世界の動き 2024年10月3日 木曜日

今日の言葉
「Paper Tiger」
 張り子の虎だ。久しぶりに聞いた言葉だ。大分前、毛主席のころの中国が「米帝国主義は張り子の虎」と揶揄していた。日本の社会党委員長が訪中時にそれに同調し「米国帝国主義は日中共同の敵」発言をして論議を巻き起こした。
 今回はイランについてだ。昨日の180発のミサイル攻撃は、国内強硬派に押されて「儀礼的」に行った攻撃だという見方が一般的だ。実働部隊として動かしてきたヒズボラは壊滅的な被害を受け、イスラエルの地上侵攻に対して目立った反撃も出来ない状態だ。
 反米勢力の「親分」として地域の盟主と見做されていたイランは今や張り子の虎と化してきているようだ。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.イスラエル軍がヒズボラと衝突
【記事要旨】
 イスラエルとヒズボラは、イランがイスラエルに弾道ミサイルを発射した事態を検討しつつ、両軍が南レバノンで近距離戦を繰り広げていると述べた。
 ヒズボラは、少なくともレバノンの1つの町でヒズボラの戦闘員がイスラエル軍と衝突し、イスラエルの町をロケット弾で攻撃したと述べた。イスラエルは、レバノンでの戦闘開始1日半でイスラエル軍兵士8人が死亡したと述べた。
 イスラエルは火曜日のイランのミサイル攻撃にどう対応するかまだ決定していない模様だ。イスラエルの対応の正確な内容は、明日日没まで続くユダヤ教の新年、ロシュ・ハシャナが終わるまで明らかにならないかもしれない。
 バイデン大統領は昨日、イスラエルによるイランの核施設への攻撃を支持しないとし、イスラエルの対応は相応でなければならないと考えていると述べた。
 ベイルート特派員によれば南部郊外ではヒズボラのメンバーを狙った空爆により、ダヒヤ地区は麻痺状態に陥り、住民は避難し、商店は閉鎖されている。
【コメント】
 イスラエルがイランの核施設を攻撃すれば地域の不安定さが一気に拡大する。

2.副大統領候補討論会のポイント
【記事要旨】
 選挙日前の唯一の副大統領候補討論会で、ティム・ウォルツとJD・ヴァンスは政策重視で驚くほど礼儀正しい意見交換を繰り広げた。討論会はイランのイスラエルに対する最新の攻撃に関する質問から始まり、アメリカの民主主義の現状に関する白熱したやり取りで終わったが、ヴァンスはドナルド・トランプが2020年の選挙で負けたことを認めなかった。
 ヴァンスは歯切れがよく、より好感の持てる側面を見せようと努めたが、トランプの実績や見解の角を丸めようと努力した。ウォルツは時折不安そうに見え、いくつかの質問でつまずいたが、会話が中絶や健康政策に移ると、自分の立場を固めたようだった。
【コメント】
 ヴァンスのシャープさが目立った。ヴァンスが少し有利と言う世論調査結果のようだ。政策論議が深まったのは良かった。

3.ウクライナ、東部の鉱山の町から撤退
【記事要旨】
 ウクライナ軍は、ロシア軍の襲撃を受けた同国東部の鉱山の町ヴレダルから最後の部隊を撤退させるよう命じた。この町を失うことで、ドネツク州南西部のウクライナの防衛が困難になり、ロシアは鉄道と道路の要衝であるポクロフスク方面への攻撃を強めることになる。
 ​​ロシアがヴレダルを占領するのに3年以上かかった。数年にわたる戦闘の後、両軍とも疲弊している兆候があり、ロシアが獲得した成果を生かす能力と、ウクライナが容赦ない攻撃をかわし続ける能力について疑問が生じている。
 ロシアの優先事項:ウラジミール・プーチン大統領は、兵士の増員と大家族化の奨励に向けたリソースを増やしている。2つの作戦は別々だが、クレムリンが自国を西側諸国に打ち勝つために一般のロシア人を動員して国を再構築しようとする、ますます積極的な試みを示している。
【コメント】
 これだけ死傷者を出しても反プーチンの動きはロシア国内で出ないのだろうか。メディアが完全にコントロ―ルされている証左か。
 更なる動員増には国内で反感が増すとは思うのだが。

その他の記事
台湾:
 台風クラトンが台湾に迫る中、当局は学校やオフィスを閉鎖し、国内便をすべて停止した。
電気自動車:
 テスラは、第3四半期の乗用車とトラックの世界販売が6.4%増加したと発表し、電気自動車の需要が回復していることを示唆した。
米国:
 バイデン大統領は国防総省に対し、ハリケーン・ヘレンの救援活動を支援するため、最大1,000人の現役軍人を派遣するよう命じた。

2024年10月3日 木曜日

世界の動き 2024年10月2日 水曜日

今日の言葉
「さらば蛍光灯」
 PANASONICは蛍光灯の生産を止めるそうだ。
 蛍光灯を使った機器の生産はとっくに終了していたが、蛍光管の生産を止めるそうだ。
 1951年に生産を開始したそうなので、私の人生に蛍光灯は重なるのだ。
 今では、電気スタンドとガレージで数本を使用しているだけだが、どう対応すれば良いのだろうか。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.イランがイスラエルに弾道ミサイルを発射
【記事要旨】
 イランはイスラエルに数波の弾道ミサイルを発射した。突然の攻撃でイスラエルは3つの戦線で同時に戦うことになった。この攻撃はイスラエルとイランの長きにわたる紛争の急激なエスカレーションであり、中東で最も強力な2つの軍隊の間で全面戦争が起こる可能性を高めている。
 イスラエル軍によると、イランは約180発のミサイルを発射し、これまで最大規模となった。イスラエル軍によると、ミサイルの多くはイスラエルの防空システムによって迎撃され、一部はイスラエル中部と南部に落下した。占領下のヨルダン川西岸で落下した破片によりパレスチナ人男性1人が死亡したが、イスラエル国内で死傷者が出たとの報告はすぐにはなかった。
 背景: この攻撃は、イスラエルがイラン支援の民兵組織ヒズボラを追撃するためにレバノンに侵攻を開始したことから始まり、24時間足らずの間に起きた目まぐるしい一連の出来事の集大成だった。イスラエル軍が地上に進撃する中、イスラエルはレバノンを空から攻撃し、ヒズボラはイスラエルの奥深くにロケット弾を発射した。
 今後の展開: この地域は緊張状態が続いている。イスラエル軍は、自らが選択した方法とタイミングで対応すると述べ、イランはイスラエルが反撃すればさらにミサイルを発射すると述べた。ホワイトハウスの高官は、米国はイスラエルを守ると述べ、イスラエルへの直接攻撃は「イランに深刻な結果をもたらす」と警告した。
【コメント】
 ヒズボラが弱体化したので、イランが直接乗り出してきたということだ。今後も散発的な空中戦が続くのだろう。
 それにしてもイスラエルの防空能力の高さには驚かされる。通常兵力での大規模空爆に対して日本の防空体制はどうなっているのだろうか。

2.副大統領候補討論会で注目すべき点
【記事要旨】
 JD ヴァンスとティム ウォルツによる副大統領候補討論会は、先月の大統領候補対決ほどの熱気はないかもしれない。しかし、選挙日前の最後の討論会として、選挙戦の流れを変える可能性はある。
 両陣営にとって、討論会は主に、誰がトップ候補のビジョンをよりよく定義し擁護できるか、そして誰が矛盾点を指摘できるかをめぐる代理討論である。大統領候補の対決とは異なり、マイクがミュートされることはなく、活発な意見交換や罵り合いが行われる可能性がある。
 ウォルツの素朴なイメージとヴァンスの鋭いコミュニケーション スタイルのどちらが優勢になるかに注目だ。ハリス陣営はウォルツの中西部の父親というペルソナに傾倒し、一方ヴァンスは厳しい印象を与えかねない攻撃的な保守主義を体現している。
 討論会は東部時間午後9時に放送される。
【コメント】
 個性が極めて対照的な二人の討論に注目したい。

3.米国で港湾労働者がストライキに突入
【記事要旨】
 米国東海岸とメキシコ湾岸の港湾労働者が約50年ぶりにストライキに突入。この動きにより、米国で最も忙しい港湾のいくつかを経由する貿易のほとんどが遮断され、経済に悪影響が及ぶ可能性がある。
 約4万5000人の労働者を代表する国際港湾労働者協会の組合員は、賃金引き上げと港湾における新技術の使用に関する合意をめぐる土壇場の協議が決裂したことを受けて、ピケを張り始めた。専門家らは、短期間のストライキでは長期的な被害はほとんどないが、数週間のストライキは不足、価格上昇、さらには解雇につながる可能性があると述べている。
【コメント】
 エッセンシャルワーカのストだ。AIの導入で仕事を失う危機もあり、新技術の導入への合意は組合にとって生命線だった。今後の展開を注目したい。

その他の記事
メキシコ:
 クラウディア・シャインバウムが昨日、同国初の女性指導者に就任した。
中国:
 米財務省当局者は、中国中央銀行による苦境にある国々への緊急通貨「スワップ」融資について透明性の向上を求める。
テクノロジー:
 ソフトバンクの孫正義氏がOpenAIに投資する準備を整えている。

2024年10月2日 水曜日

世界の動き 2024年10月1日 火曜日

今日の言葉
「箱根」
一泊二日で箱根に行ってきた。ホテルの無料宿泊特典を使うためだ。芦ノ湖のプリンスホテルに宿泊した。
車で行ったのだが、途中、箱根湯本の駅前では外国人観光客が道にあふれていた。観光客の7割が外国人だった。宿泊したホテルでも半数以上がインバウンドのお客だった。
箱根は東京から車で2時間弱。日本人の観光客の多い行楽地と言う思い込みがあったが、ここでもインバウンドなしではビジネスが成り立たないようだ。
宿泊したホテルでは、受付は中国人、ドアレディはタイ人、温泉の受付はフィリピン人、ルーム掃除はネパール人、と言った具合に多くの外国人が活躍していた。インバウンド増加と相まって、この辺の国際化は進んでおり、望ましいと思われた。

日本人のリピーターを増やす施策をしっかり打ち出していかないと、那須塩原や鬼怒川のように旅館の廃墟が出てこないとも限らない。東京に近い地の利に安住していてはいけない。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.イスラエルがレバノンを襲撃
【記事要旨】
イスラエルと西側諸国の当局者によると、イスラエルの特殊部隊は昨日、レバノンに短時間侵入した。おそらくヒズボラを標的としたより大規模な侵攻の準備だろう。
襲撃はイスラエルの北国境付近のヒズボラの陣地に関する情報収集、ヒズボラのトンネルや軍事インフラの特定に重点が置かれている。軍当局者らは、レバノンでヒズボラに対する大規模な地上作戦を開始するかどうか、またいつ開始するかについてはまだ最終決定が下されていないと述べた。イスラエルにとってレバノンでの作戦は20年ぶりとなる。
​​アメリカ当局者らは、イスラエルに大規模な地上侵攻を思いとどまらせる努力は効果的だったと述べた。
ベイルート:イスラエルは、レバノンの首都で昨夜住宅ビルを襲った爆発は自国が引き起こしたものと発表。ベイルート中心部でイスラエルが攻撃したのは2006年以来初めて。
死者数:10月7日以降、レバノンでは1,700人以上が死亡しており、その大半は過去2週間で起きた。
【コメント】
米はイスラエルへの説得は効果があったと考えているようだが全くそうは思えない。大規模侵攻の序曲と見る。

2.ハリス氏とトランプ大統領はハリケーン被害に焦点を当てた
【記事要旨】
ドナルド・トランプ前大統領とカマラ・ハリス副大統領は昨日、南部の広い範囲が壊滅的な嵐に見舞われ続けている中、ハリケーン・ヘレンの被害状況に注目した。ハリケーンによる死者は6州で100人以上に上っている。
トランプ氏はジョージア州の地元の指導者と救急隊員に感謝し、嵐の被害に苦しむ人々と「完全な連帯」を約束した。ホワイトハウス当局者は、ワシントンの連邦緊急事態管理局からブリーフィングを受けたハリス氏は、緊急活動を妨げずにできるだけ早く被災地を訪問する予定だと述べた。
【コメント】
大災害への対応は選挙での大きな加点要素だ。どちらの方が上手くやったのかはよくわからない。

3.英国、最後の石炭火力発電所を閉鎖
【記事要旨】
英国は最後の石炭火力発電所を閉鎖し、世界の主要先進国の中で石炭からの脱却を果たした最初の国となった。この動きは、産業革命中に最初に大量の石炭を燃やし、世界的な石炭依存を引き起こした国であるだけに、なおさら象徴的である。
英国政府は、2030年までにすべての電力を化石燃料以外の資源から発電することを目指している。電力供給の大部分は石油とガスによるものだが、再生可能エネルギーは発電量の40パーセントを占めている。
【コメント】
産業革命が英国の石炭を燃料として始まったことを考えると確かにシンボリックな出来事だ。日本は出遅れている。

その他の記事
韓国:
裁判所は、2022年にハロウィーンの群衆の押し寄せで160​​人近くが死亡した事件に過失で加担したとして、警察幹部に懲役3年の判決を下した。
メキシコ:
明日退任するアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は、近年のどの指導者よりも国を変革した。
フランス:
極右指導者マリーヌ・ル・ペン氏と20人以上が、欧州議会から資金を横領した罪で裁判にかけられた。

2024年10月1日 火曜日

世界の動き 2024年9月30日 月曜日

今日の言葉
「石破新政権」
結局は派閥均衡だ。諭功行賞人事だ。財務均衡策は経済にマイナスだ。金融所得課税強化は株式市場に大きなマイナスだ。云々と、非難続出だ。個人的には女性の少なさが目に付いた。
政策で言うと、短期的に市場に悪影響があっても、所得分配の是正と金融正常化、財政の再建、は避けて通れないものだと思う。
石破さんは非主流派としてこれまでカッコいいことを言ってきた。持論をしっかり実現する姿勢を示さないとこれまでの言動は何だのかということになり、大切な国民の支持を失うだろう。
麻生氏は石破に背中を撃たれたことを根に持っているようだ。総裁になった今、石破氏には、自分で自分の背中を撃つような愚は犯さないでもらいたいものだ。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.イスラエルがヒズボラ指導者を殺害し、イエメンを攻撃
【記事要旨】
ヒズボラ指導者ハッサン・ナスララは金曜日、レバノンのベイルート近郊で殺害された。イスラエル軍によると、攻撃は民兵の本部を襲ったという。ナスララは中東全域およびそれ以外の地域の反イスラエル勢力の目印であり、彼の死はヒズボラにとって大きな打撃だ。
イスラエルは昨日、イラン支援の過激派グループへの攻撃を拡大しイエメンを攻撃した。イエメンでの攻撃で少なくとも4人が死亡した。
イスラエルによるナスララへの攻撃は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が外国からの批判に屈していないことを示唆する。彼が攻撃を承認したのは、国連総会での演説と同じ日だった。
イランでは、ナスララ殺害への対応をめぐってイラン政府内に亀裂が生じている。重要なことに、ハメネイ師は、イスラエルに対するいかなる対応もイランではなくヒズボラが主導するだろうと示唆した。
詳細:イスラエルの国防高官2人がタイムズ紙に、ナスララ殺害のために80発以上の爆弾が投下されたと語った。攻撃で少なくとも4棟のアパートが破壊され、被害は2,000ポンド爆弾によるものと一致する。
分析:中東でのほぼ1年間の戦争で、大国は戦闘を止めることも、大きな影響を与えることもできないことが証明された。ナスララ殺害後、イスラエルとヒズボラの和平協定を仲介しようとする西側主導の試みは不透明だ。これらの失敗は、今後も続くと思われる、分散化された権威の不安定な世界を反映している。
【コメント】
イランは反米の尖兵だったヒズボラが壊滅しイスラエルに報復するにも出来ない状況だ。イスラエルのこれまでの状況を見れば地上攻撃もありそうだ。
2000ポンドと言えば約900トンだ。巨大な1トン爆弾900発分だ。イスラエルの民間人の犠牲を考慮しない恐るべき攻撃だと理解できる。

2.トランプ氏、ハリス氏を「知的障害者」と攻撃
【記事要旨】
ドナルド・トランプ氏は今週末の集会で、カマラ・ハリス副大統領を「知的障害者」や「精神障害者」と呼び、痛烈な個人攻撃を連発した。大統領選の最中、攻撃的な発言を好んでいる候補者にとっても、これは驚くべき一連の攻撃だった。
「ジョー・バイデンは知的障害者になった」とトランプ氏は述べた。「カマラは生まれつき知的障害者だ」
トランプ氏の発言は、共和党、民主党両党から即座に非難を浴びた。サウスカロライナ州選出の共和党上院議員リンジー・グラハム氏は、「彼女の政策が国を破壊しているという訴えを起こすのがより良い方法だ」と述べた。メリーランド州元知事で反トランプ派の共和党員ラリー・ホーガン氏は、この発言はハリス氏と「実際に知的障害者である人々」の両方を「侮辱する」ものだと述べた。
【コメント】
タブーに触れる行為だ。こんなことを言っても平然とできるトランプ氏とその烈々な支持者はどういった人たちだろうか。

3.ハリケーン ヘレンが米国南東部を襲った
【記事要旨】
ハリケーン ヘレンはフロリダ州の湾岸からテネシー州まで壊滅的な進路を切り開き、一部のコミュニティを壊滅させ、同地域で60人以上の死者を出した。
ヘレンによる被害は同地域全体に深刻で、ノースカロライナ州西部では大きな危機を引き起こした。1,270人以上の救助隊が派遣されたが、地滑りや停電により、多くの州が依然として麻痺状態にある。当局は、死者数はさらに増える可能性があるとしている。
【コメント】
能登半島豪雨の被害も甚大だが、死者60名とは大きな災害だ。石破さんは防災省創設を唱えているが、どうなるのだろうか。

その他の記事
ネパール:
3日間続いたモンスーン雨で洪水や土砂崩れが発生し、少なくとも104人が死亡した。
オーストリア:
極右の自由党が議会選挙で初めて勝利する可能性がある。
南アフリカ:
銃を持った男たちが2軒の農家を襲撃し、1世帯から少なくとも17人が殺害された。国内で銃乱射事件が急増している。

2024年9月30日 月曜日

出来たこと、出来なかったこと

 9月27日で、二つの会社の監査役・監査等委員を退任した。一つはプライム上場企業(こちらは監査等委員)、もう一社は非上場企業(こちらは監査役)だ。

 上場企業の方は、旧知の株主の方から、水島さんに会えると思って総会に出席したのに、退任されたんですか?というメールを頂いた。経営改善を期待していたのにというお言葉も頂いたが、何も出来ない2年間だった。今日は、この上場企業での経験談を記す。非上場の方は機会を改めたい。

 さて、監査等委員という仕事柄、内部統制に関する指摘やお願いをしてきた。

 出来なかったことは数々ある。詳しくは書けないので項目だけ挙げておく。

 第一は、内部監査の取締役会への報告だ。

 第二は、内部通報への初期対応だ。

 第三は、指名報酬委員会の整備だ。

 第四は、取締役会の年間スケジュール作成だ。

 幸い会社の業績は好調であり、内部統制なんぞに時間と費用を割いても収益に1円も貢献しないという考えはよくわかるし、それは正しい考えだと思う。経営者の蛮勇だけが企業を成長させるのであって、バックシートの人間は黙って座っているのが、企業にとっての最適解だろう。

 そうだとしたら、そうした考えは臆さず市場に公表して株主の信を問うべきなのかと思う。業績好調で株価が上昇している間は、問題は全くないのだ。

2024年9月29日 日曜日