世界の動き 2025年3月12日 水曜日

今日の一言
“A man’s ambition should never exceed his worth.”
 人の野心はその人の価値を超えてはならない。
 ストア哲学の言葉だ。今のトランプ大統領にぴったりの言葉ではないだろうか。
 昨夜John Wickの映画を見ていてハッとした言葉だ。このアクション映画は多くの警句に満ちている。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.米国、ウクライナへの軍事援助再開に合意
【記事要旨】
 米国は、サウジアラビアで何時間にもわたる会談の後、情報共有の一時停止を直ちに解除し、ウクライナへの軍事援助を再開すると述べた。キエフは、トランプ政権のロシアとの30日間の停戦提案を支持すると述べた。
 米国とウクライナは共同声明で、停戦の条件はロシアの承認を必要とすることを認めた。また、ウクライナの重要な鉱物資源の開発契約を「できるだけ早く」締結することでも合意した。
 米国とウクライナは、停戦が発効した後に実施される可能性のある人道的救援活動や捕虜の交換についても協議した。会談に出席していないロシアからはすぐにコメントはなかった。
 トランプ大統領は記者団に対し、今週ロシアのプーチン大統領と話す可能性があり、今後数日中に永続的な停戦が交渉されることを期待していると語った。
 今後の展開: 会合後、マルコ・ルビオ国務長官は、今回の合意によりロシアに戦争終結の圧力がかかったと述べた。「ボールはロシアの手に委ねられている」と同氏は述べた。
 防衛: フランスのエマニュエル・マクロン大統領は昨日、30以上の軍の参謀長を集め、ウクライナでの停戦を監視する多国籍平和維持軍の編成を検討した。
 空爆: ロシア当局は、ウクライナが昨日夜明け前にモスクワを攻撃し、モスクワ地域で少なくとも3人が死亡、18人が負傷したと述べた。
【コメント】
 これにプーチン大統領が乗ってくるだろうか。トランプのメンツも考えて何らかの前向きな返事はあるはずだが。

2.トランプ大統領、カナダを脅し、その後撤回
【記事要旨】
 混乱と脅しの一日だった。日の前半、カナダに対し鉄鋼とアルミニウムへの関税を倍増すると脅していたトランプ大統領は、オンタリオ州が米国に輸出する電力に課していた追加関税を撤回したことを受けて、撤回した。ホワイトハウス報道官によると、カナダの鉄鋼とアルミニウムに課される予定の25%関税は、まだ発効する予定だという。
 トランプ大統領の関税への取り組みで、市場は乱高下した。株価は取引開始時に下落したが、終盤に回復した。
 背景:トランプ大統領の最新の関税攻撃は、オンタリオ州がミシガン州、ミネソタ州、ニューヨーク州に輸出する電力に25%の追加関税を課す計画に対する反応だった。
 51番目の州:トランプ大統領はカナダ併合の希望を繰り返した。彼は、米国の北隣国が米国の51番目の州になることが「唯一理にかなっている」と述べた。彼は、それがどのように起こるかをこれまでで最も明確な言葉で示し、「すべての関税、そしてその他すべてが完全に消える」と述べた。

トランプについてさらに詳しく
・大統領選に出馬していたとき、トランプは「他に類を見ない」経済ブームを約束した。2期目の3か月後、彼は態度を変えざるを得なくなった。
・連邦判事は、トランプ政権が請負業者や助成金受給者に支払うべき「議会が割り当てた対外援助資金を違法に差し押さえる」ことを禁じた。
・トランプの対外援助削減は結核対策資金を根こそぎ絶った。何十万人もの病気の患者が検査や薬を見つけられず、病気を広める危険にさらされている。
・連邦判事は、イーロン・マスクの政府削減ユニットに、公開記録法に従い、内部記録の公開を開始するよう命じた。
・ロバート・F・ケネディ・ジュニア保健長官は、西テキサスでの麻疹流行を封じ込めるための、異端の理論に大きく依存する戦略を概説した。
【コメント】
 朝令暮改。朝三暮四。右顧左眄。
 トランプにぴったりな四字熟語がいくつも思い浮かぶ。

 マグニフィセント7の株価はここ数日で100兆円以上時価総額が減少したそうだ。

3.フィリピンの元大統領ドゥテルテ氏が逮捕された
【記事要旨】
 フィリピン当局は昨日、国際刑事裁判所ICCが発行した令状に基づき、香港から帰国したロドリゴ・ドゥテルテ元大統領をマニラの空港で逮捕した。ICCは、ドゥテルテ氏が過去に麻薬撲滅キャンペーンを展開したことで人道に対する罪に問われており、人権団体によると、このキャンペーンで約3万人が殺害されたが、その多くは麻薬取引に関わっていない人々だった。
 今後の展開: ドゥテルテ氏は、裁判所が拠点を置くハーグ行きの飛行機に搭乗した。この事件は、現在125カ国が署名している条約であるローマ規程に基づいて管轄権を行使するICCの法的範囲を試すものとなる。
【コメント】
 フィリピンはICCに加盟していない、この逮捕は有効なものだろうか。

その他の記事
パキスタン:
 武装勢力が列車をハイジャックし、多数の警備員を人質に取ったと述べ、政府に捕虜交換に同意するよう要求した。
シリア:
 同国の沿岸地域で暴力に直面し、数百人の民間人がロシアの空軍基地に避難した。
アジア太平洋:
 米国国家情報長官のトゥルシ・ガバードは、多国間安全保障会議に参加するため、日本、タイ、インドに向かった。

貿易:
 日本の貿易大臣は、金属と自動車への新たな関税を日本が免除されるという確約をトランプ政権から得られなかった。
ビジネス:
 日産は、売上高と利益が低迷したため、内田誠最高経営責任者が辞任すると発表した。

2025年3月12日 水曜日