BOJO must go!で思い出したHOJO

 イギリスの政局のニュースでBOJOという言葉がよく見られるが、これは辞任を表明したBoris Johnsonの略称だ。

 BOJOで思い出すのはHOJOという米国でよく使われる言葉だ。日本人でHOJOと聞けば鎌倉時代の執権であった北条氏か、鴨長明の方丈記を思い出すことだろう。

 米国でHOJOと言えば、第一に思い出すのはHoward Johnson’sというレストランチェーンとホテルチェーンだ。ホテルチェーンは私がアメリカに滞在していたころは全米展開しあちこちにHOJOを見つけることができた。レストランチェーンも全米展開しており元気があった。

 久しぶりにHOJOをwikipediaで調べて驚いたのだが、ホテルチェーンはWyndham Hotel and Resortsの傘下に収まっている。レストランチェーンは最近では不振を極め2022年3月にLake George(ニューヨーク州の避暑地でよく遊びに行ったものだ。懐かしい)にある最後の店を閉めた。

 それ以外にHOJOで思い出すのは、Metsの主力選手だったHoward Johnsonだ。90年代初め私がニューヨークにいたころは彼の全盛期で30-30(30本塁打30盗塁)を達成した数少ない選手の一人だ。彼が登場するとスタンドがHOJO HOJOという掛け声に包まれたのを思い出す。

 彼のその後を調べると1995年に35歳で引退している。彼のような一流選手でも引退後はルーキーリーグからA、AAへとコーチの経験を積み、メッツの1塁コーチになったのは2007年だ。その後はメジャーのコーチとしては安定せずマイナーリーグを経て2020年からはメキシコリーグで打撃コーチを務めている。野球の殿堂には2001年に候補になったが一票も得られなかった。

 日本のように有名だった選手はコーチのポジションが得られるわけではなく、実績を挙げなければコーチとして生きていくのは大変そうだ。

 私がニューヨークにいた1991-1998年からはほぼ4半世紀が経っている。当時輝いていたHOJOのその後を調べると、米国の変化の激しさと競争の厳しさを改めて感じるのだ。

(2022年7月10日 日曜日)