今日の言葉:
「良識」
「良識」とは、物事を深く見とおすことができるすぐれた判断力のことを指す。具体的には、物事の「善悪」「正誤」「是非」などを見きわめて判断する能力のことだ。つまり、「良識」というのは偏りのない正しい判断ができる高い能力を指す。
今、我が国や世界のリーダーに「良識」を望めるだろうか?以下Bloombergの記事が参考になりそうだ。
『米ヘッジファンド運営会社エリオット・マネジメントの創業者ポール・シンガー氏は現在の世界情勢について、市場が織り込んでいるよりもはるかに危険であり、投資家はもっと心配すべきだと述べた。「世界は今、アルマゲドンの回避で指導者たちの良識に完全に依拠している」と同氏は発言。ロシアや中国、イランからどれほどの「良識」がもたらされるのかと疑問を呈した。また大規模投資家によるプライベートクレジット進出にも懸念を表明。「資金の一部は、実際には破たんしている問題企業に流動性を提供するために使われている」と語った。』
ニューヨークタイムズ電子版の三大トップニュース
1.国連とエジプトがガザ支援の基礎を築く
【記事要旨】
国連の当局者は、エジプトからガザ地区に入る人道支援の合意に進展があったと語ったが、食料や医薬品がいつどのように届けられるかについての詳細は明らかにされなかった。
イスラエルの要求に応じるため、国際監視団がガザに入る前に援助トラックを検査することになる。
バイデン大統領によると、エジプトはガザへの援助トラック20台の進入を許可すると発表したが、その時期は不透明だ。 EU当局者は援助トラックがガザに入ることができるとの期待が高まっているという。
ガザ保健当局は10月7日以降、少なくとも3,785人が死亡したと述べた。この数字には、ガザ市の病院爆発による死傷者が含まれている模様だ 。
イスラエルの空爆により通信インフラや電力インフラに大きな被害が出たため、ガザ住民は外界や住民同士のコミュニケーションに苦労している。
衛星画像によると、数百台のイスラエルの戦車と装甲車両がガザ北部に入るエレズ国境検問所から約4マイル北に集結している。 10月7日にハマスの攻撃以来、この検問所は閉鎖されている。
米国上院は昨日、イスラエルに安全保障、外交、諜報支援を提供することを全会一致で約束した。 バイデン大統領は今日までにイスラエル、ウクライナ、その他の危機のために議会に1000億ドルを要求するとみられる。
【コメント】
緊迫した状況が続き、ガザ住民の苦境が長引く。
ところで成田ーテルアビブ間は週二回直行便が飛んでいるそうだ。
2.中国軍はさらに多くの核弾頭を追加
【記事要旨】
中国は戦略核兵器の増強を続け、5月の時点で500発の核弾頭を蓄積している可能性が高いと国防総省は中国の軍事力に関する議会への年次報告書の中で述べた。これは昨年の推定よりも約100発増加した。 2030年までに1,000発以上の核弾頭を保有する予定であり、そのほとんどは米国本土を攻撃できる兵器用である。
最も目を引く証拠は、昨年中国北部の砂漠に建設された3つのミサイルサイロ群である。 少なくとも一部の大陸間弾道ミサイルが搭載されていたと報告書は述べた。
米国はまた、アジア太平洋地域における中国軍による過去2年間の「威圧的かつ危険な」航空迎撃を記録しており、その中には米軍機に10フィートまで接近したものも含まれている。
【コメント】
中国の軍備増強は世界の攪乱要因だ。日本でも核武装の必要性が検討される時期が早晩訪れそうだ。
3.ウクライナ経済は戦争に適応
【記事要旨】
ウクライナ経済には、緩やかではあるものの回復の兆しが見られる。
昨年のロシアの全面侵攻後、経済は3分の1縮小したが、今年は推定3.5%成長すると世界銀行は予測している。 この拡大は国内支出の増加によって推進されており、海外からの資金援助の安定した流れによって支えられている。
経済学者らは、ウクライナ経済が戦前の水準に戻るには何年もかかるだろうとしており、激しい戦闘が続く中での見通しは不確実になるはずだという。 それでも、地元のアナリストや実業家らは、約20カ月にわたる戦争を経て、回復力と相対的な安定感が定着したと語る。
【コメント】
戦時経済の影響はロシアのような大国でより、攻撃された小国で大きく出るのがわかる。
すっかりウクライナのことは忘れてしまったが、日本は岸田総理がウクライナ訪問をして何を約束したのだったろうか。
その他:
・トランプのジョージア州選挙訴訟に向かい風
Sidney Powell, a member of Donald Trump’s legal team in 2020, pleaded guilty in his Georgia election case and agreed to cooperate with prosecutors.
・ハリケーンの勢力増加速度
Hurricanes in the Atlantic Ocean are now twice as likely to grow from a weak storm into a major one within just 24 hours, a study found.
・韓国の抗議活動は文化的な試金石
韓国人にとって、街頭で不満を訴えることは、ほとんど国民的な娯楽となっている。
しかし、ソウルでの最近の抗議活動は、指導者をめぐって国がますます二極化していることを明らかにした。 右側の教会の信者や高齢者は「ユン・ソクヨル大統領万歳!」と叫び、「私の年齢は何が悪いの?」など、高齢者向けのポップスタンダードに合わせて歌っている。 —数日後、若い進歩主義者たちが「ユン・ソクヨルとともに出て行け!」と叫ぶのが続くだろう。
このような集会は、1980年代の韓国の民主化に向けた困難な行進の最中に生まれ、多くの場合石や焼夷弾、さらには盗んだライフルで武装した大規模な群衆が機動隊員、戦車、空挺部隊と衝突した。 最近のデモは通常、一部はロックコンサート、一部は復興集会であるが、規模と激しさが増大すると、政治的嵐の到来を告げる可能性がある。
2023年10月20日 金曜日