世界の動き 2022年10月12日 水曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「平和ボケ」
  日本特有の表現だ。
 We take peace for granted.とか peace idiotと言うらしい。

ニューヨークタイムズ記事
1.ゼレンスキー大統領はウクライナの防空シールドを求める
【記事要旨】
 80発以上のミサイルが全土に降り注いだ後ゼレンスキーはG7首脳に緊急バーチャルミーティングで支援を要請した。最新の防空システムが提供されればロシアの脅威は無くなるとブレジンスキーは語る。NATOは核の使用はロシアの破滅を意味するものだと警告。国連はロシアの市民やインフラへの無差別攻撃は戦争犯罪だと非難。
【コメント】
 日産はロシア事業を撤退するそうだ。株式をロシア企業に1ドルで売却。1000億円以上の損失が出るようだ。

2.習主席の下での一つの中国
【記事要旨】
 多数の少数民族を5000年来の伝統に統合する作業を習は強大な権力で進めている。歴史や考古学に財政支援を進めるが習の史観に沿った場合だけだ。新疆ウイグルでの人権侵害への西側の批判に聞く耳を持たない。
【コメント】
 いわゆる「歴史戦」ということなのだろう。

3.IMFは世界経済の先行きに警告
【記事要旨】
 「最悪はこれからだ」とIMFは警告。2022の世界の成長見込みを4.4%から3.2%に引き下げた。2023年の予想は3.8%から2.7%に下げられた。全世界の3分の1がリセッションに陥ると警告している。
【コメント】
 日本の成長率は1%台のようだ。どうも低成長に慣れきっている状況だ。

その他:
ロシアの富豪のヨット
Officials in Hong Kong declined to seize a $500 million superyacht believed to belong to a Russian oligarch, triggering concerns that Russia may try to circumvent international sanctions through Hong Kong.
韓国は北朝鮮のミサイルは防げる
South Korea’s military said its missile defense system was capable of intercepting weapons like those North Korea tested extensively this year, The Associated Press reports.
米はサウジとの関係悪化?
President Biden is re-evaluating the U.S. relationship with Saudi Arabia after the kingdom collaborated with Russia to cut oil production in a move that could raise American gas prices.

2022年10月12日 水曜日

世界の動き 2022年10月11日 火曜日

今日の一言:
「All gone}
 今朝は名古屋で仕事。新幹線車内でこれを書いています。一度完成したのですが新富士近くで電波悪く保存できず、再度Wiifiがつながったときには原稿が失われていました。ガックリしましたが気を取り直し、今日はクイック版を送ります。

ニューヨークタイムズ記事
1.ロシアの報復ミサイル攻撃
  ウクライナ侵攻以来最大級の11都市へのミサイル攻撃。強硬派をなだめ、追加徴兵への批判をかわす狙いもある。

2.北朝鮮のミサイル発射
  2週間で12発。沈黙を破り月曜日のミサイルは核の搭載可能な近距離ミサイルを水中の格納庫から発射と発表。米国をけん制。

3.Metaのメタバースプロジェクトは難航
  主製品であるHorizon Worldsは広まっていない。メタは新規採用を抑えレイオフの可能性もある。

2022年10月11日 火曜日

世界の動き 2022年10月10日 月曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「雨の月曜日」
カーペンターズに「雨の月曜日はいつも気持ちを落ち込ます」という名曲がある。今日はまさにそうなのだが、「元気があれば何でもできる」はずだ。頑張って一週間を始めましょう。

ニューヨークタイムズ記事
1.ロシアはクリミア橋の爆破後ウクライナの都市を攻撃
【記事要旨】
ロシアはザポリージャ近郊をミサイル攻撃し13人が死亡し60人が負傷とウクライナが発表。2014年にクリミアとロシアを結ぶ物資供給の要路として建設された12マイルの橋はウクライナの工作で爆破されたとロシアが発表した。ロシア当局は既に橋は復旧と述べるが、橋の両側で長い車列が出来ている。
【コメント】
キエフでは祝勝気分のようだがまだ早い。プーチンの戦争の「始まりの終わり」が近いかもしれないが、「終わりの始まり」はまだ来ていない。プーチンの誕生日の翌日の攻撃はプーチンの顔に泥を塗るものだ。核兵器使用の恐れが更に高まった。

2.タイは喪に服す
【記事要旨】
土曜にウタンサワンの町で行わえた葬儀では子供達の棺に彼らが来世で無事暮らせるようにお供えが入れられた。犯人の遺体は犯行の舞台となった街では受け入れられずウドンタニで火葬された。東南アジアで最大の銃の普及が今回の犯行につながった。
【コメント】
手持ちの銃を出せばお金をあげるという「銃狩り」をすれば相当数の銃が供出されると思われる。

3.中国でコロナ再燃
【記事要旨】
コロナ感染者数は昨週1400人を記録し前週比2倍になった。国際的には微小な数字だが中国では10月16日の重要な共産党大会を前に更にゼロコロナ策を強化する動き。新疆では火曜からロックダウンし市民の行動制限と空路陸路での通行を封鎖している。海南島では2つの発症事例後全住民の検査を強制している。ゼロコロナ策の実施は習主席への忠誠心の踏み絵になっている。
【コメント】
共産党大会では国民の不満は反映されないのだろうか。

その他:
北朝鮮のミサイル発射
North Korea has tested a record number of missiles this year, an indication that the country needs to gain leverage over the U.S. and “is frustrated, isolated and uncertain about its future,” said Choe Sang-Hun, The Times’s Seoul bureau chief.
草間彌生さんのかぼちゃが戻る
A giant pumpkin sculpture by the artist Yayoi Kusama has been reinstalled on the Japanese island where it was thrashed by a typhoon last year.
(かぼちゃの彫刻が流されていたとは知らなかった)
米中間選挙は混とん
A month from Election Day, the 2022 midterm elections in the U.S. are surprisingly unpredictable.

Cash is king.

「現金は王様である」は相場の格言で最も有名ではないだろうか。特に相場の下落時には現金以上の資産はない。価格が下がらので、やられようがないからだ。多くのファンドマネジャーは、投資対象に「現金を最大10%までしか認めない」というような運用上の縛りがあるため、下落相場への対応に四苦八苦している。

 最近岸田政権が「資産所得倍増プラン」を打ち出している。これは、投資による資産所得の倍増を目指して、NISA(少額投資非課税制度)の抜本的拡充や、iDeCo(個人型確定拠出年金)制度の改革、国民の預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組みの創設など、政策を総動員し、貯蓄から投資へのシフトを大胆・抜本的に進める国家戦略だ。現預金を持つものはアホだと言わんばかりのメディアの報道もある。

 今のような相場が不安定な時にこのようなプランを国を挙げて打ち出すのは悪い冗談だ。預貯金から資産有用に資金が動かなかったのは、バブル崩壊後の殆どの時期で庶民にとっては、預貯金の運用成績の方が株や債券での運用より堅実だったからだ。デフレ下では資産価値の減額を防げば実質的にはプラスの運用になる。

 自分は長年運用に従事してきたものだが、証券会社が安全だとして推奨するラップ口座でも運用利回りはかなりのマイナスだ。一部の株式投資で大幅なキャピタルゲインが出たので、ラップ口座を含む各種の投資からのマイナスは、ゲインとの相殺に使っている。価格変動が異なる性質をもつ各種資産にアセットアロケーションが可能なほど運用資金に余裕がなければ、政府の口車に乗って運用に大金をつぎ込むべきではない。

 まさに Cash is king. なのだ。

2022年10月9日 日曜日

不正について

 不正とは辞書で調べると「正しくないこと」と説明されている。これでは全く説明になっていない。

 「正しくない」行為がメディアで最近大きく報じられたのは、東京五輪を巡る汚職事件だ。東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の高橋治之・元理事が、大会スポンサーだった紳士服大手「AOKIホールディングス」側から賄賂を受け取ったとして、8月17日に東京地検特捜部に逮捕された。AOKIの青木拡憲・前会長ら3人も贈賄容疑で逮捕されている。その後、KADOKAWAの会長をはじめとする役員と、大阪の広告代理店大広の役員も取り調べを受けている。

 何が正しくなかったのだろうか? オリパラ委員会の理事はみなし公務員であるため、自らの口利き行為に対し報酬を受け取っているのは賄賂に相当するという論理だ。高橋氏がもし理事でなければ、汚職にみなされるかどうかは微妙なところだ。贈収賄は公務員に対して成立する概念であり、民間企業の間では成立しないという解釈が一般的だろう。

 高橋氏がもらった金額には及びもつかないが、私も昔銀行の支店で貸付係をしていた時には、お歳暮やお中元をありがたく頂戴していた。飲食やゴルフの接待を受けたこともあった。どこまではOKでどこからはダメかという線引きは難しい。このため今では金融機関では接待はする方もされる方も原則禁止になっている。

 私がタイの金融会社で日系企業・多国籍企業向けの貸し出しの責任者をしていたころ、現地企業向け貸し出しでは、貸し出しを実行すると担当者にお礼として金銭が渡されることを知った。日本の感覚では当然「汚職」行為で、この慣行は最後まで辞めさせることができなかった。現地では当たり前のどの金融機関でもやっている慣行だったからだ。

 日本でも一昔前までは建設業の談合は公認された慣行だった。新日鉄の購買部長をすれば家が建つと北九州では言われていたと聞いた事がある。電通の高橋氏の実弟の治則氏は、EIE Int’lという不動産開発会社を立ち上げ自家用機で金融機関の役員を世界中の開発案件に招待し篭絡した。その不良資産が原因で長銀は破たんしたとも言われている。

 さてさて、何が「不正」で何がそうでないか、基準は世相によっても国によっても変わりうる。一筋縄では行かない難しさがある。

2022年10月8日 土曜日