世界の動き 2023年12月27日 水曜日

今日の言葉:
「損保4社」
 昔沢山あった損保会社は合併が進み大手4社に統合された。東京海上日動とかと言う長ったらしい名前はその反映だ。
 当然ながら4社の寡占が進み現在企業向け保険では4社は8割のシェアを誇る。大学生の就職先として人気上位を誇る企業群だ。
 ところが、4社は企業向け保険の引き受けに際し談合をして価格を4社に有利な水準に維持してきた。今回金融庁から業務改善命令を受けた。
 自社の都合だけを考え顧客志向はひとかけらもない。ダイハツもそうだった。こういう企業群が跋扈している状況は日本の落日の象徴だ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.ウクライナの勝利と敗北
【記事要旨】
 ロシアの黒海艦隊に対するここ数カ月で最も大規模な攻撃の一つで、昨日、ウクライナのミサイルがクリミアに停泊していた軍艦に命中した。 しかし、その成功は、1か月にわたる戦闘の後に東部の都市マリンカから撤退したことで弱まった。
 ウクライナ軍最高司令官は、この都市をめぐる戦いを、5月にロシアに陥落したバフムートをめぐる焦土の戦いに例えた。 バフムートと同様、マリンカも戦略的価値は限られているが、現在モスクワにとっては廃墟となった戦利品となっている。
 その数時間前、ウクライナ空軍はロシアの船舶「ノヴォチェルカスク」を破壊したと発表した。 ロシア国防省は、船が損傷したと発表した。
 この展開は、二つの戦闘の行方の違いを浮き彫りにした。 ウクライナは黒海とクリミアで海軍の成功を収めてきた。 しかし地上戦は行き詰まり、ロシアはウクライナの反撃を鈍化させた後、東部の戦場を攻撃している。
 ウクライナはロシアとの長期にわたる戦争に向けて準備を整えていることを示唆した。 政府は月曜日、軍に徴兵できる年齢を27歳から25歳に引き下げる法案を提出した。軍当局者らは、最大50万人の兵士の大規模動員が必要になる可能性があると述べている。
【コメント】
 クリスマスを終え新年もウクライナ国民は戦禍の中で迎える。言葉が無い。

2.米国、イラクのイラン支援団体を攻撃
【記事要旨】
 米当局者らは、米国が昨日イラクで実施した空爆により、過激派が死亡し、米国と連合軍を標的にするためにイラン支持者が使用していた施設3か所が破壊された可能性が高いと述べた。
 この空爆は、数時間前のイラクのアルビル空軍基地への無人機攻撃を含む一連の攻撃に対する報復であった。 米当局者によると、この攻撃で米軍人3人が負傷し、うち1人は重傷を負った。
 米国は、イラクとシリアの米軍に対するほぼ毎日のロケット弾と無人機による集中攻撃について、イランとそれに協力する民兵組織を非難している。 米国は、より広範な戦争を回避しながら、そのような集団を阻止するために報復空爆を利用しようとしている。
 これとは別に、イランは月曜、イスラエルがシリアでのミサイル攻撃で軍高官1人を殺害したと発表した。 イスラエルは、殺害の背後にイランがあるとコメントしていない。
 しかし、イスラエルの国防大臣は、同国はすでに「多方面にわたる戦争」にあり、ガザ、ヨルダン川西岸、シリア、レバノン、イラク、イエメン、イランから「攻撃を受けている」と述べた。 同氏は、イスラエルは7件中6件で「すでに反応し、行動を起こした」と述べた。
 ガザ戦争を巡り米国とイスラエルの間で意見が分かれる中、イスラエル戦時閣僚のダーマー氏は、ブリンケン国務長官およびサリバン国家安全保障問題担当補佐官と会談する予定だ。
 戦闘が激化する中、ガザ南部には200万人近くが押し寄せている。
 10月7日の攻撃はイスラエル国民に深いトラウマを与え、今後何年にもわたって国の形を変えると予想されている。
【コメント】
 イスラエルはガザだけでなく全土で戦っているがわかる。こうした状況では、イスラエル・ハマス双方に停戦合意のインセンティブは少ない。

3.トランプ大統領、中国との貿易分断を計画
【記事要旨】
 来年の選挙後にドナルド・トランプ氏がホワイトハウスに復帰すれば、米国と中国の経済を引き裂き、ほとんどの輸入品に新たな税を課す計画だ。
 同氏は、米国人の中国への投資を禁止し、中国による米国資産の所有を制限し、エレクトロニクス、鉄鋼、医薬品など主要な種類の中国製品の輸入を段階的に全面禁止したいと述べた。
 トランプ大統領の計画は、貿易の専門家らから警告を受けており、費用は米国の消費者と生産者が負担することになり、計画は同盟国を疎外する危険があると述べている。
【コメント】
 わかりやすい米国ファーストの政策だ。トランプの怖いところは、公約は必ず実現することだ。TPPとパリ協定からの脱退。メキシコとを間の国境の壁の建設。等々、当選前は、当選したらまさかそんなことはしないと思われたことを次々に実現した。良くも悪くも有言実行の人ではある。

その他の記事より:
・米国インフレの行方
 Holiday spending increased in the U.S. despite lingering inflation. Still, analysts are divided on whether the country’s economy can avoid a severe downturn next year.
・今夏の高温の理由は?
 Scientists are busy trying to understand whether record heat in 2023 is a sign that global warming is accelerating.
・低所得者への住宅支援
 New York City officials put forward a plan to build affordable housing in wealthier neighborhoods.

2023年12月27日 水曜日

世界の動き 2023年12月26日 火曜日

今日の言葉
「EVの中古車」
まだEVの中古車市場は日本では確立していないが、エンジン車に比べてEVの中古車価格は大きく下落する傾向にあるようだ。以下Bloombergの記事より。
『電気自動車(EV)市場では中古の需要がさえず、それが新車にも悪影響を及ぼしている。1兆2000億ドル(約171兆円)規模の中古車市場では、EVの価格は内燃エンジン車よりも急速に下がっている。iSeeCars.comのデータによると、10月までの1年間で中古EVの価格は約30%下落。これに対し、中古市場全体の価格下落率は5%にとどまる。2021年に欧州で販売されたEV120万台の多くが3年のリース期間を終えて来年に中古市場に出回るため、逆風はさらに強まることが予想される。』

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.ネタニヤフ首相がガザの軍隊を訪問
【記事要旨】
ネタニヤフ首相は昨日、ガザで戦闘中のイスラエル軍を訪問した。 同氏の訪問は、ガザの保健当局が混雑した地域での攻撃で数十人の住民が死亡したと発表した後に行われた。
ネタニヤフ首相は、米国からの戦闘を抑制する圧力が高まっているにもかかわらず、イスラエルは戦闘を「激化させる」だろうと述べた。
「我々は止まらない」と彼は言った。 「これは長い戦いになるだろうし、終わりには近づいていない。」
イスラエルによるこの攻撃は、多くのガザ人が避難所を求めていた地域、アル・マガジを襲った。 ガザの保健当局は当初、70人が死亡し、その他の多くが未だに行方不明であると発表した。
ガザの保健当局は死者の責任はイスラエルにあると非難した。 イスラエル軍は、何が起こったのかを精査していると述べた。
教皇フランシスコはクリスマスの説教で、「無実の民間人を犠牲にする恐ろしい軍事作戦の終結」を訴えた。 また、現地の絶望的な人道危機を緩和するための援助も呼びかけた。
米国がイスラエルの保護者としてますます孤立するにつれ、フランス、カナダ、オーストラリア、日本のような忠実な同盟国とさえも対立するようになっている。
【コメント】
イスラエルはハマスの殲滅まで戦いを止めないのは確かだ。

2.ナワリヌイ氏、遠隔地の刑務所で発見
【記事要旨】
ロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が発見された。同氏は北極圏の刑務所に移送されたが「元気にしている」と広報担当者が昨日述べた。
この知らせにより、彼の行方をめぐる20日間の謎に終止符が打たれた。 ナワリヌイ氏の支持者らは最悪の事態を恐れ、同氏が失踪した後、ロシアの刑務所を徹底的に必死で捜索していた。
IK-3 ポーラーウルフとして知られるこの刑務所は、ロシアで最も過酷で最も僻地にある刑務所の一つである。 受刑者は長く暗く寒い冬と、夏には蚊が大量発生するのに耐える。
ナワリヌイ氏は以前はモスクワからわずか約260マイルの地点の刑務所に収容されており、彼の弁護士はナワリヌイ氏に数時間で連絡できた。支持者は、モスクワから電車で44時間かかるこの新しい刑務所は、次期大統領選挙に先立ってナワリヌイ氏を隔離する試みであると述べた。
ウクライナ戦争からの最新情報:
プーチン大統領の特使からメッセージを受け取った元ロシア高官や国際当局者らによると、プーチン大統領は静かに停戦に応じる姿勢を示しているという。
ウクライナ軍は昨日、3日間でロシア戦闘機5機を撃墜したと発表したが、これはロシア空軍にとって開戦以来最大の週間損失の一つとなった。
【コメント】
抹殺と言う最悪の事態は避けられてようだが、命の危険は高くなった。健康を急に害して亡くなったというストーリーはいつでも書けそうだ。

プーチンの停戦意向は、眉唾だ。信じることは出来ない。

3.カシミールで民間人の死亡が怒りを引き起こす
【記事要旨】
カシミール人は金曜日に死亡しているのが発見された民間人3人の捜査を求めている。
彼らは木曜日のカシミール分離主義武装勢力による待ち伏せに関連して尋問のためインド兵士に拘束されたグループの一員だった。 目撃者らは、民間人の遺体には拷問の痕跡があったと主張した。 その後、拘束された民間人への拷問を示すと称するビデオがオンラインで拡散し、広範囲の怒りを煽った。
背景: 木曜日のインド軍に対する待ち伏せ攻撃は兵士4名が死亡、3名が負傷した。カシミール地方でのインドの支配に抵抗する過激派による暴力作戦の最新のものだった。
【コメント】
カシミールを巡ってはインドとパキスタンの間で紛争が絶えない。以下日本総研の記事から引用する。
『カシミールにおいては、管理ラインを境にして印パ両軍による衝突がその後も跡を絶っておらず、その都度、両国間で関係改善のための努力が払われてきたが、すべて失敗に終わっている。最近では、インド領カシミールで、インドからの独立または自治圏の拡大を主張するイスラム教徒のゲリラ分子がばっこ跋扈し、治安が著しく乱れているところ、インドはこれをパキスタンがテロ行為を支援しているためと非難している。これに対しパキスタンは、インド領カシミールにおけるインド治安部隊のカシミール住民に対する人権侵害を非難し、両国間で相手方をなじり合う泥仕合が重ねられてきた。
このような事態が影響して、日本を含む世界の主要国は、カシミール問題については積極的に関与することを避け、印パ両国の話し合い実現のために必要な環境づくりであれば協力するという程度にとどまっている。それが結果的には、カシミール問題が国際紛争化することを極力排除し、二国間主義に基づいてカシミール問題を印パ間の問題に限定しようとするインドの意図を、好むと好まざるとにかかわらず各国が擁護するという、なんとも皮肉な結末になっていることは否定できない。』

その他記事より:
・日本のドライバー規制
Japan is trying to improve work conditions for truck drivers, which could disrupt everyday life around the country.
・北朝鮮で核開発
A new nuclear reactor appears to be operational in North Korea in what could be a fresh breach of U.N. sanctions, a watchdog said.
・新大統領で物価高騰
Since President Javier Milei of Argentina was elected, the price of fuel and of countless other everyday items there has soared.

2023年12月26日 火曜日

世界の動き 2023年12月25日 月曜日

今日はNYTimesはクリスマス特別版です。

「一年で最も素晴らしい時期」
 ニューヨークの酪農場では今月、キャロル参加者が28頭の牛の群れにセレナーデを捧げた。 ヨーロッパ全土で、妖精の粉をまぶした街頭見本市のようにクリスマスマーケットが開かれた。 そして、宇宙の果てでも陽気な気分が味わえる。銀河のまばたきの光は、約 43 億光年離れたところから輝いている。
 北半球の多くの地域では、12 月下旬が一年で最も日が短くなる時期となる。 ホリデーシーズンには、光が爆発し、陽気になり、暗闇からの休息が得られる。
 クリスマスを祝う必要もない。 今は、「ホワイト」クリスマスに代わるクリスマスを提供するために、南カリフォルニアのブラックパワー活動家によって1世紀も前に設立されたクワンザの季節だ。ハヌカは数週間前に終わったが、ラトケとドーナツはどんなテーブルにも歓迎される。
(注:クワンザとは、主に米国のアフリカ系アメリカ人の間で祝われる行事。毎年12月26日から1月1日に行われ、アフリカ文化にちなんで、食事や贈り物が供される。マウラナ・カレンガによって提唱され、1966年に初めて行われた。
  ラトケとは、ハヌカの時期に食べられるユダヤ料理でポテトパンケーキの一種。日本人の口にも合うとってもポピュラーなメニューだ。)
 おそらく、あなたは今日は「ダイ・ハード」、「クリスマス・ストーリー」、または「スノーマン」を観て過ごす予定かもしれない。月曜日はクリスマスミサで始まったかもしれない。中華料理と映画で月曜日を終えるかもしれない。あなたは家族を訪ねたり、ボランティアのために時間を確保したり、あるいは至福の孤独の中で比較的静かな一日を過ごしたりしているかもしれない。あなたはサンタクロースとして月明かりを灯しているかもしれない。 (もし今日があなたにとって仕事の日なら、私たちはあなたに敬意を表する。)
 どのようなクリスマスの日をお過ごしであろうと、私たちはあなたが楽しいクリスマスになることを願っている。 (明日からは通常の番組に戻ります。)

2023年の5つの初めて
・記録上初めて、日本では少なくとも10人に1人が80歳以上となった。
・研究者らは、チャンドラ X 線天文台とジェームズ ウェッブ宇宙望遠鏡からのデータを使用して、既知の宇宙最古のブラック ホールの存在を確認しました。
・インドは月の南極近くへの着陸に成功した最初の国となった。
・2022 年 11 月から 2023 年 10 月まで、地球は観測史上最も暑い 12 か月を経験しました。
・ジミンは4月にヒット曲「Like Crazy」でビルボードホット100の1位を獲得した初の韓国人ソロアーティストとなった。

では、皆さん素晴らしいクリスマスをお過ごし下さい。

2023年12月25日 月曜日

McKinseyのPodCast 2023年のトップ10記事

 McKinseyのPodCastはテーマの設定がとてもタイムリーで時々聞いている。話の内容を文章にもしてくれているので英語が聞き取れない部分も理解できる。

 そのPodCastから、2023年の人気Top10が発表された。
 Overall top ten for 2023 (以下原文のまま引用)
1. The economic potential of generative AI: The next productivity frontier
2. What is generative AI?
3. McKinsey Technology Trends Outlook 2023
4. What every CEO should know about generative AI
5. The State of Organizations 2023: Ten shifts transforming organizations
6. The state of AI in 2023: Generative AI’s breakout year
7. 2023 summer reading guide
8. What is AI?
9. What is Gen Z?
10. Stepping up: Becoming a high-potential CEO candidate

 驚くべきことに、トップ10の内、実に6つ(3位のTech Trendを含め)がAIについての記事だ。

 トップ1の記事は文章にすると68ページのレポートだ。その結論部分は、「生成AIの時代はたった始まりに過ぎません。この技術に対する興奮は実感され、初期のパイロットプロジェクトも魅力的です。しかし、技術の利点を完全に実現するには時間がかかり、ビジネスおよび社会のリーダーはまだ解決しなければならない重要な課題があります。これには、生成AIに固有のリスクの管理、労働力が必要とする新しいスキルや能力の特定、再研修や新しいスキルの開発など、中核となるビジネスプロセスの再考が含まれます。」となっている。

 実はこれはChatGPTに翻訳してもらったものだ。Google翻訳もよく使うが、原文が途中で切られている類の文章の翻訳は苦手だ。ChatGPTはぶつ切れ風の文章を苦も無く翻訳してくれる。

 去年は全く予想していなかったが、今年は仕事に大いに生成AIを使っている。この技術への対応が、企業にとっては成長の鍵であり、個人にとっては自分がAIにリプレースされずに、AIを使う側に回って生き残っていく鍵だ。

 AIが導く先はユートピアかディストピアか定かでないが、ユートピアになるように国も企業も個人も賢く対応することが肝要だ。あまり自信は持てませんが。。

2023年12月24日 クリスマス・イブに

心の瞳

 日航機の墜落で亡くなった坂本九さんが生前最後にラジオ収録した歌で、今は中高生の合唱曲として、とてもポピュラーになっているそうだ。これは今朝のNHKのラジオ番組「ビバ合唱」で聞いた話の受け売りだ。

 合唱ではよく聞き取れなかったが、YouTubeで坂本九の歌う画像を見つけた。歌詞は以下だ。

 心の瞳で君を見つめれば
 愛することそれがどんなことか
 わかりかけてきた
 言葉で言えない胸の暖かさ
 遠回りをしていた人生だけど
 君だけがいまでは

 と続く、胸がジーンとくる曲だが、中高生でこんな感情が理解できるのだろうか。

2023年12月23日 土曜日