世界の動き 2023年1月23日 月曜日

今日の言葉:
「人気のない岸田首相」
 相変わらず支持率が低い。
 一つの原因は「大向こうをうならせる」ようなパフォーマンスが見えないことだ。
 せっかく欧州に行ったのだからキーウを訪問したらよかったのにと思う。
 昨日の大相撲の千秋楽では賜杯を貴景勝に渡しに行けばよかった。小泉首相のように。
 せっかくのチャンスを活かせない首相は残念だ。

ニューヨークタイムズ記事
1.旧正月の銃乱射
【記事要旨】
 カリフォルニア州ロサンゼルス郡のモントレー パーク市で 10 人を殺害少なくとも10人が負傷した銃乱射事件が、旧正月の前夜祭の数時間後に発生した。
 当局は30 歳から 50 歳のアジア人男性を容疑者として探している。 彼はダンスホールで発砲し、目撃者は彼が無差別に発砲したようだと言った. 他に少なくとも10人が負傷した。 動機は明らかでない。
 モントレー パークは「最初の郊外のチャイナタウン」と呼ばれ、住民の大多数がアジア系の祖先を持つ米本土で最初の都市として知られている。
 2023 年にはこれまでに米国で 33 件の銃乱射事件が発生している。
【コメント】
 すでに33件の乱射事件があるのだと慄然とする。

2.ニュージーランドの次のリーダー
【記事要旨】
  Covid-19 対応担当大臣として、パンデミックに対するニュージーランドの厳しい対応でのぞんだ44歳のクリス・ヒプキンスが、来月ニュージーランドの新しい首相になる予定だ。
 次期リーダーは、多くの大きな課題に直面している。有権者は、インフレ、継続する住宅危機、犯罪や子どもの貧困などの根深い社会問題からの猶予を求めている。アーダーンのリーダーシップを汚したパンデミック政策との関係を乗り越えるのに苦労する可能性がある。
 10 月の国政選挙で、ヒプキンスは中道右派の国民党党首であるクリストファー・ラクソンと対戦する。
【コメント】
 突然の燃え尽き辞任だ。繊細で正義感の強い人だと思う。政治には不向きな人だろう。

3.中国の緊張する旧正月
【記事要旨】
 旧正月に旅行する多くの中国人にとって、ロックダウンのリスクなしに休暇に愛する人に最終的に会えるという喜びは、不安に満ちている。 多くの人が都市部から、医療サービスが未発達な地方に移動している。彼らはウイルスを年配の親戚に広めることを恐れている。
 しかし、何年にもわたる控えめなお祝いの後、何億人もの人々が再会を切望している。ソーシャル メディア上では平常な状態への復帰の兆候として旅行ハブでの混雑を祝う人がいる。
 中国では今年、2022 年に比べて交通量がほぼ 2 倍になり、休暇期間中の乗客数が 20 億人を超えると予想している。
 ゼロCovid政策で一部の中国人起業家は国を去った。多くが財産とともにシンガポールに引っ越した。

【コメント】

 中国の旧正月の記事にはもう辟易する。終わった後のコロナの状況には興味はあるが。

 

その他:
ニュージーランドの生物規制
 Some cruise ships have been forced to idle at sea for days because they cannot pass New Zealand’s tight “biofoul” standards, which regulate foreign organisms on a boat’s exterior.
戦車をウクライナに送ることに悩むドイツ
 NATO countries failed to agree on whether to send tanks to Ukraine last week.
 Germany’s hesitance is born of history. After its Nazi past, the country is committed to promoting “peace,” and it’s long relied on Russian energy.
ハイテク企業での人員削減
 Job cuts in the tech industry are proving shocking for younger workers, who have yet to experience a cyclical crash.

2023年1月23日 月曜日

街の書店

 本をAmazonで買うことが多くなった。無限のセレクションがあり、新聞の書評欄に載った本がすぐ入手できるのが便利だ。

 ただ、実際の本を手にして自分で良書と判断し購入する喜びは何事にも代えがたい。街角の本屋さんは貴重だ。

 私が住む街には5年ほど前までは3軒の書店があったが、最後の一店が今月末に閉店するそうだ。80過ぎの御店主の新書の選別眼は秀逸で、面白い本を幾つも見つけることが出来た。「毎日店を開き続けねばならず老人にはきつい仕事だ。儲けが少なくやって行けない。」という理由のようだ。この街で四方山話をする相手が減るのが残念だ。

 書店はその街の文化を支える貴重な存在だ。東京でもここ数年急激に書店の数が減ってるらしい。Amazonは便利だが街の書店の商売が立ち行くようにするための努力が消費者にとっても必要だ。

2023年1月22日 日曜日

1963年の還暦

 時々珠玉の随筆を読み感動することがある。

 今日(2023年1月21日)の日経朝刊の文化面、「1963年の還暦」はそのような随筆だった。書いたのは佐藤良明東大名誉教授にしてポピュラー音楽の研究家だ。

 まず、1963年が想い出される。ビートルズに少女たちが熱狂したのも、キング牧師の人種差別反対のワシントン大行進と有名な演説も、ソ連の女性飛行士による「私はカモメ」も、米ソ首脳間の直通電話も、坂本九の「スキヤキ」が全米1位になったのも、みなこの年の出来事だと説明される。

 その年に12歳だった私はすべての出来事が鮮明に記憶に残っている。前年の1962年にはキューバ危機があり、翌年の1984年にはケネディ大統領が暗殺された。11月23日、日米を結ぶ初の衛星中継の最初の映像がケネディの暗殺事件だったからその衝撃は大きかった。

 今や1963年から60年が経過し思い出が押し寄せるが、それにどのように抗したらよいのかと著者は問題提起する。

 佐藤の文章は以下でくくられている。
 「奢りを捨てることだろう。我々の周りは萎びた自由と、太った不平等で一杯になった。老化したのだ。還暦を迎えた1963年よ、君もワークアウトが必要である。」

 佐藤氏は英文法の本も何冊か著しているようだ。一度読んでみると啓発されるかもしれない。

2023年1月21日 土曜日

世界の動き 2023年1月20日 金曜日

今日の一言:
「週刊朝日」
 休刊が決まったようだ。100年の歴史を誇る週刊誌の老舗だが紙媒体離れに対抗できなかった。最近は病院や待合室で読むだけになっていたな。
 電車に乗っても殆どの人がスマホを見ており新聞を読む人はめっきり少なくなった。安価で速い電子媒体に比べ、紙媒体の良さも捨てがたくあるから、メディアの方々には何とか頑張ってもらいたい。

ニューヨークタイムズ記事
1.アーダーンは頭を下げる
【記事要旨】
 5 年以上政権を握った後、ジャシンダ アーダーンは、2 期目の任期が終わる前の 2 月初旬にニュージーランドの首相を辞任すると述べた。彼女は仕事をするのに「タンクに十分なエネルギー」がなくなったと述べた。
 ニュージーランドで 150 年ぶりの最年少首相となった 42 歳のアーダーンは、自由主義の世界的な象徴となった。彼女の顕著なフェミニズムと「優しさの政治」の強調は男性政治家とは一線を画している。
 しかし、10 月に選挙が迫っている彼女は深刻な政治的課題に直面していた。彼女の労働党は、世論調査で中道右派の国民党に何ヶ月も遅れをとっている。今週末、党は新しい党首を選出するが、アーダーンには明確な後継者がいない。
 アーダーンの発言「国を率いることは、誰もが持つことができる最も特権的な仕事であると同時に、より挑戦的な仕事の 1 つでもあると私は信じています。タンクが満タンで、予期せぬ挑戦に備えて多少の準備ができていない限り、それを行うことはできませんし、すべきではありません。」
 パンデミックは彼女を台無しにしたかもしれない、シドニー支局長は書いている。彼女の政権がロックダウンを延長したことは、経済に打撃を与え、オンラインでの反発に拍車をかけた。 彼女のワクチンの義務化政策は権利侵害と見なす人々の標的になった。
【コメント】
 若い女性首相として輝かしいリーダーだったアーダーンも燃え尽きた印象だ。繊細で優しいひとには政治家は務まらない。日本の政治家を見ればよくわかる。

2.米国は債務上限に達した
【記事要旨】
 米国は昨日、借り入れ可能な総額である31.4兆ドルの債務上限に達し、現在、上限引き上げをめぐる激しい党派争いに向けて準備を進めている。
 これは、米国が請求書を支払うことができず、債務不履行に陥る可能性さえある金融債務を履行できなくなる可能性がある状況を回避するためだ。米国を深刻な不況に陥れ、世界的な金融危機を引き起こす可能性がある。
 財務省は、米国が制限を超えないようにするための一連の「特別措置」として知られる一連の会計操作を開始すると述べた。 イエレン財務長官も昨日、デフォルトを遅らせるために債務上限を引き上げるか一時停止するよう議員に求めた。
 下院の共和党員は、バイデン大統領に要求するために債務制限を再び活用する態勢を整えている。 バイデン氏は、上限について交渉するつもりはないと述べており、前議会が承認した支出をカバーするために、議会は条件を付けずにそれを解除する必要があると述べている。臨時措置により、政府は 6 月初旬まで労働者などへの支払いを続けることができるようになる。 危機がすぐに解決される可能性は低く、党派間の瀬戸際の数か月が迫っている。
【コメント】
 こうした事態は恒例行事になりつつあり深刻に報道されないが、政府の支払が遅延しだすと米国民の日常生活に影響が出てくる。

3.ウクライナはより多くの戦車を手に入れるか?
【記事要旨】
 オースチン米国防長官は、今日、ドイツの米空軍基地で約50カ国からの高官会議を主導し、先進的な西側戦車を含む、ウクライナが必要とする武器をどのように提供するか話し合う。
 ウクライナは、予想されるロシアの春の大攻勢の前に戦車や防空ミサイルなどのより高度な兵器の要求を倍増させている。
 会談で、米国は約25億ドルの武器パッケージの一部として、ウクライナに約100台のストライカー戦闘車両を送る計画を発表する予定だ。英国は 14 両のチャレンジャー戦車を送ることを約束した。
ドイツは、レオパルト 2 戦車の供給または輸出を承認するよう圧力を受けている。オースティンは昨日、ドイツの新国防大臣ボリス・ピストリウスと会談し、戦車をウクライナに送ることについて合意に達しようとした。

【コメント】
 「バターより戦車を」今は戦時なのだ。

その他:
フランスでのストライキ
 Over one million people went on strike across France to protest a plan to raise the legal retirement age to 64 from 62.
博物館展示品の返還
 The British Museum and Greece are getting closer to a deal on returning the so-called Elgin Marbles to Athens.
高橋幸宏死す
 Yukihiro Takahashi was a leading figure in Japan’s pop scene for nearly 50 years, most prominently with the Yellow Magic Orchestra. He died at 70.

2023年1月20日 金曜日

世界の動き 2023年1月19日 木曜日

今日の一言
「事実は一つか」
 東京電力の旧経営陣に対する刑事訴訟は2審も無罪になった。津波の予見可能性についての国の報告書の信頼性・有効性・規範性が否定された。民事では同じ報告書の信頼性・有効性・規範性が肯定され巨額の賠償金が旧経営陣に課された。
 同じ証拠に対する考えが司法という公正が最も求められる場で全く反対になる。事実は一つか。事実に対する見方はいくつか。

ニューヨークタイムズ記事
1.ウクライナの内務大臣が事故死
【記事要旨】
 ウクライナの内務大臣であるデニス・モナスティルスキーは、昨日ヘリコプターの墜落事故で死亡した少なくとも14人のうちの1人だった。ロシアの侵略以来死亡した最高位のウクライナの役人の死だ。調査が進行中だが、航空機が撃墜された兆候はない。
 午前8時20分ころ起きた墜落により、キエフ郊外の幼稚園も被害を受け、子供が死亡した。
 モナスティルスキーの死は、戦争遂行において重要な役割を果たした省庁に打撃を与えた。彼は警察と緊急サービスを監督し、ミサイル攻撃後の救助活動を処理してきた。
 ダボスの世界経済フォーラムでのビデオ演説で、ゼレンスキー大統領は、犠牲者を偲ぶために黙祷を求めた後、「悲劇は人生を追い越しています。 専制政治は民主主義を追い越している。自由世界が考えるために使う時間は、テロリスト国家が殺すために使われる。」という情熱的な演説を行った。
 米国は、2014 年にロシアが併合したクリミアを標的とするために必要な武器をウクライナに与えることを長い間拒否してきた。 キエフは、占領下の都市メリトポリとマリウポリを経由してクリミアとロシアを結ぶ重要な補給ルートであるロシアの陸橋を攻撃しようとしている。
【コメント】
 この事故の報道には驚いた。ゼレンスキーの右腕らしいが、今後の政府のかじ取りの実行に支障が出なければ良いが。

2.中国の自業自得の危機
【記事要旨】
 エコノミストは、昨年の死亡者数が数十年ぶりに出生数を上回ったという中国の最近のニュースに警戒している。
 中国の人口減少は、最も人口の多い国としての地位を脅かしている。労働人口の減少は、世界経済の足を引っ張り、今後数十年でその力を弱める可能性もあるが、中国政府の取り組みは、少なすぎて遅すぎる可能性がある。
 教育を受けた労働力と若者の減少により、中国の工場従業員の不足は、中国国外の消費者のコストを押し上げ、輸入中国製品に大きく依存している国々のインフレを悪化させる可能性がある。人口減少は、中国の消費者による支出の減少も意味し、中国に依存するグローバル企業に打撃を与える可能性がある。
 中国国内では、出生率の急落が、経済生産の約 4 分の 1 を占める不動産部門に大きな脅威をもたらしている。中国の高齢化する人口を支えるのに苦労する。 2019 年の報告書は、中国の高齢者の多くが収入源として頼っている中国の主要な年金基金が 2035 年までに枯渇すると予測している。
 中国は、1980 年から 2016 年まで実施された一人っ子政策により、人口抑制してきたが、現在、住宅費と教育費の高さが人口増加の抑止力となっているため、ベビーブームを誘発しようとする政府の最近の試みは失敗に終わっている。

【コメント】

 人口動態は確実に見込めても有効な対策に手が打てないのは、地球温暖化問題に似ている。

3.マリア・レッサの勝利
【記事要旨】
 昨日、フィリピンのジャーナリストでノーベル賞受賞者のマリア・レッサ氏が脱税で無罪となった。
 レッサは、前大統領ドゥテルテと現在のフェルディナンド マルコス ジュニア大統領の両方を率直に批判している。彼女のニュース サイト Rappler を公開し続けるための困難な戦いは、フィリピンの報道の自由の低下を象徴するものになっている。
 この最近の訴訟は、彼女の法的トラブルがマルコスの下で続くかどうか注目を集めたテストで、他のケースは保留中だ。新しい大統領は、オンラインの偽情報の恩恵を受け、数十年前の父親の独裁政権の残虐行為を軽視しようとたが、ドゥテルテが行ったように、国の主流メディアを攻撃することはしていない。
 フィリピン当局は、ドゥテルテ政権下でレッサの追跡を開始した。 Rappler は、麻薬と麻薬密売人に対するドゥテルテのキャンペーンを積極的に報道し、Ressa が 2021 年にノーベル平和賞を受賞するのに役立った。
【コメント】
 Rapplerは誰でも読むことが出来る。視点の違う報道があり興味深い。

その他:
日銀の金融緩和継続
 After speculation that it would pivot, Bloomberg reports that the Bank of Japan maintained its policy of aggressive sovereign bond purchases and negative interest rates. DealBook has an explainer.
イスラエルの組閣難航
 Israel’s Supreme Court blocked the ministerial appointment of a politician who was convicted of tax fraud, as a fight over the judiciary intensifies.
女性の学長
 Nemat Shafik, who runs the London School of Economics, will be the first woman to lead Columbia University.

2023年1月19日 木曜日