世界の動き 2026年1月23日 金曜日

今日の一言
「裁判員裁判」
 安倍首相銃撃事件の判決が出た。今回は裁判員裁判なので被告に同情的は判決が出るかと思いきや、検察の求刑通り「無期懲役」だった。被告の悲惨な生い立しはいっさい考慮されなかった。統一教会に家庭を破壊され卒業文集に将来なりたいものは「石ころ」と書いたという青春を思うと胸が痛む。
 裁判員裁判は、裁判官3人と裁判員(国民から選ばれる)6人の多数決で、有罪か無罪か、有罪の場合の量刑も、多数決で決定される仕組みだ。ただ、多数決の中には裁判官が最低一人は入っていないといけない。つまり、裁判官には拒否権が与えられているのと同様だ。
 今回の判決では、たとえ裁判員の多くが「情状酌量」と考えていたとしても、裁判官が既に「無期懲役」という結論を下していれば、結論はそうならざるを得ない。
 私が不思議に思うのは、社会的に害悪をもたらしていた統一教会の強力な広告塔になっていた安倍首相の役割が裁判の論点として挙がってこなかった点だ。何故だったのだろうか。
 また別の裁判だが、一般道を194キロで運転し人をひき殺した事件で、地裁で出た「危険運転致死罪」を覆し、控訴審では「過失運転致死罪」として4年6か月の量刑に厳戒されたという驚くべき判決が出た。
 裁判について考えさせられる判決が続いた週だった。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.偽善をやめるダボス会議
【記事要旨】
 ダボス会議はかつて、「世界をより良くする」という大義を掲げ、ビジネス界や政治のエリートたちが社会正義や持続可能性を語る場として振る舞っていた。しかし、その建前はほぼ消えつつある。
 1971年にクラウス・シュワブが創設した当初は、政治家・学者・企業人が集まる場だったが、現在は巨大企業のショーケースのようになり、街全体がテック企業やコンサル、暗号資産企業の広告で埋め尽くされている。
 近年は、ブラックロックのラリー・フィンクが主導し、会議は完全にビジネス中心へと傾斜。「世界の状態を改善する」というスローガンも影を潜め、社会正義やサステナビリティといった言葉もほぼ消えた。これは、トランプ政権を歓迎するために意図的に“浄化”された結果だと指摘される。
 表向きは「グローバリスト vs トランプ」という対立構図が語られてきたが、実際には多くのCEOがトランプの減税・規制緩和を歓迎しており、両者は対立していなかった。現在も同様で、企業は短期的な株主利益を優先し、中央銀行の独立性や法の支配の長期的な損失よりも、目先の利益を重視している。
 フィンク自身もかつては気候変動や企業責任を語っていたが、今ではサステナビリティへの言及は消え、ダボスの“美辞麗句”はトランプへの迎合へと変質している。
【コメント】
 ダボスは劇的な一週間だった。トランプ大統領は欧州を揶揄する演説を行い、クリスティーヌ・ラガルド氏は米国商務長官主催のプライベートディナーを途中で退席した。エマニュエル・マクロン氏は、サングラスをかけた印象的な姿で「予測可能な」時代に生きていると皮肉たっぷりのジョークを飛ばした。そして、マーク・カーニー氏は各国に対し、脅迫者に立ち向かうよう訴え、スタンディングオベーションを浴びた。確かにカーニーの演説は感動的だった。日本も世界のミドルパワーの結集に大きな役割を果たせると思うのだが、首相は政権維持の選挙にしか関心がなさそうだ。

2.ゼレンスキー大統領、「失われた」欧州同盟国を批判
【記事要旨】
 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、欧州諸国の地政学的弱点を批判した。
 「真のグローバルパワーとなるどころか、欧州は依然として、美しくも断片化された中小国が入り混じった万華鏡のような存在だ」とゼレンスキー大統領は演説で述べた。「特にアメリカの関心が他に移っている今、世界の自由を守る主導権を握るどころか、欧州は迷っているように見え、米国大統領に変化を促そうとしている。しかし、大統領は変化しないだろう」
 ゼレンスキー大統領の演説は、ダボスでトランプ大統領と非公式会談を行った後に行われた。両首脳は、会談を簡潔に「良好」と表現した。
【コメント】
 トランプの関心はグリーンランドに移り、ウクライナには興味がもうなさそうだ。自分のパワーをひけらかせる機会を求める「ディールメーカー」の面目躍如だ。

その他の記事
・ニューヨーク・タイムズの分析によると、イーロン・マスク氏のチャットボット「Grok」は、数百万枚の女性の性的画像を生成した。
・日本が大規模原子力施設の原子炉を再稼働させてから数時間後、技術的なトラブルにより再び停止となった。
【コメント:せっかく再稼働したのに、すぐにミソをつけましたね】
・米国の入国管理局がミネアポリスで5歳の男児を拘束し、包囲されていると感じている住民の怒りを買っている。
・フィリピン人ジャーナリストがテロ資金供与の罪で有罪判決を受け、最長18年の懲役刑を言い渡された。人権団体はこれを報道の自由への侵害だと非難した。
・シリアの独裁者アサドの弟であり叔父で、「ハマの虐殺者」として知られるリファアト・アサドが今週ドバイで亡くなった。
【コメント:原文の “the brother and uncle of Syrian tyrants” は、
「シリアの独裁者たちの 兄であり、かつ叔父でもある人物」という意味だ。
つまり、Rifaat al-Assad(リファアト・アサド) は:
– 弟(brother):
→ シリアの元大統領 Hafez al-Assad(ハーフェズ・アサド) の弟
= ハーフェズにとっての「弟」であり、
– 叔父(uncle):
→ 現在のシリア大統領 Bashar al-Assad(バッシャール・アサド) にとっての「叔父」 ということだ。】

2026年1月23日 金曜日
現在ー3度c@雪谷大塚 今年一番の冷え込みです。