世界の動き 2023年6月23日 金曜日

今日の言葉:
「利上げ」
 世界中で金利の引き上げが進んでいる。
 イングランド銀行(英中央銀行)は大方の予想に反し政策金利を0.5ポイント引き上げ5%とした。インフレを抑え込む取り組みを強化し、追加利上げが必要な可能性も警告した。金利が高水準へ向かうとの従来のガイダンスを維持。金利が来年序盤に6%前後でピークを付けるとの市場予想を否定しなかった。
 英国以外でも中銀の金融政策発表が相次いだ。スイス中銀は政策金利を0.25ポイント引き上げ1.75%とした。ノルウェー中銀は政策金利を0.5ポイント引き上げて3.75%に設定。2021年9月以降11回目の利上げとなる。トルコ中銀は政策金利を15%に引き上げたが、利上げ幅はエコノミスト予想を大幅に下回り、トルコ・リラは対ドルで最安値を更新した。
 スイスでも政策金利が1.75%あるので驚いた。これでは円安になるわけだ。

ニューヨークタイムズ記事より
1.タイタンは「壊滅的な爆縮implosion」を経験した
【記事要旨】
 米国沿岸警備隊は昨日、日曜日に行方不明になった潜水艦に乗っていた5人全員が死亡したと思われると発表し、救助活動は終了した。船の残骸は、タイタニック号の船首から約400フィートの地点で発見され、「壊滅的な爆縮と一致する」と沿岸警備隊の司令官は述べた。
 オーシャンゲート社のCEOであるストックトン・ラッシュが潜水艇を操縦していた。 4人の乗客は英国の実業家で探検家のハミッシュ・ハーディング、英国系パキスタン人のビジネスマン、シャザダ・ダウッドとその10代の息子、スレマン。 そして、タイタニック号の沈没現場まで35回以上潜水したフランスの海事専門家、ポール・アンリ・ナルジョレットだった。
 当局は、現場の調査と記録を続けると述べたが、犠牲者の遺体回収の見通しには答えることができなかった。 船がいつ爆破したかを判断するのは時期尚早だが、海底での遠隔操作は継続されるだろうと述べた。
 潜水艇業界のリーダーたちは、この船の設計に「壊滅的な」問題が発生する可能性があると何年も前から警告し、タイタンの運航会社が標準的な認証手順に従っていなかったことを懸念していた。
【コメント】
 「やはり」という結末だった。経済的な面からは、潜水艇には、そして乗客には保険がかかっていたのだろうかという疑問が湧く。

2.モディ首相、記者の質問を無視
【記事要旨】
 インドのナレンドラ・モディ首相は昨日ホワイトハウスで21発の祝砲で歓迎され、華やかな国賓訪問の始まりとなった。 同氏は記者会見で質問に答えたが、これは首相在任9年間で初めてと思われる。
 バイデン大統領の隣に立ったモディ首相は、反対派の取り締まりや政権下での少数派の扱いに対する懸念を一蹴し、「差別の問題はない」と述べ、「民主主義は我々のDNAに組み込まれている」と応じた。
 モディ首相の発言は、批判に直面した際に政府が通常言うことと一致していた。 インド政府は反対派を追い詰めており、インドの独裁化への懸念が高まっているが、モディ首相自身が報道陣からの質問に直接答えることは滅多にないことだ。
 バイデン氏とモディ氏は、技術、エネルギー、軍事装備分野での協力を推進するための一連の取り組みを発表したが、両国間の摩擦点、特にウクライナとの摩擦点については動きは無かった。インドはロシア原油の主要な買い手となっている。
 議会の合同会議で演説したモディ氏は、インドと米国の絆を強調し続け、スタンディングオベーションと名前の連呼で迎えられた。モディ氏は公式晩餐会で栄誉を讃えられる予定だ。
 ウクライナ戦争と中国との緊張の高まりの中で、関係改善により、米国はインドを近づけようとしている。
【コメント】
 米国は厚遇しているが、モディは煮ても焼いても食えない老獪な政治家だ。呉越同舟の米印接近だ。

3.アメリカの右派に反抗する
【記事要旨】
 米国の保守派は長年、自由主義経済と文化と政治が国を左派権威主義に導くと警告してきた。 しかし、2年前までは、脱北者で右翼メディアのスターとなったヨンミ・パクさんのような同盟者はいなかった。
 最近、朴氏は、米国の数学指導における人種差別撤廃の呼びかけを、彼女が子供の頃に北朝鮮の学校で受けた授業と比較しながら、米国も北朝鮮と同じ道をたどっていると主張した。
【コメント】
 この記事のタイトルの原文はDefecting to America’s rightだ。
 読んでも内容がよくわからなかった。ヨンミ・パクは米国左派の人権擁護派と行動と共にしていたのだが、最近は右派の支援者になったということだろうか。脱北者である彼女についてはhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%A8%E3%83%B3%E3%83%9F に詳しく書かれています。

その他:
WSJ記者の監禁は継続
 A Moscow court denied an appeal by Evan Gershkovich, a Wall Street Journal reporter held on espionage charges who asked to end his pretrial detention in Russia.
中国ビジネスの拡大を米は制限
 U.S. lawmakers accused the Chinese shopping platform Temu of shipping goods made with forced labor into the U.S.
 The Biden administration is exploring whether it can set tighter limits on Chinese cloud computing companies when they operate in the U.S.
葛飾北斎の影響
 Katsushika Hokusai was one of the most influential figures in European modern culture, but he never set foot there. A few years after his death in 1849, his woodblocks started to flutter over the ocean. A new kind of art emerged: born in Tokyo, spanning the whole world.
 Our critic at large Jason Farago reviewed an exhibition of his works in the U.S. showing how Hokusai inspired a tidal wave of followers, including Gauguin and Lichtenstein.

2023年6月23日 金曜日