世界の動き 2023年10月25日 水曜日

今日の言葉:
「地政学」
 最近頻繁に地政学と言う言葉を見かける。
 地政学Geopoliticsとは、地理学Geographyと政治学Politicsを合わせた用語で、国の地理的な条件をもとに、政治的、社会的、軍事的な影響を研究する学問・研究分野を指す。 地政学リスクとは、地理的な位置関係によって、ある特定の地域が、政治的・社会的・軍事的な緊張が高まるリスクを指す。
 以下Bloombergの記事より。
『「経済のハリケーンに備えよ」など、発言が注目を集めるJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)はサウジアラビアで開催中の国際投資会議で、現在の地政学情勢は極めて複雑になっており、自然に解決すると考えるのは希望的観測だと述べた。「地政学」はビジネスの世界でキーワードとなっており、決算電話会見や当局への提出書類で頻出している。今年の数はハマスがイスラエルを攻撃する前、9月の段階でおよそ1万2000回。2年前からは約3倍増だ。』

 なるほど、確かに「地政学」と言う言葉が目立つ訳だ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.イスラエルが侵攻を遅らせるよう求められ、ガザで犠牲者が増加
【記事要旨】
 イスラエル軍は昨日、ガザへの砲撃を強化したと発表し、パレスチナ当局は数百人が死亡したと発表した。 イスラエルに対し、ガザへの地上侵攻を遅らせるよう外交圧力が高まった。
 イスラエルは、ここ数日のガザへの激しい空爆で、過去24時間で400以上の標的を攻撃し、その前日には320以上の標的を攻撃したと発表した。 ガザ保健省は、住宅や難民キャンプ、その他の場所への数十回の攻撃で少なくとも704人が死亡し、戦争中の1日当たりの死者数としては最高を記録したと発表した。
 イスラエル軍当局者らは、ガザへの地上攻撃に向けて十分な準備ができていると述べているが、侵攻がいつ行われるのかは依然として不明だ。米当局者らは、イスラエル軍はまだ準備が整っていないと述べた。
 イスラエルはハマスの破壊を目指すという厳しい挑戦を自らに課した。 しかし、ハマスがいなくなったら誰がガザを統治するのかという大きな課題がある。ガザでの地上戦は激しい市街戦を引き起こす可能性がある。
 ガザ地区の6つの病院が燃料切れのため閉鎖を余儀なくされているとWHOが発表。 一部の援助トラックはガザに到着したが、人道団体は送り込まれる食料、水、医薬品とともに燃料も供給するよう求めた。
 月曜日に釈放された人質2人のうちの1人、ヨチェベド・リフシッツさん(85)はテルアビブで記者団に対し、「地獄を経験した」と語った。 もう一人の釈放された人質はヌリット・クーパーさん(79)と特定された。イスラエル軍によると、イスラエルが捕虜となったと考えている約220人のうち、約20人は18歳未満だという。
【コメント】
 沢山の犠牲者と葬儀の映像が流れる。参列者の多くは着の身着のままだ。後5日封鎖が進めば多くの市民が餓死する状況だというNPOの警告もあった。燃料が送られなければ電気が絶たれ病院は機能しない。必需物資を人質にとる戦術は批判されるべきだ。

2.中国、国防相を解相
【記事要旨】
 3月に中国の国防相に任命された李尚福将軍は、2か月近く公の場から姿を消した後、そのポストを解任された。 同氏は今年、何の説明もなく、疑惑の雲の下で政府から粛清された2人目の高官となる。
 昨日の中国の発表では、李氏が何らかの犯罪で捜査されているかどうかについては疑問が残っている。 米当局者は先月、中国政府が同氏を汚職容疑で捜査対象に置いたと発表した。
 李氏の後任に国防相が誰になるかについては何も語られていないが、誰が就任しても、米中両国がハイレベルの軍事接触を再開した場合、米国との交渉で重要な役割を果たす可能性が高い。
【コメント】
 中国の権力構造の複雑さは外部からはわからない。現在は習近平とその側近でコントロールしているのだろうが、依然は最高指導者が解任された事例すらあるのだ。

3.3人目の候補者が米下院議長への立候補を取り下げ
【記事要旨】
 トム・エマー氏は昨日、同じ共和党員からトップポストへの指名を僅差で確保したが、下院議長への立候補を断念した。 同議員はドナルド・トランプ氏を含む右派からの反発を招き、立候補は混乱に陥った。
 エマー氏の突然の撤退は、議会が指導者不在で3週間麻痺状態に陥った行き詰まりを共和党が打開するには程遠いことを示した。 同氏は今月、共和党議員として3人目として議長候補に選ばれたが、立候補は決裂した。
【コメント】
 正式に党候補が指名されても、まとまりを欠く共和党内でほぼ全員一致の支持を集めるという難しい作業が待っている。下院議長の選出には本会議の採決で少なくとも217票が必要だ。

その他の記事より:
・中国から南米へシフト
 Confronted with the U.S.-China trade war and disruptions in the shipping industry, Columbia Sportswear is shifting some of its production to Central America.
・ユニフォームを間違えた
 Members of the K-pop group STAYC donned Rangers jerseys for a show in Texas in a nod to the state’s baseball team. One problem: It was the wrong Rangers.
・クリケットに商機が
 Investors and media companies are trying to capitalize on a relatively small — but loyal and growing — American audience for cricket. Investors have poured more than $1 billion into expanding the sport in the U.S., and have spent more than $100 million to build cricket stadiums for a new league.

2023年10月25日 水曜日

世界の動き 2023年10月24日 火曜日

今日の言葉
「目には目を 歯には歯を」
 An eye for an eye, and a tooth for a tooth

ニューヨークタイムズ電子版よりトップ3記事
1.イスラエルが激しい攻撃を開始し、ガザの犠牲者が増加
【記事要旨】
 ガザ保健省によると、イスラエルによる最大規模の空爆でガザ地区内の数百の目標だ攻撃され、昨日ガザ地区の死者数が急増した。
 「過去数時間」で少なくとも436人が死亡し、イスラエルが過激派ハマスによる1400人の死者を出した攻撃への報復として空爆を開始した10月7日以来の死者数は5000人以上になったと発表した。
 ハマスは昨日さらに 「人道的および健康上の理由」により人質2人を解放した。イスラエル系アメリカ人の母と娘を解放した3日後に行われた。 他に200人以上がまだ拘束されていると考えられている。
 バイデン政権はイスラエルに対し、ガザへの地上侵攻を遅らせ、ガザ地区でハマスやその他のグループの人質となっている200人以上の人質解放交渉にもっと時間を与え、より多くの人道支援をガザ地区に届けるよう助言している。
 イスラエルはレバノンのヒズボラ拠点を攻撃したと発表した。
 日曜日の共同声明の中で、バイデン大統領と英国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリアの首脳はイスラエルに対し、自国を守る際に民間人を保護するよう促し、ガザに拘束されていると思われる人質全員の解放を求めた。
 インド政府は長年にわたりパレスチナ人支援とイスラエルとの緊密化のバランスをとろうとしている中、ガザへの医療・災害救援物資の輸送を発表した。
 ソーシャルメディア: LinkedInは、17,000件以上の投稿を公開し、数千人をリストアップして職場ごとにグループ化したウェブサイトに対して、警告した。
【コメント】
 地上の侵攻はとどまっているもののガザ全域へのイスラエルの空爆は続いているようだ。逃げ道の無いガザ住民には本当に地獄のような状態だ。

2.イラン国営メディアが少女の脳死を報道
【記事要旨】
 今月初め、髪を露出した状態で地下鉄に乗車した直後、意識不明の状態で車両から引きずり出されたイラン人の少女、アルミタ・ゲラヴァンドさんが脳死と宣告されたと、イラン国営メディアが日曜日に報じた。
 イラン当局は地下鉄車内からの映像は公開していないが、ゲラヴァンドさんが倒れたのは朝食を抜いたため血糖値が下がったためだと述べた。 このエピソードを知る関係者によると、彼女は警官に突き飛ばされて頭を打ち、脳出血を起こしたという。
 ゲラヴァンドさんの事件は、彼女がイランのヒジャブ規則を執行する職員によって危害を加えられたという告発を引き起こし、マフサ・アミニとの類似点を呼び起こした。 アミニさんは昨年、イランの服装規定に違反した疑いでイラン道徳警察の拘留中に死亡し、全国的な反政府抗議活動が引き起こされた。
【コメント】
 宗教のドグマの強さと恐ろしさを感じる。ヒジャブをかぶらない女性は命がけだと実感する。

3.シェブロンがヘスを530億ドルで買収
【記事要旨】
 米国第2位の石油大手シェブロンは昨日、中堅のライバルであるヘスを総額530億ドルの全株式取引で買収することで合意したと発表した。 今月2回目のエネルギー大規模取引だ。
 この合意は、特に米国において、中小企業が比較的高い原油価格を利用して大手企業と提携しようとしているように見えるエネルギー業界のさらなる統合を示すものである。 この取引はエクソン・モービルによるシェール掘削会社パイオニア・ナチュラル・リソーシズの600億ドル買収に続くもので、政策立案者がよりクリーンな資源を推進する中、化石燃料の将来に対する石油業界の自信の新たな表れとなっている。
【コメント】
 エネルギー業界は寡占化により一層収益力が高まると見る。巨人は代替エネルギー分野にも投資をはじめ先行する小規模業者が淘汰されるだろう。エクソンやシェブロンは買いだ。

その他:
・加州のニューサム知事2028年大統領選に出馬か
 Gavin Newsom, the governor of California, flew to China to negotiate climate agreements and raise his profile ahead of an anticipated presidential bid.
(ギャビン・ニューサム(Gavin Newsom, 1967年10月10日 – )は、アメリカ合衆国の政治家。第40代カリフォルニア州知事。かつてカリフォルニア州副知事などを務めた。まだ56歳の民主党員だ。)
・アイルランドで女性がスト
 Women in Iceland planned a one-day strike to protest gender inequality.
・メッシのピンクのユニフォーム
 What happens when a distinctive, exotic color meets one of the most beloved athletes of his generation? You end up with the hottest piece of sports merchandise on the planet. As stocks of Lionel Messi’s pink Inter Miami jersey evaporate from stores — even David Beckham had trouble getting ahold of one — hustling hawkers and counterfeiters have stepped in to meet the shortfall.

2023年10月24日 火曜日

世界の動き 2023年10月23日 月曜日

今日の言葉:
「赤ちゃんの名前」
  日本では2023年のトップ3は、男子では陽翔(はると)結翔(ゆいと)爽(そう)、女子はさくら、ひなた、陽葵(ひまり)だそうだ。読めない名前が多い。
 今朝ラジオで聞いたのだが、英国の男子新生児では最も多い名前はムハンマドだそうだ。少し調べてみると、イスラム系の、特にバングラディッシュからの移民が増え、従来は多かったオリバーを押さえて第一位になったそうだ。ただ、名前のスペリングを厳密に考えるとムハンマドの一位は微妙なようだ。
 スコープを世界に広げると、最も多い名前は、ムスリムが好んでつけるムハンマド(Muhammad、言語によりモハマド、メフメトなど発音は変化する)で確定だ。 預言者の名前であり、アラブ世界における最も典型的な名前でもある。

ニューヨークタイムズ電子版記事トップ3
1.ヒズボラとの衝突激化でイスラエルは避難を拡大
【記事要旨】
 イスラエルとレバノンの国境で紛争が激化する中、イスラエル当局は、国家支援による避難計画をさらに14の村に拡大すると発表した。 ヨルダン川西岸での異例の空爆に加え、この戦闘により戦争が拡大するのではないかとの懸念が高まった。
 イスラエル軍は、レバノン南部を支配する民兵組織ヒズボラの攻撃により民間人と軍人の死傷者が出たと発表した。 紛争が波及する可能性が懸念される中、米国防総省は土曜日、対ミサイル中隊と地上配備型防空システム「パトリオット」の大隊を中東に派遣すると発表した。
 イスラエル軍は昨日、ガザとの国境沿いに集結した。 ハマス撲滅に向けたイスラエルの軍事努力は「1カ月、2カ月、あるいは3カ月かかるかもしれないが、最終的にはハマスはもはや存在しないだろう」と同国のガラント国防相は述べた。
 イスラエル占領下のヨルダン川西岸全域でも戦闘が急増しており、イスラエルはジェニン市のモスクの地下にある「テロ施設」と称する場所を空爆し、パレスチナ保健当局者によると、2人が死亡した。
 人道団体と国連は、土曜日にガザに到着した最初の援助物資(食料、水、医薬品を積んだトラック20台)は必要なもののほんの一部にすぎないと警告し続けた。 昨夜さらに14台の援助トラックがガザに入った。
 イスラエルの砲撃は「ほぼ衰えることなく」続いている一方、パレスチナ武装勢力は「無差別ロケット砲射撃」を続けていると国連は述べた。 ハマスが管轄する保健省によると、ガザ地区の死者数は少なくとも4385人に達し、1万3500人以上が負傷している。 イスラエルでは新たな死者は報告されていないが、負傷者は5000人近くに増加していると国連が発表した。
 イスラエル軍は、南部に逃げなかったガザ北部の住民は「テロ組織のパートナーとみなされる可能性がある」と警告した。 しかし、そこにいた多くの人々は言う。「食べる余裕さえありません。私たちには出ていくお金がないんです。」
【コメント】
 ヒズボラはイランと密接に結びついている。レバノンにいるヒスボラへ反撃すればイランが乗り出して情勢が更に悪化する恐れがある。イスラエルは虎と狼の相手をしなけばならず、悩ましい。

2.オーストラリアの大物がトランプに不利な証言をする可能性
【記事要旨】
 オーストラリアで最も裕福な男の一人であるアンソニー・プラットは、金とお世辞でドナルド・トランプの側近に入り込んだ。 プラット氏は秘密録音の中で、トランプ氏の商習慣を「マフィアのようだ」と評した。
 両者のやりとりは最終的に、トランプ氏に対する2件の連邦刑事訴訟のうちの1件に巻き込まれた。この訴訟では、元米国大統領は退任時にホワイトハウスから機密文書を持ち出した罪で起訴されている。 プラット氏は来年の裁判でトランプ氏に不利な証言をする可能性がある。
 プラット氏は検察官との取り調べで、かつてトランプ氏が米国の原子力潜水艦に関する機密情報(搭載弾頭の数やロシア領海への密接な接近など)を暴露したエピソードを語ったが、トランプ氏はこれを否定している。
【コメント】
 いろいろ出てくるなー、という感想だ。真の友とでなければ秘密の話は出来無い。真の友と思ってもいつまで続くかわからない。

3.オーストラリア先住民は「和解は終わった」と語る
【記事要旨】
 オーストラリアが先週、諮問機関として提案されていたIndigenous Voice to Parliament を拒否したことは、この国の先住民との関係に不可逆的な変化をもたらす可能性が高い。
 多くの先住民族は、これを自分たちの過去と、原住民との和解において他の植民地国家に大きく遅れをとっているオーストラリアにおける自分たちの立場を否定するものであると認識した。 「議会への先住民の声」の敗北はさらなる和解を頓挫させるだけでなく、オーストラリアの先住民族の権利と人種関係に対して、より対立的なアプローチを解き放つ可能性もある。
【コメント】
 各国の原住民問題は門外漢には理解が難しい。日本でもアイヌの人々の処遇が国際機関から批判される場合もあるが、自国の状況ですら良く分かっていない。

その他:
・マウイ島のツアー再会
 Two months after Lahaina was destroyed by wildfires, Maui is fully open to tourism, but the path to recovery is uncertain.
・台湾企業への中国の税務調査
 Foxconn is said to be under tax audit in China, part of a regulatory push as local governments seek revenue.
・インド以外で最大のヒンズー寺院がニュージャージー州で完成
 A $96 million Hindu temple, believed to be the largest in the Western Hemisphere, opened in New Jersey amid accusations of forced labor.

2023年10月23日 月曜日

補欠選挙

 今日は二つの補欠選挙の投票が行われた。
 英語ではby-electionと言う。総選挙の合間に起きた空席を埋めるための選挙を指すのが語源のようだ。

 二つとも与野党対決の構図になったが、いまこの記事を書いている時点では(21:25)野党が高知/徳島補選で勝った。長崎はまだ判明していない。

 高知/徳島は合区という特殊性がある。今回は与野党ともに高知出身の候補で争われ徳島の住民の関心は極めて低いようだ。投票率は30%に届かないという見方もある。長崎の投票率も最低を更新しようだ。

 投票率の低さは、住民が政治に満足し「鼓腹撃壌」しているわけでは無い。どうせ投票しても変わらないという期待値の低さの現れだ。

 今回の選挙結果が、与党野党の一勝一敗になるのか、〇勝二敗になるのかまだわからないが、岸田政権には逆風が続きそうだ。

 円安由来の輸入物価上昇によるコストプッシュインフレは政策で解決が可能であり、少額の所得減税や補助金のバラマキというポピュリスト政策よりましだ。

 いい加減に日本の政治が変わるきっかけになって欲しい。

2023年10月22日 日曜日

山陰紀行

以前から、定点観測的に、日本の地方にある観光地を巡っている。コロナ禍でしばらくできなかったが、今回久しぶりに山陰に旅行したのでレポートしたい。

日程:2023年10月15日(日)ー10月18日(水)

一日目:10月15日(日)
【往路航空便】
ANA725便 羽田発8:45 石見着10:20
プレミアム席に初めて搭乗
飲み物のセレクション多く美味しい軽食も出た。快適。

【レンタカー】
トヨタレンタカーを楽天トラベルで申し込んだらトヨタカードを出しても10%引きにならない。
トヨタアクアを18日まで借りる。一度名古屋で運転したことあり運転は大丈夫。

【津和野】
山陰の小京都と言われる。以前から訪れたかった街だ。
・太鼓谷稲荷神社 赤い鳥居が続く。社は山の上で街の一部を見下ろす。
・津和野城址 リフトで上がるが本丸まではさらに20分歩くので
       途中見晴らしの良い場所で引き返す。
       赤い色の「石州瓦」屋根が揃う街並みが統一感があり美しい。
       日本の他の都市では何故こんな風に出来ないのだろうか。
・市内中心部 「沙羅の木」というレストラン・お土産屋・喫茶店の
       駐車場を利用。
       うずめ定食を頼むが一つだけ出てもう一つは
       なかなか出来ない。お婆さん4-5人でレストランを
       まわしていたがとても混乱していた。
       「殿町通り」有名な鯉の泳ぐ通りだ。
        長さ100mほどでやや拍子抜け。
       「津和野カトリック教会」
        綺麗なかわいい教会。畳敷きが珍しい。

        殉教者の資料館を併設。
(感想)
 日曜だが観光客は多くない。
 「沙羅の木」は混雑していたが、一つ道を挟むと人影はまばらだ。
 駅前から太鼓谷神社へ向かう中心道路はシャッター下りた店多い。

【萩】
明治維新の起爆剤となった都市。
・松陰神社 吉田松陰を祀る。
      境内に松下村塾あり、松陰が講義をしたという8畳間が
      残っている。
・吉田倉三 私は神奈川県立横須賀高校の卒業だが、在学中初代校長が
      松陰の甥の吉田倉三だと何度も聞いた事がある。
      いまWikipediaで調べたら、旧制神奈川第四中学(現横須賀
      高校の前に、鳥取第一中学(現鳥取西高校)、神奈川第二
      中学(現小田原高校)の校長を務めた教育者だったのだ。
(感想)
 松陰神社は松陰の偉業がよくわかる場所だが人出は多くない。
 萩城址は時間がなくパスした。

宿泊【大谷山荘】
今晩の宿泊は安倍ープーチン会談ですっかり有名になった大谷山荘。
食事は美味しい。
従業員は若い人が多くきびきびしたサービスだ。
温泉は加水、加温、塩素消毒しており、質の面では△だ。
大浴場は、露天、ジェットバス、ジャグジー、サウナがあり充実。
部屋の風呂は、単なる露天風呂で温泉ではないらしい。
部屋からの見晴らしは素晴らしかった。
里山の夕景と朝日を堪能した。

二日目:10月16日(月)
大谷山荘を9時出発。
【元之隅神社】
赤い鳥居が海から立ち並ぶフォトジェニックな観光地。
日本一入れにくい賽銭箱が鳥居の「額束」部分にある。
試行数回で無事賽銭箱に10円玉が収まった。
【途中】
石見銀山へ向かう途中、石見畳が浦とかによろうとしたが
全くの時間の読み違えとわかり、石見銀山へ直行した。
【石見銀山】
15時に「世界遺産センター」に到着。
銀山を巡るのは車で出来ないことがわかる。
「龍源寺間歩」までは駐車場から2.5Kmあるので諦め、大森地区の街並みの一部を眺める。

(感想)
石見銀山は2007年に世界遺産に登録されたときはブームだったと思われるが、いまは人影がまばらだ。
世界遺産センターの駐車場と、街の中の二つの駐車場と「間歩」と「街並み」を効率的につなぐ移動手段が必要だ。
また、近くの「温泉津温泉」も世界遺産指定されたようだが、全く知らなかった。指名度を高め宿泊客を獲得する努力が必要だろう。

宿泊【いにしえの宿 佳雲)
出雲大社の大鳥居から徒歩7分ほどの大変便利な宿。
共立リゾート経営だ。
部屋は離れで駐車場に面していたが静かだった。
大谷山荘同様に部屋の飲料はすべて無料だった。
食事は美味しかったが量が少し多かった。
温泉は大浴場が小さくやや物足りなかった。
部屋の露天風呂は温泉だがかけ流しではなかった。

三日目:10月17日(火)
朝8時半から出雲大社へ参拝。
【出雲大社】
10月の出雲は「神有月」、日本中の神様が出雲に集まって来られるそうで、参拝客も多いと本には書いてあった。
 以前団体ツアーで参拝したことがあったが、何も記憶に残っていない。
今回は大鳥居から入って神域を徒歩で一周した。まず、大国主尊の「むすびの御神像」があり、境内の神様の説明は神話時代に直結する。
古代の神々の勢力争いに思いを馳せ、「古事記」をしっかり読んでいなかったことを反省した。
 境内では、大しめなわと、絵馬とおみくじの多さに感動した。

11時に宿をでて松江に向かう
【宍道湖畔】
 松江までは宍道湖沿いの道をたどるが、眺望は開けない。
・宍道湖ふれあいパーク ビジターセンターあるかと思ったが何もない
・ミセスマーチン 湖畔にあり宍道湖の眺望がすばらしい。
         ランチを取り一服する。
【松江市】
人口は約20万人でこの地方の他を圧する立派な街だ。それでも日本の県庁所在都市としては47市中の44位だ。(45位山口市、46位甲府市、47位鳥取市で、山陰地方の都市の小ささがわかる)
松江に近付くと、付近には無い、立派にビル群に風格を感じる、

【松江城】
宿に車を停め、徒歩10分の松江城を目指す。
日本には国宝の城が5つあるが、その内の一つ松江城に登城できた。
既に、犬山、彦根、姫路は登城しているので残るは松本城だけだ。
黒と白のコントラストが美しい。
内部に入ると、柱の構造や、石落とし、鉄砲狭間がよくわかる。
望楼からは松江市の全体が見渡せる。
「興雲閣」という洋館も見学する。

【宍道湖遊覧船】
16時50分第一乗船所発のサンセットクルーズに乗船。
真に美しい宍道湖の夕日を堪能した。

(感想)
松江城には観光客が来ていたがそれほど混雑はなかった。
外国人観光客が少ない印象で、中国からのインバウンドが来ないと
東京や鎌倉のような観光客で一杯ということにならないのかもしれない。
インバウンドが少ない方が、我々はゆっくり見物出来てありがたいのだが。

宿泊【皆美館】
今回宿泊した中では一番旅館らしい旅館だった。
3階の部屋からは宍道湖大橋の見晴らしが良い。
対岸には山陰合同銀行の本店の威容が近い。
食事は料亭料理風でとても美味。
大浴場狭く、部屋の露天を楽しむ。
源泉かけ流しでとても良いお湯。

四日目:10月18日(水)
9時前に宿を出てカラコロ船着き場へ。
【堀川クルーズ】
松江城のお濠を約50分で一周するクルーズ。
船頭さんが操る平底船だ。
9時始発に乗ったら乗船客は10人ほど。
皆お城で下船したのでそれ以降は我々だけの貸し切りになった。
お濠にはいくつも橋が架かっているが
4か所船の天井を下げ乗客も思い切り頭を低くしないといけない場所があり面白い。
お城が見えるのはほんの短い間だが、塩見縄手を船上から見ることが出来る。

【京店商店街】
宿のすぐ近くに有名な商店街がある。お菓子の老舗あり。
「月ヶ瀬」という甘未喫茶に入る。
昔、横須賀に住んでいたこと「君が瀬」という甘未屋さんがあった。
「月ヶ瀬」は奈良出身の姓だそうだ。

宿を11時に出発。
【境港】
午後4時発の飛行機まで時間があるので境港へ足を延ばす。
・水木しげるロード 水木しげるが書いた妖怪の小さな銅像が
          並んでいる。
          水木漫画は私が子供のころはマイナーだったが
          いつ頃からブームになったのだろうか。
          NHKで「ゲゲゲの女房」という連続朝ドラを
          やっていたがそのころ大人気になったのだろうか。

(感想)
 松江はお城には観光客が来ていたがそれ以外は観光客は少なかった。
素晴らしい宍道湖の夕景、おいしい料理、出雲に近い地の利を使って
長期滞在型の海外富裕層を獲得できる材料に富んでいると思われる。
 境港は観光客はまばらだった。外国人に水木漫画がアピールする要素は
乏しいと思われインバウンドも期待できないのではなかろうか。

レンタカーを返したら少し早いということで1470円返金してくれた。
石見空港は小さかったが、出雲空港は地方空港としては大きく見えた。
鉄道では東京に来るのは不便でありJALが5往復飛んでいる。

【復路航空便】
JAL284便 出雲16:20発 羽田17:40着
     クラスJは取れず機内満席で疲れた。

【全体の感想】
 今回、津和野、萩、出雲、石見銀山、松江、境港と廻った。

 国内ではそこそこ有名な観光地だと思う。旅行には好適な
季節だと思うが、観光客の姿は多くなかった。
 特に外国人観光客は、出雲大社と松江でパラパラと見かけた程度だった。
今後は中国からではなく欧米富裕層の長期客を狙ってもらいたい。

 今回は日本旅館に3泊したが、食事の量が多くて困った。
またどの旅館も似たような献立だ。献立と量の工夫が必要だろう。

 松江城の近くの物産センターで買ったシジミの佃煮は
家に帰ってみたら原産地がインドだった。老舗の味と書いてあるが不適正な表示だろう。
改善が必要だ。

 津和野、萩、石見銀山、境港は、日本から旅行客の拡大(シニア富裕層のゆったり旅行、若者のエコツーリズム)を図るべきだろう。
 地元、行政、観光業会が一体となって今すぐに対応を考えないと、
廃業する旅館やお土産屋が続出するだろう。

 日本にはまだまだ素晴らしい観光地があるのでそれを活かす知恵と工夫が必要だ。

2023年10月21日 土曜日