世界の動き 2022年7月12日 火曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「第7波」
 政府分科会の尾身会長が第7波の流行を認めた。これまでの6回の流行の経験は第7波対策にどのように活かされるのだろうか。

1.資金凍結への中国人の抗議
【記事要旨】
 4つの地方銀行から資金の引き出しを求める1,000人以上の人たちを警備隊が攻撃し負傷者がでた。大規模な不正調査のため4月以降これらの銀行では資金が凍結されている。中国中部の郑州市では抗議者の行動をコロナ感染監視アプリで制限しようとしたが今はやめている。中国で預金保険がどう機能するか試金石になる。
【コメント】
 預金者の阿鼻叫喚が報じられている。預金が引き出せなくなると預金者はたまったものではない。

2.ウクライナ市民は衝撃に耐える
【記事要旨】
 ロシアは2月の侵攻以来、市民は攻撃対象外というウソを繰り返しているが、東部での攻撃ではロシアのアパートやショッピングセンターへのミサイル攻撃が激化し犠牲になる市民が増えている。
【コメント】
 無言

3.安倍氏銃撃に関する「恨み」
【記事要旨】
 山上容疑者が逮捕された際、日本の警察は彼が特定の団体に恨みがあったと述べたが、団体名を明らかにしなかった。今、統一教会が恨みの対象として明らかになっている。山上の母親は信者で多額の献金をしたとされる。統一教会は安倍の祖父の岸元首相以来保守系政治家とのつながりの強さが指摘されるが安倍元首相とのつながりの強さは不明。
【コメント】
 この事件の扱いは、右と左で大きく異なる。行方を注目したい。

その他:
インドが世界最大の人口国に
The U.N. projected that India might surpass China as the most populous country next year, Bloomberg reports.
BA5は欧州でも感染拡大
E.U. health authorities said older people should get a second Covid booster.
米国の政治情勢
Most Democrats would prefer a candidate other than President Biden to run in 2024, and only 26 percent said the party should renominate him.
Biden’s approval rating is only 33 percent, nearing Donald Trump’s worst ratings during his presidency.

(2022年7月12日 火曜日)

世界の動き 2022年7月11日 月曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
 「勝者の責任」
 これからの3年間国政選挙はない。圧勝した「強力で安定した政権」に日本の抜本的な改革を期待したい。

1.スリランカの大統領が辞任
【記事要旨】
 Gotabaya Rajapaksa大統領は自宅がデモ隊に乱入され占拠された後辞任に合意したとの報道。Ranil Wickremesinghe首相は自宅が放火された後辞任を表明。食料、医薬品、燃料ほかの必需品が絶対的に不足している状況がどのように解決されるか不明。
【コメント】
 破綻した国家がどのように再生してゆくのか見守りたい。

2.安倍氏の与党が超安定多数を獲得
【記事要旨】
 安倍前首相が殺害された2日後の選挙で自民党と与党は2/3以上の超安定多数を獲得した。この結果は安倍氏が長年求めていた平和憲法の改正を可能にする。2020年の辞任後も安倍が政治力を維持してきた証明。日本ではインフレの高進、円レートの低下、ウクライナ戦争での燃料の高騰、コロナ感染の拡大等の難問山積であり、従来は国民に人気のなかった憲法改正ができるかはまだ道は遠い。
【コメント】
 タイムズは改憲賛成の維新の会と国民民主党は与党と見做しているようだ。参院選の投票率は52%だそうで、政治への関心を高め投票率を上げる工夫が必要だろう。

3.ロシアはドネツクを砲撃
【記事要旨】
 ルハンスク州制圧後、ドネツク州の5都市を砲撃。ロシアはカルキウへに攻勢を強め占領地では民政を開始し新しい国旗を掲げる。カルキウ地域の30%がロシアに支配されている。

【コメント】

 第二次大戦の独ソ戦の様相を呈してきた。嗚呼。

その他:
G20会合での米中
At a meeting in Indonesia, Secretary of State Antony Blinken, the top U.S. diplomat, pressed Wang Yi, China’s foreign minister, to further isolate Russia. Wang responded sharply, noting a “growing ‘China phobia’” in the U.S.
アジアの洪水
Flash floods in Kashmir killed at least 16 people during a Hindu pilgrimage, Reuters reports.
Intense flooding also killed dozens of people in Pakistan and Afghanistan, Reuters reports.
Twitterの行方はどうなる
Elon Musk filed to back out of his deal to buy Twitter on Friday. Now, the issue is moving to the courts.

(2022年7月11日 月曜日)

BOJO must go!で思い出したHOJO

 イギリスの政局のニュースでBOJOという言葉がよく見られるが、これは辞任を表明したBoris Johnsonの略称だ。

 BOJOで思い出すのはHOJOという米国でよく使われる言葉だ。日本人でHOJOと聞けば鎌倉時代の執権であった北条氏か、鴨長明の方丈記を思い出すことだろう。

 米国でHOJOと言えば、第一に思い出すのはHoward Johnson’sというレストランチェーンとホテルチェーンだ。ホテルチェーンは私がアメリカに滞在していたころは全米展開しあちこちにHOJOを見つけることができた。レストランチェーンも全米展開しており元気があった。

 久しぶりにHOJOをwikipediaで調べて驚いたのだが、ホテルチェーンはWyndham Hotel and Resortsの傘下に収まっている。レストランチェーンは最近では不振を極め2022年3月にLake George(ニューヨーク州の避暑地でよく遊びに行ったものだ。懐かしい)にある最後の店を閉めた。

 それ以外にHOJOで思い出すのは、Metsの主力選手だったHoward Johnsonだ。90年代初め私がニューヨークにいたころは彼の全盛期で30-30(30本塁打30盗塁)を達成した数少ない選手の一人だ。彼が登場するとスタンドがHOJO HOJOという掛け声に包まれたのを思い出す。

 彼のその後を調べると1995年に35歳で引退している。彼のような一流選手でも引退後はルーキーリーグからA、AAへとコーチの経験を積み、メッツの1塁コーチになったのは2007年だ。その後はメジャーのコーチとしては安定せずマイナーリーグを経て2020年からはメキシコリーグで打撃コーチを務めている。野球の殿堂には2001年に候補になったが一票も得られなかった。

 日本のように有名だった選手はコーチのポジションが得られるわけではなく、実績を挙げなければコーチとして生きていくのは大変そうだ。

 私がニューヨークにいた1991-1998年からはほぼ4半世紀が経っている。当時輝いていたHOJOのその後を調べると、米国の変化の激しさと競争の厳しさを改めて感じるのだ。

(2022年7月10日 日曜日)

安倍首相の殉難

安倍首相が暴徒の銃弾を受け亡くなられた。ご冥福をお祈りしたい。

 昨日はこの事件で日本中のマスコミが持ちきりだったが、日本のみならず海外でもそうだった。米ニューヨークタイムズの電子版では、(時間は日本時間)
 12:23 Shinzo Abe, Japan’s former prime minister, collapsed after a gunshot was heard as he delivered a speech, the country’s public broadcaster said.
 15:13 Shinzo Abe, Japan’s former leader, is in critical condition after being shot, Prime Minister Fumio Kishida said.
18:18 Shinzo Abe, Japan’s longest-serving prime minister, was assassinated during a public speech. He was 67. A suspect was arrested.
このように、刻々と元首相の様態を伝えた。

 世界の要人の多くが安倍氏に弔意を示し、半旗を掲げて弔意を表す国々もあった。日本の首相として史上最長の在任期間をつとめ、海外でも名前と顔を覚えてもらった首相は最近では安倍氏ぐらいだ。

 こうした功績の影で、もりかけ桜、集団的自衛権を認める憲法解釈、野放図な財政運営と回復不能な異次元の金融緩和、非正規労働者の著増、実質給料の伸び悩み、といった安倍氏の負の遺産は覆い隠されることになるのだろう。

 安倍氏の殉難は参院選には大いなる追い風になり、改憲勢力が衆参両院で2/3を超え、憲法改正への道が正面から開かれることになる。

 原敬、犬養毅、浜口雄幸等に並び悲劇の宰相として安倍氏は後世に名を残すことになるのだろう。

 日本の終わりの始まりを作った首相として安倍氏がその名を残すことが無いようにするには、我々は何をなすべきなのだろうか。

(2022年7月9日 土曜日)

世界の動き 2022年7月8日 金曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
「7月8日は何の日?」
 那覇の日。質屋の日。ナンパの日。だそうでこれは音感で説明が付きますね。外務省が設立された日として外務省記念日でもあるそうです。

1.ジョンソン首相が辞任を発表
【記事要旨】
 保守党内での不支持の広がりと閣僚の反乱に直面し辞任を発表。秋の保守党党大会まで首相を続けたい意向だがそうなるかは不透明。新聞記者出身のジョンソン氏の政権の3年間はEU離脱に向けた高支持に始まり、大衆の意向を素早く取り込み、ルールを無視し倫理観が欠如し、やるかやられるかという政治手法が、最後は党内での大幅不支持になった。後任はハント前外相、スナク前蔵相が取りざたされている。
【コメント】
 特異な政治家だった。ルール無視の姿勢が自分に最後は跳ね返ってきたということだろう。

2.バスケット選手は露で有罪を認める
【記事要旨】
 薬物所持で2月からロシアで拘束されていたブリトニー・グリナ―は有罪を認めた。ハッシシオイルの所持について罪を認めたので1、0年間の禁錮刑を受ける恐れがある。ロシア政府はこの件への関与を否定しているが、米国で拘束されている武器商人ヴィクトール・バウトとの交換を要求しているとされる。
 ロシアのドネツクへの攻勢が拡大。ドンバス地方占領への大攻勢の序曲との見方。ウクライナは黒海のスネーク島を奪還しウクライナ国旗を掲げた。ウクライナ軍の前線で軍歴の有る海外義勇兵が戦闘に参加している。
【コメント】
 グリナー選手をめぐる動きが人質交換になるのか、バイデンの判断しだいだ。

3.北京はワクチン接種を義務化
【記事要旨】
 北京市は公共交通と公共施設を理由する人にはワクチンの接種証明提示を要求。従来の完全封じ込め政策からの転換と見られる。中国では国産ワクチンのみが認められており、ワクチンに不信を持つ高齢者の接種が進んでいない。60歳以上で2回以上のワクチンを接種したのは5月で82%にとどまる。(筆者:十分高いと思われるが)
 BA5は新しい流行の波を米でももたらす恐れがある。
【コメント】
 BA5は随分感染力が強そうだ。日本でも増えているが重症者は少ない。2類か5類かという議論がすっかり聞かれなくなった。このままBA5が流行すれば、保健所中心の対応は政府の言う「目詰まり」が起こるのが確実だ。政府はコロナ対策を「しっかりやっている」という評価を得るために従来の対応を継続するのは考え直すべきだ。

その他:
スリランカは露に支援を求める
With his country in economic crisis, Sri Lanka’s president said that he asked President Vladimir Putin of Russia for help buying fuel, the BBC reported.
ニュージーランドはバイデン政権と距離
With his country in economic crisis, Sri Lanka’s president said that he asked President Vladimir Putin of Russia for help buying fuel, the BBC reported.
TikTokが騒がれているが米国も危ない
Irish regulators threatened to block Facebook and Instagram from moving data about European users to the U.S.

(2022年7月8日 金曜日)