今日の言葉
「逆イールド」
一般的に、過度な金融不安や過激な政策変動により短期金利が急騰したことで生じるために、その発生後は景気後退が訪れるケースや株価が調整に転じるシグナルとされている。米国の国債市場で短期債券の利回りが、10年物国債の利回りを上回る長短金利の逆転が起こることが代表的な事例となっている。
7月3日の米国債市場では、逆イールド現象が数十年来の大きな幅に迫った。2年債利回りは4.96%に上昇し、10年債利回りを最大110.8ベーシスポイント(bp=0.01%)上回った。
インフレ対策で更なる金融引締めの見込みがもたらした状況だ。マクロ経済に賭けるヘッジファンドは、景気後退を予想し、株式市場の先行きに昨年来悲観的だが、これまでのところ株式市場はそれをあざ笑うように上昇してきた。
今後の投資戦略をどうするか思案のしどころだが、Buy the best, leave the rest. という方針が基本だろう。
ニューヨークタイムズ記事より
1.プーチン、習、モディがバーチャル会談
【記事要旨】
米国が支配する世界秩序の再構築を目指すロシア、中国、インドの三大国の指導者は、上海協力機構SCOのバーチャル首脳会議にビデオで集まり、それぞれが自国が推進する問題に焦点を当てた。
2001年に中国とロシアによって設立され、パキスタンと中央アジア諸国も参加するこの年次会合では、同盟関係の変化についての劇的な声明は示されなかったが、西側の影響に対抗するために形成されたこの地域ブロックがどのように団結し、競合する優先事項を乗り越えるかを垣間見ることができた。
中国とインドは、国境紛争をめぐって中国とニューデリーの間で激化する摩擦や、中国が安全保障を重視した米国との連合体であるクアッドへのインドの加盟については、言及がなかった。
中国の習近平国家主席は、「覇権主義」と「強権政治」の終焉を求め、米国に対する長年の不満を繰り返した。 インドのモディ首相は、「テロを政策の手段として利用する」国々を非難するようフォーラムに要請した。これは、係争中のカシミール地方で過激派を支援しているとしてインドが非難しているパキスタンへの隠された言及である。
ロシアのプーチン大統領は、新たな「多極化」世界を呼びかけ、西側諸国と連携しない勢力との団結を打ち出そうとした。 彼はワグネル傭兵集団による反乱の余波を、強さと国内の安定を誇示しようとした。
【コメント】
SCOは2001年にロシアと中国が発足させ、インド、パキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンが加盟。4日にはイランが9カ国目のメンバーとして加盟したほか、ベラルーシが2024年の加盟に向けた覚書に署名した。
ユーラシア大陸の中心を占める巨大な地域勢力だ。ユーラシア大陸では、民主主義国は、大陸西側の西欧と東側の日本・韓国がへばりついている絵になる。
2.イスラエルとヨルダン川西岸における暴力
【記事要旨】
テルアビブでの車突っ込みと刺傷事件で8人が負傷し、イスラエル軍がヨルダン川西岸の都市ジェニンで2日目の作戦を実施する中、報復の暴力への懸念が高まっている。 パレスチナ過激派組織ハマスはこの襲撃を称賛し、イスラエル当局はこれをテロ行為と呼んだ。
パレスチナ保健当局者らによると、イスラエルによるジェニン作戦によるパレスチナ人の死者数は12人に増加し、少なくとも120人が負傷し、うち20人が重篤な状態だ。
イスラエルがパレスチナ武装勢力を根絶する作戦を開始した2日目の昨日も約1,000人の軍隊がキャンプの捜索を続けた。 銃声や爆発音は依然として時折聞こえていたが、キャンプは今日は昨日よりも穏やかだったとジェニンの副知事は語った。
キャンプの住民約 17,000 人のうち、最大 3,000 人が学校やその他の公共の建物、または家族とともに別の場所に避難している。作戦による破壊のため収容所では電気も水道も利用できなかった。
ジェニンは長い間過激派の拠点であり、今回の侵攻に至るまでの1年間、緊張と暴力の激化の中心となってきた。
【コメント】
日本のTVでも海外ニュースとして取り上げられ始めた。20年来流血の騒動が続き止むことが無い。憎悪は蓄積され簡単に火が点く。この小さな地域の問題が解決できなければウクライナ戦争が解決できるわけがないという絶望感に襲われる。
3.高まるインドの宇宙への野心
【記事要旨】
パンデミックが始まったとき、インドには宇宙技術の新興企業がわずか5社しかなかった。 現在、その数は少なくとも 140 社ある。新しい企業はこの国に世界の宇宙産業における競争力を与え、最後のフロンティアへの地球のつながりを変革する立場にあります。
宇宙技術は、インドでベンチャーキャピタル投資家にとって最も人気のある分野の 1 つだ。昨年、新興企業は 1 億 2,000 万ドルの新規資金を集めたが、その割合は毎年 2 倍から 3 倍になり、世界から資金が集まる。
インド宇宙研究機関(NASAのインド版)の「主力」ロケットは、重量物に対する世界で最も信頼性の高いロケットの 1 つだ。95% の成功率で、衛星の保険コストが半減し、インドは世界で最も競争力のある打ち上げ場の 1 つになった。
米国は、宇宙においてインドと米国企業間の協力強化を求めている。両国は、宇宙をインドが中国への対抗勢力として台頭できる舞台とみなしている。ロシアはウクライナに侵攻して以来、もはや世界的な競争力を失っている。
【コメント】
インドも結構やるもんだ。鉄道のような社会インフラが極端に遅れているインドがロケット技術ではトップランナーになってきているのだ。従来の経済成長理論ではとらえきれない現実世界の動きがある。
その他:
福島の処理水放出は安全とIAEA発表
The International Atomic Energy Agency said that Japan could release more than one million metric tons of treated water from the Fukushima plant into the Pacific Ocean.
フランスの暴動
After days of protests, France’s justice system is running almost around the clock to process the roughly 3,400 protesters who have been arrested.
SamsungはAIに参入
Samsung is trying to be a major player in A.I., but analysts say it will have a hard time keeping up with rivals.
2023年7月5日 水曜日