日本にいてはわからない日本のニュース

我々は日本に住んでいるから日本のことは何でも知っていると思いがちだ。
そうでもない。

日本のメディアの報道の偏りは今回のコロナウィルス禍を見ればよくわかる。
どのTVも新聞もほぼ同じトーンで同じ内容の報道を繰り返ししている。公表される「政府の発表(=事実)」への確認作業も不十分だ。

こうした偏った国内の報道は、海外の報道に接すると「え、こんなことが日本であったの?」と思わせる状況を起こすことがある。

今日はその一例を紹介したい。
https://www.gzeromedia.com/signal/
はユーラシアグループのイアン・ブレマーが主宰する(多分)ニュースレターだ。

June8,2020に以下の記事があった。
A world of George Floyds として世界の動きを紹介している。日本はというと、以下の記述あり。
(原文はすべて英文だがわかりやすく和訳を加えた)

Japan: 非日本人のマイノリティ人口の少なさ(人口の5%以下)がsource of both pride, controversy, and debate in recent years. と言い、その後にThis Saturday, several hundred people were out on the streets of Tokyo to express solidarity with the Floyd protests, but also to highlight police discrimination in their own city, spurred on by the case of a 33-year old ethnic Kurd from Turkey who was thrown to the ground and manhandled by police after he refused to let them search his car. と米国と同様のことが日本にいるクルド人にも起きたことを伝えて、彼の友人が撮った画像が広まっているとも述べている。

これ読んだので、
「クルド人 警察」でググると画像も出てくる。な「え、日本の警官もミネアポリスの警官に近い感じのことやっているな」という印象を持つ。

この件は全く知らなかった。
日本のメディアで取り上げたところがあるのだろうか。

(2020.06.09)

Agency 理論の実体

Agency 理論とは、以下のように説明される。
情報の非対称性を前提としたうえで、契約関係をプリンシパル(委託者、株主ないし投資家本人)とエージェント(代理人、経営者)の関係としてとらえ、エージェントの行動がプリンシパルの利害と一致しないときに発生する問題の構造を明らかにし、その問題に対処する方法を考察する理論である。

具体例としては、投資ファンド(株主)が、投資先の経営を委ねるためにCEOを見つけてきたが、彼/彼女の働きが期待外れの場合に露見する問題だ。
株主の期待を満たすことが出来ない経営者は契約を破棄(解雇)されることになる。経営者にとっては不名誉なことだが、株主にとっても経営者の人選の不始末と、案件がうまくいっていないことを周知することになるので避けたい事態だ。

株主の意向をCEOが満たさない場合は株主が決断すれば解決は可能だ。(結果がうまく行くかどうかはやってみないとわからないが)

案件的に一番難しいのは、絶対株主(持分2/3以上)がCEOをしている会社に少数株主として参加し、ガバナンスを効かせるにはどうしたら良いかという問題であろう。

業績が良ければ問題ないが、実績が全く残せていない場合はどうするか。
株主=エージェントという経営形態が機能しないことが過去数年で証されたとすれば、論理的な解決策は以下のどれかだろう。
1.株主を変える(既存の絶対株主をその地位から退かせる、大株主を見つける)
2.CEOを変える(株主の同意が必要、人選は困難)
3.株主もCEOも変える
いずれも簡単な選択肢ではない。

株主=エージェントが会社の状況をどの程度理解し、どの程度の危機感を自ら抱いているかに大きく依存するだろう。自分に甘い株主=エージェントだと、状況の改善は難しい。

(2020.6.7)

発見! 銀竜草。

このところ那須に長居しています。

従来は週末数日滞在して帰京していましたが、東京でのコロナ禍の広まりとリモートワークの一般化により、あえて東京に頻繁に戻る必要が少なくなったのが原因です。
Zoom. Google Hang Outとかいろいろな顔の見えるコミュニケーション手段が広まり、疑似的なFace to faceのコミュニケーションもかなり出来るようになりました。

それで那須に長居するようになり、何が起きたかというと、散歩の途中でよそ様の庭を観察したり、自宅の裏庭の植物をめでる余裕が出来たのです。
購入してから13年間放置している我が家と比べ、多くのご家庭が庭を整え植栽を整備しています。
植物の豊富さや美しさではかないません。

ところが先日小雨の中を自宅の裏庭に出ていて、白く透明で龍の落とし子のような形態のキノコのような植物を発見しました。
図鑑で調べると「ギンリョウソウ(銀竜草)」という珍しい植物でした。
花が一つ咲いているなどというのではなく、我が家には2か所に群落があるのです。

些細なことに喜びと若干の優越感を感じ、雨の中でニヤニヤしていた自分でした。
俗物です。

(2020.5.31)

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし。

名将、野村監督の有名な言葉だ。
平常時には良く当てはまる。他社に優る戦略を考え、計画を立て、実行することにより事業の成功がもたらされるとすれば、それぞれの段階で他社を凌駕する行動をとれば成功する/少なくとも負けない確率は高まる。

今回のコロナ禍はではどうか。
消え去りつつある業界がある。航空業界、旅行業界、宿泊施設、飲食業(特に居酒屋チェーン)、ナイトクラブ/カラオケ業等々だ。
不要不急の要件では外に出ない(考えてみるとほとんどの用事は不要不急だった)、3密を避ける(居酒屋での宴会、クラブ・キャバレー、カラオケはもってのほか)、という生活パターンが今後も定着すると思われ、日本全体の草食化がますます進むに違いない。

「開けない夜は無い」とはいうものの、「どう頑張っても負けるに決まっている」業界もあるのかもしれない。まだそんなビジネスやっているのですか、いまどき!

コロナ禍がもたらすパラダイムシフトが、絶滅をもたらすのか、「不思議に」生き残った者が新しい繁栄をもたらすのか注視したい。

・高齢者にはお金と時間があり、使え無い海外旅行向けのお金がたまっている。
・コロナウィルスへの警戒感は高齢者が強い。
・VRやZoomが新しい疑似接触感を生み出している。 等が生き残りのヒントになりそうだ。

(2020.5.23)

百発百中の砲一門は百発一中の砲百門に相当する

日本海海戦を勝利に導き死後は神となった東郷平八郎元帥の言葉だ。
たしか連合艦隊司令長官を辞める際に、訓練の重要さを説いた言葉とされている。
この言葉が最初に言われた時には、そりゃおかしいという声を上げた海軍士官が多かったと聞く。敵が百門の砲に一発づつ砲弾を持っていて一斉射撃すれば、こちらの一門の大砲は最初の数回の一斉射撃を生き延びたとしても、ほどなく破壊されるだろうという論理的な考えだ。それが太平洋戦争に近づくにつれて批判の言葉は消え「月月火水木金金」の猛訓練に支えられた帝国海軍は無敵という精神主義神話化していったと聞く。
今回のコロナ感染についての日本の対応も似ている。
日本では今でもクラスター感染を押さえて関連する感染者をつぶそうという考えだ。少数の砲撃の精度を高めよう。夜の海戦に備えて監視員の視力を極限まで高め敵を早く発見しようという考えだ。このやり方は昭和17年初めまでは良かった。
17年半ばになると、米軍はレーダーを装備しORに基づいて沢山の砲弾をつぎ込んで日本軍の艦艇を殲滅した。PCR検査の件数を飛躍的に増やし(レーダーの装備)感染者の動きをAIでフォローする(ORの活用)ことで感染の経路の殆どがつかめるようになったのとそっくりだ。
日本の保健所のあり方や、都の感染者の把握の仕方、感染者病棟の準備のあり方を見ると、人力に依存し、デジタル化の遅れに唖然とすることばかりだ。
そのような現象の根本には、戦前から続く、「百発百中の砲一門は百発一中の砲百門に相当する」という精神主義があると思われる。

(2020.5.21)