世界の動き 2022年10月4日 火曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「景気対策」
 またぞろ30兆円規模の「思いきった」景気対策が必要と叫ばれている。景気対策すなわち財政出動だ。過去30年間財政出動を繰り返した結果何が起こったか?日本のGDPは横ばいのままだ。必要なのは思い切った景気対策ではなく、思い「切った変革による起業家精神の高揚」だろう。戦後輝かしい星として世界市場を席巻した家電、鉄鋼、造船、自動車企業が疲弊しており取って代わる企業が見つからない。新しい成長企業を育てなければ、いくら財政出動しても日本経済は浮上しない。

ニューヨークタイムズ記事
1.インドネシアで怒りが高まる
【記事要旨】
 土曜日に地元チームの敗戦を契機に起きたスタジアムへのファンの乱入に対して警察が催涙弾を発砲したため出口に殺到した観衆125人(うち33人は子供)が死亡した事件を独立調査委員会が調べ始めた。催涙弾を発射した18人の警官が聴取され署長を含む9人が職務を停止された。スタジアムの出口は2か所しか開かれておらず観衆が殺到して圧死した。ジョコ大統領の政権下で警察の横暴は見逃され、汚職も広がっている。
【コメント】
 催涙ガスを簡単に発砲されてはたまったものではない。逃げ惑う際には皆同じ方へ、出口へ、向かう群集心理が働く。日本でも静岡の花火大会で多数の観客が圧死する事件が起きた。事件の原因究明は公表されたのだろうか。

2.ブラジル選挙の行方
【記事要旨】
 一回目投票では左派のルーラが48.4%を右派のボルソナロが43.23%を獲得し10月30日の決選投票に進む。ブラジルが抱える、環境破壊、広がる飢餓、経済不振、貧富の拡大と言った問題に二候補の取組は正反対だ。ボルソナロは数か月簡にわたり電子投票システムの不正を根拠なく訴えており、自分が負けた場合は結果を認めない恐れがある。ルーラが勝利すれば南米での左派政権樹立の動きが続くことになる。
【コメント】
 南米最大の民主主義国での選挙結果が注目される。

3.ウクライナはドンバス州で領土回復
【記事要旨】
 プーチンによる4州併合宣言の1日前にドンバスの要衝リマンをウクライナ軍が奪回し、ロシアの主張する4州の「国境線」すら確定していないことを世界に知らしめた。ロシアでは追加徴兵でも混乱が起きており、ハバロフスク州では数千人の徴兵者の半数が「基準を満たさない」という理由で自宅に返された。徴兵を逃れ国外脱出も続いている。
【コメント】
 1944年7月サイパン島の陥落を機に、東条英機内閣は総辞職した。この時に日本が敗戦を受け入れていれば、特攻隊の悲劇も日本本土への爆撃・原爆投下も避けられた。プーチン政権はちょうど総辞職直前の東条内閣のように見えるが、決断するのはロシア国民だ。

その他:
カブールでの自爆テロ
The Associated Press found that as many as 52 people died in a suicide bombing last week in Kabul, more than twice the Taliban’s official count of 25. (まだ続いている)
トラス首相は富裕者優遇の租税政策を転換
Liz Truss, Britain’s prime minister, reversed plans to cut tax rates on high earners, after her proposal sent the British pound into a tailspin.

(不人気な政策を撤回。トラス政権は立ち上がりからふらついているようだ)
アントニオ猪木死す
Lives lived: Antonio Inoki, a Japanese wrestler who faced Muhammad Ali in an anticlimactic stunt match in 1976, later became an unlikely diplomat. He died at 79.
(タイムズに報道されてうれしい。ご冥福を祈りたい)

2022年10月4日 火曜日