世界の動き 2023年8月17日 木曜日

今日の言葉:
「為替介入」
 円安が進み、日本の当局がこれ以上の円安に進まないように円買いの為替介入をするかもしれないという見方が出ている。以下Bloombergの記事によれば150円に急速に近づくと介入が起きそうだ。
『ニューヨーク外国為替市場では円安・ドル高が一段と進み、円は一時1ドル=146円40銭台まで下落。昨年9月に日本政府が24年ぶりの円買い介入を実施した際の水準を超える円安となった。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のアジア為替・金利戦略共同責任者、アダーシュ・シンハ氏は、トレーダーが日本当局による為替介入のリスクに備えるのはまだ早いと指摘。ラボバンクの通貨戦略責任者ジェーン・フォリー氏は、「日本の財務省が150円水準を待たずに行動を起こすかどうかは、上昇のペースが重要になってくるだろう」と述べた。』

ニューヨークタイムズ記事より
1.経済の低迷で中国株が下落
【記事要旨】
 中国が最近発表した懸念すべき経済指標により、中国株式市場の活気が失われている。
 香港で取引される中国株指数は今月9%以上下落し、ハンセン指数も同程度下落している。 上海と深センに上場している最大手の企業を追跡するCSI 300は約5%下落した。
 野村証券は火曜日のリポートで「中国経済は今後最悪の事態が訪れる差し迫った下降スパイラルに直面している」と述べた。
 中国人民銀行は主要金利を新たな最低水準まで引き下げたが、その措置は十分ではなかったと言われる。 さらに、国内の主要都市70都市のうち49都市で住宅価格が下落したデータが出た。
 アナリストらは、対処すべき2つの最大の問題は住宅市場と、特に若者の間で失業率の上昇によって妨げられている国内支出だと述べた。
 バークレイズは今年の中国の経済成長率予想を4.9%から4.5%に引き下げ、来年はさらに成長が鈍化すると述べた。
【コメント】
 年率4.5%成長は日本にとっては目もくらむ高成長だが、保八(8%成長を前提とする)の中国経済には急ブレーキが鮮明だ。それにしても若者の二人に一人が働けない状況は経済破綻国家のようだ。

2.ニジェールのクーデターで米国のテロとの戦いが一変
【記事要旨】
 2,600人のフランス軍とアメリカ軍の支援により、ニジェールはサヘル地域他で急速に勢力を拡大している過激派グループの勢力を抑えることに成功してきた。 しかし現在、軍事政権のクーデターにより、米国は同国からの軍隊の撤退と無人機基地の閉鎖を余儀なくされる可能性がある。
 その結果生じる安全保障上の空白により、アルカイダやイスラム国に関連するグループが活動を活発化させる可能性があり、脅威を特定して迅速に阻止することが困難になるだろうと米当局者らは述べた。 クーデターへの対応として、バイデン政権は2つの主要な選択肢を検討している。ニジェールへの援助を削減するか、テロ対策協力を継続するため軍事政権との取り決めを求めるかである。
 ニジェール政府の同盟国が依然としてクーデターを逆転させることが可能だと考え動いており、まだ手遅れではないかもしれない。
【コメント】
 ニジェールの続報だ。ニジェールについて要約します。
『 ニジェールはアフリカ大陸西部に位置する内陸国で、アルジェリア、マリ、ブルキナファソ、ベナン、ナイジェリア、チャド、リビアと国境を接する。
 国名は西アフリカを流れる大河ニジェール川にちなむが、その恩恵にあずかれるのは南西端の限られた地域に過ぎない。
 もともとこの地域の遊牧民トゥアレグ族がこの川を「川」を意味する現地語で呼んでいるのを聞いたフランス人が、ラテン語で「黒」を意味するニジェールと命名しました。
 ちなみに南のナイジェリアも語源は同じで、植民地として支配した国がフランス語か英語かによる違いだ。
 人口の大半はニジェール川とその支流に集中していて、アルジェリアやリビアと接する北部はほとんど砂漠。ほぼ中央に位置するアイル山地には、サハラ砂漠の植生が豊かだった約1万年近く前に描かれたキリンの線刻画が残っている。
 その北のアーリットでは、原子炉の燃料などに使われるウランが産出され、生産量は世界第5位(2019年)で、この国の最大の輸出品で、経済を支えている。原子力発電の比率が高いフランスでは、4割以上をこの国のウランに依存している。
 首都はニアメ、人口は約2,300万人だ。』

3.イングランドがオーストラリアのワールドカップの夢を終わらせる
【記事要旨】
 昨日、イングランドがオーストラリアを3-1で破り、女子ワールドカップ優勝は、日曜日に対戦するイングランドかスペインのどちらかになる。
 しかし、ある意味では、この大会はオーストラリアのものだった。 オーストラリアチーム・マチルダスの活躍は、同チームのミッドフィールダーの一人であるアレックス・シディアックが「永続的な遺産」と呼ぶものとなるだろう。 実際、10年後にはこの大会がオーストラリア女子サッカー、そしてオーストラリアサッカー全般にとっての好循環の始まりとみなされるようになるかもしれない。
【コメント】
 オーストラリアのFIFAランキングは10位だったからベスト4進出は大きな成功だ。今後人気の有るスポーツとしてオーストラリアに定着する可能がある。
 アメリカに30年前に住んでいたころ、サッカーをする若い女性子供が多いのに驚いたがその後米国女子はFIFAランキング1位の常連になった。やはり国民的人気が高まらないと強くならない。

その他:
ウクライナの反転攻勢
 Ukraine said that its forces had retaken the village of Urozhaine in the south, but the major port cities they hope to recapture from the Russians are more than 50 miles away.
北朝鮮に亡命した米兵
 North Korea’s state media said that the American soldier that fled into its territory last month was disillusioned by inequality in the U.S.
市と州で分かれる移民の取扱い
 New York’s governor criticized New York City for being slow to help the more than 100,000 immigrants who have recently arrived there.

2023年8月17日 木曜日

世界の動き 2023年8月16日 水曜日

今日の言葉:
「子育て・介護の対価」
 異次元の少子化対策で政府は子育て家庭への補助を決めているが、米国での状況についてBloombergの興味深い記事を紹介したい。
『子育てや介護の対価として賃金を受け取ることができれば、米国の女性は年間で総計6270億ドル(約91兆1400億円)の追加収入を得られる。ワーキングファミリーの研究・擁護団体、ナショナル・パートナーシップ・フォー・ウィメン・アンド・ファミリーズ(NPWF)が14日、新しい分析を発表した。
  これによると、女性は1日平均で約52分を子どもや家族の世話に費やしている。同居していない家族のケアもこれに含まれる。一方で男性が費やす時間は1日平均約26分だ。保育士やホームヘルパーの平均賃金である時給14.55ドルを稼ぐと仮定すると、こうしたケアに賃金が支払われた場合に女性は年間4600ドル、男性は約2300ドル収入が増える計算だ。
  この報告書が発表された翌日は、「母親の賃金同等デー」となった。米国の平均的な父親が2022年に稼いだ収入を、平均的な母親が稼ぐのが23年のいつになるのかを示すもので、家族のケアが女性を経済的に追い詰めている状況を浮き彫りにしている。働く母親は一家の稼ぎ頭であっても、その収入は男性より少ないのが一般的だ。家族を介護している女性は勤務時間の短縮や休職など、キャリア面でも後退を余儀なくされる可能性が高い。このような不利が積み重なり、米国の女性労働者に科された賃金格差は1967年以降で61兆ドルに積み上がった。賃金の平等を目指す取り組みが現在のペースで進展するとして、これが解消されるのは早くても2056年以降と試算されている。:
  NPWFのシニアフェロー、キャサリン・ギャラガー・ロビンズ氏は「男性も女性も多くの時間と労力を費やしているが、ここで見せたかったのは男女の差だ。女性の方が負担が大きく、女性が介護役を担う可能性は男性より高い」と話す。2022年の米労働統計局データを基にまとめた今回のリポートを共同執筆した同氏は、「ケアは愛情があってこその労働だ。しかし負担が伴わないわけではない」と述べた。
  20年にわたって80万世帯の所得報告書を分析した最近の調査報告によると、給与や学歴に関係なく、すべての母親はいわゆる「母親ペナルティー」を科されている。第一子の誕生で年間約8000ドルを損するのが平均だ。一方で父親の所得は有意な影響を受けない。賃金の格差はまた、非白人の母親やシングルマザーの場合はさらに悪化する。』
 長文の記事だが、女性が果たしている重要な機能が経済的に報われず負担になっている状況がよくわかる。ただ、91兆円は誰が負担すれば公平なのだろうか。

ニューヨークタイムズ記事より
1.トランプ氏4度目の起訴
【記事要旨】
 ドナルド・トランプ前大統領は、2020年の同州選挙の結果を覆し、有権者の意思を覆すための「犯罪計画」を画策したとしてジョージア州で告発され、出頭まで10日間に迫られている。
 月曜遅くに発表された41件の起訴状では、トランプ大統領の元個人弁護士ルディ・ジュリアーニ氏や、選挙当時ホワイトハウス首席補佐官を務めたマーク・メドウズ氏など、トランプ氏の最も著名な顧問らも起訴されている。
 元司法省高官やジョージア州共和党元委員長を含む19人の被告全員が、同州の恐喝・腐敗組織法(RICO)に基づいて起訴された。
 ジョージア州のRICO法は、組織犯罪グループを解体するために可決された連邦法を模範としている。 同法に基づく起訴では、検察当局は被告らが「ドナルド・J・トランプ氏に大統領職を掌握させるという違法な目的を達成」しようとした企業の一員であったことを証明することが求められる。
 今後の展望:トランプ氏は2024年11月5日の大統領選挙までに4回裁判を受ける可能性があり、そのたびに遊説から離れなければならないだろう。
【コメント】
 今回の起訴は、筆者の判断では、最も有罪の可能性が高そうだ。選挙に臨むトランプ氏にはボディブロウのように効くのではないか。家族の支援も得られず孤立無援の闘いを展開することになる。

2.中国、若者の失業率報告を一時停止
【記事要旨】
 中国政府は、若者の失業率が7か月連続で増加すると予想されており、昨日、情報の公開を一時停止すると発表した。
 都市部の16~24歳の失業率は6月に21.3%と過去最高を記録した。 今年は毎月上昇しており、先月はさらに上昇すると広く予想されていた。 中国の決定は、政府の情報管理強化により中国でのビジネスが困難になっていると主張する投資家や経営陣の懸念をさらに悪化させる可能性がある。
 この発表は、中国最大のソーシャルメディアプラットフォームの1つであるWeiboで数時間以内に1億4000万回以上の閲覧を集めた。 コメントを寄せた人の多くは、中国政府が否定的な情報を隠蔽しようとしていると信じていると述べ、また、国民には情報を得る権利があると述べた人もいた。
【コメント】
 実体は若者の半分近くが失業しているという学者の発表もあった。中国関連の情報は興梠一郎氏のYouTubeが優れているので参考にすると良い。
 中国がくしゃみをすると日本が風邪をひく状況なので中国経済の行方は心配なところだ。

3.ロシアの戦時中の財政問題は山積する
【記事要旨】
 ロシア中央銀行は昨日、ウクライナ戦争初期の数週間以来最大となる利上げを実施したが、これはロシア経済の安定に対する懸念の大きさを浮き彫りにする劇的な措置だった。 これは、7月21日に1ポイント引き上げて以来、この1カ月以内で中銀が景気を冷やす2度目の試みとなった。
 最近の経済混乱は、西側諸国の制裁だけでなく、ウクライナ戦争の費用を支払うための支出増加にも部分的に起因している。 月曜日、ルーブルは象徴的に重要な為替レートである1ドル=100ドルを一時的に突破した。
 ロシアは先週末、黒海で貨物船を臨検し、ウクライナに対する封鎖を強行するとの脅しを見事に実行した。
 ウクライナ兵士の精神的健康に気を配っている人々は、彼らが直面する恐怖は利用可能な治療法よりも大きく、何年も続くだろうと言う。
【コメント】
 最後の段落が気になる。戦争を行うのは最前線の兵士たちだ。ウクライナでもロシアでも前途の有る若者が大勢死んでいる。愚行だが、止めようがない。

その他:
台風6号の被害
 Typhoon Lan pummeled western Japan, prompting officials to issue evacuation warnings and knocking out power to more than 50,000 homes.
日本経済の回復
 Japan’s economy recorded an impressive growth rate of 6 percent in the second quarter of 2023, evidence that the country is finally recovering from the Covid doldrums.
米国での深刻なオピオイド中毒
 New research showed that about 30 percent of Americans have been addicted to opioids, or have had an addicted relative.

2023年8月16日 水曜日

世界の動き 2023年8月15日 火曜日

今日の言葉:
「終戦記念日」
 78回目の終戦の日だ。敗戦以来、戦争は悪、軍備は最低限でという国是のような考えで進んできたが、国際環境はそうした考えを許さない状況になってきた。
 今朝イスラエルの話を聞いたが、600万人のユダヤ人が殺されたのは、自分たちの国が無く軍備が無かったからだというのが建国の国是だ。
 日本とイスラエルと天と地ほどの考え方の違いがある。どちらが良い悪いと言うのではなく、難しい環境をしぶとく生き抜き繫栄するための賢さが必要なのだろう。

ニューヨークタイムズ記事より
1.トランプ氏に新たな起訴が迫る
【記事要旨】
 ドナルド・トランプ氏は、2020年の選挙でジョージア州の結果を覆そうとする試みに関連した共謀罪に問われる可能性がある。 大陪審は昨日証拠審理を開始し、間もなく前大統領に対する4件目となる刑事告発を下す可能性がある。
 ジョージア州の検察当局は2年半にわたり、トランプ大統領とその同調者が大統領の座を維持するために州法を破ったかどうかを捜査してきた。 捜査の結果、他にも20人近くが起訴される可能性がある。
 捜査はトランプ大統領がとった5つの行動に焦点を当てている:結果を覆すようジョージア州当局に圧力をかけることを目的とした電話、地元選挙職員への嫌がらせ、投票不正の虚偽主張、偽の選挙人名簿作成計画、田舎の郡の選挙会場でのデータ漏洩だ。
 ジョージア州の事件は、トランプ氏とその同調者たちが選挙を逆転させるために同州で並外れた努力をしたことを示している。
 トランプ氏が直面している起訴はこれで4つ目となる。 そのうち2つの事件で有罪判決を回避したいという同氏の希望は、主に彼の選挙活動にかかっている可能性がある。 同氏は再選されれば連邦犯罪を恩赦される可能性がある。 しかし、大統領には州裁判所に対する権限はなく、このことがジョージア州での訴追のリスクを高めている。
 政治的な分裂にもかかわらず、2024年の大統領選挙を見据えている米国の有権者が同意しているように見えることが1つある。それは、バイデン対トランプの再戦はやめてほしいというものだ。
【コメント】
 米国の友人からのニュースレターを先日紹介したが、その中でも述べられていた事案だ。同様な事案は他州でも起きる可能性がある。

2.マウイ島で地獄が広がるにつれ、水道システムが機能不全に陥った
【記事要旨】
 ハワイで96人が死亡した山火事の鎮火に向けて先週駆け付けた消防団は、消火栓が枯渇し、水圧が非常に弱かったため、火災は即座に鎮火の努力を超えてしまったことを発見した。 意気消沈した団員はマウイ島ラハイナで火災が進むのを見守り、代わりに避難に集中しなければならなかった。
 水不足により、消防士らは自らの命を危険にさらして命を救おうという作業を強いられ、当局や住民らは、より激しい風と乾燥した土地に地域社会がどのように備えるべきか答えを模索している。
【コメント】
 これだけの強風による山火事の広がりは食い止めようがなかったと思われるが、給水が弱かったことが被害を押さえられなかったという事だろう。歴史的な街並みだったとの報道もあり消火栓が充分整備されていなかったのかもしれない。

関連して、Bloombergでは電力会社の責任を問う声を報道している。『ハワイアン・エレクトリック・インダストリーズの株価が急落。多数の死者を出したハワイ州マウイ島での大規模な山火事を巡り、同社の送電線が関連しているとの懸念が広がった。同社に対しては、乾燥した強い風で危険な状況につながる恐れがあるとの予報が出されていたにもかかわらず送電を止めなかったとして、批判の声が上がっている。弁護士らは、ハワイアン・エレクトリックの設備が発火源となった可能性があるとみて、週内に訴訟を起こす計画だ。』

3.タリバン戦闘員は海外での新たな戦いを模索している
【記事要旨】
 タリバンがアフガニスタンで政権を握ってから2年が経ち、数百人の若いタリバン兵士が、パキスタンで反政府勢力とともに戦うためパキスタンに不法入国した。 タリバンの若者の多くは、世界のどこへ行っても聖戦を遂行し続ける決意をしていると語った。
 このタリバン戦闘員の流出により、暴力的過激主義がアフガニスタンから流出して近隣諸国を不安定化させるのではないか、あるいは、いつか西側の標的に到達するのではないかという懸念が改めて高まっている。 ロシア、中国、米国、イランはいずれも、テロ集団が復活する可能性について警鐘を鳴らしてい。
【コメント】
 恐ろしい話だ。とりあえず周辺国と欧米が対象だが、テロの脅威は日本にも広がる可能性はある。どのように防ぐのかは全世界的な課題だ。

その他:
中国の国防相は何を語るか?
 Li Shangfu, China’s defense minister, is expected to give a speech at a security conference in Moscow today as part of his visit this week to Russia and Belarus.
中国では哀しみの表現も共産党が規制
 China’s tight control of the ways tragedy can be mourned by families reflects the party’s expectation that the Chinese people will remain obedient, no matter what happens to them, our columnist Li Yuan writes.
アルゼンチンでは極右政権が出来るか?
 Javier Milei, a far-right candidate in Argentina who embraces comparisons to Donald Trump, cemented his status as a front-runner for the presidency in elections in October.

2023年8月15日 火曜日

世界の動き 2023年8月14日 月曜日

今日の言葉
「M&A」
企業の成長戦略としてM&A(合併と買収)は有力な手段だ。
ここ数年は先端分野での事例が多かったが、経済の回復により、古い産業でも起こりつつあるようだ。
以下Bloomberg記事より。
「米鉄鋼メーカーのクリーブランド・クリフスは、同業のUSスチールに現金と株式交換方式による買収案を提示したと明らかにした。
13日の発表によると、クリーブランド・クリフスはUSスチール株1株につき、現金17.50ドルと自社株1.023株を支払うことを提案した。買収額は1株当たり32.53ドルと示唆され、USスチールの11日終値である22.72ドルを43%上回る水準となる。
ただ、USスチールはこの提案を「理にかなわない」として拒否したとも、クリーブランド・クリフスは同日明らかにした。」
買収価格のプレミアムが大きいので、実現する可能性が高いと見る。日本では高炉大手の集合が進んでいるので起きないだろうが、海外の鉄鋼会社を買収する戦略は出てくる可能性が高い。

ニューヨークタイムズ記事より
1.ハワイで死者数93人に増加
【記事要旨】
マウイ島の山火事は現在、米国で過去100年以上で最悪の死者数となっているが、どのようにしてこれほど多くの命が失われたのか、そしてなぜ政府の援助が未だに多くの生存者に届いていないのかについて多くの疑問を残している。
93人に達した死者数はさらに増えることが予想されている。ハワイ州のグリーン知事によると、マウイ島西部では約2,200棟の建造物(そのうち約86%が住宅)が倒壊し、約1,400人が避難所にいるという。 昨日の早朝、マウイ島を中心に約4,500人が停電している。
災害発生後、この地域の多くの生存者はお互いを頼りに助け合っている。 ホノコワイの町では、住民が数十本のガソリン缶にガソリンを入れて住民に配っていた。政府の支援はまだ届かない。
グリーン氏は声明で、政府は1,000室を確保し、500室は避難民の家族に提供され、残りの500室は支援に使用されると述べた。 同氏は、政府は数日以内に、火災で避難した人々のために、国、慈善団体、FEMAが支援を確保すると述べた。
当局が直面している多くの課題の中には、生存者の捜索と被害者の身元確認が含まれる。 当局によると、火災発生から数日後、犬チームが偵察できたのは被災地のわずか3%だった。 さらに多くの連邦緊急事態職員と現役軍人が捜索救助活動を支援するためにマウイに向かった。
ハワイは、世界最大の屋外警報サイレン システムを誇っている。マウイ島にはそのうち80基あるが、作動していないと当局者は認めた。 知事は見直しを約束した。2020年にマウイ郡のために作成された報告書は、ラハイナがある島の西側は山火事の危険が高いと警告した。
【コメント】
昨日のTVでマウイ島の浄土宗の寺院で3重の塔と本堂が焼け落ち、大きな仏様が残った姿が映し出されていた。何とか元気を出して再建して欲しいものだ。折悪しくマウイ島に滞在していた日本人渡航者には同情を禁じ得ない。危機管理の面で人災の要素も強そうであり。今後の行方が注目される。

2.パキスタンが暫定首相を指名
【記事要旨】
パキスタン政府はアンワル・ウル・ハク・カカール氏を暫定首相に任命し、同国の次期総選挙の準備が始まった。 カカール氏はこの国の強力な軍部と緊密な関係にあり、彼の任命は、軍指導者の権威に挑戦した1年間の政治的混乱を経て、軍指導者たちは再びしっかりと舵を握るという明確なメッセージを送るものだ。
この任命は、かつては今秋に実施されると予想されていた選挙が2024年まで延期されるのではないかとの憶測が高まる中で行われた。アナリストらは、選挙を延期すれば、国内の過熱した政治情勢が沈静化する時間が増えるため、軍当局に利益をもたらすだろうと述べている。
【コメント】
パキスタンの続報だ。軍指導者寄りの事態の解決に進んでいるようだが、政争による混乱が長く続くよりも一歩前進とも思うのだが。

3.台湾総統候補、際どい道を歩む
【記事要旨】
台湾のLai Ching-te頼清徳副総統は、台湾に対する中国の主張に対する強硬な反対者として有名になり、現在、台湾総統選挙の有力候補者である。同氏の土曜日に始まった訪米中は、発言が慎重になる可能性が高い。 台湾の当局者や学者らは自制を期待すると言う。
頼氏は、毅然とした態度の蔡英文総統の後継者を争う中、台湾の有権者、そしておそらく米国政府に自分の堅実さを保証したいと考えている。 同氏には著名な議員らと会談する予定はないが、控えめな計画protocolは同氏の政治目標に合致している。
バイデン大統領は、経済苦境を理由に中国を「時限爆弾」と呼んだ。 彼の政府が世界二大経済大国の間の緊張緩和を目指しているにもかかわらず、バイデン氏は中国を批判する意欲をますます強めている。
【コメント】
頼氏が米国で誰と面談するか注目したい。台湾が慎重にしているのに、訪台して「戦う覚悟」を説く日本の政治家がいる。なんというセンスの無さだろうか。

その他:
ウクライナの反攻が進展
Ukraine’s military has made “tactically significant” progress in its counteroffensive, analysts say, making gains that have forced Moscow to divert forces from other parts of the front line.
シェルパが死んだのに
Climbers ascending K2, the second-highest mountain in the world, are being criticized for continuing to the summit after encountering an injured porter who later died.
今度はバイデンの息子
Republican lawmakers in the U.S. have demanded a special counsel investigation of President Biden’s son for months. Now that it’s underway, many are objecting.

2023年8月14日 月曜日

トランプ事件の全貌

 ドナルド・トランプ前大統領が直面する訴訟問題と政治的影響について、米国の友人がまとめてくれたので紹介したい。以下引用。

 『ドナルド・トランプについてはもう二度と書きたくなかったのですが、これだけ議論を起こしていますので、已むを得ません。来年の大統領選で共和党の最有力候補として指名されるための選挙運動に加え、彼が巻き込まれている著しい数の刑事事件と民事事件の対処に膨大な時間と資金を費やしているのが現状です。以下はそのスナップショットです。

 前大統領が直面する法的トラブルは、米国史に前例はないと言っても過言ではありません。先ず、これまでの大統領が刑事訴追されたことはありませんでした。現在、複数の政府機関から提示されている裁判が 3 件あり、4 件目も控えています。これに加えて、彼が被告人である民事裁判事件もあります。それにも拘わらず、これまでのところ、支持者たちは変わらず彼に寄り添っている様子です。

No.1 これから裁かれる反逆罪を犯したのか?
 8月 3 日付けの連保政府法務省発刊の起訴状には、2021 年 1 月の事件とその前後の彼の扇動演説に関する訴えはありません。公表されたこの起訴状には、扇動演説は事実であろうとなかろうと憲法上保護される言論の自由であると明記されています。むしろ、起訴状には具体的な刑事犯罪が記述されています。とりわけ、告発要点(サマリー)は次のようです。

 2021年 1 月 3 日に議会に提出された選挙結果を無効とすることで覆すよう、上院議長をしていたマイク・ペンス副大統領に繰り返し圧力をかけた。ペンス氏に、トランプの弁護団は、彼が結果を拒否すれば、選挙は各州政府の代表によって決定されることになり、青い州より赤い州の方が多いため、トランプは当選を宣言できることになる、と主張していた。

 ペンス氏はそのような行為が倫理に反し、違憲であり、また無意味であることを認識していました。実際、上院議長の役割は、議会が集計する投票統計を確認することだけです。違法行為を拒み、職務を遂行すると返事すると、大勢の波乱者が彼を(反逆者として)絞首刑に処すよう呼び掛けていたため、責任を果たしたら彼は直ちに議事堂から避難しなければなりませんでした。

 一部の州を代表する本物の選挙人の替りに偽の選挙人を作ることを画策した。その偽選挙人は、バイデンではなく、トランプがその州で勝利したという結果を議会に提出する企みでした。その偽選挙人からの報告書がペンスの側近に提出されましたが、ペンス氏はそれを受取りませんでした。
ここでもペンス氏は憲法上の義務を正しく果たしました。ペンス氏の政治的見解は多くの点では私と大きく異なりますが、その時、彼が憲法に従い、アメリカの民主主義を守ったことに拍手を送りたいと思います。

 つまり、トランプ容疑者は単に知らずに違法行為をしたのではなく、選挙に負けたことを知っていながら、犯罪を成す意図を持って行動したというのが検事の説です。事実上、クーデターを煽ったという当局の主張を裏付ける目撃証言は多数あります。裁判で有罪となれば、終身刑を言い渡される可能性もあります。トランプは違反行為の意図はなく、全ての行為は弁護士に相談した上でと弁論しています。

 重罪の疑いで訴追されているため、近々連邦裁判で取り上げられ、選挙前に判決が下される見込みです。本人は「無罪」を主張しており、裁判は現在のところ今秋から予定されています。

 トランプ弁護側は、トランプは憲法修正第 1 条の言論の自由を行使していたのみであり、今回の検事告発はバイデン大統領による選挙妨害を図るものだと主張し、被害を食い止めようとしています。しかし、起訴状をよく読むと、検事の告発を裏付ける主要証人の多くが共和党員で、かつてはトランプの支持者だったことが判ります。中には司法省を含むトランプ政権で働いていた者も居ます。一方、元ニューヨーク市長でトランプ個人の弁護士として務めていたジュリア二―のような陣内の何人かは、自分たちが監獄に入れられるのを回避するために検察側に寝返っているようです。被告人トランプに対する当局の立件は非常に強力なようです。

No 2 州の選挙当局への不正圧力の疑惑
 2021年 1 月 2 日、トランプ大統領とブラッド・ラフェンスペルガー・ジョージア州事務総長との一時間に及ぶ電話会談が密かに録音されました。ジョージア州当局への 2 ヶ月に亘る圧力の集大成であるその電話の中で、トランプは自分がバイデンを上回るように票数を改ざんするよう強いるのでした。 「11,780 票を見つけたいから」と言われ、事務総長は何度も拒否し、当州の票数の計算は正確であると述べたそうです。それで、現在、同州の検事はトランプを選挙妨害で告発しているところで、 大陪審による起訴は数週間以内に行われる可能性があります。(大陪審とは、裁判を起こす十分な理由があるかどうかを判断する機関です。)トランプは「人に頼むのはどこが悪い?」と主張しています。

 アリゾナ州、ミシガン州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州など、
通常共和党が票を投じる州にも票創りを強引に依頼した話があります。
アリゾナ州は同様に起訴することを検討しているそうです。

No 3 機密文書の窃盗・隠蔽事件
 日本のユーチューバーが「文献を持ち帰ったくらいで何を騒いでいるんだ」と叫んでいる録画を観たことがあります。「なぜトランプはそんな些細な罪で迫害されるのか?バイデンも、クリントンも、オバマも、みんな家に政府の書類を勝手に持ち帰っていたじゃないか….。」と誇張するのです。

 残念ながら、彼らは的外れで、恐らくアメリカの右翼の話筋を呑み込んでいるのではないかと推測します。このような事件でよくあるように、もみ消しは元の犯罪行為そのものより質が悪いのです。従来、他の高官は、持ち帰ってはいけない書類を持ち帰ったとき、そのことを知らされると、「いけない!」と自供して、すぐに返却しました。。悪意は想定されず、「手落ち」事件は解決します。

 これに対してトランプは、極秘書類を個人的に尚、意図的に FBI などから隠し、そのために彼の指示でスタッフがその箱をあちらこちら動かしている監視カメラの録画まで消そうとしたとして起訴されています。更に、フロリダの自宅で、中国共産党と繋がりのある中国企業の顧客を持つロビイストを含む一般人にさりげなく極秘文書を見せていることも収録されています。トランプの声で「ペンタゴンからもらったこのイラン戦争の場合の戦略計画書を見てごらん!」と元大統領としての重要性を自慢しているように見えるビデオもあります。 同ビデオの中で、又彼の声で「以前大統領として、機密扱いを解除することもできたが…今はできない」。続いて、「秘密だよ」と付言するのです。

 連邦判事はこの裁判を 2024 年 5 月に開始するよう命じています。トランプとその側近は、30 件以上の機密情報管理法違反を含む 37 件の犯行に問われているほどです。トランプは大統領だった頃の文書なので機密解除したつもりでいると弁護しています。

No4 その他まだまだある
 その他の事件としては、レイプ被害者のジーン・キャロル氏が起こした名誉毀損事件の再来。先月彼女はトランプに対する民事裁判で勝訴し、500 万ドルの賠償金を授与されたが、判事の指示に従わず、裁判が終わった今もトランプは公然と彼女を中傷し続けているので、彼女は再び告訴している。

 非公開のトランプ持ち株会社はまた、虚偽申告と税金の未納を巡ってニューヨーク州から訴えられている。長年の CFO は有罪を認めて、会社も12月に脱税で有罪判決下された。近日中には主要株主のトランプ本人が法廷に出廷する筈。

 その傘下会社はまた、様々なマルチ商法(ねずみ講)に手を染め、大勢の人々を騙したとされている。来年早々に集団訴訟 に対応することになっている。

 2020 年の選挙キャンペーン中に口止め料として 13 万ドルを不倫相手とされるポルノ女優に支払ったことで、34 件の訴因からなる裁判が起こされている。これは、不道徳さや口止め料の支払いそのものが問題とされず、極個人的な用途に選挙資金を流用し、又それを報告しなかったことの違法性が問題とされている。トランプの主任元弁護士且つ「フィクサー 」(問題解決者)であり、闇の支払いを行ったマイケル・コーエン氏は、検察側のスター証人になると想定されている。

結論:不正は不正を生む
 報道によると、トランプの政治活動団体(PAC)セーブアメリカの多額の政治資金はトランプ本人と共同被告の弁護士費用に充てられています。今年上半期だけの弁護士費用は 2,160 万ドル(凡そ三十億円)と見積もられています。これは倫理的にも現実的にも問題があると思われま す。PAC の資金の大部分は、個人の弁護士費用ではなく、選挙運動に対する何千人の少額寄付者(半 数は定年者とされています)から募金された献金によるものです。この弁護費用への資金流出は、選 挙運動資金を枯渇させる恐れがあります。現在 PAC の幹部はこの金を返せと言っているとの報道も あります。

現在、トランプの支持基盤は崩れていませんが、最近のロイター社の世論調査によれば、今彼を支持している共和党員の 45%が、もし有罪が確定すれば見捨てるだろうというのです。さらに二割の人は態度未定になっています。』

 長文を紹介したが、多くの日本人にとってよくわかる説明になっていたと思われる。これだけ訴訟を抱えてもしぶとくがめつく生き抜こうとする。さすがに面の皮が厚い「不動産王」だ。

2023年8月13日 日曜日