世界の動き 2022年10月5日 水曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
 「学際的研究の重要さ」
 今年のノーベル医学生理学賞はスバンテ・ペーボ氏に授与される。古代人と人類の進化に関するゲノム解析に関する研究が評価された。氏は、1955年ストックホルム生まれ。ドイツのミュンヘン大学、マックス・プランク研究所などで研究に従事。古代骨を用いてDNA解析を行い、ヒトの先祖のDNA配列を明らかにしてきた。2010年、ネアンデルタール人のゲノムを解読したことや、新系統のヒト属、「デニソワ人」を発見したこと等が評価された。同氏の成果は、同氏の医学、考古学、エジプト学の深い理解によるものだ。
 これからの研究は単に医学だけでなく「学際的研究」が必要だと考えた次第だ。ペーボ氏は沖縄科学技術大学院大学(OIST)のヒト進化ゲノミクスユニットの客員教授を務めており、日本でも学際的研究の高まりで期待できる。

ニューヨークタイムズ記事
1.ウクライナは南部で領土回復
【記事要旨】
 昨日ウクライナは南部ケルソン周辺を回復したと発表。回復した町は空っぽで廃墟と化している。東部で回復したリマンでは22000人の市民の5000人に電気が届かない。ロシアは20万人の訓練を開始と表明するが軍部内でも疑問視する声が上がる。米国からは625百万ドルの軍事援助の一部としてロケット発射機を供与する。
【コメント】
 違った視点で。ウクライナに無尽蔵に供与される武器はしっかり管理され記録されているのだろうか。戦時だからそんなはずがない。ミサイルや対戦車兵器が無尽蔵に周辺国やテロリストに流出する恐れがある。食い止めないと大変なことになる。

2.イーロン・マスクはTwitterに埋没する(caves)
【記事要旨】
 イーロン・マスクは、驚くべきことに、4月に合意した1株54・20ドルでの株式買い取りを再提案した。マスクは偽アカウント問題を理由に買収提案を撤回したが、10月に予定されている裁判で有利な判決を見込めないと判断し、改めて買収を提案した模様だ。Twitter社が同意すれば、総額約440億ドル(約6・3兆円)の買収が実現することになる。Twitter社は4月に買収提案の受け入れでマスクと合意したが、同氏は7月に買収の撤回を表明。その後、株価の下落や従業員の流出に苦しむTwitter社が買収の実行を求めてマスク氏を提訴していた。両者の裁判は10月に始まる予定となっている。買収が実現すればトランプ前大統領に追い風だ。
【コメント】
 偽アカウント問題で企業価値が大幅に毀損したTwitterの買収資金を、銀行はすんなりと出すのだろうか?まだ一波乱ありそうだ。

3.北朝鮮が日本上空を越えるミサイルを発射
【記事要旨】
 昨日の朝7時半ころ日本の北日本の住民は大音量の警報で起こされた。北朝鮮がミサイル発射し日本を越えて4500キロ先の太平洋に着弾した。日本を飛び越えるミサイルの発射は2017年以来だった。今年になって北朝鮮は既に23回のミサイル発射を繰り返し昨日まで日本人は慣れっこになっていた。
【コメント】
 北朝鮮は確実にミサイル発射技術を高めているようだ。日本を狙うミサイルとそうでないミサイルの区別は瞬時につくのだろうか。日本を狙うとわかったものは撃ち落とせるのだろうか。イージス艦は役に立つのだろうか。事実関係が不明だ。防衛力強化の議論が盛り上がるだろうか、事実に基づく議論でなければならない。

その他:
マルコス批判のジャーナリストが殺害される
A radio host who had been a prominent critic of Ferdinand Marcos Jr., the Philippine president, was killed during an ambush. He was the second journalist to be killed under the current Marcos presidency.
オペック+は価格維持を狙う
OPEC Plus, which includes Saudi Arabia and Russia, may announce a major cut in oil production today. But the move may barely register in global oil prices.
Micronはニューヨークで半導体投資
Micron pledged up to $100 billion to build a computer chip factory in New York, a sign that the U.S. government’s investments in semiconductors are steering businesses’ decisions.

2022年10月5日 水曜日

世界の動き 2022年10月4日 火曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「景気対策」
 またぞろ30兆円規模の「思いきった」景気対策が必要と叫ばれている。景気対策すなわち財政出動だ。過去30年間財政出動を繰り返した結果何が起こったか?日本のGDPは横ばいのままだ。必要なのは思い切った景気対策ではなく、思い「切った変革による起業家精神の高揚」だろう。戦後輝かしい星として世界市場を席巻した家電、鉄鋼、造船、自動車企業が疲弊しており取って代わる企業が見つからない。新しい成長企業を育てなければ、いくら財政出動しても日本経済は浮上しない。

ニューヨークタイムズ記事
1.インドネシアで怒りが高まる
【記事要旨】
 土曜日に地元チームの敗戦を契機に起きたスタジアムへのファンの乱入に対して警察が催涙弾を発砲したため出口に殺到した観衆125人(うち33人は子供)が死亡した事件を独立調査委員会が調べ始めた。催涙弾を発射した18人の警官が聴取され署長を含む9人が職務を停止された。スタジアムの出口は2か所しか開かれておらず観衆が殺到して圧死した。ジョコ大統領の政権下で警察の横暴は見逃され、汚職も広がっている。
【コメント】
 催涙ガスを簡単に発砲されてはたまったものではない。逃げ惑う際には皆同じ方へ、出口へ、向かう群集心理が働く。日本でも静岡の花火大会で多数の観客が圧死する事件が起きた。事件の原因究明は公表されたのだろうか。

2.ブラジル選挙の行方
【記事要旨】
 一回目投票では左派のルーラが48.4%を右派のボルソナロが43.23%を獲得し10月30日の決選投票に進む。ブラジルが抱える、環境破壊、広がる飢餓、経済不振、貧富の拡大と言った問題に二候補の取組は正反対だ。ボルソナロは数か月簡にわたり電子投票システムの不正を根拠なく訴えており、自分が負けた場合は結果を認めない恐れがある。ルーラが勝利すれば南米での左派政権樹立の動きが続くことになる。
【コメント】
 南米最大の民主主義国での選挙結果が注目される。

3.ウクライナはドンバス州で領土回復
【記事要旨】
 プーチンによる4州併合宣言の1日前にドンバスの要衝リマンをウクライナ軍が奪回し、ロシアの主張する4州の「国境線」すら確定していないことを世界に知らしめた。ロシアでは追加徴兵でも混乱が起きており、ハバロフスク州では数千人の徴兵者の半数が「基準を満たさない」という理由で自宅に返された。徴兵を逃れ国外脱出も続いている。
【コメント】
 1944年7月サイパン島の陥落を機に、東条英機内閣は総辞職した。この時に日本が敗戦を受け入れていれば、特攻隊の悲劇も日本本土への爆撃・原爆投下も避けられた。プーチン政権はちょうど総辞職直前の東条内閣のように見えるが、決断するのはロシア国民だ。

その他:
カブールでの自爆テロ
The Associated Press found that as many as 52 people died in a suicide bombing last week in Kabul, more than twice the Taliban’s official count of 25. (まだ続いている)
トラス首相は富裕者優遇の租税政策を転換
Liz Truss, Britain’s prime minister, reversed plans to cut tax rates on high earners, after her proposal sent the British pound into a tailspin.

(不人気な政策を撤回。トラス政権は立ち上がりからふらついているようだ)
アントニオ猪木死す
Lives lived: Antonio Inoki, a Japanese wrestler who faced Muhammad Ali in an anticlimactic stunt match in 1976, later became an unlikely diplomat. He died at 79.
(タイムズに報道されてうれしい。ご冥福を祈りたい)

2022年10月4日 火曜日

世界の動き 2022年10月3日 月曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「原油価格下落」
 WTI原油が80ドルを下回った。各国での金融引締めで景気の減速感が広まっているからだろう。ロシアのウクライナ侵攻で世界的にエネルギーが逼迫する見込みで価格が急騰したのがウソのようだ。日本の貿易収支にはプラス。原油ファンドを持っている個人としてはマイナスだ。

ニューヨークタイムズ記事
1.インドネシアのスタジアムでの悲劇
【記事要旨】
 土曜にインドネシアのマランのスタジアムで観客がフィールドに乱入し125人が死亡し多数が負傷した。警官が観衆に催涙弾を発射したことにより観衆が一斉に逃げようとしたことによるもの。FIFAが禁止ている催涙弾を使用した警察への批判が強まる。インドネシアでは以前からサッカーを巡る暴動が問題になっていた。
【コメント】
 暴動の引き金になったのは「地元で無敗のチーム」が敗れたことで、その決勝弾を放ったのはビジターチームの日本人選手だ。報道では6人の日本人選手がインドネシアリーグで活躍しているそうだ。日本人選手が活躍するのはどこの国であれ嬉しい。

2.ブラジルは国政投票
【記事要旨】
 かつて左派政権を率いたルーラ・ダシルバ元大統領が現職で右派のボルソナロ大統領を上回って優位に立っている。ボルソナロ陣営は投票への懸念を表明し選挙結果を認めない動きを取る恐れがある。アマゾンの森林の減少を食い止めることができるか選挙結果が注目される。
【コメント】
 ボルソナロはトランプと同じ行動を取って大統領職に執着するだろう。そうなったらブラジル国民はどうするだろうか。

3.パキスタンの洪水は農民の借り入れ負担を増す
【記事要旨】
 小農民の多くは、地主から収穫で返済する形で多額の債務を負っている。今年の収穫は出来ず、水が引かなければ来春の収穫の小麦の作付けも出来ない。水害の原因は氷河の融解とモンスーン性の豪雨だ。いずれも気候変動によるものと専門家は語る。
【コメント】
 パキスタンは大変なことになっている。特に貧しい農民は苦境だ。

その他:
リチャード・リューは和解
Richard Liu, a Chinese billionaire, reached a settlement with Liu Jingyao, a former University of Minnesota student who had accused him of rape. The case has been seen as a landmark in China’s struggling #MeToo movement. (結局はお金で決着ですか。。)
米国は中国に南太平洋で対抗
The U.S. and 14 Pacific Island nations signed a broad partnership agreement last week designed to counter China.
ブルキナファソで再度クーデター
Burkina Faso has weathered its second coup in ten months. Yesterday, the army officer who seized power in January conceded that he too had been ousted by mutinying soldiers. (この辺では武器供与を通じロシアが影響力を増している。)

2022年10月3日 月曜日

間近に見たことのある有名人

 昨日、アントニオ猪木さんを間近に拝見した経験を書いた。
 今日は、私が街で間近に見かけた有名人3人について書いてみたい。3人とも海外での話しだ。

 まずは、ヘンリー・キッシンジャー。1991年頃。ニューヨーク・パークアベニューの洋品店に私が入ろうとすると彼が出てきて、鉢合わせした。がっしりした小柄な体躯で、身長は私165cmと同じくらいだった。眼光鋭くあたりを見回して歩き去って行った。ウクライナの和平について話していたのを数か月前にみた。現在99歳だが、まだ、頭はしっかりしているようだった。彼の提唱する占領地域はロシアへ譲って停戦するという案はウクライナから完全に拒否されている。

 次は、チャールズ・ブロンソン。猪木さん夫妻を見かけたのと同じ時に(1979年頃)ナッツベリー・ファームでやはり私たちの数人前にいた。あのざらっとした顔つきだった。誰と一緒にいたか記憶にない。男性用化粧品のCMで有名だったころだ。ブロンソンも、体躯はほぼ私と同じくらいだった。いま調べると、2003年に81歳で亡くなった。後年はアルツハイマー病で苦しんだそうで、死因は肺炎だ。鉄人も病には勝てなかった。

 最後は、ロッド・スチュアート。1991年ごろっだと思う。マンハッタンの53丁目を歩いていたら、数メートル前を歩いていた。かっこよかった。ステージそのままに細いパンツをはいて派手なジャケットを着ていた。美しい女性と一緒だった。現在は77歳で、写真を見ると容貌は滅茶滅茶衰えている。寄る年波には勝てない。私もそういわれないように頑張りたい。

2022年10月2日 日曜日

アントニオ猪木さんのこと

アントニオ猪木さんは二度実物を見たことがある。

一度目は1979年にカリフォルニアのナッツベリーファームで。当時私はUCLAに留学中で、休日に有名な巨大遊園地を家内と訪れた。確か「砂金すくい」の列で、我々の数人前に倍賞美津子さんと二人で並んでいた。猪木さんは巨大な印象はなく、背の高い好青年というイメージで、お二人は仲の良いカップルに見えた。

二度目は猪木さんが挙行した2014年8月30(土)、31(日)、『インターナショナル・レスリング・フェスティバルin平壌』(柳京・鄭周永体育館)で。日本からの総勢40人ほどのツアーに息子と二人で参加したのだ。会場に入る猪木をめがけて日本人ファンが集まった。VIPとして警備陣に囲まれていた猪木さんは足を止めて息子との写真撮影に気さくに応じてくれた。猪木さんの人脈をしても拉致被害者問題の解決が進まなかったのは残念だ。

今これを書くにあたり猪木さんの入場テーマ曲『炎のファイター INOKI BOM-BA-YE』を聞いている。YouTubeにBGM用に1時間以上流れ続けるものがありとても仕事がはかどるのだ。

「ボンバイエ」とは、コンゴのリンガラ語で「奴をやっちまえ!」を意味する「Boma ye(ボマ・イェ)」が訛ったもので、もハメド・アリがコンゴの首都キンシャサでジョージ・フォアマンと戦った際の、観客からの声援に由来している。アントニオ猪木とモハメド・アリは、1976年に日本武道館で開催された「格闘技世界一決定戦」で対戦。後に猪木の健闘を称えたアリから『アリ・ボンバイエ』が贈られ、猪木のテーマ曲にアレンジされて現在に至るのだそうだ。
https://www.worldfolksong.com/songbook/sokkuri/inoki-bombaye.html より引用。

人生100年時代にしては79歳は若いが、完全燃焼の一生だった。ご冥福をお祈りしたい。

2022年10月1日 土曜日