トランプが大統領になると・・

プロジェクト2025を読むと、トランプがもし大統領に選出されると、ファシスト政権になりそうだと懸念する。ChatGPTにそうした懸念を聞いてみたら以下の答えを得た。

「政治家に関する仮説的なシナリオについて議論することは、推測的でデリケートな内容になる可能性があります。 仮定ではなく、観察可能な行動や政策に基づいて評価を行うことが重要です。 ドナルド・トランプの過去の行動や発言は確かにさまざまな解釈の対象となり得るが、そのような議論には慎重に取り組み、憶測ではなく事実の証拠に頼ることが重要である。

トランプ大統領の政策や行動の一部は、一部の観察者によって権威主義的または分裂的であると見なされるかもしれないが、彼や他の政治的人物をファシストと呼ぶには、ファシズムが何を伴うのかを明確に理解し、その文脈での彼らの行動を注意深く分析する必要がある。 ファシズムは、権威主義、ナショナリズム、そして多くの場合、階級主義と軍国主義を強く強調することを特徴とする、複雑で歴史に基づいたイデオロギーです。

センセーショナリズムや誇張表現に頼るのではなく、政治的人物やイデオロギーについて、情報に基づいた微妙なニュアンスの議論に参加することが重要です。 政治的議論は証拠、合理的な分析、そして異なる視点の尊重に基づいていなければなりません。」

なかなか冷静な回答だった。
確かに、冷静に見守る必要もあるかもしれないが、とにかくは、トランプを当選させない努力が必要だ。ただし、トランプは敗北を認めないだろうから、内乱の危機があることも理解しておく必要がある。

2024年5月12日 日曜日

プロジェクト2025

 プロジェクト2025と言われてピンとくる日本人は少なかろう。「もしトラ」が実現したらどんな政策が採られるのか、具体的なロードマップがあるのだ。

 プロジェクト2025とは何か?
定義
 プロジェクト 2025(正称 Presidential Transition Project)は、2024 年の米大統領選挙で共和党が勝利した場合に、米連邦政府の行政部門を再編成するために保守系のシンクタンクであるヘリテージ財団が準備している政策提案集である。
企画理由
 「保守派は選挙に勝つだけでは十分ではない。急進左派の支配からこの国を救うには、次期保守政権の初日からこのアジェンダを実行に移せるような統治アジェンダと適任者の両方が必要だ。」 (プレスリリースより)
議題
 このプロジェクトは、4 つの柱に基づき、効果的な保守政権への道を切り開くものである。(プレスリリースより)

使命の 4 本柱
1. アメリカ人の生活の中心としての家族の存在を取り戻し、子供たちを守る。
2. 行政主導の国家を解体し、アメリカ国民に自治を取り戻す。
3. グローバルな脅威から、わが国の主権、国境、恵みを守る。
4. 我が国の憲法が「自由の恵み」と呼ぶ、自由に生きるための神から授われる人権を確保する。

 石油王のコーク兄弟など数十億ドルの財力持つ大富豪が主導し、資金を提供する保守派は、減税、ビジネスの規制緩和、中絶の禁止、公民権保護や公衆衛生・環境規制の撤廃、公立学校や刑務所といった政府機関の民営化、そして社会保障、メディケア、メディケイド(医療費交付金)、食糧扶助といった福祉制度の撤廃を求めて長年戦ってきた。

企画者
 計画の策定は、アメリカの保守系シンクタンクであるヘリテージ(米国文化遺産保護)財団が主導し、チャーリー・カーク率いるターニングポイント USA 財団、マーク・メドウズ元トランプ首席補佐官をシニアパートナーとする保守パートナーシップ研究所、ラッセル・ヴォート元トランプ大統領任命管理予算局長率いるアメリカ再生センター、スティーブン・ミラー元トランプ大統領上級顧問率いるアメリカ・ファースト・リーガル弁護士事務所など、100 を超えるパートナーとの共同作業で進められている。

実行プラン
 プロジェクト 2025 は、特に経済・社会政策と連邦政府および連邦機関の役割に関して、政府全体に亘る広範な変
化を想定している。
 「上記のすべての問題に対する解決策は、あれやこれやの政府プログラムを弄ったり、官僚を入れ替えたりすることではない。これらは技術主義的な問題ではなく、国民主権と憲法上の統治の問題なのだ。
 私たちは、葉を刈り込んだり形を変えたりすることによってではなく、木を根こそぎ枝ごと切り取ることによって解決する」(「保守派の誓約」より)

 2023 年 9 月、元トランプ政権高官であるポール・ダンス氏プロジェクト・ディレクターは、プロジェクト2025 は、「ディープ・ステートとの戦いに備え、整列し、訓練され、本質的に武器化された保守派の(官僚の)新しい軍隊を、政権に進軍させ、連れてくるために組織的に準備している 」と述べた。
 実際に、MAGA 理念を教える大統領行政アカデミーというオンラインコースと、委任移転計画策定のためのガイドも一般公開されているので、企画者の計画は決して隠し事ではない。

政府にどのような変化を意図されているのか?
 企画者はまだ具体的な提案の草案を作成中だが、時計の針を100 年前に巻き戻すいくつかの政策や法律の考案について原則的な合意点を表明している。
 先ず、トランプ大統領第二次就任後の最初の6ヶ月間で、なるべく早く連邦政府一新計画に参画するつもりだ。何をするかについて複数の情報源より以下でまとめた。

文化でのアジェンダ
o キリスト教ナショナリズム:
 アメリカは元よりキリスト教国家である、と企画者は確信している。それで、政府及び公共生活に於いて、キリスト教の教義に沿った政策を導入したがっている。実際に、憲法上の宗教と国家の分離を認めながらも、キリスト教の聖句に基づいた統治システムを提案し、これには「キリストに定められた」文民司政官を全国に配置することも含まれます。
o 伝統的家庭構成:
 女性が結婚し、家庭で家族を養い、男性が世帯主を務めるという「伝統的家族モデル」を強く支持すると表明しており、このアジェンダを強化する諸政策が実施されるだろう。
o ポルノ禁止:
 あらゆるメディアにおけるポルノが非合法化され、製作者や販売者(配信者)は「性犯罪者」に指定され投獄される。違反したメディア企業は法的に閉鎖されてしまう。
o 生殖制限強化:
 妊娠中絶は、妊娠のごく初期にのみ許可されるか、全く許可されない方針だ。”Fetal personhood” (受精時点より胎児人格保護)の政策採用が予想される。同様に、医薬品による避妊は自然避妊に置き換えられるよう市民に訓戒する。また、連邦政府に、中絶件数などの定期報告書の届け出が各州に義務付けられる。
o さらば Woke :(「目覚め」)という社会改良意識)
 Wokeのリベラルな運動には根本から反目し、LGBTQ への差別解消は先ずななる。
o 教育制度再編:
 教育省は閉省され、(連邦政府指令の)公教育は義務づけられなくなる。企画者は教育省を 「醒めた教育カルテルの拠り所」と呼んでおり、特に大学の存在に対して激しい怒りを抱いている。大学とは「ダイバーシクラッツ」(社会多様性に拘る鼠)にはびこられ、「連邦認定のグルによって事実上独占されている組織」だと蔑視している。

移民と人口でのアジェンダ
o 人種置換理論:
 企画の上級指導者は、主に置換理論を支持する白人男性です。この理論とは、アメリカ共和国は中心的にヨーロッパ系白人によって建国され、これらの白人がアメリカを偉大にする制度を作り上げてきたというものだ。
 しかし近年、白人以外の人々、特に外国生まれの人々が、トランプによれば 「国家の血を汚す 」存在となっている。新政権は、特に発展途上国(トランプの言う「肥溜め諸国」)からの移民を全体的に制限することが予想される。
o 国籍届け出義務:
 以前トランプ大統領は国勢調査局に対し、居住者が合法的な米国市民かどうかを尋ねるよう指令を試みたが、裁判で敗訴した。今後は国勢調査の質問欄に市民権が追加されることになる筈で、これは明らかに非正規移民を特定する手であるように思われる。
o  違法移民の大量強制送還:
 「国境崩壊」が今大多数の有権者にとって厄介な問題であることを企画者が察知している。それでトランプ陣営は「史上最大の強制送還」を約束している。プロジェクト 2025 は、移民管理のために州兵を派遣することを考えて、具体的には、共和党寄りの州の州軍が移民保護する民主党寄りの州に越境して、連邦政府の命令を執行する考えだ。数百万人の不法移民は強制送還できるまで強制収容所に拘束するという案だ。現時点でも、連邦政府に逆らい、多くの州が移民取締りに州兵を起動する用意があると言うのだ。しかし、各州政府は、他州の州兵(若しくは国兵)が不法入国者の検挙に動員されることを果たして許すだろうか。州政府対連邦政府また州間の争いに成りかねない。
 因みに、一部の企画者は、ホームレスに対しても同様の計画を求めて、トランプ候補はそれに沿ってホームレスを集る都心から都外の大規模テントキャンプに移すことを提案している。

経済でのアジェンダ
o 気候変動対策の見送り:
 企画者は反温室効果ガス排出政策の廃止を呼び掛けている。環境問題への警戒は大げさであり、バイデンの政策は不必要に経済にダメージを与えるからと言う。企画者は化石燃料産業と手を組み、天然ガスを推進している。目下、石油生産量とエネルギー独立を更に高めるため、トランプは「ドリル、ドリル、ドリル!」(掘れ、掘れ、掘れ)と誇張している程だ。企画者も同調して「アメリカの膨大な埋蔵量の石油と天然ガスは環境問題ではなく、経済成長の活力源なのだ」 (企画書)と公言する。その延長線で、EPA(環境保護局)は縮小され、商務省も冗長とされると想定される。
o 財政の新方針:
 2段だけの軽減且つ簡素化された個人所得税「フラット課税」を採用し、見込まれる税率は 15%と 30%(社会保険賃金で調節)です。法人税は18%とする。FRB(米連邦 準備制度理事会)に対し、雇用より物価インフレ抑制に焦点を置くよう指示する。全体的に、新政権は大企業の厚い味方をする。
o 孤立貿易:
 トランプ候補は、米国に入る全ての外国製品に 10%の関税を課すと公言しています。但し、現在 WTO のルールでは、MFN(最恵国待遇条項)は 2 国間の互恵的な貿易政策を目的と しています。(WTO を出るつもり?)トランプ に拠る恣意的な「一律」政策は、却ってアメリカのグローバル経済の勢力に有害となる可能性が高い。最近の研究では、外国製品に 10%の関税をかけるだけでも、アメリカの家庭は平均年間 1,500 ドルの負担を強いられると推測されている。
o 中国からの切り離し:
 トランプは、2 期目の任期が終わるまでには、重要品は中国に一切依存しなくなると宣言した。その上に、他の中国製品には巨額の(60%)関税を課すとともに、中国製自動車の米国市場への参入を一切阻止すると約束している。

政治統制のアジェンダ
o 大統領権限の拡大:
 The Unitary Executive(大統領の単独行動原則)はブッシュJrの時代にディック・チェイニーをはじめとするネオコたちによって提唱されたもので、湾岸戦争において大統領が(憲法上、宣戦布告の責任を負う)議会を回避して自己裁量で戦争を遂行することを可能にした手段に用いられた。
o 憲法より大統領に誓う:
 企画者は2回までの任期を外し、事実上トランプを終身独裁者にすることを提案している。また、現在の政府機関の職員は、雇用条件の「スケジュール F」の下で忠誠を誓うものだけが雇用される。
o 大統領を取締まる省庁を無力化:
 司法省は縮小し、FBI と国土安全保障省は解体すると企画者が言う。恐らくトランプ政権がその役割を引き継ぐでしょう。その政権は保守派の組織からなる諮問委員会と協力して天下を取る見込みだ。
o 反体制派の弾圧:
 計画では、奴隷の反乱を鎮圧するために指令された「1807 年の暴動抑制法」を発動し、国内に軍隊を配備することが大統領の選択肢内と主張している。現在、国家の軍隊の国内派兵を違法としている。

外交のアジェンダ
 プロジェクト 2025 は主に国内政策に焦点を当てているものだが、ドナルド・トランプ自身が「アメリカ第一主義」の考え方を示す複数の声明を表明しており、プロジェクト2025は大統領制を支援するメカニズムであるため、新政権は彼の見解を政策に反映させるために動くと推測するのが妥当だ。
o NATO からの離脱:
 トランプの NATO 蔑視は決してニュースではない。彼はプーチンのウクライナ侵攻を理論的に支持していると率直に語っていた。勃発時に「賢い行動だ」と口が滑ったのは有名な話だ。
      《トランプ大統領の再登場は、米欧の軍事的協力関係の終焉を意味するだけでなく、ヨーロッパがアメリカから経済的にも切り離されるようになる可能性が非常に高く、最終的にはアメリカの孤立を深めることになるに》違いない。》
o 太平洋圏共同防衛や経済政策の見直し:
 大統領時代に日本、オーストラリア、韓国、フィリピンの「クアッド」同盟に、この地域で好戦的になっている中国への対抗に加盟している。その一方で、環太平洋経済連携協定(TPP)へのアメリカの参加には反対した。
 気まぐれで急にパキスタン同盟を見捨て、その目の敵のインドに転じたりする経歴がありる。北朝鮮の金委員長への求愛は、悲劇的なものでなければコメディーになるほどだった。大統領在任中の政策は、しばしば思いつきで行われ、結果的に中国に有利に働くことに成った。

 以上、プロジェクト2025の概要を詳しく見てきた。
 トランプ2.0は、単なる保守政治への回帰でなく、米国社会の根幹を揺るがす問題であることが理解いただけるだろう。

2024年5月11日 土曜日

世界の動き 2024年5月10日 金曜日

今日の言葉:
「認知症」
 日経新聞の報道で、「認知症の患者数が2030年に523万人にのぼる見通しとなった。 高齢者の14%にあたる7人に1人が認知症患者となる。 仕事と介護の両立が困難な人が増えると、経済的な損失は年9兆円に及ぶとの試算もある。」と言うのが目についた。
 7人に一人と言うのは盛り過ぎだと思うのだが、それにしても大きな数字だ。大学や職場での同期が集まるとみんな元気だが、元気でない人は来ていないのかもしれない。
 有吉佐和子さんが「恍惚のひと」を書いたのが1972年。実の娘に向かって「あなたはどちらさまでしたかな?」と問う痴呆症の父親が出て来て、世間に衝撃を与えた。
 当時は随分自分とかけ離れた世界と感じていたが。うかうかすると7人に一人に分類されそうだ。頑張ろう!

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.ストーミー・ダニエルズの法廷での緊張した一日
【記事要旨】
 ドナルド・トランプ氏の弁護士らは、昨日もストーミー・ダニエルズ氏が2006年の性的関係に関する証言について嘘をついているかのように見せかけようとした。 しかし、トランプ氏が直面している34件の重罪の中心で13万ドルの口止め料を受け取ったダニエルズ氏は反発した。
 「これはすべてあなたが作ったものですよね?」 弁護士が尋ねた。ダニエルズ氏は力強く「ノー」と答えた。
 火曜日に始まり昨日も続いた激しい反対尋問中、ダニエルズは弱さと反抗の間で揺れ動いた。 支持者に装備品を売りつけているとして弁護側が彼女を攻撃したとき、彼女はそれをトランプ大統領自身の商品販売に例えて反論した。
 トランプ氏の弁護士スーザン・ネチェレス氏はダニエルズ氏に2時間以上にわたり厳しい尋問を行った。 ネチェレスが彼女の信頼を傷つけようとしたとき、ダニエルズは絶えず受け流した。 あるやりとりの中で、ネチェレスさんは、ダニエルズさんはポルノ業界でのキャリアがあるため、「セックスに関する偽りの話」については豊富な経験があるのではないかと示唆した。
 ダニエルズは「映画の中のセックスはとてもリアルだ。あの部屋で私に起こったことと同じだ」と言い返した。
 ダニエルズとトランプの要約: 彼らは 2006 年 7 月に出会ったが、彼らの人生は次の 10 年で交差した。
【コメント】
 意地悪な弁護士の質問にダニエルズは良く耐えている印象だ。トランプ支持者でも性的関係が無かったと思うものは誰もいないだろう。ただ、口止め料をもらいながら、ぺらぺら話すダニエルズに反感を持つ人も多いかもしれない。法廷では話さざるを得ないということを割り引いてもだ。

2.ガザ合意への期待は交渉の行き詰まりで縮小
【記事要旨】
 カイロでのハイレベル交渉は昨日保留された。 イスラエルとハマスの代表団は去り、CIA長官も同様に去った。 早期に合意に達する可能性への期待に打撃を与えた。
 今週初めに合意が近いかもしれないという兆候を一部の人が見ていたことを考えると、今回の一時停止は後退だ。 それでも、ある当局者は、交渉担当者は停止を脱線ではなく一時停止と解釈していると述べた。
 ラファでのイスラエルの行動は、今後の議論の方向性を決める可能性がある。 バイデン大統領は水曜日、イスラエルがガザ地区の民間人を殺害するためにアメリカ製の爆弾を使用したことを認めた。 同氏は、イスラエルがラファで大規模な作戦を強行する場合、米国は砲弾の供給を差し控えると述べた。
 イスラエルのネタニヤフ首相はバイデン氏のコメントに反抗的に反応し、「我々が孤立する必要があるなら、我々は孤立するだろう」と述べた。 米国との亀裂がイスラエルの戦争継続能力に影響を与えるのではないかとの懸念が高まっている。 ネタニヤフ首相は停戦協定を求める同盟国と、侵攻を進めるという自国の右派の要求の間で板挟みになっている。
【コメント】
 何度も同じコメントを繰り返す。停戦合意は無い。「国を脅かす勢力は殲滅する。たとえ小の虫を殺しても。」イスラエルの国是だ。

3.ウクライナ、ロシア深部を攻撃
【記事要旨】
 キエフがロシアの軍事力とエネルギー産業の弱体化に取り組んでいる中、ウクライナがロシアのはるか奥深くにある製油所を攻撃したと双方の当局者が昨日発表した。
 ウクライナ国境から700マイル(1,100キロメートル以上)以上離れたロシア最大規模の施設への無人機攻撃は、キエフが敵領土のさらに内側の目標に到達できるようになってきていることを示している。
 背景: この攻撃は、2 つの石油貯蔵所に対する他の攻撃と同様、進行中の作戦の一部だ。 キエフは、ロシアの戦車、船舶、航空機に燃料を供給する施設を標的にすることで、ロシアの軍事兵站を混乱させることを望んでいる。 ウクライナはまた、自国経済の中心であるロシアのエネルギー産業を弱体化させたいと考えている。
 影響:ベルギーのエネルギー専門家は、今回の攻撃によりロシアの石油精製能力の10パーセント以上が停止し、原油をガソリン、ディーゼル、ガソリンなどの製品に変える能力が一時的に低下したと述べた。
【コメント】
 攻撃は何によってなされたのだろうか。日本の護衛艦「いずも」がドローンによって上空から撮影された映像が出回った。ドローンを多用する戦法は、従来の戦争の概念を変えた。
 GDPの2%に増える防衛予算。現代の戦争に対応できる形で賢明に使わなければならない。防衛の主体たるべき自衛隊の制服組からは声が聞こえない。

その他主要記事
ロシア:
 戦勝記念日の祝賀行事は昨年の行事よりも大規模なものであり、この国が戦争の最初の衝撃から立ち直り、戦場で有利な立場にあることの表れであった。
ハンガリー:
 中国の指導者、習近平氏は熱狂的な歓迎を受けた。 ハンガリーは欧州のEV製造拠点としての地位を確立するため、中国からの投資に期待している。
英国:
 イングランド銀行はインフレが緩和する中、金利を据え置いたが、近く利下げする可能性があることを示唆した。
気候:
 ドナルド・トランプ氏は非公開の会合で、石油会社幹部やロビイストに対し、当選すれば環境規制を撤回するため、選挙陣営に10億ドルを寄付するよう伝えた。
メキシコ:
 当局者らは、ドナルド・トランプ氏が2025年に政権に復帰した場合の米国関係の潜在的な変化に備えて計画を立てようとしている。
ボーイング:
 セネガルで飛行機が滑走路から外れ、少なくとも10人が負傷した。
南アフリカ:
 月曜日の建物倒壊後、救助隊が大量のコンクリート瓦礫の中から行方不明者数十人の捜索を行っている。

スポーツ
サッカー:
 スペインの元サッカー監督ルイス・ルビアレス氏が、選手に強制的にキスしたとして性的暴行の罪で裁判を受けることになった。
フェンシング:
 審判の誠実さと優遇措置を巡る出場停止や告発が、オリンピックを前にフェンシング競技に影を落としている。

2024年5月10日 金曜日

世界の動き 2024年5月9日 木曜日

今日の言葉:
「パリ祭」
 フランスの革命記念日に合わせて7月にはシャンソンの集いが「パリ祭」として各地で行われる。
 シャンソン歌手と言えば思い出すのは越路吹雪さんだ。今年で生誕100年だそうだ。現役の歌手としては加藤登紀子さんだろうか。
 シャンソンの集いに行くと、聴衆の高齢化が目立つ。歌手の高齢化に連れて聴衆も高齢化しているようだ。魅力的な若い歌手が出て来ず、若いファンの開拓ができていない。
 ビジネスマンとして、老齢化に対応するビジネスモデルとして注目している。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.米国はイスラエルに停戦合意に達するよう圧力
【記事要旨】
 バイデン大統領はイスラエルに対し、ラファ作戦を制限し、ハマスとの停戦合意に達するよう圧力を強めた。 彼はイスラエルへの大型爆弾の送付を保留し、CIA長官を派遣したことを公表した。
 米国は先週、イスラエルへの軍事援助の一部がラファへの全面攻撃に使用される可能性を懸念し、供与を保留したと発表した。 CIAのバーンズ長官はネタニヤフ首相と個人的に会談した。
 イスラエルは武器輸送の一時停止を軽視したが、専門家らは、この一時停止は米イの関係が新たな緊張に直面していることを示しており、イスラエルの戦争への米国国民の支持が低下する中、さらなる亀裂が生じる可能性があることを示しているが、そのような意見の相違が紛争の経過を変える可能性は低いことを認めた。
 バイデン氏は、米国の援助と忍耐には限界があると示唆しながらも、引き続きイスラエルに深くコミットしていることを明らかにした。
 詳細: 一時停止された武器輸送には、イスラエルの兵器庫の中で最も破壊力のある2,000ポンドの爆弾が含まれている。 戦争開始から最初の6週間、同国は民間人にとって安全と指定されたガザ地区でこのような兵器を日常的に使用していたことがタイムズの調査で判明した。
 会談:イスラエルとハマスの交渉担当者は昨日カイロに到着したが大きな立場の開きがある。
 分析:ネタニヤフ首相は国内外の批評家を安心させたいと考えているようだ。
【コメント】
 ネタニヤフはバーンズにハマスが受け入れている停戦案は拒否すると伝えたそうだ。毎日の報道に一喜一憂せず、具体的な進展を待ちたい。

2.米中気候変動交渉が始まる
【記事要旨】
 バイデン政権の気候公使トップであるジョン・ポデスタ氏は昨日ワシントンで北京の劉振民氏と初めて会談した。 会談は今日も続いている。 タイムズの国際気候記者は語った。
 両国はさまざまな地政学的問題で対立している。 彼らは世界最大の汚染者でもある。 「もし彼らが団結できなかったら、私たち全員が窮地に陥ることになるでしょう」とタイムズの国際気候記者は語った。
 貿易摩擦が交渉に大きく影を落としている。 中国はグリーンエネルギー技術を独占しているが、物が安くなり、エネルギー転換を加速できるので、良いことかもしれない。
 「しかし、リスクも伴う。 ホワイトハウスはアメリカ人、あるいは世界の他の国々が中国に食べ物を口に運んでもらうこと(eat from one’s hand)を望んでいない。 それは北京に過剰な権力を与えている。 現時点で中国と本当に競争できる人がいるかどうかは不明だ。」と記者は語る。
 米国の不満:大量の安価な中国製品がバイデン政権の標的となっており、バイデン政権は米国の工場に脅威を与えていると警告している。
【コメント】
 気候対策は米中で合意可能な少ない分野の一つだが、産業全体やサプライチェーンに関連するので容易でないと知れる。

3.オリンピックは安全に建設されたというフランスの主張
【記事要旨】
 オリンピック聖火は昨日フランスに到着し、フランスが夏季オリンピックの準備を整える中、パリへの1週間にわたるリレーを開始した。
 そして、エマニュエル・マクロン大統領は、これらのオリンピックは、2022年サッカーワールドカップカタール大会のような建設上の危険や移民虐待もなく、安全に建設されたと宣言した。 政府のデータによると、4年間の建設期間中、オリンピック会場での負傷者は200人未満、死亡者はゼロだった。
 しかし、検査記録やその他の文書は別の物語を示唆している。 労働者や当局者らによると、不法移民の負傷はしばしば帳簿外に扱われ、政府の統計に記載されないという。 合法的に働いている労働者の死亡事故でさえ、オリンピックのカウントから除外されることもあった。
【コメント】
 セーヌ川を使う開会式とかちょっと楽しみだ。

国際報道
ブラジル:
 洪水により少なくとも100人が死亡、少なくとも128人が行方不明となっている。
香港:
 裁判所は、民主化賛歌「香港に栄光を」の禁止を求める政府の要請を認めた。
ウクライナ:
 ロシアは、国内全域への電力供給を遮断するキャンペーンの一環として、複数の発電所を攻撃した。
脅威:
 気候変動、生物多様性の損失、外来種の蔓延により、感染症が人、植物、動物にとってより危険になっていることが新しい研究で判明した。

ビジネス
仮想通貨:
 FTXの顧客は現在、2022年の同社倒産時に失った資金と利息の全額を取り戻す態勢が整っていると、同社の破産弁護士らは述べた。
A.I.:
 Google は、科学者が人間の細胞を動かすメカニズムを理解するのに役立つ、より強力な新しいバージョンのテクノロジーを発表した。

薬物
カナダ:
 政治的反発を受けて、カナダはブリティッシュコロンビア州で公の薬物使用を再犯罪化した。
タイ:
 首相はマリファナの再犯罪化を目指している。

日本の女性活用
 日本は長年にわたり、深刻な労働力不足に対処するため、女性の職場での活躍を推進してきました。 一部の雇用主は、男性優位の職場文化を変えようとしている。
 多少の進歩はある。2020年以来、外務省の入省者のほぼ半数を女性が占めており、多くの女性が結婚後もキャリアを続けている。 しかし、女性は依然としてキャリアと家庭内での義務のバランスを取るのに苦労している。

2024年5月9日 木曜日

世界の動き 2024年5月8日 水曜日

今日の言葉:
「錦帯橋」
 大きな美しい橋だった。岩国城へ続く道も吉川氏の名残りの建物が散在し落ち着いた街並みだった。観光客はそれほど多くないが、城へのロープウェイではタイ人観光客が乗っていた。
 東京からの距離と、新幹線の不便さ(こだまが一時間に一本だ)が、観光客の来襲を食い止めているのだろう。橋の近くのお土産屋さんの状況を見ると、もっと多くのインバウンド観光客を希求しているのは理解でいるのだが、静かな街並みが我々には魅力だ。
 朝はテレカンがあり出来ず、帰路の新幹線でブログ更新するつもりだったが爆睡して一日お休みした。すいませんでした。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.イスラエル軍戦車がラファ侵入後、交渉団がカイロに到着
【記事要旨】
 イスラエルは昨日ラファに戦車を送り込み、エジプトとの国境検問所を掌握し、援助の流れを止めた。 イスラエルとハマスの代表団もカイロに到着し、停戦協定案に関する協議を再開した。
 イスラエルの作戦は、全面的な地上侵攻ではなかったようだ。 イスラエル軍はこれを「非常に正確な」対テロ作戦と称した。 同当局者は、週末に別の国境検問所(イスラエルからガザへの国境検問所)付近でイスラエル兵4人を殺害した攻撃に使われたハマスのインフラを破壊するために市内に入ったと発表した。
 ラファの病院長は、襲撃が始まって以来、27人の遺体と150人の負傷者が彼の施設に運ばれたと述べた。
 ラファのいわゆる安全地帯:イスラエルが市内から避難するガザ人のために安全地帯として指定した地域は、安全ではなく、彼らを受け入れる設備も整っていないと、昨日国連と欧州当局者が述べた。 ノルウェー難民評議会の会長は声明で、この地域は「すでに限界に達している」と述べた。
 停戦交渉に関する最新情報:米国やその他の同盟国から停戦に同意するよう圧力を受けているベンヤミン・ネタニヤフ首相は、代表団を交渉に送り返したものの、「我々は連携して、引き続き努力を続ける。 ハマスとの戦争にだ。」と述べた。
【コメント】
 イスラエルを見ると、大阪冬の陣のあとの徳川家康の巧妙な停戦交渉を思いだす。したたかだ。

2.ストーミー・ダニエルズ氏が証言
【記事要旨】
 ドナルド・トランプとセックスしたという自身の証言について黙秘するために13万ドルを受け取ったポルノ女優、ストーミー・ダニエルズが昨日マンハッタンの裁判で証言した。 彼女は、震えと当惑を覚えたという出会いと、沈黙を買った口止め料の支払いについて、耐え難いほど詳細に語った。
 彼女の口座とその後の支払い(彼女が2016年にトランプ大統領の個人弁護士マイケル・コーエンから受け取った)がこの事件の中心となっている。 トランプ氏は支払いを隠蔽するために業務記録を改ざんした罪で起訴されている。 彼は無罪を主張し、性的接触があったことは否定している。
 検察官がダニエルズ氏の尋問を終えると、弁護側の尋問はたちまち戦闘的なものになった。 トランプの弁護士はダニエルズを貪欲に駆られた嘘つきとして描こうとした。 彼女は明日証言台に戻る予定だ。
 ダニエルズ氏のしばしば露骨な証言により、トランプ氏の弁護士は証言停止を求めるようになった。 裁判官は彼らの要求を却下した。
 ダニエルズの説明:彼女は、夕食の招待から始まりセックスにまで進んだ、トランプとの2006年の夜の様子を詳細に説明した。 その夜、トランプ大統領は彼女の前に「ザ・アプレンティス」への出演をちらつかせ、結婚しているという事実を心配するなと言った、と彼女は語った。
 法廷内から:「トランプに対する彼女の嘲笑は非常に明白で、彼に関する彼女の証言中の法廷の緊張は、これまでのこの裁判で最も高かった」とタイムズの同僚は報告した。
【コメント】
 これだけ赤裸々な法廷に耐えるトランプの忍耐力は大したものだ。まだ、「あんな馬面は好みではない」と発言しているのだろうか。

3.ウクライナ、暗殺計画を阻止したと発表
【記事要旨】
 ウクライナの治安当局は昨日、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領とその他の軍事・政治のトップ人物を暗殺するというロシアの計画を阻止したと発表した。 陰謀に参加したとして告発されたウクライナ人大佐2人が反逆罪で逮捕された。
 ウクライナ情報機関は声明で、この陰謀には2大佐を含むロシア諜報員のネットワークが関与していたと述べた。 彼らは、ゼレンスキー氏を人質に取り殺害することが出来るゼレンスキー氏の警備担当者を特定する任務を負っていた。
【コメント】
 大佐二人が関与していたとは驚きだ。ロシアはウクライナ軍の上層部に食い込んでいるようだ。

その他主要記事:
英国:
 英国の陸軍、海軍、空軍の隊員の個人情報が重大なデータ侵害によりハッキングされたと国防長官が述べた。 一部の議員はサイバー攻撃は中国によって画策されたと述べた。
米国:
 バイデン大統領は、10月7日のハマスによる攻撃を受けて国内で「反ユダヤ主義の猛烈な高まり」が起きていると宣言した。
TikTok:
 中国の所有者であるバイトダンスに、「販売を強制し、さもなければ禁止する」という新しい法律をめぐって米国政府を訴えた。
ロシア:
 当局は犯罪行為の容疑で米兵を拘束した。 少なくとも7月まで拘留する予定だ。
中国:
 当局によると、病院での刃物による襲撃で少なくとも2人が死亡、21人が負傷した。
南アフリカ:
 76人が死亡した昨年8月のヨハネスブルグ火災に関する調査では、何年もの間「鳴り響く警鐘」を無視してきた当局に責任があるとされた。
ブラジル:
 イーロン・マスク氏と米国の共和党議員が、ジャイール・ボルソナロ前大統領の政治的支持源として浮上している。

2024年5月8日 水曜日