ukraine, is celebrating its capacity to sustain a drawn-out war.

2023年12月14日 木曜日

世界の動き 2023年12月13日 水曜日

今日の言葉
「去年今年」
 一年間の大きな変化を示す記事がBloombergに載っていた。
『グーグルの2023年の世界ニュース検索ランキング:今年の一位は、イスラエル・ハマス戦争。昨年の首位はロシアのウクライナ侵攻。
 タイム誌の「今年の人」:今年は人気歌手テイラー・スウィフトさん。昨年はウクライナのゼレンスキー大統領。』
 一年間の動きをシンボリックに示す典型的な事例だ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.バイデン氏「イスラエルは支持を失っている」と語る
【記事要旨】
 昨日、バイデン大統領がイスラエルがガザ戦争を巡り世界の支持を失いつつあると警告したことで、イスラエルと米国の間の溝が一気に表面化した。
 バイデン氏は「彼らは支持を失い始めている」と語った。 同氏は、ネタニヤフ首相はイスラエル史上最も極右の政府を変える必要があると付け加えた。
 バイデン氏のコメントは、10月7日のハマスによるイスラエル攻撃後に戦争が始まって以来、米国がイスラエルに関して使用してきた言葉のこれまでで最も鋭い断絶となった。昨日まで米国は言動でイスラエルを支持し、ガザ攻撃を支持してきた。  国連での停戦の要求を避け、イスラエルへの数千の戦車砲弾の販売を承認してきた。
 同時にネタニヤフ首相は、戦争終結後のガザにおけるパレスチナ自治政府の役割についての米国の提案を真っ向から拒否した。
 米当局者らは、イランの支援を受けた民兵組織フーシ派が紅海でノルウェーの商船を巡航ミサイルで攻撃したと発表した。
 ガザでは汚れた水と過密な避難所のために病気が蔓延している。イスラエル軍の攻撃により、ガザ地区の近隣地域は破壊された。
【コメント】
 米国のスタンスがやや変化したが、イスラエルは聞く耳を持たないようだが、バイデンの砲弾を支援しつつ、批判に転じる動きは、イスラエルだけでなく米国内でも理解されるのが困難だろう。

2.ゼレンスキー氏はワシントンへのさらなる支援を懇願
【記事要旨】
 ゼレンスキー大統領は昨日、ウクライナの対ロシア戦争への追加支援の早期承認を求める緊急訴えを行い、議会共和党の抵抗の壁にぶつかった。
 ゼレンスキー大統領は米国議会で上院議員やマイク・ジョンソン議長と非公開で会談し、ロシアの欧州進出を阻止するには米国のさらなる支援が不可欠だと述べた。 しかし、ジョンソン氏と数名の上院共和党議員は、バイデン大統領が米国・メキシコ国境での移民取り締まりの要求に応じない限り、いかなる新たな支援にも同意しないとの立場を繰り返した。
 ジョンソン議長はまた、共和党が軍事援助をするための必要条件だと主張しているウクライナ勝利への道筋をホワイトハウスが明確に示していないとして非難した。
 バイデン氏はゼレンスキー氏が議会議員を動かして、ウクライナへの安全保障支援500億ドル追加を含む1105億ドルの緊急支出法案を可決させることを期待していた。 しかし、共和党が先週この法案を阻止し、世論調査で米国人が追加財政支援の拡大に懐疑的であることが示されたことを受けて、議会が年末までに支援策を可決する可能性は暗くなっていた。
 国会議事堂での会談後、ゼレンスキー氏はホワイトハウスでバイデン氏と会談し、そこで共同記者会見が予定されている。
 デジタル戦争:ウクライナ最大の携帯電話会社は、昨日強力なサイバー攻撃を受け、数百万人へのサービスが停止されたと発表した。
【コメント】
 共和党の移民制限とウクライナ支援のバーター政策は理解できないが、ウクライナ支援の潮目が世界中で変化したことがよくわかる状況ではある。
 戦争は正義が勝つとは限らない。早期停戦を今こそ望みたい。

3.今度は習氏がベトナムの機嫌をとる番だ
【記事要旨】
 バイデン大統領のハノイ訪問からわずか3か月後、習近平氏は昨日、重要な隣国との関係強化を図るためベトナムに到着した。
 現在、米国と中国の大国競争においてこれほど中心的な役割を果たしている国はほとんどなく、ベトナムはハイリスク、ハイリターンの立場に置かれている。 この 2 つの巨人を満足させ続けることは、経済の押し上げを意味する可能性があるが、どちらかを怒らせると、大きな代償が生じる可能性がある。
 詳細:ベトナムと中国の指導者は、1970年代以来両国の船舶が繰り返し衝突してきた南シナ海の領有権問題について話し合う予定だ。 議題には、中国国境近くの貨物鉄道プロジェクトや、レアアース鉱物に関する協力の可能性も含まれる可能性がある。
【コメント】
 It’s Xi’s turn to court Vietnam というのが見出しだが、courtと言う言葉は、「訴える」と「機嫌を取る」と全く異なる意味を持つ。文脈から「機嫌を取る」にしたが、国境紛争を抱えるベトナムに対し中国が諂うことは考えられない。

その他の記事より:
・米中の貿易関係
 U.S. lawmakers called for severing more of America’s economic ties to China, including revoking the low tariff rates that the U.S. granted Beijing more than two decades ago.
・フォルクスワーゲンは中国にかける
 Volkswagen is shifting more operations to China, tapping the country’s electric vehicle capacity and building factories.
・BTSのメンバー全員が兵役に就く
 The last two members of the K-pop group BTS began their 18-month military duty in South Korea. Some fans say they should have been exempt.

2023年12月13日 水曜日

世界の動き 2023年12月12日 火曜日

今日の言葉:
「Ivy League」
 米国の有名大学が揺れている。学長の発言と、イスラエル支持対パレスチナ支持の学生運動の高まりによる。
 ペンシルバニア大学の学長は辞任し、今日の記事にあるようにハーバード大学の学長が非難を浴びている。MITやコロンビアの学長も危ない。
 学生の党派性が高まり、政治と距離を置いていた象牙の塔はいま大きく揺れているようだ。
 日本の大学は眠ったように静かだ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.イスラエル、レバノン国境での攻撃に「対応が必要」と発言
【記事要旨】
 イスラエル軍高官は、イスラエル軍がガザ地区でハマスに対して市街戦を繰り広げている中、レバノンから行われているイスラエル北部に対するヒズボラの攻撃が強化されれば、強力な反応を引き起こす可能性があると警告した。
 「イランが支援するヒズボラによるイスラエルへの攻撃の増加は、イスラエルにそのような脅威を除去するよう要求している」と戦時内閣のメンバーで元国防大臣のガンツ氏はブリンケン米国務長官に電話で語った。 ヒズボラの攻撃に対するイスラエル軍参謀総長の前日の発言を反映したものだった。
 ガザ地区では、イスラエル軍がガザ市のハマスの旧本部周辺地域を制圧し、ハマスが依然として「拠点」を置いている3つの地域でイスラエル軍が激しい戦闘を行っていると発表した。
 これらには国連が人道的災害を警告し、エジプトへの大量避難の可能性への懸念を高めている南部の地域も含まれている。
 イスラエル軍は現在、ガザのハマスの指導者ヤヒヤ・シンワールの本拠地であるパレスチナ広場を囲むガザ市の地域を支配していると軍の首席報道官は述べた。 イスラエル軍は現在、ガザ北部のジャバリヤとシャジャイエ、そしてガザ南部最大の都市ハーンユニスの3つの地域での戦闘に集中しているという。
 ガザでの作戦を縮小するよう国際的な圧力を受けているイスラエルは、戦争終結の期限を設定することに抵抗している。
【コメント】
 終わりの見えない戦闘が継続し、民間人の犠牲者は増嵩する。毎日同じ記事の連続で空しくなる。

2.ゼレンスキー大統領が米国に向かう中、ロシアはキエフを標的にする
【記事要旨】
 ロシア軍は昨日、ここ数カ月で最も激しい弾道ミサイルの一斉射撃でウクライナの首都を標的にした。 この攻撃は、ゼレンスキー大統領が米国の軍事援助継続を求める緊急任務でワシントンを訪れている最中に起きた。
 その数時間前にはプーチン大統領がモスクワでシャンパンを飲みながら、キエフに対する西側の支持の低下を祝う動画が拡散された。 同氏は、ウクライナには「未来はない」と断言した。
 ロシアはここ数週間、無人機攻撃や爆撃機編隊による空爆など、キエフへの攻撃を強化している。 英国国防情報局は、今回の攻撃は「おそらくウクライナのエネルギーインフラの劣化を目的としたロシアによるより協調的な作戦の始まりだろう」と述べた。
 ゼレンスキー氏は今日、バイデン大統領および議会指導者らと会談する予定だ。 ウクライナへの追加資金提供を求めるバイデン氏の要請が議会で行き詰まっているため、米国の支援は今や疑わしい。
【コメント】
 ゼレンスキーは沈み、プーチンは浮上する。物事の善悪はさておき、今こそ停戦の実現を図るべきだ。

3.中国がどのように海洋を管理しているかを詳しく見る
【記事要旨】
 ここ数カ月間、中国船との海上衝突が数回あった後、フィリピンは、南シナ海の係争海域でフィリピン漁民に燃料を供給している自国の船にジャーナリストを招待した。
 週末にかけて、タイムズ紙は、長い膠着状態でフィリピンの船舶が深刻な被害を受けた中国船舶との衝突を報じた。
【コメント】
 フィリピンの事態は対岸の火事ではない。尖閣沖で明日にでも起きかねない。日本政府はどういうシミュレーションを行っているのだろうか。

その他の記事より:
・国連気候変動会議が不満を残し閉幕
 The countries most vulnerable to climate disasters assailed a draft of a final agreement at the U.N. climate talks, calling the deal a “death warrant,” after it fell short of calling for a phaseout of fossil fuels.
・ハーバードの学長も苦境に
 The president of Harvard University faced pressure to resign after her answers to questions about antisemitism during a congressional hearing.
・イランによるEU外交官の拘束
Iran put an E.U. official from Sweden on trial for allegations that include spying for Israel and a charge that could carry the death penalty.

2023年12月12日 火曜日

世界の動き 2023年12月11日 月曜日

今日の言葉:
「インフレ目標」
 欧米も日本もインフレ率2%を目標にしている。米国では今後FRBが政策金利を上げるのか下げるのかの議論が喧しいが、そもそも2%と言うインフレターゲットは妥当なのだろうか。
 2%は、失業率を押さえ、経済を成長させ、物価が高騰しない最適な目標と言うことだろうが、米国の経済は成長し、失業率は低く、労働者の賃金は上昇している。こうした状況ではインフレ目標に縛られて金融政策を行うのは考え物ではないかと思う。インフレ率4-5%の状況で、最適な経済が実現されているように見えるのだが。(以上は米国の話)
 日本では、ゼロ金利の下、無成長、無気力、無関心が蔓延した。金利の有る世界でまっとうな企業活動の出来る企業が生きの来る社会に変化させていくべきだろう。高齢者の観点からは、預金金利が数%付かない世界はとても暮らしにくい。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.国連とWHO ガザに悲惨な警告を発する
【記事要旨】
 国連当局者は昨日、数万人のパレスチナ人がイスラエルの軍事作戦から逃れようとしているガザとエジプトの国境付近で圧力が高まっていると警告した。
 グテーレス国連事務総長は、「近いうちに治安が完全に崩壊し、伝染病やエジプトへの大量避難への圧力の高まりなど、さらに悪い状況が展開する可能性がある。ガザの民間人を効果的に保護する手段は存在しない」と述べた。
 WHO理事会の緊急会議で、テドロス事務局長は、「ガザの医療システムは崩壊しつつある」と述べた。 ガザにある36の病院のうち、部分的にでも病人や負傷者の治療ができていたのはわずか14病院だったという。
 昨日イスラエル軍は、過去24時間にガザ地区で250以上の「目標」を攻撃したと発表した。 戦闘の激化は、米国が拒否権を発動したため不成立となった永久的な停戦を求める決議後に行われた。
 バイデン政権は中東への武器輸送を促進するため非常事態を宣言し、議会を迂回してイスラエルに戦車弾薬1万3000発を販売した。
【コメント】
 バイデン政権の議会を経ないでイスラエルへの弾丸供与と言う動きは意外な動きだ。米国民に支持されるのだろうか。

2.サウジアラビア、新たな気候変動協定を阻止
【記事要旨】
 世界有数の石油輸出国であるサウジアラビアは、明日閉幕予定のドバイでの国連気候変動協議において、化石燃料を廃止する新たな合意に対して最も強力な反対者となった。
 サウジの交渉担当者らは、化石燃料に言及する文言を協定に含めることにきっぱりと反対し、少なくとも118カ国が支持する2030年までに世界の再生可能エネルギー容量を3倍にすることを目的とした条項にも反対している。サウジ外交官は特に議論を阻止するのが巧みだ。 非公開交渉に参加した十数人の関係者によると、交渉を遅らせているという。
 ドバイで各国が化石燃料の段階的廃止、あるいは段階的削減に合意すれば、それは歴史的な瞬間となるだろう。 過去の国連気候変動協定では「化石燃料」という言葉への言及を避けてきた。 しかし、参加198カ国のどれかが合意を妨害する可能性はある。
【コメント】
 私が大学生だった1970年代初めに「ローマクラブ」の「成長の限界」レポートが石油資源の枯渇を予言したが、新たな油田が開発されサウジはエネルギー大国の地位を守っている。安くて便利な石油を使うのはまだまだ代替エネルギーを使うのよりも合理的な分野がある。
 サウジの行動は自国だけでなく世界全体で見ても合理的なのかもしれない。

3.大谷翔平が野球史上最大の契約にサイン
【記事要旨】
 メジャーリーグベースボールにおける最も重要なフリーエージェント物語は、日本のスター投手兼外野手である大谷翔平がロサンゼルス・ドジャースを選んだことで幕を閉じた。 彼の10年、7億ドルの契約は、オオタニの元エンゼルスのチームメイト、マイク・トラウトの記録を樹立した12年、4億2,650万ドルの延長契約を上回り、さらには2017年にリオネル・メッシがFCバルセロナと結んだ4年、6億7,400万ドルの契約をも上回った。
【コメント】
 世界中の期待は大きい。大谷頑張れ!

その他の記事より:
・EVは2輪3輪で普及
 Two- and three-wheel electric vehicles are transitioning from fossil fuels to batteries faster than cars, and China has dominated the market. China’s electric car factories can’t hire fast enough.
・UPennの学長辞任
 The president of the University of Pennsylvania resigned after testimony in Congress about responses to antisemitism on campuses.
・EUのAI規制
 E.U. officials agreed to a new law to regulate artificial intelligence, one of the world’s first comprehensive attempts to limit the use of the technology.

2023年12月11日 月曜日