山陰紀行

以前から、定点観測的に、日本の地方にある観光地を巡っている。コロナ禍でしばらくできなかったが、今回久しぶりに山陰に旅行したのでレポートしたい。

日程:2023年10月15日(日)ー10月18日(水)

一日目:10月15日(日)
【往路航空便】
ANA725便 羽田発8:45 石見着10:20
プレミアム席に初めて搭乗
飲み物のセレクション多く美味しい軽食も出た。快適。

【レンタカー】
トヨタレンタカーを楽天トラベルで申し込んだらトヨタカードを出しても10%引きにならない。
トヨタアクアを18日まで借りる。一度名古屋で運転したことあり運転は大丈夫。

【津和野】
山陰の小京都と言われる。以前から訪れたかった街だ。
・太鼓谷稲荷神社 赤い鳥居が続く。社は山の上で街の一部を見下ろす。
・津和野城址 リフトで上がるが本丸まではさらに20分歩くので
       途中見晴らしの良い場所で引き返す。
       赤い色の「石州瓦」屋根が揃う街並みが統一感があり美しい。
       日本の他の都市では何故こんな風に出来ないのだろうか。
・市内中心部 「沙羅の木」というレストラン・お土産屋・喫茶店の
       駐車場を利用。
       うずめ定食を頼むが一つだけ出てもう一つは
       なかなか出来ない。お婆さん4-5人でレストランを
       まわしていたがとても混乱していた。
       「殿町通り」有名な鯉の泳ぐ通りだ。
        長さ100mほどでやや拍子抜け。
       「津和野カトリック教会」
        綺麗なかわいい教会。畳敷きが珍しい。

        殉教者の資料館を併設。
(感想)
 日曜だが観光客は多くない。
 「沙羅の木」は混雑していたが、一つ道を挟むと人影はまばらだ。
 駅前から太鼓谷神社へ向かう中心道路はシャッター下りた店多い。

【萩】
明治維新の起爆剤となった都市。
・松陰神社 吉田松陰を祀る。
      境内に松下村塾あり、松陰が講義をしたという8畳間が
      残っている。
・吉田倉三 私は神奈川県立横須賀高校の卒業だが、在学中初代校長が
      松陰の甥の吉田倉三だと何度も聞いた事がある。
      いまWikipediaで調べたら、旧制神奈川第四中学(現横須賀
      高校の前に、鳥取第一中学(現鳥取西高校)、神奈川第二
      中学(現小田原高校)の校長を務めた教育者だったのだ。
(感想)
 松陰神社は松陰の偉業がよくわかる場所だが人出は多くない。
 萩城址は時間がなくパスした。

宿泊【大谷山荘】
今晩の宿泊は安倍ープーチン会談ですっかり有名になった大谷山荘。
食事は美味しい。
従業員は若い人が多くきびきびしたサービスだ。
温泉は加水、加温、塩素消毒しており、質の面では△だ。
大浴場は、露天、ジェットバス、ジャグジー、サウナがあり充実。
部屋の風呂は、単なる露天風呂で温泉ではないらしい。
部屋からの見晴らしは素晴らしかった。
里山の夕景と朝日を堪能した。

二日目:10月16日(月)
大谷山荘を9時出発。
【元之隅神社】
赤い鳥居が海から立ち並ぶフォトジェニックな観光地。
日本一入れにくい賽銭箱が鳥居の「額束」部分にある。
試行数回で無事賽銭箱に10円玉が収まった。
【途中】
石見銀山へ向かう途中、石見畳が浦とかによろうとしたが
全くの時間の読み違えとわかり、石見銀山へ直行した。
【石見銀山】
15時に「世界遺産センター」に到着。
銀山を巡るのは車で出来ないことがわかる。
「龍源寺間歩」までは駐車場から2.5Kmあるので諦め、大森地区の街並みの一部を眺める。

(感想)
石見銀山は2007年に世界遺産に登録されたときはブームだったと思われるが、いまは人影がまばらだ。
世界遺産センターの駐車場と、街の中の二つの駐車場と「間歩」と「街並み」を効率的につなぐ移動手段が必要だ。
また、近くの「温泉津温泉」も世界遺産指定されたようだが、全く知らなかった。指名度を高め宿泊客を獲得する努力が必要だろう。

宿泊【いにしえの宿 佳雲)
出雲大社の大鳥居から徒歩7分ほどの大変便利な宿。
共立リゾート経営だ。
部屋は離れで駐車場に面していたが静かだった。
大谷山荘同様に部屋の飲料はすべて無料だった。
食事は美味しかったが量が少し多かった。
温泉は大浴場が小さくやや物足りなかった。
部屋の露天風呂は温泉だがかけ流しではなかった。

三日目:10月17日(火)
朝8時半から出雲大社へ参拝。
【出雲大社】
10月の出雲は「神有月」、日本中の神様が出雲に集まって来られるそうで、参拝客も多いと本には書いてあった。
 以前団体ツアーで参拝したことがあったが、何も記憶に残っていない。
今回は大鳥居から入って神域を徒歩で一周した。まず、大国主尊の「むすびの御神像」があり、境内の神様の説明は神話時代に直結する。
古代の神々の勢力争いに思いを馳せ、「古事記」をしっかり読んでいなかったことを反省した。
 境内では、大しめなわと、絵馬とおみくじの多さに感動した。

11時に宿をでて松江に向かう
【宍道湖畔】
 松江までは宍道湖沿いの道をたどるが、眺望は開けない。
・宍道湖ふれあいパーク ビジターセンターあるかと思ったが何もない
・ミセスマーチン 湖畔にあり宍道湖の眺望がすばらしい。
         ランチを取り一服する。
【松江市】
人口は約20万人でこの地方の他を圧する立派な街だ。それでも日本の県庁所在都市としては47市中の44位だ。(45位山口市、46位甲府市、47位鳥取市で、山陰地方の都市の小ささがわかる)
松江に近付くと、付近には無い、立派にビル群に風格を感じる、

【松江城】
宿に車を停め、徒歩10分の松江城を目指す。
日本には国宝の城が5つあるが、その内の一つ松江城に登城できた。
既に、犬山、彦根、姫路は登城しているので残るは松本城だけだ。
黒と白のコントラストが美しい。
内部に入ると、柱の構造や、石落とし、鉄砲狭間がよくわかる。
望楼からは松江市の全体が見渡せる。
「興雲閣」という洋館も見学する。

【宍道湖遊覧船】
16時50分第一乗船所発のサンセットクルーズに乗船。
真に美しい宍道湖の夕日を堪能した。

(感想)
松江城には観光客が来ていたがそれほど混雑はなかった。
外国人観光客が少ない印象で、中国からのインバウンドが来ないと
東京や鎌倉のような観光客で一杯ということにならないのかもしれない。
インバウンドが少ない方が、我々はゆっくり見物出来てありがたいのだが。

宿泊【皆美館】
今回宿泊した中では一番旅館らしい旅館だった。
3階の部屋からは宍道湖大橋の見晴らしが良い。
対岸には山陰合同銀行の本店の威容が近い。
食事は料亭料理風でとても美味。
大浴場狭く、部屋の露天を楽しむ。
源泉かけ流しでとても良いお湯。

四日目:10月18日(水)
9時前に宿を出てカラコロ船着き場へ。
【堀川クルーズ】
松江城のお濠を約50分で一周するクルーズ。
船頭さんが操る平底船だ。
9時始発に乗ったら乗船客は10人ほど。
皆お城で下船したのでそれ以降は我々だけの貸し切りになった。
お濠にはいくつも橋が架かっているが
4か所船の天井を下げ乗客も思い切り頭を低くしないといけない場所があり面白い。
お城が見えるのはほんの短い間だが、塩見縄手を船上から見ることが出来る。

【京店商店街】
宿のすぐ近くに有名な商店街がある。お菓子の老舗あり。
「月ヶ瀬」という甘未喫茶に入る。
昔、横須賀に住んでいたこと「君が瀬」という甘未屋さんがあった。
「月ヶ瀬」は奈良出身の姓だそうだ。

宿を11時に出発。
【境港】
午後4時発の飛行機まで時間があるので境港へ足を延ばす。
・水木しげるロード 水木しげるが書いた妖怪の小さな銅像が
          並んでいる。
          水木漫画は私が子供のころはマイナーだったが
          いつ頃からブームになったのだろうか。
          NHKで「ゲゲゲの女房」という連続朝ドラを
          やっていたがそのころ大人気になったのだろうか。

(感想)
 松江はお城には観光客が来ていたがそれ以外は観光客は少なかった。
素晴らしい宍道湖の夕景、おいしい料理、出雲に近い地の利を使って
長期滞在型の海外富裕層を獲得できる材料に富んでいると思われる。
 境港は観光客はまばらだった。外国人に水木漫画がアピールする要素は
乏しいと思われインバウンドも期待できないのではなかろうか。

レンタカーを返したら少し早いということで1470円返金してくれた。
石見空港は小さかったが、出雲空港は地方空港としては大きく見えた。
鉄道では東京に来るのは不便でありJALが5往復飛んでいる。

【復路航空便】
JAL284便 出雲16:20発 羽田17:40着
     クラスJは取れず機内満席で疲れた。

【全体の感想】
 今回、津和野、萩、出雲、石見銀山、松江、境港と廻った。

 国内ではそこそこ有名な観光地だと思う。旅行には好適な
季節だと思うが、観光客の姿は多くなかった。
 特に外国人観光客は、出雲大社と松江でパラパラと見かけた程度だった。
今後は中国からではなく欧米富裕層の長期客を狙ってもらいたい。

 今回は日本旅館に3泊したが、食事の量が多くて困った。
またどの旅館も似たような献立だ。献立と量の工夫が必要だろう。

 松江城の近くの物産センターで買ったシジミの佃煮は
家に帰ってみたら原産地がインドだった。老舗の味と書いてあるが不適正な表示だろう。
改善が必要だ。

 津和野、萩、石見銀山、境港は、日本から旅行客の拡大(シニア富裕層のゆったり旅行、若者のエコツーリズム)を図るべきだろう。
 地元、行政、観光業会が一体となって今すぐに対応を考えないと、
廃業する旅館やお土産屋が続出するだろう。

 日本にはまだまだ素晴らしい観光地があるのでそれを活かす知恵と工夫が必要だ。

2023年10月21日 土曜日